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中川正春文部科学副大臣記者会見録(平成22年9月21日)

平成22年9月21日(火曜日)
11時05分~12時05分
文部科学省記者 会見室
教育、科学技術・学術、文化、その他

キーワード

独立行政法人、研究開発法人の見直し、科学技術投資、美術品の国家補償、デジタルコンテンツの利活用、外国人に対する日本語教育、宇宙政策

中川正春文部科学副大臣記者会見テキスト版

 

副大臣)
たった1年でお別れの会見をしなければいけないというのは残念で仕方ないですけれども、本当に有り難うございました。まだ、次のポストは正式には公表されていないですけれども、国会に戻って最前線で頑張ってくるということになると思います。改めて、今、この大事な時期に、国民の目線で何を国としてやっていかなきゃいけないかという、そのコンセンサス、新しい政治の形を作っていくということをやっていきたいなと思います。それで、せっかくの機会をいただきましたので、是非、私自身が取り組んできたプロジェクト、それから、これから課題として、将来に期待をしているんですけれども、新しい笹木副大臣に継続して完成させていただきたいと思っているプロジェクト、それからもちろん政府としてマニフェストを中心に、また新成長戦略も含めてですが、トータルで進めていかなければいけない、その道半ばであるという、そんなものも少し整理をしてお話をしたいと思います。そんな中で、是非フォローしていただいて、国民も参加する形でですね、文部科学行政を進めていただければ有り難いかなと思いますので、よろしくお願いいたします。

まず、全体としてですが、1年目は川端チームの中で、マニフェストの最大課題の一つであった高校の無償化という課題に取り組みました。あと、残っているのは、先ほども新大臣の会見でお話が出たように、学校の先生の資質と、それから数を増やしていって、先進国の中で予算規模からすると、もっと教育に投資をすべきだという現状の中で、そうした整備を中心にしていくということ、あるいは奨学金制度も貸付ということだけでなくて、取り切りの奨学金制度を大学院レベルまで持ち上げていって、大学の無償化に近い形の制度を作っていく、そんなことが、これから教育の分野で取り組まれていくと思いますので、しっかり新しいチームでもフォローしていってほしいと思います。特に、私の取り組んできた分野というのは、科学技術、それから文化、あるいは国際的な関連分野でありました。そんな中で、まず科学技術なんですが、本当はですね、全体の科学技術の戦略をどう作っていくかということですね、特に総合科学技術会議の見直し、それから宇宙についても戦略組織をどう立ち上げていくかという課題があったんですが、ここ1年ではなかなか、それに本格的に取り組むということはできませんでした。ですから、是非、新しい体制の中で、この科学技術戦略の司令塔をしっかり整備していっていただくということ、これは大切だと思いますし、そういう思いの中で新しい体制も動いていくと思います。基本は、事業仕分けの議論の中でも改めて確認されたことですが、新成長戦略を支えていくにしても、あるいはこの国の未来を作っていくにしても、科学技術に対する戦略と投資というのは、まず一番大事な我が国の要素の一つであるということ、これが確認できたということだと思います、この1年で。それを改めて形にしていくということだと思います。同時に、独立行政法人、研究開発法人の見直しがありまして、一つは研究開発法人、これを皆さんも関心を持っておっていただくように、新たな形で見直していくというプロジェクトが、ずっと進んでいます。これを文部科学省発、政府のトータルの政策として仕上げていくということであると思いますので、これは鈴木副大臣も中心になって進めておっていただくということでありますので、ここ1、2年の間にですね、そうしたトータルな形を作っていくということだと思っています。私自身は就任してから、特に科学技術の基礎研究から応用研究に至る道筋の中で、「明日に架ける橋」というプロジェクトを起こらせて、ここに投資される資金の多様化ということに取り組んできました。これについては、今、いわゆる今年の予算要求の中で、経済産業省、あるいは産業革新機構、厚生労働省と一体になって、文部科学省の資金多様化に向けてのプロジェクトが予算化されまして、概算要求の中に組み込まれております。特に、その具体的な一つの成果としてはJSTと産業革新機構ですね、経産省の、この二つの協定ができまして、で、目利きの方をJSTがやって、投資分野というのを産業革新機構がやって、いわゆる一番基本の基礎研究から出口に至るイノベーションを、しっかりまず支えていこうと。それで、公的資金を投入して、リスクを軽減しながら民間資金をそこに呼び込んでくるという手法を、これは日本型のベンチャー育成にもつながってくると思うんですが、日本型の資金供給として作り出していこうということ、こんなことが具体的に立ち上がってきておりまして、これについても注目しながら見ていっていただきたいというふうに思います。それから、東アジアの共同体に関連して、特に日中韓で新しい共同ファンド、研究ファンドを作っていこうということになりまして、これも協定の方で、条約の方で、骨子がですね、確認をされているんですが、具体的な実現に向けてこれから取り組んでいただくということになっておりますので、こうしたこれまでのODAを中心にした研究支援という形から、中国、韓国が対等なパートナーとして共通の研究プロジェクトを、特に若い人たちを中心に立ち上げていく基盤を作っていく、そのことが、また次の段階に発展をしていく、まあ言わば種といいますか基盤みたいなものになってくるということを思っていまして、そんなことが一つ始まったということがいえると思います。あと、スパコンや、あるいは放射光施設、あるいは原子力関係の、エネルギー関係のですね、施設等々ありましたけれども、こういう大規模な基盤の整備ですよね、これをどういう形でこれから踏襲していくのかということについて、独立行政法人の見直しと同時にですね、一度戦略性を持って考えてみたらどうかということを提起しておりまして、それは、いわゆる第4期の基本計画などの達成に向かってのものとも関連があるんですけれども、私の問題意識は大規模プロジェクト、まあ宇宙もそうなんですが、これをやっていきたい。しかし、これを一つやることによって大量な資金と、それを維持していくためのものというのが固定化されていきまして、パイが限られたものであるとすれば、こうした分野へ向いて投資すればするほど一般の研究費に回っていく資金というのが揺れるわけですよね。あるいは縮小するということになる。ここをですね、あれもこれもという形で今やっていける情勢にあるのかどうかということ。もう少し戦略的に、この基盤をどこを突出させて日本の強みとしていくかということを整理して考えないと、資金が固定化されてしまって本来の研究資金へ回す分野というのが削られてしまうという、そういう傾向が出てきているんじゃないかということを指摘しておりまして、それに向けて改めてこれからの基本計画の中で戦略性を持って整理をする必要があるということですね。これを始めていきたいということを申し上げていたのと、それからもう一つは、この第4期の基本計画から次の5カ年計画の中でですね、アウトカム、いわゆる資金投資をしたときに、実際いつまでに何が実現できるのかということをはっきりさせていくということを指標として出してくることが必要だと。そうでないと、事業評価というのをいろんな形でやっているんですが、3本か4本、総務省から来る、内閣府から来る、あるいは文部科学省の中でも事業評価をやるということなんですけれども、ずっと読んでいると自分の事業を正当化するためにこんなことをやっていますよ、こんな新しい取り組みを始めましたよ、ということがあるだけで成果としてですね、どれだけのものを元々は目標として、基準として持っていたのかというのがはっきりしていないために、その目標が達成されたかどうかという意味での評価になっていないんですね。だから、目標がはっきりしていて、それから成果が出てくるんですが、そこのところが、このアウトカムの目標設定が出来ていなかったために、投資が本当に生きているのかどうかということがはっきりしていないんじゃないかと思えると、こんなことを指摘をしてやっていたんですが、内閣府が、パブコメを踏まえてこういう問題意識の中で年内に議論をまとめていく予定でもありますし、政策評価についても、その手法について、あるいは同じことをあっちでもこっちでもやるんじゃなくて統括した形でですね、しっかりそれが出てくるということのために整理をしなさいということ。この作業も始まっています。それから、文化庁の関係なんですが、具体的な、身近なものからいきますと、例の美術品の国家補償については一応法律にまとめまして、この臨時国会で議論ができるように登録をします、しましたということかな。したんですが、あと予算関連になるかどうかということが財務省との間で議論がありますので、そこを整理した上でこの臨時国会で議論をするか、あるいは来年の通常国会で予算関連として議論をするかということはもう少し先の結論になってくると思います。いずれにしても、50億円以上、1千億円までという枠組みの中で国家補償をしていくということになりました。それからもう一つ、これも仕掛かりで非常に気になっているんですが、デジタル出版物の活用と、それから、これを著作権の整理を前提にしてですね、グーグルと将来この分野で大きな変革といいますか、まあ、もう既に起きていますけれども、が出てくる、そのことを前提にして、日本のビジネスモデルのようなもの、それと同時に著作権の整理ということを手がけていこうということでした。もう御存じのように、総務省と経産省と、それから文科省が副大臣レベルで一緒になりまして、懇談会といいますか調査会の形態で関係者すべて集まっていただきまして議論を進めました。総務省の関係の、一つの規格化というものについては相当整理ができて、そのことについては進んでいます。もう一方、文化庁の著作権の分野についてはまだ課題がたくさん残っていまして、特に出版界ですね、この分野の産業としての在り方、形というものを、全体のデジタル化していく中でどう位置付けていくかということ、これは著作権の整理にもつながってくるんですが、その課題が残っています。同時に、国立国会図書館がもうデジタル化を始めていまして、1960年代までのものについてはだいたい進んできたと。今、これからその後の分野もやっていくわけですが、これについて、国立国会図書館のデジタル化されたデータをどう活用していくかということも整理として残っている。一つこれを活用していくという前提でいけばですね、それが一般の国民にアクセスされるときに様々な権利の整理、いわゆる著作権の整理をしていかなきゃいけないんですが、それを整理するための一つの機構、例えば、レコードで言うJASRACのような機構を真ん中に置いて、それで出版界と著作権者と、それから業界の間の権利調整をしていくとかいうふうなことも含めて、そうした一つのモデルを作り出して、その中で整理したときに、著作権としてどこまで補償していくかというような、そんな話し合いの段階にきています。それを継続してやって、できれば、前に申し上げたように今年中にですね、その結論を得ながら、日本としてのデジタル出版物がしっかり日本の中で活用できるようにしていきたい。で、同時に、日本のモデルを海外に対しても持っていきながら、一つのグローバルなスタンダードを作っていくような、そんな話し合いのテーブルというのを作っていかなきゃいけないんだろうというふうに思いますが、そういうところまで、このテーマというのは持っていきたいというふうに思っています。これをやっている関連もあるし、そんな中でですね、いろんな分野から、戦中、戦後の昭和の時代も含めて、過去からたくさんの文化資産とか、そういうものがある。例えば、テレビなんかのドラマやなんかのシナリオとか、あるいはテレビドラマそのものであるとかいうようなことから始まってですね、それこそ、吉本にある落語や漫才なんかのSP盤ですね、そういうものであるとか、あるいはその他街の博物館で所蔵されているような民芸分野のものとかというようなものは沢山あるんですが、その中で、やっぱり国が中心になって、今、そのアーカイブ化をしていくということをしないと、散逸してしまって大変な文化の喪失になってしまうんじゃないかという提案があちこちから大分出てきています。ということが分かりました。そんなもんですから、改めて、それぞれ関係者にヒアリングを行ってきていまして、その中で国が直接アーカイブ化して保存しなければいけないもの、それから民間のネットワークを使って、それがどこに、何があるかということを分かるようなデータ処理をしながらですね、保存をしていくというふうなこと、あるいは、国がやるにしても、国立国会図書館もやっていますし、ほか、博物館や、いろんな国の機関でこのアーカイブ化というのを取り組んでいるところがあるんですよ。これは全部、全部というか、それぞれ中途半端になっていまして、例えばドラマにしても、NHKは自分の分はやっているんですけれど、民放の分というのはどんどん消失しているというふうなことが分かってきまして、そういうようなものを整理していくための議論というのをやっていこうと。その上で、それぞれ協定をしてですね、連携しながら、このアーカイブについて、国民の財産としてしっかり守っていくものは守っていけるようにもっていこうということを整理をしました。こういう分野も含めてですね、これまで文化庁というのは非常に権威のあるといいますか、そういう専門家をベースにしてそれぞれ文化財の価値というのを守ってきた、非常に、そういう意味では手堅い役所だったんですが、就任してからもう一つ必要な文化庁の行政分野として考えてほしいということで提起をしたのは、こうしたものを生かしていく、日本の文化遺産、文化財産というのを生かしていって、情報発信をして、世界に対してもしっかり貢献していけるような、あるいは日本の存在感というのを新しい形で、よくクールジャパンと言われますが、新しい形で日本の存在感というのがしっかり評価してもらえるような、そういう積極的な責めの行政をやろうじゃないかということで提起してきました。その中に幾つかあるんですが、一つは観光分野なんですけれども、これはちょうど国交省の方で観光プロジェクトが立ち上がりましたので、文化庁もそれに参加をして、今ある文化財というのを観光に活用していくためには何をしたらいいのかということを整理させようということで、この整理が進んでいます。それから、もう一つは、世界のイベントですね、国際イベント、文化についての。こういうものをですね、文化庁も国内に目を向けているだけではなくて、世界に対しても日本で開かれる芸術祭等々を含めて積極的に開催していく基盤を作っていこうということで、これまで国際交流基金が関与していた、例えば横浜のトリエンナレーですか、この辺りも文化庁がやっていくというふうなことを国際交流基金との話し合いの中で整理をしまして、情報発信していくというふうな取り組みも始まりました。これをもっと広げていって、映画分野だとか、デジタル分野、あるいはアニメの分野、あるいは特に新しいファッションとかね、そうした分野についても文化庁が積極的なかかわりを持っていくようにということであります。もう一つは言葉です。これは基本的には、文化庁の中に国語課はあるんですが、日本語課というのがないという指摘をしまして、話を二つ、しっかり整理をしようと。一つは、日本語については、これを国際化していく。海外で日本語を勉強している、あるいはその体制、日本語学習に対する体制というものに対して体系的に日本語の教育システムと、それからその主体をしっかり準備をして日本語を普及していくと。あるいは海外から日本に入ってきた人たちの、外国人のための日本語教育というものと、その日本語教育の体系というものを文化庁が中心になって進めていくということ、これをはっきりさせました。その上で、今始まっているんですが、文化庁の国語課の中に日本語推進室というのを作りたいということで予算要求していますけれども、ここを中心に各省庁、法務省や、それから厚生労働省、あるいは外務省を含めてですね、横断的に文化庁が中心になって関係機関を集めていまして、それに対する対応が今始まっています。それからもう一つは、日本語の教育に携わっている、あるいは現場で日本語教育の開発をしている人たち、この専門家を集めまして推進会議というのを始めて、もう3回ぐらい会議を進めました。その中で中間報告的なものが出てきているんですが、そういうものをベースにして、文化庁が中心になった日本語教育ということを進めていくということになっています。これも、その課題として酌み取っていただければ有り難いと思います。具体的に中川試案といいますか、私がやっていきたいと言って、考えてほしいと言っているのは、例えば海外で教育するにも、点であるんです。あるいは大学間で協定して、点では日本語の学習体制というのはある。例えばこれを面に広げていこうということになると、もっと工夫していかなきゃいけないと思うんですが、例えばインドネシア、ASEANや、あるいは中国、韓国なんかは高等学校で第2外国語で日本語をやっているところが沢山あるんですよね。その現場へ向けて、日本で言う英語教育で使っているJETがありますよね。あのネイティブの英語の学生か若い人たちを高等学校の中に入れて、それで英語教育をしているという、それもネイティブの英語教育をしているということが日本で始まって、もう相当実績が上がってきているわけですが、この人たちがね、例えばアメリカに帰って日本のことを興味持ち出して、もう一回日本のことを勉強して、例えば外交官になってアメリカの大使館で勤めているとかね。そういう効果もある。だから、そういうことを考えていくと逆JETをやったらどうだと。日本の学生、あるいはインディーの人たち、あるいは日本語を研究している人たちに、高等学校、インドネシア、タイやベトナムや、あるいは中国、韓国等の高等学校に入っていってもらう。現場で、そうした日本語のネイティブとしての教育をやって、逆にそういう人たちから、例えばベトナムの専門家とか、インドネシアの専門家とか、海外留学をやって、ベトナムの大学へ行こうという人たちが出てきて、人的な留学生交流を作っていく芽出しにもできるじゃないかと。そういうことを大々的に取り組んだらどうかというふうなことも提案しながらですね、来年の予算の中に、その一部が組み込まれていますけれど、それを全部税金でやるということだけじゃなくて、相手の国と相談しながら民間の資金も含めて活用して、面的にやるという日本方式でやったらどうだとかいうふうなことも併せて具体的に提案しながら、これはずっと進めてきました。留学生の日本語教育に関する懇談会、先ほど申し上げた専門家が集まってきて、日本語教育どうするかというふうなものについては、改めてその中身についてプレス発表があると思います。そうした取り組みを一つ、言葉についてはやっていきたいということ。それから、これは文化庁とは主眼になる課が違うんですけれども、これは教育の分野なんですが、私が就任当初、これも立ち上げたプロジェクトで、同じ日本語で外国人労働者が30万人、40万人、特にブラジルの人たちですが、ニューカマーとして日本に入ってきていて、その子どもたちの教育というのをどうしていくかという、多文化共生でもありますし、定住外国人のコミュニティでの受け入れということについてテーマを掲げて、私の下に懇談会を作って、現場の先生、人たちの話をしっかり聞いて、各自治体もその中に組み込んで政策をまとめてきました。この定住外国人の政策については、先般皆さんにお話し申し上げたとおり文部科学省としての政策の具体化案というのがまとまってきました。で、これを実現をしていくというプロセスに入っていくんで、これも見守っていただきたいというふうに思いますし、それをベースにして内閣府の方で、この定住外国人に対するトータルな制度を作っていこうということで、各省庁副大臣クラスが集まりまして政策のトータル化というか、そういうものをいたしました。これは法務省、厚生労働省、文部科学省、外務省等々、関連のところが集まって、子どもたちだけじゃなくて単純労働で海外から入ってくる人たちのケアと資格をどうしていくかということ、これを整理したところであります。これも方向性が付いたということだけで、この一年、二年で、それを政策として実現していくという段階にきていますので、そういう意味で大事な、ここ1、2年の政策課題というふうに思っています。この文部科学省を離れて、私もこれからもう一つの課題としてこれを進めていくとですね、何につながってくるかというと、この国の開き方ですよね。将来、海外にどう国を開いていくかという基本戦略になるんだと思うんです。移民というものを、どうこの国に位置づけていくのか。少子化ということも見合わせてですね、あるいは産業構造が少子化の中でこれだけ変わってきているということも見合わせて、どういう形態、どういう形で移民というものを定義づけていくのか。基本法みたいなものですね。これをそろそろ議論していかなければならない時期にきているんだろうと思いまして、引き続き、そういう意味では、この問題に取り組んでいきたいというふうに思っています。最後に現場的なといいますか、是非成功に導いていきたいというのは宇宙の問題と、それから原子力のことだと思います。宇宙もだいぶ元気が出てきましたので、一つは、いかにロケット分野がビジネス化できるかということですね。こういう大規模プロジェクトに対して、宇宙だけじゃないんですが、新幹線や原子力というものについてですね、海外に持っていくときに政府トータルでビジネス化できるかということだと思います。これは水についてもそうなんですが、それはやっぱり技術力を高く維持していくということと同時にトータルなシステムが要るんだろうと思います。安全性というものについてとか、あるいは原子力なんかだと、IAEAとの関係で、いかに信頼を得ていくシステムを国内に構築していくかとか、それから、地元の立地のときにですね、立地政策をどう進めていくかとかというような、そういうトータルな分野で日本が貢献していく、それが日本の強みというか、日本のやってきたやり方というか、そういうものが評価されて、初めてビジネスとして整ってくるんだろうというふうに思いまして、そういう意味での流れを作っていかなければいけないということだと思います。これはトータルで、文科省だけじゃなくて、政府全体で取り組んでいくことだろうというふうに思います。それが一つ、宇宙も含めた、他の分野での課題でもあるんですが、それと同時に、さっき申し上げたように何もかも、あれもこれもというのはなかなか予算ということから考えると厳しい状況にある。それでも基本的なことはやっておいて、それであと、例えば有人の宇宙飛行に挑戦していくのか、あるいは惑星探査に挑戦していくのか、あるいは衛星分野で、隙間的なですね、ここは日本の独自技術だというものを開発していくのかというような、そんないろんな選択肢があるんだと思うんですが、そんなものを日本として一番強いところで、そこに集中的に投資をしていくというような体系に、是非していくべきだと思います。それを、やっぱり議論できるネックというか、そういう協議体というのを政府が中心になって、国民の議論も含めながら、参加もしてもらいながら、やっぱり整理をしていくということが必要なのかなというふうに思っています。これが、これからの課題なんだろうと。それから原子力については笹木副大臣が「もんじゅ」の地元でありますので、是非その信頼感の中でですね、頑張っていただきたい。これは、やがて本格的な稼働に入っていきますけれども、それを見守っていただきながら、いわゆる危機管理対応と、それから中のモラルですね、こうしたものを組織としてしっかりしたものにしていくということで頑張っていただきたいというふうに思っています。これからは宇宙と同じことで、これは実証炉に進めていくということなんですが、文部科学省は実証炉までやらずにですね、ここで終わると。あとを経産省に移っていくとかいうふうな、いろんな議論もありますけれども、私はやはり文科省も関与しながらですね、実証炉、どういう形態で進めていくのか、進めていったときに、そのコストと、そこから出てくる物ですね、これが燃料政策の中でちゃんと整合性がとれたものになっているのかどうか。いわゆるMOx燃料との組み合わせの中でですね、これで行くんだと、いわゆる実証炉で行くんだという結論を、もう一回検証しながら議論していくということが大切かなというふうに思っていまして、そんな課題がこれからあるんだろうと思います。同時に、これと同じことなんですが、ITERについても投資をしています、このITER研究について、日本の研究していく貢献と、そのベースをどこに定めていくのかというようなこと、これは恐らくトータルなエネルギー政策の中で、どういうサイクルを作っていくのかということと非常に関連があるし、時間的な経緯の中で整合性をもって整理をしなきゃいけないところなんだろうと思うんで、そんなところも次の副大臣にしっかりと引き継いでいただこうというふうに思っています。あと、まだ、いろいろ手がけて楽しみなこともあるんですが、税制なんかもそうなんですけれどね、いわゆる寄付税制、文科省から積極的に提案していますのでこれも頑張っていただきたいというふうに思っているんですが、そういうこともあるんですが、時間の関係もあって、これをずっとお話ししていると一日中かかるような。この際に、できうる限り皆さんにもフォローしていただきたいということで、ちょっと時間をいただいてお話をさせていただきました。私からは以上です。本当に有り難うございました。

 

記者)
この一年間を振り返られて、副大臣として、最も印象的だった仕事を一つ挙げていただくとすれば、いろいろあって選ぶのは大変と思いますけれども、ちょっと一つあげていただくとすれば何か、お願いします。

 

副大臣)
皆さんとの記者会見かね。最初は、恐らくこれまで官僚の、それぞれの担当者を相手にこういう聞き取りをやってもらっていたんだろうなというふうに思うんですね。そのときの雰囲気というのは、一番最初、私がぱっとここに入ったときに感じられまして、えらくこう、対立的だなと。何かあったら、とっちめてやろうというような顔をしておられたような気がするんですが、実際、それ以降は、ずっとここで会見をしていくにつれて、段々その表情が変わってきたような感じが、私、勝手にですね、思っています。そこが、いわゆる政治的な判断で我々が進めていこうとすることに対して受け止めていただく皆さんのところと、官僚機構の中で説明する部分ですね、一番大事なところが何で説明できないんだというもどかしさとの違いなんじゃないかなと思っていまして、そういう意味では、これからもよろしくお願いしたいと思います。政治は政治分野で、そうした判断を加えながら、自分の思いの中で行政も進めていく、あるいは政治の意思がそこに働くということを理解してもらえれば有り難いなというふうに思います。

 

記者)
官僚、日本の官僚機構を初めて体験されてみての感想というんでしょうか、実際、接してみていかがだったでしょうか。

 

副大臣)
実は初めてということではないんです。我々、野党の時代にもですね、官僚機構には接触があって、その中で丁々発止やってきたということですが、外から攻める立場で官僚機構を見るのと、中に入って一緒に動かしていこうという立場で入るのと、やっぱり違いますよね。改めて、動かしていこうということで、ここに入って感じたのは、やっぱり官僚の皆さんも、下からの積み上げ方式で政策を作っていくということについては、やっぱり限界を感じていたのかなと。どこかでブレイクスルーがほしいと。あるいは、他省庁との交渉の中でですね、ここを連携していけばというところが、お互い政策担当者レベルでは意地を張り合って、どうにもならないというふうなこともあったけれども、これに政治的なブレイクスルーがあって、一つの方向性がびしっと与えられて、その方向性の中で知恵を出してこいと言われるとすれば、そこはやっぱり新しい形で動くんだということだと思うんで、そこについての官僚の皆さんの、何と言いますか、政治が変わったというか、行政の流れが変わったという感じもあったのではないかというふうに思います。私たち、ここに入ってきたときには、マニフェストが、特に授業料の無償化ということをまずやろうということで、ぽーんと入ったわけで、それはもう大臣になって、あるいは副大臣になって、さあ何をしたらいいのというのとは全く違うんですよね。これをするためにこの役所に入ったんだという思いが皆ありますから、それさえはっきりしていればですね、役所の方もそのように機能すると。だから、下からの積み上げじゃなくて上からどんと下りてきたものに対して、どうそれを組み立てるかという形で仕事の流れもそこで変わったのではないかというふうに思います。ただし、ただしですね、それじゃあ、具体的な良い知恵が出てくるかというと、そうした意味では、ちょっと私も、もっともっと勉強しなきゃいけないなという感じはあるんです。その辺は、どういうことからきているかなということなんですが、恐らくこれまでの政権の中で、いろんなことが圧縮されてきた。特に、定員管理やなんかで、予算も、それから頭数もどんどん削られてきてしまったわけですよね。それを、後から検証すると、どういう形で対応してきたかというと、本省人事というのは縮んでも、仕事を外部化する。独立行政法人だとか、公益法人だとかっていう、そういうところへ向いて、政策分野まで外部化してしまってですね、そこでつじつまを合わせてきたと。だから、独立行政法人や、その周辺組織分野というのが、こう膨らんできてしまったというふうなところもあるんじゃないかなということを感じていまして。だから、もう一回やっぱり、本省部分でやる人たちも現場に足を向けて、専門的な知識を裏付けにして現場から出てくる課題というのを直接受け止めて、そこでダイナミックに動かしていくというような組織形態にしていく必要があるのかなということは一つ感じました。そうした意味で、どこまでのことを周辺の独立行政法人だとか、公益法人に任せていったらいいのか、どこまでのことを我々が直接やらなければいけないのかということも整理しなければいけないんだと思いますね。その歯がゆさというかな、ここにいて、役所の担当レベルのメンバーとも話していても、実際は本当にあなた方の言うように現場は動いているのかということですね。そういうことについての歯がゆさというのは一つ感じましたね。それは独立行政法人の見直しのときだとか、あるいは教育分野であれば、地方自治体に統合補助金化して優先順位を任せていくという流れを作っていかなきゃいけないんだけれども、任せていく過程の中で、実際に税金が生きてくる、現場に直結した形でいろんな仕組みが作られていくというようなものも実現できたらなということだと思うんで、そこのところを併せてですね、これからの行政改革の流れを作っていくんだと思ってます。

 

記者)
科学技術への公的な投資の数値目標のGDP比1パーセントという数値目標を明言化するということがありましたよね。それについて、なかなか閣内で理解が得られにくいのかなという印象もあるんですけれども、今度の新しく内閣が替わって、そういった理解が得られそうな見通しはありますでしょうか。

 

副大臣)
私もまた、違ったポジションについてもですね、そこは、そこから援護射撃をしていきたいなというように思います。まあ、堅い話で言うと、ああやって数値目標を作ることでですね、財務省はそれを根拠にして、財政が硬直化するということを言うことから反対しているんですが、もう一方で、海外に対しても、あるいは科学者に対しても、しっかり政府の意思を発信しようと思ったら、それだけの数値化をして、日本はやっぱり科学技術にコミットしていきますよということを外に向かって言っていくということだと思うんです。どの国もそういう演出をしながら科学者を鼓舞して、科学技術に対して戦略性を持っているわけで、そうした意味ではやはり必要なんだということを理解してもらいたいと思います。そんな主張は外にもしていきたいというふうに思っています。

 

記者)
科学技術政策、総合科学技術会議の再編問題、組織の在り方の見直しなども含めてまだ手に付いていない部分がかなりあると思うんですけれども、今までは川端大臣が兼務でしたけれど、今度は分かれて、恐らく、海江田大臣もしばらくは財政の方、あるいは経済政策の方に力点があるのかなと思うのですが、この後はちょっとしばらくは、なかなか進まないんじゃないかという懸念があるんですが、どういう形で進んでいくのが望ましいとお考えなんでしょうか。

 

副大臣)
先ほども会見で出ていましたけれども、菅内閣の中で今すぐやらなきゃいけないこと、一年以内にやらなきゃいけないこと、それから中長期的なことって、それを整理していきたいということですよね。そこは大事だと思うんですよ。今やらなければならないことに全部が集中してしまったら、なかなか科学技術というのはですね、戦略性を持てないというふうに思うんですね。だから、それだけじゃなくて、中長期的な部分についても何をしなければいけないかということを整理していくということですから。それに向かってですね、司令塔についての議論も整理をしてもらうということだと思います。やっぱり戦略ですよね。戦術じゃなくて戦略を作ろうと思ったら、そうした合議体の中で専門家も含めて政治決断をしていくというプロセスが必要だということですよね。

 

記者)
文化庁関係ですけれども、著作権の問題とか、いろいろ難しいテーマに果敢に取り組まれて、いろいろ道筋を作ろうと御努力されたということですけれども、文化庁長官については、副大臣在任中に新しい人がおいでになりました。外務省から、ずっと大使をやっていた方だったわけなんですけれども、既に1ヶ月、2ヶ月くらいたつんですが、いかがでしょうか、文化庁でない人を採用したことについて、どのように評価されていますか。

 

副大臣)
私も就任された以降ですね、じっくりと話をさせていただいて、人となりも、これまでの実績から、まあ世界観といいますか、そんなものも聞かせていただきました。いいと思います。私も、さっき申し上げたように、守りの文化庁から責めの文化庁でということを言ってきた、そのテーマについては、非常に同じような問題意識を持って取り組んでいただけるというふうに思いまして、期待していきたいというふうに思います。さっきの著作権なんかの話についてもですね、これは国際的な、今その動きといいますか、対応なんですよね。だから、いつも日本は、世界でもグローバルスタンダードができて、それを見てどう合わそうかというんで四苦八苦して、特にこういう知的財産権みたいなものについては遅れを取ってきたということもあるんですが、そういうことじゃなくて、日本でシステムを作って、まあ世界中が一つの、例えばグーグルのような企業に情報分野というのは全部支配されてしまうというようなことでは駄目でしょうと。それぞれの国の多様性というのはあって、文化というのは刺激し合うんだというような、あるいは情報というのは刺激し合うんだというような、そういうテーマを持ってですね、日本で組み立てて世界に持っていってもらうというには本当に最高の人じゃないかというふうに思っていまして、そういう意味で、是非期待していきたいというふうに思います。

 

 (了)

 

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-- 登録:平成22年10月 --