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鈴木寛文部科学副大臣記者会見録(平成22年10月7日)

平成22年10月7日(木曜日)
14時00分~14時23分
文部科学省 記者会見室
教育、科学技術・学術

鈴木寛文部科学副大臣記者会見映像版

平成22年10月7日(木曜日)に行われた、鈴木文部科学副大臣の定例記者会見の映像です。

鈴木寛文部科学副大臣記者会見(平成22年10月7日):文部科学省

鈴木寛文部科学副大臣記者会見テキスト版

副大臣)
まず私から冒頭、ノーベル化学賞でありますが、根岸先生、鈴木先生が御受賞をされました。日本人としては17人目、18人目、化学賞といたしましては6人目、7人目ということでありますけれども、我が国の学術研究の水準の高さが国内外に示されたというふうに認識をいたしております。また、このお二人の非常に長年のですね、若い頃からの心血を注がれた研究の成果が今回の世界の賞賛を浴びた、日本国民全体にとりましても大きな誇りと励みになるものでありまして、心から敬意を表する次第でございます。今回の受賞に当たりましては、学術研究が独創的な成果を上げ、高い評価を得るまでには極めて長い時間を要すると。お二人とも1970年代の御業績、30年以上も前のものでありますので、そうした長い時間が必要だということを改めて実感をいたしております。文部科学省といたしましては、今回の受賞も励みといたしまして、引き続き我が国の学術及び科学技術の発展に最大限努めて参りたいというふうに考えております。とりわけ、目下の最大の課題であります大学、あるいは研究機関の教育力、研究力を強化をし、科学技術力で世界をリードできる国を目指すよう総理からも強い指示をいただいているところでございまして、先端的、独創的な研究への支援、更には我々の政権になりまして、特に力を入れております若手研究者の育成といった課題に我々も邁進をして参りたいというふうに思っています。それから、二つ目でございますが、昨日、10月6日、日本貿易会より新卒者の採用活動の見直しについて発表がございました。2013年度入社対象の新卒者から、広報活動を含む全体の採用スケジュールを遅らすべく具体的な検討を行うといったことを始めとする、現下の採用活動についての全般にわたる見直しに取り組んでいただけるということで、御発表がございました。文部科学省としては、極めて高く評価をし、この取り組みについて心から感謝を申し上げ、歓迎を申し上げる次第であります。この問題については、長らく大学教育における現場から課題として指摘をされ続けた課題でございますが、この度、日本貿易会が大変なリーダーシップを発揮していただいて、この個社個社の利益を超えてですね、日本全体の将来を担う若手の高等教育の充実、ひいては付加価値を創造し、そしてグローバルに通用する人材の育成を、この日本貿易会が経団連、あるいはその他の関係団体に先んじてですね、そうした財界、経済界をリードする形でイニシアチブを取っていただいたことについてですね、大変に感謝をし、評価をいたしていることころでございます。私どももこうした議論が、社会全体において効果的な議論になるようということも貿易会は言っておられるわけでありまして、我々文部科学省といたしましても、そうした社会全体の問題意識を深め、議論を深めるということに尽力をして参りたいというふうに思っております。私からは以上でございます。

 

記者)
ノーベル賞の関係なんですが、今回受賞された二人の研究成果は医療品の開発ですとか、工業品の分野で広く活用されているわけですが、一方で、どうしても基礎研究というのは分かりにくい面もあると思うんですが、今回の、いわゆる基礎研究の重要性というのをどう考えるかという点と、もう一つ、ちょうど政策コンテストが控えている中での受賞ですが、予算編成に向けて追い風ととらえるかどうかという、その点をお伺いできますか。

 

副大臣)
2点目の追い風かどうか、どうとらえるかは、正に国民の皆さんが今回のことをどういうふうに受け止められるかということがすべてでございます。ただ、やはり学術研究というのはですね、30年、40年、正に根岸先生は50年間の夢がというお話もございましたが、やはりそうしたスパンで取り組むべきものであり、かつまた、鈴木先生からはですね、そうした何十年とわたるチャレンジをしている研究者は一杯いると。そういう中で、ほとんどの方が日の目を見ることなく研究生活を終えられると。そういう中で本当に、昨日はセレンディピティーという言葉も使っておられましたけれども、ごく一部の方々がこうした成果を上げ、そして、このような世界的評価も受けると。また、ノーベル賞候補でも、この分野だけでも、日本人だけでも10名程度いらっしゃるという分野でありますから、そういう中で、正にこのようなことに挑戦する、要するに30年、40年、50年、正に人生かけて挑戦する方の裾野というものが、いかに、こうしたことに重要かということを改めて、私どもも含め国民の皆さんも、あの両先生方の口からといいますか、お言葉から再認識をさせていただくことができました。そういう意味ではですね、やはり研究開発、あるいはそうした人材の層というのはですね、非常に大事だなと。今回、御受賞をされましたのは根岸先生、鈴木先生でありますけれども、やはり、この有機化学合成の世界で、やはり日本の極めて分厚い層があったということがここにつながっているわけでありますから、やっぱり我が国もそういう分厚い層を作れるかどうかと、これからの重要な分野において。で、下村先生もそうでありましたけれども、何と言いますか、今回は鈴木先生80歳、根岸先生75歳ということですけれども、大体こう、ある年代に集中しておられますよね、受賞者というのは。ですから、要は日本の1970年代における研究、そしてそれを支える産業界と。産学の連携。だから、当時は国も高度成長期でもありました。こういう分野に対する投資ということをしっかりやっていたと思いますし、それから産業界もですね、そうした将来に様々な意味で投資をしていくと、そういう時期だったんだなと、1970年代、あるいは80年代というのはですね。改めて、そのことを思います。したがって、これから30年後、40年後の次の世代からみたときに、2010年代というのがですね、そういう10年、20年であったと言われるように我々は頑張らなきゃいけないなと。2000年代の10年間というのはですね、絞りに絞ってきた、そしてその空洞化、研究基盤の空洞化、人材の空洞化ということが我が国の研究基盤をかなり脆弱なものにしてしまったわけで、我々の政権が、それをどれだけリカバーできるかということが問われていると思います。私たちは、そうした歴史的な視点も持ってですね、きちんと対応していかなきゃいけないなと思っております。

 

記者)
日本貿易会の話ですけれども、とりあえず商社が先鞭(せんべん)を付けたという形にはなりましたが、これからどこまで広がっていくかというのはまだ見えないところもありますが、今後、この採用がどのように広がっていけば、大学、学生の就業力も上がり、いわゆる採用活動が適正化していくのか、どういうふうに思われますでしょうか。

 

副大臣)
商社というのは、我が国の極めて大事な産業で、経済界の中心的存在でありますから、今回の動きは早速ですね、経済界にとっては極めて直接的な大きな影響を与えるというふうに思われますし、そのことを期待していますし、私も経済界の方々とお会いをさせていただいてますが、この動きは非常に重く受け止めておられる、他業界においてもですね、というふうに思いますので、一つの大きな流れはできるというふうには思っています。と同時にですね、やっぱりこの動きがきちんと定着をするといいますか、現場に受け止められて、しっかりとした取組になるためにはですね、やはり学問というのが大事だということを日本の実業界、産業界がやはり認識をしていただく、深めていただく、あるいは我々はそのための努力をしていくということが必要だと思います。つまり、先月、文部科学省で調査をいたしましたが、プロダクト・イノベーションが調査15カ国中最下位という非常に残念な状況にあります。その理由はなぜかというアンケートに対して、やはりプロダクト・イノベーション、あるいはイノベーションを担う人材がいないと、こういうことであります。あるいはグローバル化についても調査国中、非常に低位にあるわけですけども、いずれにしても、やっぱり問題は人材の問題なんだと。そうすると我が国の経済がですね、再び成長をするためには、特に非連続なイノベーションであるとか、あるいはグローバライゼーションといったことに本格的に取り組んでいかなきゃいけない、それはもう、ひとえに人材だということです。しかも、やはりこの非連続なイノベーションというのは、原理、原則、基礎、基本と、そういう基礎的な理解、あるいは新しい付加価値を創造するということについての基本的なものの考え方、取り組み方、こういった基礎力といいますか、基本力といいますか、それが学問なわけですけれども、そういう意味で、我が国の成長、発展、進化と、これは経済、社会、両方ですけれども、そのために学問というのは大事なんだという認識をですね、実業界、並びに政府部内もしっかりともう一回、改めて共有をし直すということ。それから、一方で大学界もですね、もちろん時間はかかるかもしれないけれども、最終的には、それが30年後かもしれない、50年後かもしれないけど、やはり、この世の中のため、社会のため、人類のために貢献をする人材と知を作っていくんだという、その志をもう一回立てていただいて、そしてですね、大学教育で培ったもの、それは教養も含めてですけれども、教養、専門能力、専門知識、人間力、その総体、トータルなものがですね、大学の卒業生のほとんどは実業界にいくわけですから、その実業界で真にお役に立てる、付加価値を創出できる、そしてそれを仲間、チームメートの皆さんと一緒に、そうした付加価値を生み出せると、そういう人材をちゃんと育成をするんだと、そのためのカリキュラムになっているのか、あるいは、そのための教員の体制になっているのかということを、大学側ももう一度改めて振り返る必要があります。で、やはり、就職活動の早期化を是正してもらって、ちゃんと3年生、4年生、しっかり大学で学ぶと。やはり結果、これまでの学生と、それを改善した後の学生とではやっぱり質的に変化していると、よくなっているということを、やっぱり産業界に実感をしていただくように、むしろボールは、私は再び大学に投げられたと思っております。これからの大学界のそうした取組、もちろん大学だけでできる話ではありません。産業界の御協力もいただかなきゃいけないし、そうしたことに政府もドライブをしていくということを含めてですね、取り組んでいくということがあって、今回の見直しがきちんと生きた世の中の改革につながるものだというふうに考えております。

 

記者)
昨日ですね、日本医師会がですね、先日の厚生労働省の必要医師数実態調査を踏まえまして見解を発表したんですが、そこで必要なのは医師の不足を解消することではなくて、偏在の解消をしていくことと。新設、医学部の新設に関しては反対するという見解を表明しました。副大臣のこの問題に関する、その見解に対するですね、お考えをお聞かせ願えますか。

 

副大臣)
基本的には日本医師会の見解というのは、従前からこういう御見解だったと思います。民主党としても、あるいは、この度の参院選はほぼ各党が同じ問題意識をしていると思いますが、医師の偏在、当然問題であります。医師の偏在は、地域偏在、診療科偏在、これは解決をしていかなければいけない。それをやるというのはこれは当然でありますし、そのことは医療界と、それこそ社会総がかりでですね、そういうことをやっていくと。このことは、もちろんそのとおりだと思います。だからと言って、数のことを議論しなくていいのかということにはならないわけで、要するに議論もないまま30年間きてしまった。偏在の問題も認識はされながらも、何ら対応が行われなかった。そのことが深刻な医療崩壊というものを招いたわけでありまして、この議論の延長線上ではまた二の舞を繰り返してしまうというふうに思っています。と同時に、私どもも医学部定員の増員ということの是非、在り方については、もちろんこれはマニフェストでお約束した話でありますから検討をいたしますし、それから、新成長戦略でこれまでも申し上げていますけれども、研究医療人材とかですね、国際医療人材とか、この度のノーベル賞もやはり医薬品の開発ということにもつながっているわけでありますけれども、そうしたことも踏まえて医学部定員の在り方というものは検討すると。ただ、結論が何か先にあってですね、それをどうこうすると、こういうことではございません。医師会の御主張も一つの御主張としてよく勉強をさせていただいて、しかし、それ以外の様々な声も同時に大事な御主張として勉強させていただいて。そして、今回はですね、今回はというのはこれまでの2、30年と違ってという意味ですけれども、やはり様々な立場の方々の意見を、やはりきちんと耳を、いずれの御主張にも傾けてですね、そして、それぞれの御主張を更に熟議していただいてですね、そして真に必要なことというのがどういうことなのかと。恐らく、すべてのことが悪循環になっているわけですから、これはいつも申し上げてますけど、好循環にしていかなければいけませんと。で、好循環にしていくためには、やはり関係する者が、同時に様々なことをですね、正にシンクロナイズして、医療現場の改善にコラボレーションをしていかなければいけないわけです。したがって、医師の偏在是正か定数増かと、こういう、この何て言うか二項対立の話ではなくて、それは両方必要なことを必要なスピードで、必要な分行うということに尽きるわけですから、あとはそれがどの程度の現状になっていて、どのような可能性があるのかということをですね、何て言うんですか、正に淡々と検証と検討をしていくと、こういうことだと思います。で、一番大事なことはですね、我々の政権においては患者さん、地域住民、そうした生活者視点といいましょうか、その視点に立って何が大事かと。もちろん、すべて関係者は大事なんですけれども、最終的な価値判断をどこでしていくのかというと、この国のすべての国民の皆さんが健康で文化的な国民生活を送れる、そのことのための医療提供体制を確保するという観点から、最終的には判断をしていきたいということでございます。

 

記者)
その議論の場となる会議とか、有識者会議とかですね、いつ頃を目途に設置したいというふうにお考えでしょうか。

 

副大臣)
今年中にはですね、人選も終えて、その検討の場ですね、検討の場。あくまで、これまたですね、定数を増やす増やさないだけを議論していてもしょうがないんで、やはりそこには養成の在り方とかですね、そうしたこの、医師の養成、正にこれも数の問題と質の問題と、それからその中のいろんなタイプといいましょうか、いう問題と、いうことも含めて、広範な議論と検討の場をですね、設けていくために、今年中にはそうした場を立ち上げたいというふうに思っております。これはマニフェストでもお約束をしていることでもありますし、国会の各党、各派からもですね、そういう御意見等々が上がってきていると認識をしておりますので、そうした国会の声にも十分耳を傾けていきたいというふうに思っております。

 

(了)

 

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大臣官房総務課広報室

-- 登録:平成22年10月 --