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鈴木寛文部科学副大臣記者会見録(平成22年12月9日)

平成22年12月9日(木曜日)
14時00分~14時50分
文部科学省 記者会見室
教育

鈴木寛文部科学副大臣記者会見映像版

平成22年12月9日(木曜日)に行われた、鈴木文部科学副大臣の定例記者会見の映像です。

鈴木寛文部科学副大臣記者会見(平成22年12月9日):文部科学省(※YouTube文部科学省チャンネルへリンク)

鈴木寛文部科学副大臣記者会見テキスト版

副大臣)
特に私からはございません。

 

記者)
それでは、OECDのPISAの結果についてお伺いします。日本は今回、特に読解力の順位が非常に回復するという良い結果になっています。これは文科省の読解力強化のプログラムや活動が功を奏したということも報道されています。御感想をお願いいたします。

 

副大臣)
文部科学省のというよりも、それぞれの学校現場、あるいは地域を含めた、あるいは公民館、家庭、そうした子どもの学びの現場でですね、大勢の方が熱意を持って、そしてそういう工夫を持ってですね、子どもたちの成長発達に御尽力をいただいたと、そういうことだと思います。やはり、私は読書、朝読をはじめとする読書習慣が増えたということは大きかったと思いますが、しかしまだ読書も諸外国に比べますと、もっともっと読書習慣、読書活動を好きになってくれる子どもが増える余地はございますし、それからもう一つは、結局はそういう朝読とかでレベル1、レベル2の人が、レベル3、レベル4に上がったということと、それからレベル5がですね、前回はもとより2000年と比べても相当伸びているわけですね。これは、いわゆるPISAショックという中で、特に教育に関心の高い層が、あるいはそういう御家庭が、より様々な教育のチャンス、あるいはそういう環境作りに力を入れられたと、こういうことだと思います。今後の課題ということでありますが、今のレベル5が増えた、レベル1、2が増えたということの中で、やはり残された最大の課題というのはレベル1未満がですね、読解力で申し上げますと4.7パーセント、韓国はそこが1.1、フィンランドが1.7ですから、やっぱりここが最大の課題だと思います、今後の我々が留意すべきこととしてはですね。したがって、そういうところにですね、きちんと公教育が、少人数学級の充実、きめ細かな指導ができる体制の強化ということでしっかり向き合って、手を差し伸べていかなければいけないということが一つあると思います。それから加えまして、中身、内容でありますけれども、これも皆様方、もう既に御承知でありますけれども、読解力の中で「情報へのアクセス・取り出し」というところは最上位グループであったわけでありますが、「統合・解釈」、あるいは「熟考・評価」といった部分はですね、まだ伸びしろがあると。こういったところは、やはり先進事例でありますフィンランド、あるいはカナダといった、まあカナダのメディアリテラシー教育とかですね、フィンランドの演劇教育といいますか、読解教育といいますか、そういった点について工夫をしていく余地があると思います。ここは結局、読書でインプットしてですね、そこで自分なりに温めたものを外にアウトプットすると、そしてそれをお互い交換すると。そういう意味で、やはり協同学習とかですね、総合的な、そうしたグループでの、何か表現とか、そういうことだと思いますので、私どもが進めてますコミュニケーション教育の重要性ということが、この「統合・解釈」、「熟考・評価」を伸ばしていくという意味でも極めて重要であると、こういうことが今回の結果からも裏付けられたのではないかなというふうに思います。これからも、フィンランドやカナダ、そうしたところと情報交換しながら、一方で私たちのやっている良い点もですね、お互いにシェアをしながら、共に読解力教育の充実をできると。そんなことがやれていけば良いのではないかなというふうに思っています。

 

記者)
今回のPISAの結果でですね、初登場の上海が3分野においてですね、ダントツの1位ということになりましたけども、いろんなデータが出ていまして、低レベル層がですね、下位層がですね、割合が低いですとか、いろんな傾向が見られますが上海から何かもし学ぶというかですね、取り入れられる部分があるとすれば、どういうところだとお考えでしょうか。

 

副大臣)
上海の件は、もう少しいろいろ調べてみる必要があると思いますが、上海の場合は一方でですね、どういう就学状況になっているのかということがありますので、しかも国ではなくて上海という地域だけのということですので、少し取り扱いが違ってくるというふうに思います。私は、日本も30年前、40年前を思い起こしてみればですね、高度成長期の中で学力を向上することがイコール経済的な幸せに直結すると、そういう社会状況下での学びへの意欲というもの、あるいは動機付け、社会に向けた動機付け、こういったところを、ですから20年前、30年前、40年前の日本を回顧し、そこに戻ろうと言ったところで、これはあまり現実的な話ではございません、と思っています。したがって、あまりアジア諸国の中での順位をいちいち議論するということはあまり生産的ではないと。むしろ、韓国もですね、なお一人当たりGDPを見ればですね、我が国の半分程度と、こういうことでありますので、むしろですね、成熟社会であるにもかかわらず非常に成果を上げているフィンランド、カナダ、ニュージーランド、オーストラリアと、こうした成熟社会における学びの動機付け、それから成熟社会における、そして文化や価値が多元化、多様化する中でですね、しかしその中で学力、あるいは読解力、あるいは数学的、科学的リテラシーの重要性ということをしっかり位置付けてですね、そしてそこを取り組んでいると、こういうところはお互いに、それぞれの持っているノウハウや経験や知見を共有しながら、共にですね、成熟社会における学びの充実という点では大いにコラボレーションをしていきたいと思っておりますけれども、あまり歴史的な背景、状況、発展段階というところの違いを横において、単なる数字だけを比べるということは、あまり私は生産的ではないというふうに思いますし、一方でですね、今回、それを数字に落とし込んでみますと読解力レベル5以上の人数というのはアメリカが40万人で、日本が16万人ということであります。そういう意味で言えば上海は2万人なんですけれども。レベル5以上の、これはOECD34カ国中に占める日本のパーセンテージというのは12パーセントです。数学も科学も11とか13とか、そういう数字にあるわけでありまして、それが一つこれからの人類社会の発展にですね、貢献するであろう、そうした15歳をですね、世界の1割強、我が国が育ててきていると。むしろ問題は、この後の高等学校、大学、大学院という中でですね、その素材をつぶすことなく、きちんと開花させているのかどうかと、こういうことではないかなというふうに思っておりますし、特にこうしたレベルの児童、生徒というのは、どうしたって国際的な活躍、活動ということが当然想定されるし、期待されるわけでありますので、そういう意味でですね、世界をリードする人材としてどのように羽ばたいていただいておるかということを、今申し上げたフィンランドやカナダやニュージーランドやオーストラリアの、もちろんここにはアメリカとかも入ってくると思いますけれども、当然フランスとかドイツとかですね、そういう国々と一緒に考えていこうと。そもそもOECDの調査の目的というのはですね、そういう人材を、それぞれの国のノウハウを持ち寄りながら、OECDを中心とする若手人材をどういうふうに、正にケイパビリティを花開かせるかと、こういう目的でやっているわけでありますから、そのように、その趣旨に沿って今回のことをしっかり受け止めて、更に生かしていきたいというふうに思っております。

 

記者)
関連してお尋ねします。日本がですね、OECD諸国に参考にしてもらえる点、どんな点があると思いますか。

 

副大臣)
情報へのアクセスや取り出しということはよかったわけであります。それから、成熟社会においてもですね、やや退潮傾向にあった読解力について歯止めがかかったと。これは明らかに読書ということでありますから、やはり読書というのは重要だということは、これは万国共通の経済の発展段階、社会の発展段階等々にかかわらずですね、読解力にとっては必要だというメッセージになったんではないかと。もちろん、これからOECD主催の様々なフォーラムや意見交換の場がありますので、そういう中でですね、私も時々混ぜていただきながら、文科省はもちろんそのメンバーですから、議論を、お互いに意見交換していきたいと思いますが、まず今のところのデータで言える話というのはそれだと思います。

 

記者)
それに関連して、先ほどの、トップレベルの層が世界で活躍する人材、それをつぶさないためにというふうな御表現でしたが、そうすると、いわゆるレベル、下位層の方の学力というのは、やっぱり公教育が支えて上げてあげる必要があるけども、上の方というのは、やっぱり、いわゆるその公教育の、あるいは違った形でやっぱり伸ばしていかなきゃいけないという考え方でよろしいんですか。

 

副大臣)
ですからレベル5が、読解力でいうと16万人いるわけですね。数学でいうと25万人います。アメリカは40万人ですから、アメリカが40で日本が25万と。正に日米というのは、そういう意味で二大、そういう人材輩出国である。そういうポテンシャルを持っていると。科学で言うと、アメリカが37万に対して日本は20万ですから、やっぱりそういう意味では世界の未来を作る人材は、やはりこれからも米日、そしてこれからはアジアというのは出てくると思いますけれども、しかし、その重要な極を担うということは間違いないというふうに思っておりまして、これは、それこそ高校以上ということはですね、それぞれいろんな、その子どもたちが持った個性というものをどういうふうに花開かせていくかということですから、今、高校の在り方研究検討会を始めたり、あるいは大学の改革ということを始めております。リーディング大学院なんていうのもそういう話だと思いますが、そういうところで、これだけの、15歳レベルで言えばですね、米国と並ぶ輩出をしているわけですが、必ずしも社会に出る段階ということになると、そこが今申し上げたような相場感じゃないと思いますね。まあ、何を数字でも取るかというのは難しいと思いますが。であれば、15歳以上のところに、やはり何か解決すべき課題があるんだろうというふうに思います。もちろん、アメリカは世界の大学ですから、世界中から人材が集まるということもありますけども、そういうところで高校の在り方、あるいはそれぞれの生徒に着目した指導の在り方ということは、これは高校以上の公教育の在り方については、これはもちろん検討すべき事項はあろうかと思います。しかし、この15歳のレベル5の人たちが、どういう要因でこの高い学力を獲得したのかと言えばですね、これは率直に申し上げて、それは様々な複合的な要因でこういうことが達成されているんだろうと。2000年から見ましても4ポイント弱増えているわけですが、あるいは2006年から比べても4万人ぐらい増えているんですね。2006年は11万7千人が、2009年は16万2千人ですから、4万5千人ぐらい増えているわけです。この4万5千人は誰の努力かと言えば、御本人であったり、御家庭であったり、あるいはその児童生徒が通う学校の、やはり御努力、多分まあ、そういう意味では社会総がかりということなんだと思いますが、いうことなんだというのが普通の理解、一般的な理解だと思います。そういう中で、やはり、私はやっぱり韓国に大いに見習うべき点があるとすればですね、繰り返しになりますけども、レベル1未満が日本に比べて優位に低いと、4分の1ぐらいですから。で、レベル1とレベル2もやっぱり少ないですよね。だから、レベル1未満、レベル1、レベル2が優位に少ないというところが、やっぱり韓国はさすが見るべきところがあると。そこはやはり、じゃあ、そのイメージしたときに、そこを担っているのは誰かというのは、それは韓国の公教育であるわけで、韓国もいろいろ教育がありますが、家庭教育も民間教育も公教育もありますが、その層を主として責任を持っているのは、それは公教育であるというふうに想定ができるわけです。現に韓国はですね、2005年に税制改正を行って、内国税の割合、それまで12、3パーセントだったんですけど、内国税の2割、20パーセントを教育に当てると。プラス教育税というものがあって、2005年に地方教育財政交付金が23兆7,367億ウォンでありましたが、2009年には32兆6,511億ウォン、実に2005年から2009年に対して137.6という伸び率でですね、充実をさせていると。そうしたことがですね、今から10年前ぐらいは、日本と韓国がかなり教師一人当たり児童数とか、一学級の規模ということで、OECDの中でその2国が劣悪な条件に置かれていると言われてきました。この10年間、韓国は非常に御努力をされて、特にこの5年間ですね、2005年以降のこの5年間、一挙に教育費を2005年比137.6パーセントということで、そして公教育の充実を図られたと。そこで質のみならず、いろいろなコミュニケーション教育の充実だとか、あるいはICT教育が担える教員だとか、そういう教員の質と数ということの充実のために予算増をもって取り組まれたと、そういうことが、このレベル1未満、あるいはレベル1、レベル2の、非常に改善というところにつながっているのではないかということでありますから、そこは我々として、やはりきちんと見習っていくべきは見習っていきたいというふうに思っております。

 

記者)
それと関連してなんですけれども、やはり今回は読解力が上がりましたし、あと数学的と科学的リテラシーもですね、やや向上の兆しが見えたんですが、こういったことをですね、さらにこれから回復傾向をですね、本物にさせていくためにも、教える先生にもですね、そういった活用型の学びといったものに対するですね、指導力といったものが求められると思うんですが、この辺りのですね、能力向上に向けたですね、在り方についてどのようにお考えでしょうか。

 

副大臣)
やはりですね、あの分厚い資料を皆さん御覧になったと思いますけども、シンガポールや韓国は、明らかにパソコンの利用と学力との間に相関があります。そういう意味で言えば、特にレベル1とか2とか、ここは想定になりますが、相関があるというのはもうデータに出ているわけでありますが、想定になりますけれども、ある種基礎的な反復、そうしたことについて言えばですね、それができなければ、それは基礎の充実というのは重要なんですけども、そこの点はシンガポールや韓国はですね、やはり参考にすべき点があるんじゃないかと。そして、そのことを十分に使いこなせる人材というものの育成や確保ということを、やっていると思われるという話でございます。それから、もう一つ、さっき申し上げた総合とか解釈とか熟考とか評価というのはですね、これは皆さんも想定していただいたら分かると思いますけれども、情報編集力ですよね。記者の皆さんというのは情報編集力のマスターたちなわけですけれど、やっぱり、かなりそのコミュニティで先輩から一つ一つ、手取り足取り。ですから、読書はまあ良くなったと、しかし、これは、書いて、それを基に議論して、そしてまた書いてと、こういう繰り返しをしていくということが読解力、あるいはリテラシーを上げていく王道ですね。あんまり、これ以外はないと私は思います。それは皆さんの方が直感しておられると思いますが。そして、それはやっぱり一人一人の作文をきちんと、かなりマン・ツー・マンに近い形でですね、指導していかないと、そこについて、ああ、こう書くんだと、ある種伝授の形で、そういう筆力というのは付いていくもんでありますから、そういう意味ではですね、そういう指導ができる人材ということになりますと、指導する方の筆力も相当ないとですね、これは駄目でありますし、また、そういう濃密な議論、熟議をファシリテートすると。今、話し合いとかですね、そういう授業もモデル校では行われておりまして、そういうところに携わっておられる先生は非常に実力があるなと思いますが、それをどうやって全国津々浦々の教員たちのレベルを上げていくかということになると思います。そうしますと、やはり専門能力を持った教員というものを、かなり集中的に育成してですね、そして、その人たちを軸として、それぞれの学校現場にそういう力を伝授していくということは、これはかなり戦略的、系統的に考えていかないといけないというふうに思っています。しかしながら、京都市の読解科とか、世田谷の日本語科とかいうような取り組みの中でですね、世田谷の場合はあそこのパブリックシアター、三軒茶屋のですね、そういうところとの連携とかいうのはやっていますので、そういうノウハウの蓄積というか萌芽はありますから、これをどうスケールさせていくかというか、広めていくということなんじゃないかなというふうに思っております。

 

記者)
改めて、平成10年の学習指導要領の改訂でですね、学ぶ中身を大幅に減らしたことについてはですね、どのようにお考えでいらっしゃいますか。

 

副大臣)
学習指導要領のことは、私は、学力との相関の関係上ですよ、学習指導要領というのはいろんな意味でいろんな重要な要素を含む、大変大事な政策上の体系の根幹にあるということについての重要性は、私は全く否定しませんし、大変大事なものだと、学習指導要領を思ってますけれども、私もいろんな現場を見てきていますが、学習指導要領を変えたらですね、上がるとか下がるとかですね、そんな単純なものでは、子どもの学力というか、児童生徒の学力というのはないと。あくまで学習指導要領に基づき、教科書で、教材なども使い、最終的にはその教師の教師力でもって教えていくと、こういうことであります。そういう中では、かなり有効性の高いメソドロジーとしては、それはやっぱり読書量、読書習慣ということは、それはあると思いますけれども、世間でいろいろ言われているような学習指導要領が増えた減ったということがですね、PISAの結果と全く相関がないということは申し上げません、世の中の方向性とか、そういう社会の機運ということの一つの表れとしてですね、方向が沿っていくということはあると思いますけどもね、そんな単純な話ではないと。それは、よく言われているのが、フィンランドの学習時間というのはですね、必ずしも長くないと。しかし、フィンランドは高いと、それは何なんだと。そうすると少人数学級であったり、それから京都市の読解科がフィンランドメソッドに学んでますけども、やっぱりフィンランドで行われている少人数だからこそできる学び合い、教え合い、話し合い、そして最後に必ず、教科書の単元の最後にはですね、これを劇にしてみましょうということで、総合だとか解釈だとか熟考だとかということを友達と一緒にやっていく。そして、フィンランドの場合は読解科を指導されている大変有名な先生が、女性の先生がいらっしゃってですね、その先生が他の教師に対して、そういう伝授といいますか、ノウハウのシェアということを一生懸命やっておられると。やっぱり、そういうことを総合的に見ながらですね、やっていくと。それから、ずっと私は申し上げてきましたが、フィンランドはですね、大人の読書時間が圧倒的に多いんですね。あるいは人口当たり公立図書館の数というのもですね、日本の10倍あります。そういう意味では、フィンランド社会全体が、やっぱり読書習慣というものが大人も含めてできていると。だから子どもだけ本を読めと言ったってですね、それは駄目なわけでありまして、やっぱりリテラシーが高い、あるいはソーシャルリテラシーが高いというのは、やっぱりそこも踏まえたですね、洞察力というのを、大人も含めて社会全体が持っていくということでありますし、カナダでずっと行われてきているメディアリテラシーというのもその一環だと、こういうことだと思います。

 

記者)
話もつながるようなあれなんですけども、校長先生の研修を来年度から始めましょうと。いわゆる校長先生のマネジメント能力を上げていきましょうということだと思うんですけれども、PISAとの関係でもやっぱり、新しいことを始めるには、やっぱり校長先生が率先してやって地域を巻き込んでいくということも必要だと思われますが、結局、来年度から変える、その研修の方向性とかですね、中身とか、あとどういうことを目的にしてやられるのかというのを教えてください。

 

副大臣)
結局、コミュニケーションというのは生き物であります。正に読解力というのは、そういう生きた、生のコミュニケーション、そして全部TPOでコミュニケーションというのは変化していく。そうしたことに対応できていくということの力だということだと思います。じゃあ、そういう子どもたちを育てていくためにはどうしていったらいいかというと、学校自体がそういう毎日様々な営みが起こる、正に生き物であってですね、様々なことが、良いことも、心配なことも、懸念すべきことも、いろいろなことが起こるわけですね。そうした、非常にダイナミックな組織体である学校というものに対して、そういうことをよく分かって、そしてそれの中できちんとプロデュースができるということが、やっぱり新しい学校の校長、リーダーである校長には求められるということだと思います。11月30日のたたきのたたき案でもですね、要するに、単に法令遵守しているかどうかということを管理監督するという校長、管理職ではなくてですね、むしろ、学校コミュニティが持つ多くのリソース、人的なリソース、文化的なリソース、歴史的なリソース、様々な正にソフトパワーにつながるリソースを活用して、そしてそれをうまく組み合わせて、正にそれはマネジメントする、プロデュースする力だと思いますけども、そういう情報編集力というのがですね、校長にこそ求められると。情報編集力の高い校長によって導かれた、プロデュースされた学校は、非常に学校コミュニティ全体として、教員集団として、学校コミュニティ全体として、そういうものが高くなると。そういう環境で学ぶ子どもたちというのは、結果として情報編集力も高くなる、コミュニケーション能力も高くなると、コラボレーション能力も高くなると、こういうことだと思います。そういう意味で、校長像というものをですね、ここでかなり抜本的に変えていくんだと、そういうメッセージを我々は出したいと思います。では、そのことを、そういうコンセプトに基づいて、じゃあ具体的に校長のロール、役割というのはどういうふうに変わるんだということを示していくために、来年度から教員研修センターでまずですね、モデル的に校長のそうしたマネジメント型といいますか、プロデュース型の校長及び管理職のですね、そういう研修をまず試行的に、そういうカリキュラム、養成コースというものを作っていきたいというふうに思っています。これはかなり実験的にといいますか、トライアルだと。そこで年に2回ぐらいあると思いますので、そこの、今カリキュラムなどを関係者の皆さんと一緒に作っていこうと、こういうことを進めておりまして、これはやりながら走りながらということになると思いますが、そこである種の、今後の想定とすれば、専門免許(学校マネジメント)と、こういうことになるんだと思いますが、それのたたき台が出来ていけばですね、それを今度は教職大学院等々にですね、広げていくと。今も現職教員が教職大学院に来てますから、そういうところでのコースワークに生かしていただくと。当然、教員研修センターでのカリキュラム作りの中にも、主要な教職大学院の方々にもですね、お手伝いをいいただいて、そして、それがまずは第一弾、教員研修センターでやるけれども、次は教職大学院の幾つかでですね、学校マネジメント、学校プロデュースで自分のアイデンティティを確立していこうという教職大学院におかれては、そういうことが広がって深められていくと、そういう流れを作っていければいいなあと、今、考えていると、こういうことでございます。

 

記者)
その、「たたきのたたき」とおっしゃいました、たたき台のたたき台というような、11月30日の特別部会の審議経過報告ですが、その審議の中でですね、わずか6回の審議でとりあえず出したという感じでなかなか内容が荒っぽい。三段階に免許を分けるという案も出ましたけれども、今後の見通しとしてですね、いつ頃までに、この方向性でいくのかどうかというのも含めてですね、実現するとしたら、どれぐらいの先をお考えなんでしょうか。

 

副大臣)
「たたきのたたき」ということを申し上げました。これまでゼロベースで諮問をさせていただいて、御意見をとにかく伺いたいと、こういうことでやって参りました。意見を言うにしても、何か言うべきものがあった方がいいんじゃないかということもあって、粗々ではありますけれども骨格のところを「たたきのたたき」としてお示しをさせていただいたと。早速いろんなところから、これまでも私の私見という意味ではですね、いろいろな学会やフォーラムでも申し上げて参りましたけども、これを一応、中教審の場で議論をいただいたということで、一つフェーズが上がりましたし、もちろん私もこの半年の中でいろいろと御意見を聞いて、反映できるものは反映をしたつもりであります。また今までと違った層のですね、そしてある種の体系というものを初めて、我々お示しをいたしましたので、その真意というものが今までよりは、全貌としては明らかにできたのかなと。それに対していろいろなコメントが寄せられておりますし、今まで断片的に、初任というか新卒のところだけが強調されたりして参りましたけども、諮問の中では言ってきましたけども、18歳から60歳までの全体ということと、それから一人のスーパーマンの教員を作るという発想を卒業して、これまでは望ましい教師像ということでですね、もう何でもできる教師像というのをイメージしてそれを作るんだということですが、そうじゃなくて、チームとしてですね、教員集団として、そしてそれをサポートする縁側の、そういうボランティアの皆さんや、あるいはそれを支える教職大学院のプロの皆さん、そういうことも含めてですけども、そういうチームとしての教員集団で、それぞれが得意なものを持ち寄りながらお互いいろいろ支え合い、かばい合いながらということで、18歳から60歳までの良い教員集団を作っていくんだと。そういう意味ではトップマネジメントの校長、プロデューサーとしての校長、そして専門としての中堅ですね。さっきの読解力を教えたらピカイチと、あるいは数学を教えればとか、そういう人、あるいは生徒指導だとか、進路指導だとか、あるいはメンタルなケアだとか、そういう様々な中堅専門集団がいて、そしてその人たちが若手にいろいろ伝授していくと。しかし、若手もそういう中で大事な、教員集団全体に活力を与える、あるいは学校全体に活力を与える大事な存在としてですね、自らも学びながら、しかし子どもたちに対しては、あるいは学校コミュニティとしては中核的な存在として頑張ると、こういう全体の、これから変わっていくべき学校のイメージ。その中で学びも、これまでは文部科学省の言ってきたことの、ある種、ノルマを果たすという、法令を遵守しながら、それを管理監督をしていくと、こういうことでありましたけど、そうじゃなくて、もっとインタラクティブで、きちんとカスタマイズができてて、コラボレーションができててと。要するに、個別と協働という軸をちゃんと、それこそ、それぞれの子どもたちの学びや成長をデザインできたり、学級というものをデザインできたり、学校というのをデザインできたりという意味で、新しいイメージやコンセプトということを前面に出しながら、ではそのためには養成をこういうふうにしていかなきゃいけないという、初めてストーリーというものを、オーソライズした形でお示しをしたと。ここから、いよいよ議論が本格化していくということだと思います。政策コンテストでもそうでしたが、学校現場、あるいは教育現場から直接文科省や政府にいろいろ意見を言うという、何かそういう良き習慣というか文化が少しずつ出てきつつありますので、これについてもですね、いろんな議論が沸き起こっておりますし、これが出ましてからまた熟議の開催要請といいますか、ここでやります、あそこでやりますと、だったらここで来てくださいという、もう私の体が幾つあっても足らないうれしい悲鳴の状況になってますので、これをベースにまたいい熟議が行われる。武蔵野の方だったと思いますが、教師熟議というのもですね、何か行われるというような話も聞いてますので、こういうことを別に慌てることなく、しかし遅滞することなく一歩一歩進めていくと、こういうことだと思います。今まで無理解、まあ我々が全貌を出してなかったから当然なんですけども、断片的な情報と間接的な情報伝達によっていろいろ御心配、御懸念をされてた関係者の皆さんもですね、我々がきちんと直接の形で全貌を示したことによって、何と言いますか、いらぬ御懸念というものはなくなったと。あとは本質論についてきちんと議論していくということだと思います。もちろん実現についてはいろいろと、もちろん解決していかなきゃいけない課題というのは当然あるというふうに思ってまして、それの洗い出しなどもしっかりしていきたいと思っています。

 

記者)
副大臣のお考えで、例えば何年後までに、何年以内に実現できたらという。

 

副大臣)
これはですね、いろんな項目が入っているわけですよね。あるものは10年ぐらい必要だと、最終的にかかるものもあるし、さっきちょっと校長MBAの話を申し上げましたけども、すぐに着手できることは一杯あります。あるいは、もう既に着手しているものもあります。そういうものを加速していくこともあります。教職大学院なんかはいろんなグッドプラクティスがもう既にあるわけですから、今回のこうした報告、たたき台に基づく議論でもって、そうしたことを加速していこうという声は出ていますし、教職大学院の現場からもですね、これを受けていよいよこういう温めていたプロジェクトを本格化させようと思ってますがいいですかみたいな話があって、どうぞと。こういうことがありますから、これも全体の体系という話になりますが、しかもそれは予算でやるべきこと、いろいろな規則改正によるもの、あるいは法律改正によるもの、あるいは教育振興計画などで位置付けていくもの、様々です、これも。トータルパッケージとしてありますので、そういうことをこれから、この構想を更に熟度を増すとともに、これの実行プランについての落とし込みということをこれからやっていくという話だと思います。できることから暫時、適切なタイミングとスピードでやるということです。

 

記者)
先週ですけども、朝鮮学校の関係者、生徒を含めた関係者が、文科省に対して無償化制度適用の審査を開始してくれるようにという要望を提出されたと思うんですが、再度、改めてお伺いしますけれども、審査開始のですね、条件とそのスケジュールに関する見解についてお聞かせください。

 

副大臣)
これは総理の御指示ということでありますから、再開ということについても総理の御指示と御判断と、こういうことになると思います。そして、その理由の中で、要するに緊急事態が発生して動静を見守る必要があるということが停止の条件であります。なかなか文部科学省だけでですね、緊急事態によって起こっている現下の状況、今後予定されている様々な演習などをはじめとする活動、ここの全貌というのは残念ながら私どもは分かりません。恐らくそういうことによってですね、この緊張の度合い、展開というものも変わってくるんだろうというふうに思いますので、そういったことを総合的に情報収集をし、かつ、すべての情報を知り得ている総理においてですね、総合的に判断されて御指示があるのを待つと、こういうことだと思います。

 

記者)
医師不足に関連してなんですけども、6日に医学部入学定員77人増員する計画というのをですね、大学設置・学校法人審議会の方に諮問したんですけれども、その77人ということでですね、今年度は360人拡大したんですけども、その77人についてですね、副大臣、どのようにお考えになっているか、医師不足に対する影響ということをちょっとお伺いできればと思うんですけども。

 

副大臣)
今回は特にですね、現場の御意向というのを、これまでももちろん最大限尊重して参りましたけれども、現場がどのような可能性と御希望を持っているのかということを率直な形で御意見を伺って、そしてそれに自然体で対応させていただいたと、こういうことでございます。昨年は、例えば研究医養成だとかですね、歯学部の振り替えだとか、そういう新しい枠組みを我々は提起するということ等でですね、対応いたしましたが、今回は、去年作った枠組みの中で淡々と処理をさせていただいたと、結果が77人だったということであります。去年が300ですから、今年はですね、それに比べればかなり数字的には少なくなっていると。これが一つ、現在の医学部のキャパの増強というところが、もちろんまだ伸びしろがゼロだというつもりはありませんけれども、去年の、あるいは去年、今年で、今のキャパシティ、キャパシティというのはハードのキャパシティもあるし、そういう教員のキャパシティという両方のことですが、そこでやれるだけのことはおやりをいただいて、そして、それがだいたいマックスに近づきつつあるのかなあというふうな受け止めてでございます。したがって、そういう状況も含めてですね、今後、医師養成の在り方について、しっかりと、抜本的に検討をしていくということだということであります。

 

記者)
医学部新設に関して有識者会議を年内にもという話があったかと思うんですけど、その辺の進捗等はいかがでしょう。

 

副大臣)
新設にかかわらず、養成の在り方全般ということではありますけれども、年内に検討体制、スケジュール等々に何らか発表すべく、今、最終の人選調整をしております。及びスケジュール調整、ちょっと年末にかかりますので、主だった先生方の年末年始といいますか、12月、1月の御予定を伺っておりますので、最終的なタイミングについてはちょっと分かりませんが、人選という意味で申し上げると最終段階ということでございます。したがって、近々、発足についてはですね、年内に発表できるのではないかというふうに思います。

 

記者)
PISAの件でもう一点だけ、学習指導要領の改正に関する件なんですが、平成15年に一部改正があり、平成20年に新しい次期指導要領が出された。この影響というのはですね、今回の結果に何らかの影響を与えたというふうにお考えですか。

 

副大臣)
平成20年改訂が今回の影響を与えたかと。

 

記者)
そこで示された、何ていうんですか、意識というんですか、今後の方向性、そういったものはあまり関係ないと。

 

副大臣)
というか、学習指導要領改訂に至る様々な議論というのはありますよね。それは当然、学校現場に影響は与えてますよね。学習指導要領自体の本格実施はこの4月からですから、そういう意味では、小学校について、この4月からですから、その影響は関係ないわけですね。だけど、そういう議論が正にされているさなかであったことは事実でありますし、それからいろいろ学力調査をやりましたと。その中で、各都道府県のイニシアチブで少人数学級の先行的実施だとか、そういうことが行われました。それから、少人数学級、あるいは新学習指導要領対応のための加配というのはですね、去年もかなりやりましたし、そういう意味での、新学習指導要領の本格実施に向けてのいろいろな準備が行われたことは事実であります。ですから、機運と準備と体制の強化と、それから都道府県による先行的な取組ということはですね、それはあると。そういうことを含めて社会全体の、都道府県の御尽力もということも含めてですね、社会全体の、いわゆるPISAショックによって我が国の学力を社会総出で、総ぐるみで何とかしていかなきゃいけないということだったと思います。もちろん、その議論の中に学習指導要領の改訂の議論もあったとは思いますけども。

 

記者)
政策コンテストの評価結果が出まして、少人数学級はBだったんですけども、奨学金などC評価もありまして、それが今後の予算編成に与える影響ですとか、文科省としての立場、意見等をお伺いできますか。

 

副大臣)
奨学金についてはですね、実需、本当に奨学金を必要とする学生に対する影響というものはないような予算編成をしていかなければならないと思いますし、そのようにしていきたいというふうに思っております。幸い、金利動向等々の要因がありますので、我々の希望、あるいは実需に沿った予算編成をしたとしてもですね、これは幸運にも金利動向が良好、この観点からすると良好なので予算編成は何とかできると思っています。

 

(了)

 

お問合せ先

大臣官房総務課広報室

-- 登録:平成22年12月 --