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中川正春文部科学副大臣記者会見録(平成22年7月21日)

平成22年7月21日(水曜日)
15時43分~16時06分
文部科学省 記者会見室
文化、その他

キーワード

平成23年度概算要求、文化の海外発信

中川正春文部科学副大臣記者会見映像版

平成22年7月21日(水曜日)に行われた、中川正春文部科学副大臣の定例記者会見の映像です。

中川正春文部科学副大臣記者会見(平成22年7月21日):文部科学省

中川正春文部科学副大臣記者会見テキスト版

副大臣)
予算の本格的な議論に入っていきますので、この機会にできるだけ現場を歩いて、今、何が課題になって、どういう取組をそれぞれ具体的にやっているかということをしっかり理解したいというふうに思っています。今日は放医研に行きまして、その前は理研、JAXA等々、こうした研究開発法人を中心にしっかり議論して参りました。そんな中で、今、一つ感じていますのは、世界の最先端を目指して、あるいはもう既にその位置付けにあって、今日の放医研の重粒子でがんの治療体系を作っていく取組なんかは正にそうなんですが、非常に意欲的に取り組んでいるプロジェクトが幾つも走っているということです。これに対して評価をしていきたいと思いますし、そこで日本が新たな成長戦略の具体的な取組も含めて様々な絵が描けるんではないかという思いを募らせています。その上で、もう一つやっぱり工夫しなければいけないと思うのは、民間の企業のそうした技術開発と、それから国の研究施設、あるいは大学もそうだと思うんですが、そうした施設との協力関係ですね、それと同時に民間の資金をもっとこうした研究施設に取り込んで、例えば創薬などは海外の研究施設や大学へ向けて相当積極的に投資をして、海外からの技術を、今、吸収しようというプロジェクトが進んでいるにもかかわらず、日本のそうした芽出しというか、日本の研究機関の中で様々な先端的な研究開発が存在するにもかかわらず、そこへ向けてしっかりとした投資意欲なり、あるいはリスクをそこで一緒にシェアしていきながら開発していくインセンティブというのが非常に欠けているのではないかと。そこのところは、もっと連携を取りながら、具体的なビジネスモデルに作り上げていくという努力が必要なんじゃないかということを感じています。そこのところをどう解決していったらいいかということですが、いわゆる何が欠けているかということなんだと思うんです。具体的にいろんな皆さんの話を聞いていると、一つは研究機関の方は、非常に純粋ですから、論文を書いて、それで自分の仕事が完結したという方が非常に多いということでありまして、そこで出てきた研究成果を具体的なものにつなげていくということを、誰かがコーディネーターとして真ん中に入って、産業界のニーズとそれをマッチングさせて、ぐーと引っ張り上げていくというような仕組みを研究機関の方で作っていくという努力が必要なのかなということ、これが第一点です。それからもう一つは、企業の方も、昔は中央研究所で完結して自分の企業秘密、あるいは独自の技術革新というのもあって、それを中心にやってきたという部分も多いんですけれども、最近の経済状況からいくと中央研究所自体にクローズドで投資していく限界も見えてきているということもあるので、逆に国内の大学だとか研究機関に目を向けて、そこのところでリスクを計算していける、リスクを計量できるというか、それなりのリスクマネージメントができる体制を作って投資していただく、ある意味ではオープンな研究施設を自分の企業の研究施設として活用していくというようなインセンティブを企業の中に作っていくという活動といいますか、仕組みというか、そんなものが必要なのかなということです。企業のサイドと研究機関のサイドの両方で工夫を重ねていく必要があるんだろうというふうに思っています。そんなことを感じながら、今、現場を歩いています。具体的なスキームといいますか、仕組み、システム作りというのを是非考えていきたいと思っています。

 

記者)
昨日の閣僚委員会で概算要求基準の骨子が決定されましたけれども、科学技術関係費GDP比1パーセントという目標達成に向けて、今後どのように取り組んでいく御予定でしょうか。

 

副大臣)
文部科学省の政務三役の総意といいますか、思いとして、これまで新成長戦略の中でも、あるいは概算要求のプロセスで、アクションプログラムの中でも、やはり1パーセント、4パーセントというのはしっかり確保していくべきだということを主張し続けておりまして、これからも頑張っていきたいというふうに思っています。

 

記者)
具体的にどう頑張っていくんでしょうか。

 

副大臣)
それが必要だという論拠ですね、それをしっかり作り上げていくということです。これまで、特にこの分野は日本の成長の原点であったということは、国民的なコンセンサスがあるんだというふうに私は思っています。どこかの新聞で取り上げていただいたようですが、具体的にそれをどう実現していくかというのはいろんな議論があってしかるべきだけれども、日本が科学技術によって、これからもこの国の戦略を基本的に作り続けていくということについては間違っていないということ、これは一つあると思うんです。もう一つは、事業仕分けで皆さんにももう少ししっかり説明しなきゃいけなかったと思うんですが、いろんな取り上げ方の中で、日本は科学技術に対する投資を縮減するんじゃないか、あるいはこれから全体のシーリングということもあって、あるいは事業仕分けの取り上げ方ということもあって縮減していくんではないかというふうな誤った報道がなされまして、私も後でそれぞれ皆さんに、その反応といいますか、これは日本の国内だけではなくて世界的なということなんですが、世界的な科学者のコミュニティからそうした受け止め方をされたということもありまして非常に危機感を持ちました。それに対しては、政府として、あるいは文部科学省として、そういうことはないんだ、科学技術に対する投資は日本の国家の意思としてしっかりやっていきますよということと同時に、更に戦略的に中身は精査して、政府資金といいますか、税が生きる形で見直していくというのはもちろんのことですけれども、そういうことを前提として投資を続けていきますというメッセージは、やっぱりここで出す必要があるんだろうという思いがあります。更に言えば、周辺諸国、特に中国だとか韓国だとか、あるいはアメリカ、ヨーロッパもそうですけれども、科学技術については非常に積極的に投資を伸ばしているという事実もあるものですから、そういうことも含めて、しっかり意思表示をしていくということ、その意思表示をするためには、やっぱり目標として数値化をするということが大切なのではないかということ、こんなことをベースにして、しっかり論点を組み立てていきたいというふうに思っています。

 

記者)
今後のプロセスにかかわると思うんですけれども、具体的には誰に対して要求をして、誰が策定するという形になるんですか。

 

副大臣)
まず、概算要求の組替えで表現されていますように、私たちが文部科学省の中で、まず重点的に投資していかなければならない分野というのをはっきりさせていくということ。それは、マニフェストという政策の最優先課題を前提にしてですが、それが一つ。それから逆に、ここは見直してもいいだろう、あるいは廃止してもいいだろうということを、削減する部分、あるいは廃止する部分もはっきりさせていくということ、一律にカットとか、一律にアップとかというような話ではなくて、そこのところのメリハリを、まず私たちのレベルでということは、文部科学省の三役を中心にした判断の中でしっかりまず洗い出すということだと思います。それを前提にして概算のベースを作るわけです。7月までということになっていますけれども、それがトータルで上がっていって、もう一回省庁横断的にトータルな戦略の中で総理のリーダーシップ、あるいは官邸を中心にして戦略的にもう一回組替えをするというプロセスになるんだと思うんです。そのように理解しています。

 

記者)
文化の海外発信ということについて伺いたいんですが、経産省が6月にクール・ジャパン室というのを作って、日本文化の海外発信というのに力を入れていこうと動き出しています。イギリスでは、ブレア政権において、クール・ブリタニアということを言って、要するに政権全体として文化の海外発信を強化していったり、それが海外市場の開拓だったり、ブランド力の強化だったり、それと同じことを韓国でもやっていまして、キム・デジュンさんが文化大統領宣言ということで97年頃から国を挙げて文化発信をすることによって産業全体が活性化するという、サムソンとか、韓国のメーカーのパワーアップにもつながっているといわれていて、そういった中で文化庁が当然、文化発信ということも担当していると思うんですけれども、これまでの文化庁を中心とした取組についてはどのように評価されているのかということと、課題があるとすれば今後どういったふうにしていけばいいのかということ、見解があればと思いまして。

 

副大臣)
我々が政権交代するまでの話については、どういうことであったのかというのはあなたの方がよく知っているんだろうと思うんで、そのように評価していただいたらいいと思うんですが、新しい政権になって、一つは国交省の方で観光ということを主体にした一つの戦略を作っていこうということの中で、クール・ジャパンを各省庁横断的に取り上げて戦略を作ろうということがありました。それと同時に、私自身の問題意識として、文化庁のこれまでの行政はどちらかというと守りというか、文化を保存していく、それをじっくり生かしていくというところに重きを置いた行政だったのかなという評価なんです。それを思うと、逆に攻めの文化行政というか、文化発信をして、それが観光に結びついたり、地域の産業化に結びついたりしていって、私たちの新しいライフスタイルの中にそれが拡散されていくというか、そういうような形の文化行政というのもあってしかるべきなんじゃないかと、それが欠けていたんじゃないかという思いがしまして、攻めの文化行政という思いを込めて行政を出発させていたという経緯がありました。そんな中で、クール・ジャパンについても、特に文化庁としてはメディア芸術ですね、この分野を問題意識として発展させていこうということで取り上げてきました。経産省と違うところは、経済産業省はこれをビジネスモデル化して産業に結びつけていこうと、海外にそれを展開していくものを作っていこうということですから、それに対して我々もしっかり協力していきたいと思うんですけれども、そういう産業分野の観点なんです。私たちは、メディア芸術というのをもう少しベーシックにとらえて、メディア芸術を発展させるためのプラットフォームを作っていこうと、これは人材育成ということと、それが発表される機会を作っていこう、あるいはアーカイブ化されていくような仕組みを作っていこうという観点で政策を、去年の予算から入れ始めました。それを一言で言えば、「ハコモノからソフトへ、あるいはヒューマンへ」ということで、メディア芸術を一つの目玉にして仕組みを組んできたということです。具体的なメディア芸術のデジタルアーカイブを作っていくということでソフト支援していくということ、あるいは優れた若手のクリエーターやアニメーターの育成などを支援していくということ、それから、できれば海外から日本のメディア芸術を勉強していきたい、あるいは留学してそれを学びたいという人たちに対する場を提供していくとか、あるいはそれに対しての仕組みを作るとかいうようなところも含めて総合的に取り組んでいきたいと思っています、それが一つ。もう一つは、そうしたことをやっていますよということを海外に対してしっかり広報していく、あるいは何らかの形で具体的なプロジェクトを組んでいくということについても、経済産業省とは別に様々な取組ができるんだろうと思いますので、そういうことも含めて考えていきたいと思います。そのためには、恐らくもう一つ、メディア芸術に関連したクリエーターの集団というか、発信源というか、そういうものも作り上げていかなきゃいけないのかなということです。そんな組織作りについても、今ちょうど検討を始めています。もう少ししたら発表できると思います。そういう取組をしております。

 

記者)
政権交代しても、省庁の縦割りというのもあって、国交省、外務省、経産省、文化庁、それから知財本部、それぞれがやってきたということで、なかなか連携がうまくいかなかったという部分が、やはり政府全体としては課題としてあるのかなというふうに思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。

 

副大臣)
これまではそうだったと思うんですが、今は、それぞれ事務方もそうですし、私たち三役レベルでも連携してやっています。さっきの経産省のコンテンツについては私たちの方で協力していくという体制をとっていくべく、事務方で連絡会議みたいなものを調整しながらやっています。

 

(了)

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大臣官房総務課広報室

-- 登録:平成22年07月 --