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中川正春文部科学副大臣記者会見録(平成22年5月12日)

平成22年5月12日(水曜日)
15時32分~15時56分
文部科学省 記者会見室
教育、科学技術・学術

キーワード

高速増殖炉「もんじゅ」、日本語教育、宇宙政策

中川正春文部科学副大臣記者会見映像版

平成22年5月12日(水曜日)に行われた、中川正春文部科学副大臣の定例記者会見の映像です。

中川正春文部科学副大臣記者会見(平成22年5月12日):文部科学省

中川正春文部科学副大臣記者会見テキスト版

副大臣)
私の方からは、4月28日から5月6日まで、アジアを中心に海外、特にこれからのアジア共同体に向けて、文部科学省として具体的に何を構築していくかということを中心にした話し合いに行って参りました。訪問国は、中国、韓国、インドネシア、マレーシア、シンガポールということで、少し欲張りまして、後で名刺を数えてみたら120人近くの人たちに会いました。学校も行きましたので、学校の子どもたちを除いての数であります。私どもの方から構想として提案していきたいなと思っていますのは、一つは科学技術の分野で、アジアのリサーチエリア構想、いわゆる共同研究を中心にしながらアジアでの共通課題、特に環境、それから生命科学分野を中心にして共同研究プラットフォームを作っていこうということと同時に、そのベースになる共同のリサーチファンドを、それぞれの国が出し合って作っていこうということを中心に、それぞれの国に提起してきました。実は、まだ確定されていないのですが、今月末辺りで予定されています日中韓のアジアサミットの中でも、こうした科学技術分野、あるいは教育分野等々で、3国の協力によって作り上げていくプログラムについて話し合われていくことを想定しておりまして、特に韓国も中国もそうなんですが、こうした共同研究と共通のファンドを持つことについては積極的な反応がありました。恐らく、それぞれの国々から同じような提起が次のサミットを通じてなされてくるのではないかという期待もありまして、是非、一歩一歩進めていきたいと思っています。。

それからもう一つは、原子力の関連の話です。今回、我が国で、アジアの地域核不拡散セキュリティ総合支援センターを作っていくということを、先般の核サミットで表明いたしました。それについての参加を、それぞれの国々に対して提起してきたということであります。中国では、独自に同じような構想もあるようでして、だとすれば、私たちと協力しながら中身のあるものに仕上げていこうというふうな提案も含めてして参りました。

もう一つ言えば、テロに対する核セキュリティなんですが、特に東南アジアの国々では、セキュリティも必要ではあるのですが、それ以上に技術者、あるいは核に対する科学的な厚みを増していくといいますか、専門家の養成というのが非常に必要なことであるということも確認してきました。例えば、マレーシアでは2021年に原子力発電所を導入したいというふうな構想が出てきていましたし、インドネシアでも、少しそれに遅れた形で導入予定がある。シンガポールでは小型モジュール炉の建設について、積極的な関心といいますか、国として作っていきたいんだということが言われておりまして、それに対して、科学研究についてのトレーニングセンターを日本で作ってくれるとすれば、実はその方が東南アジアにとっては良いんだということ、これまで短期間の研修では何人か日本で受け入れているんですけれども、そういうことを本格的に進めていってもらいたいということで、彼らのサイドからお話がありました。それに加えて、立地ということについては各国も日本と同じように厳しい安全基準と特に国民の理解を得ていく前提というのがありまして、それに今非常に苦労しているということでもあります。そのことについても、日本では既に50基からの原子力発電所が稼働しておりますので、そういうプロセスの中で、成功したことだけじゃなくて、失敗体験も含めて日本の状況というものをしっかり参考にするというスキームを作って、技術と安全性と住民の信頼を作っていくという、トータルな形の中で一緒に原子力を考えていくということをやったらどうかということも同時に提起して参りました。それぞれの国々の積極的な反応を受けて、是非、私たちの政策の中にもそうしたものを反映させながら、各国と連携できるような原子力政策の体系というものを作っていきたいというふうに、今、思っています。

それから四番目には、留学生であるとか、あるいは科学者の交流、あるいは日本語の国際化といいますか、そうした問題について、それぞれの国々のニーズを伺い、それから提起をして参りました。マレーシアに行ったときに工科大学の開設の話が進んでいました。前にマレーシアの首相が日本に来られて、このことを鳩山総理との会談の中で取り上げて話を進められたということがあったんですけれども、私も訪問しまして、向こうの担当大臣との間で、具体的に工科大学の設立について合意したというか、マレーシアとしても資材、土地、建物を提供して、その代わり円借款で資金を貸してほしいということなんですが、そういう話が具体的に固まりまして、今、もう動き出してくるのだと思います。これは何年来のテーマであって、なかなかまとまらなかったんですが、ここでまとまってきたということです。こういうことに象徴されるように、理工学部については東南アジアで非常に大きな期待がありまして、更に日本の大学がこうした形で海外に出て行くという可能性というのは大いにあるんじゃないかと私も思っていまして、そのことについて、私たちの政策の中でしっかりと位置付けしていきたいというふうに思っています。同時に先ほどの日本語なんですが、グローバル30といって、日本の大学の中で英語で完結できるような学部を作っていくということが、12校指定されて日本の国内では進んでいるんですけれども、逆に海外で大学を展開したときに、その展開した大学というのは恐らく英語になるんだと思うんですが、英語と併設して日本語の教育機関というのを置いて、そこから日本語教育のベースを作って、留学生を日本に送り込んでくるというような体系を作り上げている大学も既にあるんですけれども、可能性としては非常に大きな期待と可能性があるんじゃないかということが一つ。もう一つは、日本語教育の関係者からは、例えばアジア圏の国の中では第二外国語として高等学校レベルで日本語教育が相当なされています。しかし、日本語の指導をしている人たちの質と教材、あるいはシステム化ということについては非常に遅れているので、ある意味ではもったいないことをしているということです。ここに対して工夫できないかということを考えておりまして、しっかりした私たちの政策体系というのを作っていきたいと思っています。実は、事業仕分けで国際交流基金が日本語について指摘されました。しかし、日本語教育を国際化していくということは揺るぎない政策目標でありまして、もっと大きく広げていかなきゃいけない、しからば、これを国際交流基金だけでこれまでやってきたわけですけれども、本来は文化庁の仕事でもあったわけで、そこのところをちょっと振り返りながら、文化庁の中に国語課だけじゃなくて日本語課というようなものも設定して、日本語を国際化していくという仕事を文化庁でやろうじゃないかというようなことを、是非実現していきたい。これはまだ正式に政策としてオーソライズされていないんですけれども、私の気持ちとしてはそういう取り組み、守る文化庁から攻める文化庁へ歩みを変えていくといいますか、進展させていくというか、そういうことで、今後政策としてしっかり取り上げていきたいと思っています。

 

記者)
副大臣も臨界到達に立ち会われた「もんじゅ」についてですが、幾つかのトラブルが続いたことについての受け止めと、安全性確保という面でのお考えをお聞かせください。

 

副大臣)
15年ぶりの「もんじゅ」の再開、それから先日臨界に達したということについては私も心から喜びたいというふうに思います。現場にも臨界時に立ち会いまして、その時点で川端大臣にも報告しながら見守ってきたということであります。御指摘のように、その前後でいろんなトラブル、様々なミスがありました。本来、法で定められた形でマスコミの皆さんや地域の皆さん、あるいは文部科学省に対しても報告しなければならないというレベルには至らない様々な不具合みたいなものがあったわけですが、そういうものについても、こういう時期にはすべてすぐに公開するようにということを指示してきました。それから、もう一つは原因の究明ですが、これについてしっかり取り組むようにということであります。サンプリングブロアの不具合が直前に起きた、それから、私たちが臨界に達したことを見届けて以降の話ですが、制御棒が一番下まで届かなかったというようなことがあったわけでありますが、それぞれどういう形で、いわゆる構造的な欠陥があるんじゃないかということも含めて徹底的に原因を究明するということが大切であって、そのことをそれぞれの責任者に対して徹底するようにという指示を改めてしているところであります。おかげで安全性を揺るがすまでの不具合ではないので、今、順調にそれぞれの試験過程は続いておりますけれども、こういうことが大きな問題に発展していく一つ一つの種であろうかと思いますので、そのつもりでしっかり対応するように指示をしたところであります。

 

記者)
日本語のお話があったんですが、日本語課を作りたいというのは、具体的には日本語の国際化とおっしゃったんですが、具体的にはどういう政策をイメージされているんですか。

 

副大臣)
外国人というか、一つは海外から日本に入ってきた人たちの問題があります。これも政策で、今、まとめつつありますけれども、いわゆる単純労働で日本に入ってきたブラジル人とか中国人とかという人たちの子どもたちに対する日本語教育を、どういう効果のある、システム化された形でやっていったら良いのか、あるいはその教授方法というのはどういうものが良いのかというところから始まって、逆にさっき申し上げたように海外へ展開していったときに、同じようにそこのところの検証が必要なんだろうと思います。これは、その国の言語体系によって教え方が違うんだろうというふうに思います。私の見る限りは、そこの部分がどうも確立されているというところまでは言えないと思います。もう一つは日本語学校というのがあるんですが、これは海外から留学生として入ってきた人たちのための日本語学校であって、ビザを申請するときにこの日本語学校で良いのかどうかという観点から主に法務省の管轄になっているんですが、文科省として、学校の在り方とか、基準とか、あるいはいわゆる日本語学校としての制度というところについても、一度、基準みたいなものを作って整理した上で、質も上げてもらって、一緒に研究もしてもらって海外展開もするということも必要なんではないかと思います。

 

記者)
日本語教育の支援ということですよね。

 

副大臣)
支援と日本語教育の体系化です。

 

記者)
それは文化庁じゃなくて、文科省の本体じゃないんですか。

 

副大臣)
両方でしょうね。

 

記者)
文化庁国語課みたいな話ですか。

 

副大臣)
本来は国語課にもそういう仕事の中身というのは、課題として今の時点でも与えられているというのは、私、最近になって初めて知ったんですが、そこのところはあまり機能していなかったということですから、トータルで日本語をどうするかというのを、国際交流基金とも話し合いながら、一遍、文科省でやりやすいところ、できるところを早く体系化したいというふうに思います。  

 

記者)
リサーチファンドなんですけれども、現時点でどれぐらいの規模で何カ国が集まって、いつ頃設立したりとかという想定はあるんですか。

 

副大臣)
日中韓、3カ国では、資金も拠出して一緒にリサーチファンドを作ろうという前向きの姿勢を感じてきました。ところが、ASEAN諸国は、実は既にASEAN域内で本当に小さなファンドも持っていまして連携ができているんです。ただ、規模が日中韓と全然違うところがあって、彼らの思いでいくと、お金はそっちで出してもらって、うちは使える方でやってほしいということなものですから、当面は日中韓3国で立ち上げて、それを中心に動いていくのが良いのかなというふうに、今思っています。規模については、それぞれ相手の国もあることなので話し合いの中でそれぞれが持ち寄ってということです。まだ規模についてこれだけというところまではいっていません。

 

記者)
いつ頃ぐらいにというのは、まだ先の話でしょうか。

 

副大臣)
使い方も国によってイメージが違うと思うんです。例えば、マッチングファンドというのは既にありますけれども、マッチングファンド形式でやれば、自分の出した分については、自分の国の研究者が共同研究するときに自分の国の分をそれで賄えますよということですけれども、私の思いとしては、そういうマッチングファンドじゃなくて、テーマ本位で、それをスクリーニングする母体も学者を中心に、研究者、技術者を中心に専門家の間で優先順位を決めていただいて、その中で運用していくという方が良いんじゃないかということを提案したいと思っているんです。これもまた相手のあることなんで、どういう形になるかというのはこれからです。そんなところをいろいろ詰めていかなきゃいけないことだと思います。方向性としては、それぞれ同じ思いがあるということが確認されたということです。

 

記者)
そうすると、ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムみたいなイメージでしょうか。

 

副大臣)
そうです。そういう形でやっていくということです。だから、よほど日本の専門家、学者が頑張らないと。ヒューマン・フロンティアもお金は出しているんだけれども、日本人が参加している割合というのが段々下がってきているものですから、そんなことではと言って、私も今発破をかけているんです。

 

記者)
来週は金星探査機「あかつき」の打ち上げで、1ヶ月後には小惑星探査機「はやぶさ」が戻ってくるという、惑星や小惑星探査のイベントが続きますが、今後の惑星探査の在り方について、副大臣なりに何かお考えがあれば教えていただきたいと思います。

 

副大臣)
これは、総合的にこれから組み立てていこうという段階にありまして、川端大臣の意向としては、組織自体も再整理しながら、宇宙、海洋、それから一般の科学等々、一度組織がどうあるべきかということについても、原点に戻って考え直さなきゃいけなんじゃないかという意向もありますので、この議論はできるだけ早くということであり、これからだと思っています。個人的には、惑星探査というのは日本がしっかりリードしてきた分野であり、民間の中小企業の皆さんも含めて、いろんな知恵を集めながらうまく運用してきた分野だというふうに思います。それだけに惑星探査分野というのは、しっかり伸ばしていくべきだと思っています。

 

(了)

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-- 登録:平成22年05月 --