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鈴木寛文部科学副大臣記者会見録(平成22年4月15日)

平成22年4月15日(木)
19時2分~19時34分
文部科学省 記者会見室
教育

キーワード

学校教育の情報化に関する懇談会、県費負担教職員の権限移譲

鈴木寛文部科学副大臣記者会見映像版

平成22年4月15日(木曜日)に行われた、鈴木文部科学副大臣の定例記者会見の映像です。

鈴木寛文部科学副大臣記者会見(平成22年4月15日):文部科学省

鈴木寛文部科学副大臣記者会見テキスト版

副大臣)
今日の午後にお配りさせていただきましたが、「学校教育の情報化に関する懇談会」を設置することといたしました。社会の情報化の急速な進展に伴って21世紀にふさわしい学校や学びを作っていくといった目的の下、この懇談会では、今後の学校教育、特に初等中等教育段階の情報化に関する総合的な推進方策、教育の情報化ビジョンを策定していきたいというふうに思っております。そのために、既にお配りいたしました有識者等々との意見交換を行う予定でございます。委員の皆様方には、これもお配りいたしておりますけれども、学識経験者をはじめ、地方公共団体、学校関係者、経済界といった方々にお入りいただこうと思っております。具体的には、授業でICTをどういうふうに活用していくのか、あるいは教員の校務をどう支援していくのか、あるいはICT活用に関する教員の支援といったことを議題として議論していきたいと思っております。第一回を4月の22日に行う予定でございまして、概算要求ぐらいまでには中間的な方針を出して、取りまとめていきたいというふうに思っております。IT戦略本部の中でも、21世紀のスクールあるいはラーニングといったことも議論されておりますので、そのことも受けて教育の情報化ビジョンを作っていきたいという考え方でございます。

 

記者)
先ほど、大阪府の橋下知事とお会いになられまして、知事の方から内容についての御説明がございましたけれども、もう一度整理して、鈴木副大臣の方から文科省としてどういったことをお話しされたのかを教えていただけますでしょうか。

 

副大臣)
いろんな意見交換をいたしました。今の教育の、特にガバナンスの問題点についてです。私も橋下知事も、公立小中学校については責任の所在というものがばらばらになっている、人事権は県教委ですし、設置者は市区町村の教育委員会ですし、行政権は教育委員会ですけれど、財政権は首長部局、こういう縦横の権限のばらばらというものが、公立学校の信頼というものを、十分、保護者や地域住民の皆さんから獲得できていないというところにあるんじゃないかという問題意識は、まず共有させていただいて、それをなんとかしていきたいということでありました。私も是非それは歓迎したいし、そういうリーダーシップを是非応援もさせていただきたいというようなことを申し上げました。それで具体的には、府教委が持っている人事権をはじめとする関連の権限を、条例を定めることによって、北摂地域でありますけれど、そこに下ろしていきたいということであります。それについて認めてほしいということでありますので、我々としては認める方向であるということを申し上げました。特例条例を作ることは良いことではないかと思っておりますと。ちょうど北摂地域で固まったわけですが、教育行政規模という意味でも、私が申し上げていたのと大体同じぐらいのイメージの規模でございますし、是非ここで、先導的に特例条例でやっていただきたい。もちろん、やる中でいろいろと解決すべき課題、あるいは考慮すべき課題が出てくると思いますが、そこは御一緒にどういう課題があって、それをどういうふうに解決していくのかという知恵を出し合いながら、やはり、いろいろな権限をなるべく現場に近いところに、そして、ある程度の適正規模のところが協力し合ってやっていくということが、学校の運営にとって、ガバナンスにとって望ましいことだという、そういう実績がその地域でできてくれば、100の議論よりも1つの実例というものを一緒になって作りながら、そしてそれを進化させていくというということの方が極めて有効だと、私もコミュニティスクールを作るときもそういうことでやって参りましたから、そういう意味で、是非御一緒に頑張りましょうということでございました。

 

記者)
適正規模について、50万人あるいは30万人という話を、先ほど橋下知事はおっしゃっていたんですけれども、その数についてはいかがですか。

 

副大臣)
私も30万人から50万人というのが持論ですから。今度のが50万人をちょっと超えるんですかね、北摂地域が。それも私の持論の許容範囲かなと思います。

 

記者)
橋下知事のお話では、人事権の市町村への移譲を条例を作ることによって認めてもらったというふうにおしゃっていましたけれど、先ほど、副大臣は市に下ろすとおっしゃっていたんですけれど、市町村ということでよろしいでしょうか。

 

副大臣)
はい、市町村です。

 

記者)
大阪府のような問い合わせが別の県からあったときには、同じような対応をするということですか。

 

副大臣)
もちろんそうです。

 

記者)
同じく橋下知事の話では、人事権の移譲について法制局の方で最終的なチェックの段階だと、もうほぼ大丈夫じゃないかみたいな感触を得たというような話だったんですけれども、そういうことでよろしいでしょうか。

 

副大臣)
文科省としては、そのように働きかけをしていきたいと、まあこれは働きかけることじゃなくて客観的な解釈ですから、その擦り合わせっていいますか、作業を急ぎたいと思います。

 

記者)
それはもう、ごく最終段階に入っているということですか。

 

副大臣)
はい。

 

記者)
実際に実現したときに、どのような課題が現実に発生すると副大臣は考えていらっしゃいますか。

 

副大臣)
そうですね、あまりないと思いますけれども、あとは今回関係市町村は5つでしたか、その間の連携が十分とれるかどうかということだと思います。そこは、橋下さんは大丈夫だというふうに言っておられましたけれども、そのことが大丈夫であるということを確認するということはとても大事なことですから、この制度をもう一段、一般化していく上では、そこをきちっと見ていきたいというふうに思います。 

 

記者)
人事権の移譲といった場合の人事権の中身なんですけれども、例えば採用とか転勤とかいうこととか、管理職の登用とか、懲戒処分とか、それらを一括しての話なんですか。

 

副大臣)
基本的にはそういうことだと思います。もちろん、今も残りの地域については大阪府が人事権を持っているわけですから、そういう意味では人事権者同士がということかもしれませんけれど、協力をするということは大いにあるべきことだと思っています。今でも、例えば2つの県がいろんな採用において協力し合うということは既にやっていますよね。それと基本的には、法律上は同じ性格です。

 

記者)
教育の情報化なんですけれども、教育を情報化することによって、具体的に子どもたちに、どういうことができて、どういうふうなメリットがあるのかというようなことについて聞かせてください。

 

副大臣)
この前もIT戦略本部で私も発言したんですけれど、やはり個別化教育、あるいは個別学習、要するにそれぞれの生徒の状況、あるいは生徒の学び方に応じて、生徒ごと、児童ごとの学びの環境というものをデザインできるということが情報化の最大のメリットだというのが一つ。もう一つはグループで、もちろん地域の違う、拠点が違う、要するにITというのは時間と空間を超えるメディアですから、コラボレーションできながら、異文化あるいはかなり異なったバックグラウンドの子どもたちがコミュニケーションしながら、一つの学びのグループとして学んでいけるというのは、これも大きなことだと思います。もう一つ、デジタルの特徴としてはアーカイブということでありまして、それまでの学習というものを全部アーカイブすることができる、これは個別学習ともつながりますけれども、要するに子どもたちの学習履歴、あるいは学んだことの内容といったものをシェアすることができる。それは個別もそうだし、グループとしてもそうだし、あるいは学校としてもそうだと。だからアーカイブできるっていうことはどういうことかっていうと、前の学年、1年上の先輩たちが同じ課題についてどういうものを取り組んだかということも蓄積することができるわけです。そうしますと、学びというのは守破離の部分もかなりありますから、どんどん溜まってくれば5年前の先輩たち、10年前の先輩たちになるわけですけれども、少なくとも同じ学年だった先輩たちが、どういうことをやったのかっていうことを容易に見れるということは、その課題についてのアプローチを3合目とか4合目からやることができますから、そういう意味では学習効率といいますか、効果も高くなるというようなことだと思います。

 

記者)
使用するハードとしては、例えばi-Podみたいな携帯の端末なんかを配備するというふうなことを想定されていると思いますけれども、そのあたりの議論というのはこれからどういうふうに作られていくんでしょうか。

 

副大臣)
先ほどの御質問にもちょっと絡みますが、ブロードバンド時代の、ハイスペックなIT機器時代の学びということで申し上げると、更に付け加えるべきは動画っていうことですね。動画による教材というものが自由自在に作ることもできるし、もちろんそれを見ることも活用することもできるということで学習のパフォーマンスが上がります。今の質問はそのことの裏腹なんですけれども、結局どういう学びをどれぐらいしたいのか、それをどういう人たちとしたいのかということなんだと思います。そうすると、それの配分というか案配というか、それによって適切なハードの環境というのは決まってくるということになりますので、まずはそれがありきで、当然小学校の、例えば低学年と高学年でも違うし、中学校、高等学校ということになってくるとまた違ってくるというふうに思いますので、一概にというよりもむしろ3年刻みぐらいのことは意識しながら考えていきたいなというふうに思っています。例えば、小学校1年生から鉛筆を持たさないというのは、私はどうかなと思っています。やっぱり、ノートと鉛筆というのはいろんな意味で副次的効果というか、集中力とか認知科学的なこととか、ですから、ここをいじるっていうことは、小学校低学年については、少なくともかなり慎重にすべきだと思っています。もちろん、それを基調としつつ何かを追加するということはあり得たとしても、ノートと鉛筆は大事なことだと思います。しかしながら、中学生あるいは高校生ということになってくれば、その割合はかなり変わっていって良いと思います。あまりにないと、我々なんかが最近、鉛筆を持たないので漢字が書けないとか、そういう問題もありますから、ゼロにするという意味では全くありませんけれども、何をどのように学ぶかということによって、ITの機器との関わりということは当然変わってくると思います。

 

記者)
教科書と教材といったものが、こん然一体化しているものだというふうなイメージだと思いますけれど、この場合、教科書検定制度といったものとの兼ね合いといった論点については、今後どのように話し合われていくのですか。 

 

副大臣)
中期的には、ITというのはそういうもので、それを導入することによって、別に教育の分野だけじゃなくて既存のいろんな枠組みが、根底から再構成される契機になってきたわけですけれども、今おっしゃるようにどこまでが教科書でどこからが教材かということの線引きがかなりあいまいになるということは事実だと思います、少なくとも学習者サイドから見てますとね。当然、予算の仕切りとかは、ここまでは教科書予算、ここからはみたいな話があるかもしれませんけれども。特に今までは、なかなか教材、副教材一つ買うのでも予算上の制約を気にしながら、そこにどうやってプライオリティを付けていくのかみたいなことが、学校現場で悩みだったわけですけれども、そういうこともデジタルということになってくると、ゼロにはなりませんけれども、かなり副教材、教材の負担感ということも変わってくるんだろうと思います。したがって、その辺りもゆくゆくは議論になるんだと思いますが、まずは子どもたちの学びというものをより良いものにしていくという観点から、学習者本位のまとめ方をしたいなと思っています。その結果として必要なことが出てくればやっていくということになりますが、それはこれから議論をしていくということだと思います。

 

記者)
教員の給与負担については、知事とどういう話をされたんですか。  

 

副大臣)
給与負担は、現行法の解釈、運用ではできないというのは知事も最初から分かっておられましたので、今後の挑戦課題ですねということで、そうですねということでした。

 

記者)
人事権は、従来から文科省としては現行法の中で市町村ができるという解釈だったんでしょうか。それとも今回の大阪府の要望を受けて改めて検討してできるという結論に至ったのかというのはどちらでしょうか。

 

副大臣)
私はずっと文科省にいたわけじゃありませんけれども、法律の解釈が政権が代わったからといって変わるというものではないと思います、法律ですから。

 

記者)
最終段階の結論が出るのはいつ頃というふうな見通しはあるんですか。

 

副大臣)
近々、きちっと結論を出したいと思います。ただ、解釈論があまり議論されたことというのはないんじゃないですか、そもそも。政策論と解釈論という分け方で申し上げるとですね。

 

記者)
大阪府が先ほど配った、机の上に載っていたペーパーなんですけれども、ここでは人事権の他に定数決定権とか、学級編制権とか、先ほどの教員の給与負担は一致すべきだと書いてあるんですけれど、副大臣のお考えとしては、その辺もセットにして将来的には下ろしていくんだとお考えですか。

 

副大臣)
将来的にはね。極力、行政単位に可能な限りいろんなものが集約されるということが、ただ、当然、教育一括交付金などの議論との完全に裏表の関係ですから、その議論と並行して進めないといけない問題だと思います。

 

記者)
人事権とか定数の権限とか学級編制権とか諸々権限を市町村に下ろす、現場の方に下ろしていくことによって何が変わっていくのかっていうことを改めて伺いたいんですけれど。

 

副大臣)
結局、学校及びその地域の学校行政について、教育というのはソフトとハードとヒューマンとあるわけですけれども、それについての責任者が誰であるかということがより明確になっていくということです。したがって、地域の子どもたちにとって良い教育が行われてほしいという保護者や地域住民の思いというものを受け止めてもらう先が、より明らかになってくるということであります。したがって、もちろん問題には、直ちに解決できる問題から、中長期的に時間がかかるものまでありますけれども、少なくとも問題が受け止められて、それについて改善に向けたアクションが始まるということで、ガバナンスというものは明らかに改善するということが一番良い点だというふうに思います。

 

記者)
学校教育の情報化の懇談会ですけれども、ここのメンバーに上がっている中村伊知哉教授と陰山英男さんですけれども、去年の12月に原口大臣が、デジタル教科書を2015年までに小中学生に1人1台持たせるようにしたいというビジョンを出されたことに基づいて、このお二人のメンバーと先ほどお会いになった藤原さん、ご存じだと思いますけれども、デジタル教科書協議会というものを今月か来月かに立ち上げされて、そこにはマイクロソフトとかソフトバンクの孫正義さんとかも入っているように伺っています。そこの団体の動きとは今回の懇談会は何らかの整合性を持つものなのでしょうか。

 

副大臣)
それは別です。向こうが私の構想を真似して応援していただいて、僕はあまりよく知らないんですけれど、その動きについて、もちろん、陰山さんも中村伊知哉さんも、恐らく政治家の中では私が最も付き合いが長いと思います、圧倒的に。ですから、どこまでが誰の考え方というのはない、別に著作権があるわけじゃありませんけれども、少なくともパブリックで、これは皆さん御存じのように民主党のインデックスにも入っている話ですから、教科書のデジタル化とか、それから去年の9月18日の私の就任のときも第二フェーズのところで教員の質と数及び教材についてのデジタル化ということは申し上げたわけで、私としては、昔からあたためていた考え方を党内で議論してインデックスに盛り込み、民主党政権になってから予算の枠組みも作り、こういう懇談会が22年度になったらできるような準備を整え、4月になりましたのでこういった懇談会をやっていくというオンスケジュールでずっときているということであります。デジタル教科書協議会はいつ出来るんでしたっけ。

 

記者)
今月か来月に。

 

副大臣)
来るんですか。だから、我々の動きに連動して、向こうが民間として考えを広めていただくということは、その団体に限らず、政策を立案し進めようとしている者からすれば歓迎すべきことの一つかもしれません。

 

記者)
大阪府の取組が仮にうまくいかなかった場合、民主党の教育政策を根底から覆しかねないかと思うんですけれど、国として具体的にこういう支援をしていくという考えはありますか。

 

副大臣)
全ての取組に0点も100点もないと思います。まず支援という意味では、我々も知恵をいっぱい出させていただきたいというふうに思っています。これは、2006年の教育基本法の議論のときに私たちが日本国教育基本法案を対案で出して、そのときに一緒に出しました教育関連三法の精神とかなり似ています。あのときの地教行法改正案のコンセプトとかなり似ていますから、そのときにいろいろ考えたことであるとかを、特にリーガルな面、あるいはそれの運用面などでアドバイスといいますか、そういう知的なお手伝いはしたいというふうに思っています。したがって、第一ステップは、まず現行の中でトライアルしていただくということ、今まではシミュレーションの中での議論でありましたが、それをいよいよ北摂地区で実際にまわしてみると当然幾つかの問題点があります。それから、私が申し上げたのは、私たちの案はこれにプラス、それぞれの小学校がコミュニティスクールに全校なっているというのが我々の案なので、その部分がちょっと橋下提案と違うところです。もちろん、そのことは橋下知事も否定しているわけじゃなくて、そういうことも考えたいと、ただそこがどの段階でそうなるのかなっていうことです。今まで市町村とか県単位にあった教育委員会というレイマンコントロールというコンセプトを、学校単位にレイマンコントロールのコンセプトを導入するというのが学校理事会という考え方ですから、そういう意味ではそれがあった方がより望ましいと、多分理屈の上からはそうなると思います。しかし、コミュニティスクールといいますか、学校理事会の進捗と人事権とのタイミングをどういうふうに合わせていくのか、したがって私たちが第三フェーズというふうなことを申し上げているのもそこにあるわけで、まずは、もう少しコミュニティスクールを担える実体といいますか、実体と自治体の両方を増やしていくということを待った上でやった方が、より確実だという思いは個人的にありますけれども、しかし、ここは思い切って知事がおやりになるということですから、方向と認識は一緒にしているわけですから、それは是非応援するという立場が我々の取るべきスタンスじゃないかなということです。ですから、少しリスクのあるところはそことの整合です、そうでないと5市町村間の調整というものが、これもステップ・バイ・ステップで、私の構想の中で、これも過去に申し上げたかもしれませんけれども、2つの市が一緒にやるということもあるわけですね、例えば15万都市が2つでやってみると、そうすると調整コストは2市が一緒にやれば良いわけですから5市が一緒にやるよりは調整しやすいわけです。だから、本当は2市、3市と、まあそんなうまいこといかないことは十分承知していますけれども、それは5より2の方が理論的にはやりやすい、市の規模もほぼ同じようなっていうことの方がというのはありますけれども、それは欲を言えばきりがないので、少なくとも知事がそこまで努力されて、北摂地域をやってこられたという努力は私は多としたいというふうに思っておりますし、私も大体どんな地域かイメージがつきますので、是非成功してほしいというふうに思います。

 

(了)

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-- 登録:平成22年04月 --