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中川正春文部科学副大臣記者会見録(平成22年4月28日)

平成22年4月28日(水曜日)
13時3分~13時35分
文部科学省 記者会見室
科学技術・学術、その他

キーワード

温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」、最先端研究開発戦略的強化費補助金、高速増殖炉「もんじゅ」、事業仕分け、JAXAi、科学技術基本計画

中川正春文部科学副大臣記者会見映像版

平成22年4月28日(水曜日)に行われた、中川正春文部科学副大臣の定例記者会見の映像です。

中川正春文部科学副大臣記者会見(平成22年4月28日):文部科学省

中川正春文部科学副大臣記者会見テキスト版

副大臣)
まず、私の方からお話しさせていただきますが、温室効果ガスの観測技術衛星「いぶき」ですけれども、アイスランドにおける火山噴火及び噴煙の観測結果をイギリスに提供していくということになりました。欧州地域の観測データというのがこれなんですけれども、これが火山で、ここから黄色い噴煙がずーっとここへ向いて写真画像が撮れているのですが、こういうデータの提供をしていくこととなりました。今回、イギリスからの依頼は、「いぶき」の観測データの価値が高く評価されたということを示すものでありまして、文部科学省として宇宙航空研究開発機構等の研究機関と協力して、いわゆる地球観測衛星の観測データの拡大に努めて参りたいと思っています。

それから次に、最先端研究開発戦略的強化費補助金なのですが、最先端研究で30課題1,000億円、それから若手・女性の研究活動を支援する基金というのが500億円、これに対して、もう一つ、相互補完関係にある若手等が活躍する研究基盤等の強化300億円、こういう形で提供されたわけです。このうち、今回は300億円程度の若手等が活躍する研究基盤等の強化についてお話をしたいと思います。昨日の総合科学技術会議におきまして、この運用基本方針が発表されました。この300億円は、若手研究者等を引きつける最先端の研究設備の整備を支援する最先端研究基盤事業ですが、これを実施するに当たって、多様な意見を反映させるため、研究者から広く意見を募集することにしました。具体的には、大学や独立行政法人等に所属している研究者を対象にして、今日から5月14日までの間、補助対象を選定する際の観点や事業の進め方等についての意見を募集いたします。若手・女性研究を中心に、多くの有意義な意見が提出されることを期待していきたいと思います。これからのスケジュールとしては、意見募集を4月28日からやるわけですけれども、5月中旬に日本学術会議からのヒアリングをやって、研究者からの意見募集の結果概要の公表をさせていただいて、研究拠点から事業候補を特定して、もう一回ヒアリングをやって、6月中旬から下旬にかけて総合科学技術会議の調整会合による了承を得ながら交付内定をしていきたいと考えています。交付決定は6月下旬ということになります。

これは設備の方なのですが、それからもう一つ、海外への若手研究者派遣を支援していく方があります。これについては4月27日ですが、運用基本方針を決定しまして、公募開始が5月上旬ぐらいというふうに考えています。6月に審査・選定をして、9月には交付決定ができるようにスケジュールを整えていきたいと思っています。

それから、恐らく質問が出るだろうと思うのですが、「もんじゅ」において、検出器の故障が発生いたしました。これについては、故障した機器は既に交換を終えまして、それぞれ関係機関にも迅速に説明をして、「もんじゅ」は正常な状態に復帰しております。故障の原因については、今後、日本原子力研究開発機構が取り組む必要があると考えておりますが、既に今回のトラブルへの対策は適切に執られていると判断いたしまして、「もんじゅ」運転の再開に安全面では支障があるということではないということで整理をしたいと思っています。それを受けて、もんじゅ関連協議会が一昨日開かれたわけでありますが、その関連協議会の結果を受けて、昨日、西川福井県知事と河瀬敦賀市長が会談しまして、「もんじゅ」の運転再開について前向きな議論が行われたと聞いております。これを受けて、本日、日本原子力研究開発機構の理事長が、福井県及び敦賀市から「もんじゅ」の運転再開の了解をいただけるというふうになったところでありますが、「もんじゅ」の運転再開の見通しが立ったということでありますので、大臣御自身が福井県及び敦賀市を訪れるとともに、「もんじゅ」の視察で最後に確認することになっております。地元の了解を得まして、「もんじゅ」の運転再開に向けて動き出せるということは、我が国の原子力政策の推進にとって大きな一歩であり、非常に喜ばしいことだと思っております。なお、日本原子力研究開発機構からは、すべてこうした手続きが終わって、了解後、連休明けの起動を目指して準備を進めることにしたいというふうに聞いております。

 

記者)
仕分けで、科学技術関係を中心に既に結論が出ておりまして、物材機構の統合ですとか、JAXAiの廃止ですとか、幾つか大きな変更を求められていると思うんですけれども、どんなふうに受け止めていらっしゃいますか。

 

副大臣)
指摘されたそれぞれの事項については、これから改めて私たちで確認して、指摘された方向で整理していくところはやっていくこととなると考えています。また、横串を刺して、この施設、あるいはこの研究開発法人だけではなくて、他省庁も含めて、いわゆる研究開発法人の在り方というものを、改めて我々も議論しているわけでありまして、そういうところへ反映させながら、今回の結果というものをしっかり検証していきたいと思っています。さっきお話が出たJAXAiについては、私も一度現場へ行きまして、どこまで必要な施設かどうかを私自身の目でも確認していきたいと思っています。また、国立美術館や国立文化財機構については、ここで指摘されたことは私自身の問題意識でもありますので、民間の資金をいかにこういう分野に向けて活用していくかということも、これまで税制調査会で寄付金税制の在り方を、新しい公共という考え方の下でやっていこうではないかとか、弾力的にもっと幅広い形で民間資金が活用できるようなスキームを是非考えていきたいというふうに思っております。元々資産がないというか、美術品にしても、博物館の中身にしても、他国の中心的な美術館と比べると、国として持っている部分が少ないということが指摘されてきました。それだけに、海外の美術品も含めて、新聞社の皆さんが中心になって日本に持ち込んできて、それを巡回展示していくという工夫を重ねてきていただいたわけでありますから、それに対する国家の補償制度というようなものを考えていく中で、より豊かに、こうした世界が広がっていくように考えてもいきたいと思っています。そういう準備も今、実際しておりますので、そのようなこともすべて体系化しながら、新しい政策へ向けて、事業仕分けの結果も生かしていきたいと思っています。

一つ一つのポイントについてはこれからです。これから政務三役を中心に一つ一つ検証して、横串を刺して、全体のトータルなスキームとして新しい政策に生かしていきたいというふうに思っています。

 

記者)
本日、自民党の部会で、PTA共済の関係団体等のヒアリングがありますけれども、法案について党内ではどういう状況なのか教えていただきたいんですが。

 

副大臣)
民主党の党内議論は終わりまして、今委員会で委員長提案にもっていくような手はずで、筆頭理事を中心にそれぞれの政党で話し合いをしていただいております。その決着がつきましたら、委員長提案という形で予定されることとなると思いますので、我々も協力しながら成立させていきたいというふうに思っています。

 

記者)
委員長提案ということは、本会期で成立ということですか。

 

副大臣)
そうですね。連休明けには、そうしたスケジュールになっていくんではないかと思います。順調に話し合いが進んでいるんだと思います。

 

記者)
連休明け頃、提出ですか。

 

副大臣)
そうですね。委員会が開けるんじゃないかなというふうに思います。

 

記者)
中身としては、かねて議論されてきたものから特に変わっていないのですか。

 

副大臣)
そうですね。聞くところによると、金融庁自体も、もう一度保険業法を見直していこうということで議論が始まっているようでありますので、それに先行する形でPTA共済法が成立していけば、一つのモデルになっていくんじゃないかと思います。こうしたことを期待しながら、まとめていただきたいと思います。今、政党間の話になっています。

 

記者)
JAXAiの関係なんですけれども、科学技術分野はどうしてもなかなか国民に成果が見えにくいということで、広報の重要性が非常に叫ばれている中で、今回の仕分けではもう少し効果的な広報ができるのではないかということで廃止ということになったんですけれども、副大臣はJAXAiの広報の仕方についてどのようにお考えになったのかということと、効果的な広報というのは、他に良い方法というのはあるとお考えでしょうか。

 

副大臣)
実は、まだJAXAiを見ていません。まずは現場に入って、それで自分の目で確かめて、本当に効果があるのかどうかを確認したいと思っています。日本科学未来館なども、そういう意味では科学技術をベースにした展開がなされていると思いますし、スポットで、あの場所だけで見せていくというのではなくて、全国的なネットワークだとか、学校、あるいは全国の研究者とか、もちろん地方自治体も巻き込みながら、全国に展開していくような、そういう手法は大事だろうと思います。そのようなことも含めて、新たに議論していきたいと思っています。

 

記者)
仕分けの関係ですが、先ほど、美術館、博物館についても指摘されたことを踏まえていきたいということでした。副大臣の御専門の税制の関係なのですが、何か新しい制度が別途できるというようなお考えでしょうか。

 

副大臣)
そういうのを具体的に提案していきたいというふうに思っています。方向性としては、寄付税制を見直していくことによって民間資金が、こうした分野へ向けて流れていくと言いますか、スキームとして広げていけるような、そういうことをやっていこうというのは税制調査会のコンセンサスとしてもあるし、新しい公共という考え方のベースにもなっているので、方向性としては大丈夫だと思います。後は具体化ということなので、そこは文科省から是非、提起をしていきたいというふうに思っています。今、そのような準備をしています。

 

記者)
「もんじゅ」は連休明けにも運転再開の見通しということですが、当初は3月末という運転再開の目標でやられており、地元の地域振興策とかを巡るやり取りがあって、ここまで時間がかかってしまったこと、それで、やっと了解を得られたということに対する受け止めというか、やはり、こういうやり取りが必要だったのかという、その辺の今のお気持ちをお聞かせください。

 

副大臣)
元々、信頼感を構築していくことが基本だと私は思っています。だから、それを醸成するためには、既にもう15年かかってきたわけですから、最終的な決断を地元の皆さんにしていただくのに1日2日延びる、あるいは1週間延びるということであっても、やっぱりそれぞれが納得した上で、理解した上で事を進めていくということであろうと思います。私だけではなくて、大臣が特にそのことに気持ちを持っていただいているということでありますので、そこを大事にしていきたいと思っています。

 

記者)
ほっとしたというか、なかなか事態が進まないような状況もあったかと思うのですが、なかなか目標どおりにいかなくて焦りみたいなものは特になかったんですか。

 

副大臣)
それはありません。4月一杯でとか3月一杯でとかという形で報道もされていましたけれども、申し訳なかったのは、むしろ現場の方々だったと思うのです。現場がある程度見込みをつけながら、ずっと準備を重ねていたところで、またちょっと延びてしまう、そこのところは私も心配だったのですが、現場もよくそのところを理解してくれまして、その都度、日程を調整しながら次の段階へ向けて準備を進めていただいたと思うのです。我々のサイドは、それで焦りとかというのはありません。

 

記者)
昨日の総合科学技術会議で、第4期の科学技術基本計画の検討状況の報告があったと思うんですけれども、その素案について文科省の意向が十分反映されているかどうか、それとも、まだまだ十分ではないとお考えか。特に、従来、文科省が重視してきた防災とか、原子力とか、海洋とか、宇宙とかという分野の位置付けがちょっとあいまいではないかという印象もあるんですが、それについてはどのようにお考えですか。

 

副大臣)
いわゆる科学技術政策としてターゲットをはっきりさせていくことが、今求められていると思います。そういうことですから、あそこに取り上げられなかったから、他はいいんだということでは決してないと思います。今回、環境分野、いわゆるグリーン・イノベーションとライフ・イノベーションというところへ向けてターゲットを定めていったことについては、私は評価したいと思っています。だからといって、宇宙や防災といった分野が軽んじられるということではなくて、これはこれで、具体的にどこまでのことをやるのかという、いわゆる目標ですね、アメリカは火星に行くというふうに目標を定めたのですが、では日本はどうするんだというところを、これからはっきりさせて、それに対して税をどれだけ投入するか、民間資金をどれだけ投入するかというような、そういう打ち出し方をしなければいけないだろうと思っています。その部分はこれからですから。そういう解釈で第4期の計画は評価したいというふうに思います。

 

記者)
政府の研究開発投資の目標の数値を上げるというような御提案をされたと聞いているんですが、その手ごたえはどうでしょうか。

 

副大臣)
予想したとおり、財務省のサイドからは、数値化してターゲットというか、数値化して表現するのはいかがなものかという議論が出されました。これについては、オープンでこれからしっかり議論したらいいと思うんです。私も、国民に対して、例えばGDPの1パーセントを公的資金として使いたいということを文科省が主張する、あるいは国としてそう決めていくのであれば、何を実現するためにそれだけのものを使うのかについては、もう少しはっきり目標設定していくべきだと思っていまして、その議論も含めて、財務省サイドから見た税の配分議論と両方突き合わせて、はっきり方向を打ち出していきたいと思っています。ある意味では、財務省から先ほどのような議論が出てきたのは、今の財政状況から見たら当然のスタンスだと思います。それを突き破る根拠というのは、やっぱりターゲットだと思うので、何をするためにそれだけの資金を使うのか、そこが大切だと思うので、しっかり固めていきたいと思っています。

 

記者)
仕分けの中で、国立文化財機構と国立美術館については、美術品を購入するための資金が弾力的に使えないという問題が指摘されました。独法として収入が支出を上回っても、それをため込んでおくわけにはいかない、目的積立金というのがなかなか認められなくて、国に返さなきゃいけないという独法制度の構造的な問題が指摘されたと思うのです。仕分け人の側はそれも見直しをしろというような判断だったんですが、文科省、文化庁という役所だけでは難しい問題だと思うんですけれども、そういった法的な問題の改善、改革はどうやって進めていけばいいとお考えでしょうか。

 

副大臣)
私もそのように思っていまして、実はプレ仕分けみたいなことを私たちの中でやっていたのですが、そのときもこの問題が浮き上がっていました。私もそれを問題意識として持っておりました。同時に、そういう基金造成だけじゃなくて、一般に文化団体へ向けて税で補助金を出すときの基準というのが、例えばチケットを売れば売るほど補助金がそれに比例して下がる、だからチケットを売るインセンティブが補助金を出しているために崩れてしまうというような税の出し方も問題だと思っています。これは恐らく財務省のこれまでの基準の中からそういうスキームを入れていたんだと思うのですが、そういうことも含めて、独法の基金造成の在り方と補助金の出し方について、省庁を越えた話し合いの場というものを是非もっていきたいと思います。

 

記者)
例えば、枝野さんにそういう申し入れをするとかということになるんですか。

 

副大臣)
そうですね、恐らく枝野さんというよりも、野田さんにちょっとやりましょうかと提案してみたいなと思います。

 

記者)
仕分けでは、科学技術関連の独法の代表格のようなものが幾つか取り上げられて議論されたということですが、今後、副大臣と古川副大臣の下で研究開発法人の見直しの関係の中で、改廃・統合を…、どんなふうにイメージして進めていかれるお考えですか。既に宇宙関連なんかは…。

 

副大臣)
あれはいわゆる研究開発法人を、文科省だけの話じゃなくて各省横断的に見直していこうと、その在り方について交付金の設定から研究開発関連の事業の設定の仕方等々を含めてトータルでやろうということであります。なかなかいい議論になってきていまして、まとまり次第、中間的に発表して、様々な皆さんの意見も聞いて組み立てていくことになると思います。

 

記者)
これから外遊されますけれども、…、どんなことを進めていくおつもりですか。

 

副大臣)
アジア共同体という、いわゆる成長戦略の中で方針が打ち出されて、共同研究だとか大学のクレジットの互換性とか、あるいは留学生、あるいはこれからの共同プロジェクト等々、いろいろ私たちのサイドでは考えています。例えば中国や韓国でそれがどう受け止めてもらえるかと、あるいは向こうとしてどんなことを考えているかというような、そういう形式的な話ではなくて、それぞれの国の置かれた事情の中で共通して何ができるかというようなことを話し合ってきたいというふうに思っています。だから韓国、中国、あとインドネシアやマレーシア、あるいはシンガポールにも行くことになっています。インドネシアの場合はASEANのセンターが置かれていますので、ASEAN全般については日中韓とは違った形の連携の在り方、2国間では大分頑張ってきているんですが、トータルとしてどう取り組めるのかというのを彼らの問題意識の中でも話し合っていきたいと思っています。

 

 

(了)

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-- 登録:平成22年04月 --