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中川正春文部科学副大臣記者会見録(平成22年4月7日)

平成22年4月7日(水曜日)
15時36分~15時55分
文部科学省 記者会見室
科学技術・学術

キーワード

最先端・次世代研究開発支援プログラム、国際宇宙ステーション、高速増殖炉「もんじゅ」

中川正春文部科学副大臣記者会見映像版

平成22年4月7日(水曜日)に行われた、中川正春文部科学副大臣の定例記者会見の映像です。

中川正春文部科学副大臣記者会見(平成22年4月7日):文部科学省

中川正春文部科学副大臣記者会見テキスト版

副大臣)
最先端・次世代研究開発プログラム、平成21年度補正予算ですが、これについての公募を開始するということで、その中身について説明させていただきたいと思いますが、元々は2,700億円の基金を造成していくという中から、1,500億円に縮減しまして、その中で我が国の将来を担う若手と女性研究者の重要性にかんがみまして、500億円を充当していくということから始まりました。その中身について、若手・女性研究者に思い切った支援をしていくということと同時に、総合科学技術会議と協議の上で内容を決めてきたということでありますが。支援対象者であります、まず、若手については45歳以下の研究者、女性研究者については年齢制限がありません。マファーマティブアクションの一環として支援していくということです。自己の責任で主体的に研究を進めることができる研究資金を提供することで、思い切った研究活動をしていくことが期待されるということです。対象となる研究課題でありますが、グリーン・イノベーションとライフ・イノベーション、成長戦略に従った形でテーマを選んでいくということです。フェーズを問わないといいますか、基礎研究から出口までフェーズを問わない。それから人文、社会科学的側面からの取組も含めて挑戦的な課題を対象としていくということです。グリーン・イノベーション、ライフ・イノベーションについては、この中にもう少し詳しく説明しましたけれども、支援の規模、それから採択件数ということになりますが、金額的にも過去最大になっています。年間5,000万円で4年間で2億円を上限ということです。間接費を30パーセント見込んでいます。それから、件数としては300件ぐらいを目安にしていきたいということであります。特徴ですけれども、資金の活用による柔軟な提供をしていくということですが、中身については、一つは年度を越えた繰り越しが可能であるということ。それから、基金制度を活用した柔軟な資金の利用を確保していくということで、年度を越えていけるということです。それから、女性研究者への配慮というのは、採択件数に占める女性研究者の採択割合を30パーセントを目標にしていくということ。それから、3番目の地域については、地域の研究機関で活動する研究者の潜在力を活用するという観点から、各都道府県ごとに最低1件は採択していくということ。こういうことを特徴として考えていきたいというふうに思っています。今後のスケジュールについては、説明会の開催を大阪のコンベンションセンター、それから東京大学の安田講堂でやっていきますが、大阪が4月14日、1時30分から、東京が4月の16日、1時30分からということです。審査のスケジュールについては、5月中に審査しまして、11月には研究者、研究課題の決定ということで、11月を目途に考えていきたいということです。

 

記者)
国際宇宙ステーションの延長問題に関連して、日本の宇宙実験では、92年の毛利さんの初飛行以来長い歴史があるわけですけれども、これまで産業化につながるような具体的な成果が得られていないんじゃないかという指摘もありますが、こうした現状をどのようにとらえていらっしゃるのかという点と、今後、延長に向けて議論していく中で、宇宙実験に今後、どういう成果を期待していらっしゃるのかという点を教えていただけますでしょうか。

 

副大臣)
1992年の毛利宇宙飛行士の初飛行以来、日本人宇宙飛行士のスペースシャトル搭乗機会を通じて、一つはロボットアームの技術や船外活動技術を含めた有人宇宙技術を蓄積してきました。「きぼう」の本格利用段階に備えた実験技術や機器開発などの基盤技術についても、段階的に蓄積してきたところであります。将来につないでいく成果、あるいはこれまで出てきた成果っていうのはいろいろあるんですけれども、例えばということでお話させていただきますと、これまで「きぼう」へつなげてきた実験件数は延べ500件に及んでいます。これはスペースシャトル、ミールステーション、小型ロケット、ISS、その他モジュールを利用して、延べこれだけ実験を重ねてきたということでありますが、「きぼう」へのつながりの中で、例えばどんな成果が出てきたかということなんですけれども、一つは宇宙放射線の生物影響評価でありまして、例えばラットの筋肉や皮膚にがん抑制遺伝子p53の蓄積を発見しました。これは1993年のシャトル実験の中で出ています。それから、「きぼう」の実験では、p53の発現とその働きを解明しまして、放射線防護や重粒子線治療の知見に活用しています。その他、1997年のシャトル実験では、カイコの卵の孵化率、幼虫の奇形発生率の調査を行い、「きぼう」の実験で胚発生という初期段階の放射線影響、各発生段階の影響の総合把握をやりました。それから、2番目、例えば生物が持つ潜在能力の発見、言い換えれば重力がないことで初めて分かったという知見なんですが、具体的には植物の芽生え段階での形態形成ですが、それにおいて重力による形成抑制効果を発見してきた。「きぼう」の実験では、根の成長に影響する植物ホルモン制御遺伝子を解明したということ。その他、ラットの筋萎縮の要因の一つとされるタンパク質の発見とか、メダカを使った宇宙での生殖・繁殖の実証で、遺伝子レベルでの病因解明をやってきたとか、これまでは生物が持つ潜在能力だったけれども、3番目は、対流の複雑さのモデル化というふうなこともやってきまして、FMPT、TR-IAからマランゴニ対流実験の実施というのをやりまして、これがどこに結びついていったかというと、半導体などの結晶の高品質化につながっていったということ、こんなことが例示として挙げられてくるということであります。「きぼう」の科学利用における募集選定を幾つもの段階にわたってやっておりまして、応募件数も相当の件数が出ていまして、これの中から選定を順番にやって、採択されたものから実験を重ねている、あるいは重ねていくということになっています。そのほか、例えば「きぼう」利用のコミュニティの論文数などでいきますと、論文は「きぼう」で485書かれておりまして、特許が29件出ていて、口頭でこれに触れているのが1,719件というような形で着々と一つ一つの実験について、それなりのものにつながってきているということだと思っています。そういう観点から、今後の「きぼう」の利用についても創薬や環境材料開発などのライフ・イノベーション、グリーン・イノベーションの創出に資する研究開発の在り方、あるいは新たな視点も含めて多面的な観点からの文部科学省としての検討を行っていきたい。ISSの将来像をその中から明確にしていきたいというふうに思っています。

 

記者)
一点確認ですけれど、マランゴニ対流の実験は「きぼう」で始められたと思うんですが、これは当時も半導体の品質の高品質化につなげたいということをおっしゃっていますけれども、実際につながっているというか、産業化に利用されるような成果が得られているという理解でよろしいんでしょうか。

 

 

文科省)
これから期待されるということです。

 

記者)
費用対効果としてこれで十分とお考えなんでしょうか。

 

副大臣)
もっと検証していく必要があると思います。先ほど申し上げた例示で、私もお話しましたけれども、費用対効果まで突き詰めて分析しているかっていうと、そこまでいっていませんので、私自身もやってみたいというふうに思っています。

 

記者)
具体的な検証の方法などはどんな形でやられるのですか。そういう組織というか、ワーキンググループみたいなものを作って検証していくということですか。

 

副大臣)
これから将来に向かって、宇宙計画を日本でもまとめていくという段階に入っておりますので、それと併せて検証ということも、チーム化して組んでいきながら検証していくということになると思います。

 

記者)

 確認ですけれども、先ほどおっしゃられた成果として、p53の働きであるとか、植物の成長や発生に関する遺伝子の発見など、基礎研究として十分だと思うんですが、産業運用という視点では、まだやはり期待といいますか、発展途上の段階にあるという理解でよろしいんでしょうか。

 

副大臣)
中には既に応用されているものもあるんだと思うんです。例えば、筋萎縮タンパク質酵素を特定して筋萎縮症疾患の治療法につながっているというようなもの。これは、ラットの筋萎縮の要因とされるタンパク質を発見したことからこうなっているんですが、そういうものも含めて実用化されているものもあるというふうに認識しています。さらに基礎研究で、さっきの半導体の結晶なんかはそこのたぐいに入るんだと思うんですが、それから始めているものもあるし、様々だと思うんですね。

 

記者)
「もんじゅ」の方は、また一歩進みましたでしょうか。

 

副大臣)
あれから皆さんに報道していただいたように、官房長官の方から、政府の意思として「もんじゅ」を進めていきたいということ、その上で地元の意向をしっかり受け止めさせていただくというようなことを含めて、特に安全性ということについては万全を期していきたいという、三点の主だったことがあったわけですが、そのことを閣僚懇談会で確認したというプロセスがありました。それを受けて私たちとしては、地元の安全専門委員会を開催していただいて、そこで最終的に、知事の言葉を借りれば三者の協議会で、安全専門委員会に基づいた要望といいますか、安全ということについての、こことここだけはしっかり押さえてくださいっていうのが出てくるんだと思うんですが、そういうものを表明しながら、三者協議に臨みたいというふうなコメントもあるようでありまして、それを今、スケジュール調整しながら待たせていただいているということです。そこまで今はきています。

 

記者)
三者懇のスケジュール調整中ということですか。

 

副大臣)
三者懇の前に地元での安全専門委員会のスケジュールをまず決めてもらわなきゃいけないんだろうと思うんですが、それを経た上で三者協議ということになるんだと思うんですけれども、それを待っています。だから今、早く地元の安全専門委員会の方を開いていただきたいということを申し上げています。

 

(了)

 

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大臣官房総務課広報室

-- 登録:平成22年04月 --