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鈴木寛文部科学副大臣記者会見録(平成22年4月1日)

平成22年4月1日(木曜日)
14時01分~14時30分
文部科学省 記者会見室
教育

キーワード

高校無償化、教科書検定

鈴木寛文部科学副大臣記者会見映像版

平成22年4月1日に行われた、鈴木寛文部科学副大臣の定例記者会見の映像です。

鈴木寛文部科学副大臣記者会見(平成22年4月1日):文部科学省

鈴木寛文部科学副大臣記者会見テキスト版

副大臣)
皆さん、御承知のように「公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律」が本日施行されました。これは、すべての意思ある者が安心して勉学に打ち込めるよう社会全体で支えていくための歴史的な第一歩であり、ここに至るまでの関係各位の皆様方の御尽力と御支援に心から感謝を申し上げたいと思います。あわせまして、関係の政省令も施行いたしました。政令におきましては、公立高校の授業料不徴収に伴う交付金の算定方法、高等学校等就学支援金の支給限度額等の必要な規定の整備を行いました。省令におきましては、専修学校及び各種学校のうち、高等学校の課程に類する課程を定めるなどの必要な規定の整備を行っております。国会の審議でも議論になりました支給対象となる各種学校たる外国人学校についてでございますけれども、文部科学省令におきましては、我が国の高等学校に対応する本国の学校と同等の課程であると公的に認められるもの、それから国際的に実績のある評価機関による客観的な認定を受けているもの、これらの他、文部科学大臣が定めるところにより高等学校の課程に類する課程を置くものと認められるもの、この3類型を規定いたしたところでございます。第1類型、第2類型については、この4月から直ちに対象として参りまして、最後の類型については、文部科学省におきまして新たに検討の場を設けまして、その具体的な基準と方法などについて検討していくことといたしております。それから、先ほど11時30分に実施支援本部を立ち上げました。文部科学大臣を本部長といたします公立高等学校授業料無償化・高等学校等就学支援金制度実施本部を開催したところでございます。本部におきましては、大臣からの訓示として、歴史的な事業のスタートを切ることとなったことに誇りを持ってやってほしい、それから実際に制度が今日から動き出したわけでありますけれども、丁寧に現場からの問い合わせに対応するようにと、あわせて制度の検証についても丁寧にやっていくようにということ、それから、先ほどの第3類型の検討の場について、円滑な実施を行うためにその準備に入っていくようにということで、引き続き省をあげてしっかり対応するようにというお話がございました。また、同時に大臣談話を発表させていただき、生徒、保護者、学校関係者をはじめといたします国民の皆様方に対し、社会全体で高校生等の学びを支えていくという本制度の趣旨についてのメッセージを送らせていただいたところでございます。続きまして、国民の皆様方向けの広報といたしまして、高校就学支援ホットラインの開設を本日行いました。それから、都道府県における照会窓口の一覧を作成いたしました。リーフレット、ポスターの配布をいたしました。それから、文部科学省ホームページにおきまして、高校就学支援専用ページを充実させました。それから、今後、政府広報、文科省広報媒体等を活用した広報活動の積極的展開を図っていくことといたしております。それから、学校設置者など事務担当者への周知といたしまして、4月5日を皮切りに都道府県事務担当者向けの説明会の開催を行います。それから、就学支援金事務処理マニュアルの作成配布を行います。それから、就学支援金事務処理ソフトの導入周知、マニュアルの作成配布等を行うということについて本部で議論を行いまして、本制度の円滑かつ確実な実施に向けて文部科学省を挙げて取り組んでいくということを確認させていただいたところでございます。これまでの間、皆様方におかれましても、本当に多大なる御支援をいただきまして誠にありがとうございました。今日から円滑に現場の高校生の皆様方を応援していきたいというふうに思っておりますので、引き続きの御支援と御協力をお願いを申し上げたいと思います。

 

記者)
2011年度から小学校で使用される教科書の検定結果が発表になりまして、現行の教科書と比べてページ数で25パーセント増えました。学ぶ内容は増えたんですけれども、完全学校週5日制は維持されていて、授業時間が足りなくなるのではないかという指摘もあります。現場が新しい教科書を使いこなせるためにどうすればいいのかということ、方策などを副大臣のお考えがありましたらお聞かせください。

 

副大臣)
皆さん御承知のように、新しい教科書を発表させていただきました。近年、低下が著しい日本の学力水準、これは成長戦略にも学力到達度で世界トップランク入りを果たしていくということを掲げさせていただいておりますけれども、こうしたことを受けて、小学校段階で充実した学びを行うために重要な教材であります教科書の充実を図るということを、今般、発表させていただいたところでございます。これをどうやってきちっと生徒児童に定着させていくのかということでございますけれども、鍵は教員の質と数だと思っております。御案内のように、平成22年度から新学習指導要領対応ということで、4,200人の教職員定数の改善を図ったところであります。来年度以降の学級編制、教職員定数改善については、これまでヒアリング等々は終わっておりますけれども、本格的にこの検討に着手していくということで、まず数の問題に対応していきたいというふうに思っています。それから、教員の質につきましては、、現行スキームの中で、それぞれの教育委員会、あるいは大学、あるいは教職大学院等において、養成、そして採用、研修というものを、きちっと充実していただくということはもとよりでございますし、それから教員養成の在り方について検討を行うことといたしておりますので、この点でも質の向上を図って参りたいというふうに思っております。それと、これはもう言わずもがなでございますが、「教科書を教える」わけじゃなくて、「教科書で教える」わけであります。それから、今回、私も国会答弁の中でも少し申し上げさせていただきましたけれども、増えている部分というのは、むしろ基礎力の定着、反復といった部分を増やさせていただいておりまして、この部分をより着実に行っていくという観点から、そのための教材、あるいは、そういうものの部分を特に充実させていただいているということでありますので、ページ数が25パーセント増えて、授業時間ももちろん1割増えているわけでありますが、そことのずれというような単純な議論ではないということは皆様方も十分御承知いただいていると思います。したがって、豊富な教材の中で、教員がそれぞれの子ども、あるいはそれぞれの学級の状況に応じて、適宜、適切に指導案を作り、それを着実に実施していくということに尽きるんだと思います。そういう意味で繰り返しになりますけれど、やはり教員の授業実践力ということが重要になって参りますし、それと共に、いつも秋田県の例を出して恐縮でございますが、少人数指導というものは学力の確実な定着ということに有効な効果を発揮しているということは自明でありますから、教職員定数の改善ということが、大変、鍵を握るというふうに思っているところであります。この点については、私の思いとしてはそういったところです。あと、理科支援員とかといったことも当然充実していきたいと思いますし、アシスタントティーチャーとか、学校ボランティアの皆様方の御協力もいただきたいというふうに思っていますし、そういう地域の御支援をいただくことも、地域社会で、あるいは保護者の皆さんからの応援も是非いただきたいというふうに思っています。

 

記者)
無償化の件ですけれども、第3類型の関係で検討を行うんですけれども、設置時期であるとか、委員の人数であるとか、ある程度見通しを教えていただきたいんですけれども。

 

副大臣)
これはこれからでございます。ただ、基本的に学校教育法の体系、あるいは学校教育の体系、そこにおける高校の位置付けということについて、正に専門的観点から検討していただくという場ですから、そんなに数多い方々に御審議いただくということにはならないのではないかなというふうに個人的には考えております。まだ省内の議論を十分にしているわけではありませんから、私個人としてはそのように思っております。もちろん、今日から速やかに人選に入っていきたいというふうに思っておりますが、まだ発足のタイミングが確定しているわけではございません。また、それは決まり次第お知らせをするということになると思います、やることについてはですね。

 

記者)
議論を公開するかどうかについて、大臣の会見ではある程度前向きな発言をされていたんですけれど、その辺りについてはどうなんでしょうか。

 

副大臣)
それも、委員のお願いのときのやりとりの中で、いろんな方向の可能性があると思います、正直申し上げて。もちろん、一般論として、原則論として、国民の皆様方に、この状況をよりシェアしていただくということが大事だということは大原則ですけれども、一方で検討の場の目的は、客観的な基準をより公正かつ中立に、かつ精度の高いものを作り上げるということが目的ですから、その目的に資するやり方を優先させていただきたいというふうに思っております。ベストな方にベストな状態で審議に加わっていただきたいというのが私の思いではあります。

 

記者)
無償化についてですけれども、学ぶ意欲のない学生というか、在籍はしているけれども学校に来ないとか、そういう人の授業料まで負担するのは不公平じゃないかという指摘が一部でありますけれども、そういったことに対する対応はどのようにお考えなんでしょうか。

 

副大臣)
学ぶ意欲があるので入学試験を受け、そして入学しておられたわけであります、そもそもはですね。そして、その後にいろいろな経過の中で学ぶ意欲が減退していると。そこに至る理由というのはいろいろだと思います。例えば、病気だとか、あるいは学業を遂行していく上での経済的な理由だとか、あるいはそもそもその学校がその生徒さんに合っていなかったということでありますから、一概にそれを論ずることはできないと思います。もちろん今回そういう意味で多様な選択肢を、経済的な心配なく受けられる可能性というものを大いに広げたというふうに思っていますから、ミスマッチな状況が放置されるということはかなり減る方向に、今、途中の段階であっても、あると思いますし、それから、今後入ってくる進路指導がある程度きちっとできる状況では、かなり減っていくんだろうというふうに思います。それから病気であるとか、正当な理由がある場合は、これはやむを得ないわけであります。そういう中で、少ないとは思いますけれども、いろいろな手を施し、教育的な、あるいはソーシャルワーカー的な、あるいはカウンセラー的なこともやった上で、なお学ぶ意欲がないということであれば、それは、基本的には自主的にその学校を去られるということがまず適切であり、またいろいろなルールに反するというのであれば、もちろんいろいろなプロセスがあって手を尽くした上でということでその学校を去ると。あるいは何らかのルールに反するようなことが著しければ、退学するということがあるわけですけれども、そういうことに対しては、今回、私学については36月という上限を決めています。公立学校等についても病気だとか家庭の理由だとか、あるいは留学だとか、正当な事由がある者は、留年生に対しても授業料を取らないということで決めていますけれども、あまりにもそのことが公平を欠くものについては、授業料を徴収するということになっていますので、あまりにもモラルハザードな状態が長期間放置されるということはない制度になっているということでございます。

 

記者)
そういう意味では不備はないとお考えですか。

 

副大臣)
基本的な考えと基本的な制度設計については不備はないと思っています。あとは個別のケースについての判断だと思います。

 

記者)
個別のケースについては現場で判断していけということですか。

 

副大臣)
100人いれば100通りのそこに至る事由、プロセス、それから今後の対応策ということでのオプションがあると思います。したがって、そのオプション、それまでの対応というものを総合的に判断して適切に、何て言うか、それが不適切であるかどうか、あるいは著しく公正を欠くかどうかということは個別ケースについて判断していただく、そういうスキームになっておりますし、そのことを現場に期待したいと思います。

 

記者)
教科書の関係ですけれども、先ほどのお話の中で25パーセント、2000年度当時からだと40パーセント増えたというわけですが、授業数は1割ぐらいしか増えていないわけですけれども、単純なギャップがという議論にはならないということですが、今回、増えたものの中には、基礎基本の重視といったものの他に、いわゆるPISA型の活用的なものといった部分もかなり入っております。こういった今回増量された分の質的変化について、副大臣はどのように考えていらっしゃいますか。

 

副大臣)
PISA型の部分について、PISAショックという言葉が出たぐらいにPISA型のものに対する対応力が落ちている。学力調査においても知識問題に比して活用問題の状況が芳しくないという現状認識に立って、そのことに対する改善策として、今回の教科書の編集者は、それぞれの責任において、それぞれの創意工夫をしていただいたというふうに私は思っております。そういう世論の積み重ねと、そうした世論の動向、あるいは今の子どもたちの学力の状況に応じて、教科書会社及びその執筆者の皆さんに、大変頑張っていただいたというふうに思っております。あとは、これをうまく使いこなして、それぞれの教員がそれぞれの現場で頑張っていただくことを期待するということだと思います。

 

記者)
つまりこういった活用型の知識が多く盛り込まれたということは、巷間で言われている知識の詰め込み型への回帰といったものには、必ずしもつながらないというふうなお考えなんでしょうか。

 

副大臣)
それは、つながらないと思います。私もいろいろな学校現場を見ていますけれども、学びっていうのはリニアなものではなくて、3ページしか進まないときもあっていいわけで、また、むしろ大変大事な概念というのは、そこにはきちっと丁寧に対応しなければいけない。あるときは10ページぐらいがーっと進む、そういう生なと言いますか、機械ではないわけでありますから、正に学習というものも命ある営みですから。かつ、詰め込んだところで詰め込めるものでもないということについては、当然のコンセンサスとして現場ではシェアされていると思います。

 

記者)
道徳もかなり盛り込まれましたけれども、その辺りの記述、かなり各社がいろんな工夫をしたというか形跡が見られますが、その辺りの評価はどうでしょうか。

 

副大臣)
結局、道徳なんかも特にそうでしょうけれども、教科書で教えるということだと思います。ですから、教材としてはいろんなオプションを豊富にとっておいてですね、それぞれの学校学校で、地域もありますし、例えば東京の中でもいろんな地域があります、御家庭の職業のばらつきとかですね。やっぱり道徳というのは自分がリアリティを感じられるかどうかということが非常に重要ですから、教材の中でも学習コミュニティがリアリティを感じられる、あるいはイマジネーションがある程度わくような教材を選択的に使いながら道徳の授業を進めていくということなんだろうと。少なくとも、作っておられる方はそういうことを想定しながらやってくださっていると思いますし、学校現場の皆さんもそのように活用していただくべきものだというふうに私は思っております。これはこれからのいろんな研修等々でも、そういうふうな研修が、別に文科省がやれと言わなくても、自ずと全うな研修の講師であればそういう講習になっていくんだろうと思います。

 

記者)
先ほどの教員の数を増やすという対応の関連なんですけれども、学校週5日制は維持したままでも、学校の先生を増やしていけば教える量を増やしていくことにも対応していけるというお考えでしょうか。

 

副大臣)
少なくとも、あと3年半ぐらいですか、第一期の民主党政権といいますか、その中で現行学習指導要領を、もちろん個人的にはいろんな思いはありますけれども、見直すという考え方はございませんので、したがって、週5日制についても同様の取り扱いをするということが原則であります。

 

記者)
教員の資質向上に関するヒアリングを昨日、3月いっぱいで締め切りましたけれども、どういった声が上がってきたかということと、それを踏まえた行政改革の諮問の時期と今後の審議のスケジュール等が決まっていれば教えてください。

 

副大臣)
昨日までは高校無償化法案に集中いたしておりましたので、もう一度きちっと精査して考えて、然るべきタイミングでお話できる段階になれば、きちっと御説明したいと思いますが、今のところまだ決まっていません。

 

記者)
今回の教科書検定の関連で、手続きの透明化も一部進んだと思うんですけれども、その一方で公開されたものというのは議事概要等で、一般の人にはちょっと分かりにくいかなという印象を私自身は持っているんですが、透明化という観点でこれで十分かどうか、その辺の御所見をお願いします。

 

副大臣)
研究課題としては、民主党のインデックスにも若干そういった問題意識を触れておりますので、これで完璧かと言われればまだ改善すべき点はあろうかと思います。今回は従来に比べれば一つの大きな前進だったとは思っていますけれども、目的は良い検定意見を作るということでありますから、先ほどの話と同じになってくるわけですけれども、そのために専門的な人たちを、ベストな人たちを集める、そしてベストな意見を言ってもらうということがやはり一番大事なことで、同時にベストな意見を出してもらうためにも、あるいは出してもらう議論を活性化するためにも、公開という部分はプラスになる要素が私は多いと思っているので、それはやるべきだと思っています。今回もそのことによって検定審議会が非常に機能しているというか、こういう言い方をしては失礼ですけれども、しているということも御理解いただけたので、そういう意味では今回の方向は間違っていなかったと思いますけれども、あくまで良い検定意見を付して良い教科書を作るという観点に立って、公開のことも含めて教科書検定手続きというものの改善策について検討していくということだと思います。

 

記者)
無償化の広報についてなんですが、ワンストップのホットラインが設けられましたけれども、それを文科省にも置いて、各都道府県の窓口をそれぞれ紹介するということなんですが、2つあるとワンストップにならないんじゃないかなと思うんですけれど。

 

副大臣)
文科省はワンストップです。ただ文科省に都道府県の窓口の連絡先もホームページで載せますから、とりあえず文科省のホームページに来てもらえれば、あるいは文科省に言っていただければ、そこから都道府県に御案内するという仕組みになっていますので、それは電話もそうだしホームページもそういうことです。

 

(了)

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大臣官房総務課広報室

-- 登録:平成22年04月 --