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中川副大臣記者会見録(平成21年12月9日)

平成21年12月9日(水曜日)
15時30分~15時57分
文部科学省 記者会見室
教育、科学技術・学術

キーワード

高校無償化、特定扶養控除、総合科学技術会議の優先度判定

平成21年12月9日(水曜日)に行われた、中川文部科学副大臣の定例記者会見の映像です。

副大臣)
今日は国土交通省に、前原大臣をチーフとした観光立国へ向けてのプロジェクトというのができまして、3つくらいの小プロジェクトに分かれて企画を出していくんですけれども、文部科学省として1つは国内の観光資源ですね、ある意味では文化財だとか、あるいは世界遺産、それぞれ関連している美術館、博物館等々、こうしたものをしっかり活用をして、特に海外から来る観光客に対してどのような体制を作り上げていくか、これは基本的に考え直していかなければいけないというか、新しい切り口で改革していかなければいけないところだと思うんですが、ちょうどいい機会なんで、こういう改革に結びつけていきたいということで、国内のそうした資源を活用していくプロジェクトの小委員会に入っていきます。それからもう1つは、高井政務官に委員になってもらって一緒に参加してもらおうと思っているんですが、時間を作り上げるっていうことで、例えば親が休暇を取って観光ということになったときに、子どもの学校の状況をどうしていくかということです。それをうまくハーモライズ、シンクロさせていくという、いろいろな工夫も必要だろうと思うので、そういうプロジェクトに高井政務官に入っていただくことになっています。それからもう1つ、そうしたいろいろなハコモノの活用ということだけではなく、例えばメディア芸術の祭典というものが計画されていますけれども、ああいうプロジェクトとか、サッカーワールドカップの招致であるとか、あるいはジャポニズムというか、新宿辺りで若い女の子がアピールしているあのスタイルですね、ああいうファッションだとか、いろいろな日本の食べ物も含めて、あるいはアニメの世界も含めていろいろなソフト的なテーマがあるんだろうと思うんです。それをいかに情報発信して、そういうイベントと絡み合わせて観光に結び付けていくという構想も含めて、これは今のところ中川案ですが、うまく肉付けしながら、しっかりと文科省ができること、あるいはやっていきたいことをアピールしていきたいというふうに思っています。そんな明るい話題から今日は始まりましたので、また中身について皆さんの方からも、特にメディアの世界でこんなことができるというようなことの提案があったら教えていただきたいというふうに思います。そんなことがスタートいたしました。

記者)
税収不足がかなり深刻ですけれども、高校無償化の財源について川端大臣が先週、特定扶養控除の一部を当てる考えを示しましたけれども、政府税調は来年度については、特定扶養控除の制度を維持するという方針を決めたということです。副大臣はかつて、特定扶養控除の廃止とか無償化への財源化には、マニフェストとか税制改正の観点からも否定的な考えも示していましたけれども、改めて今後の特定扶養控除の扱いと高校無償化との関係などについてお聞かせください。

副大臣)
私が税制調査会の中で主張していましたのは、まず、私たちが関連団体からの要望も含めて、特に来年の税制ということになると租税特別措置法を中心にした改正ということになりますが、そういう要望を上げて、そこで税制調査会の中の基本的な方針に基づいて調整をしていくというプロセス、これは税制調査会を中心にまとめていくものだろうと。しかし、もう一方で基幹税制について、特にマニフェストと関連してくるものについては、まずフレームはトータルで戦略会議なり一段高いレベルで、いわゆる大臣レベルで調整をして、そのフレームを作った上で個々の部分について具体的な設計を税制調査会で議論をするようにという話でないと、なかなか税制調査会の税という部分だけで、予算というのは歳入と歳出があるわけですが、歳入の部分だけで完全に結論が出せるということではないだろうということをずっと主張してきました。そういう意味から言って、特定扶養控除というようなものはマニフェストの中にそのまま継続をしていくという記述があって、国民もそのように理解しているものであるし、逆の歳出の分野でいけば、高校の無償化という、これは税制調査会の範ちゅうにない歳出の部分ですが、それをどうするかというようなことは、そうした全体の予算のフレームの中でまずは議論して欲しいと、だから特定扶養控除については税制調査会で一方的に議論するということはちょっと止めようと、企画の方から出てきたものですから、ちょっと止めようよという主張をしてきたということです。今回、予算を同時並行的に詰めていく中で、大臣レベルで、特に戦略会議の中で調整をしながらトータルでフレームを作っていく、その一つとしてこの高校無償化と特定扶養控除を絡めた、いわゆる歳出と歳入という部分を絡めた整理をしていきたいというような議論が出てきたということです。
いろいろな選択肢があるというか、高校無償化についてはそうした特定扶養控除との関連で財源を求めていくという考え方もあるし、もう一方で、これはまだ正式には出てきていませんが、税とは関係なく歳出の方に所得制限をかけて、全体の金額を多少とも絞っていくという解決の選択肢があるわけですけれども、そこについていろいろな可能性を探っていくということができるんじゃないかということが財政当局の方からも提起があったということです。それを受けて、我々三役の中で議論をして結論として出したのは、これまでの哲学というか基本的な考え方に立てば高校無償化に対して所得制限を入れるという前提はないと、これをやってしまうとこれまでの政策の延長みたいなもので、いわゆる低所得の部分について所得を補足していくような形の給付という形態、我々はそこから出発したのではなくて、子ども手当もそうですが、社会全体で子どもの養育ということについて責任を持っていこうと、新しい体制を作っていこうという考え方に立っていたので、所得制限をしていくということは、これまでの前提を真っ向から崩してくることになるので、この部分については私たちの考え方としてはマニフェストを崩すべきではない、全額そのまま所得制限なしで、まず最優先に入れていきたいということをお披露目させていただいたということです。これは、川端大臣の記者会見で皆さんに、そこのところはお話をされて、その上で、そうだとすれば可能性として、財務省の立場からすれば財源としてですね、特定扶養控除を弾力的に考える、これは廃止するということではなくて、額の縮小という前提で弾力的に考えて財源にしていくという選択肢もあるんじゃないかということが、今度はテーマになってくるということです。そこのところが私たちの主張ははっきりしている、まずは所得制限なしということです。そこのところははっきりしておるのですけれども財務省のサイドが、まだ方向性が落ち着いていないので、今日夕刻大臣レベルでその話し合いをしていただいて決着をしていきたいということになっています。入り口のところですね、入り口のところというのは所得制限はしないということを、まず文科省としては通していきたいということ、その努力を大臣にしていただくということになっているという経過です。

記者)
今日、夕方に菅副総理と川端大臣がお会いになられるということですか。

副大臣)
菅副総理ではなく、藤井大臣とです。

記者)
科学技術予算ですが、昨日、総合科学技術会議の優先度判定が正式に決まりましたが、その中でも事業仕分けと違う結果がかなり出ているんですが、それを踏まえて今後の予算編成に向けてのお考えをお願いします。

副大臣)
基本的には、事業仕分けは無駄なところがあるんじゃないか、あるいは税金が生きていないんじゃないかという、いわゆる切る方、否定的にそれぞれ格付けをしていくというか、批判をしていくというプロセスであったわけですが、総合科学技術会議の方は逆でありまして、どこをしっかり伸ばしていかなければならないか、ここは予算が足りないじゃないかという前提で、それぞれ評価をしていることですから、当然二つのスタートが違うんで、ああいう結果になっていくのだろうと思います。だから、両方を参考にしながらというより基本的なものにしながら、私たちでまとめて、今、財政当局と事務レベルの話合いが始まりつつあるというところであります。そこから争点がまとまってきて、三役レベルで整理する部分が上がってくると思います。さっきの高校の無償化の話がそうであったように、ああいう形で争点をまとめながら政治判断していきたいというふうに思っています。

記者)
仕分けの結果を覆すような判断に至った場合には、それを丁寧に国民に説明するというお考えは今も変わらないですか。

副大臣)
はい、そのとおりだと思います。説明をしていきたいというふうに思っています。

記者)
川端大臣と藤井大臣の折衝の時間と場所は決まっているんですか。

副大臣)
私は、まだしっかり聞いていないんですが確認をしてみてください。後で皆さんにも説明があるんじゃないかな。

記者)
いずれにしても、今日の段階で来年度、高校無償化をどうするかっていうことについて完全に決着するということですか。

副大臣)
して欲しいと思いますね。まずその思いで臨んでいただくということになると思います。

記者)
所得制限もしないし特定扶養控除も維持するという選択肢は、もはやないということなんですか。

副大臣)
そこまでいければいいんですけれども、現実は非常に厳しい状況が、例えば、文科省予算トータルで考えたときに非常に厳しいところがあるということも理解しなければいけないんだろうと。ただし、特定扶養控除を全体で廃止するという話は全くない。どこまで財源として調整できるかということなんですが、私たちはそのつもりでいるんだけれども財務省は違うんですよ、財務省はそれとこれとは別だと。両方に切り込もうとしている、所得制限も特定扶養控除も、両方。ということは、特定扶養控除は文科省と関係ない話だと彼らは言うわけです。それは全体の財源の話なんで関係ないでしょ、勝手にそれを財源として持ってきてもらうのは困りますよという話。そこも食い違っているわけで、我々は、いや違うよ、これもペアで話していくことですよということを、逆に入れていく場合は議論しなきゃいけない。だけれど、ペアでっていうことであっても、後で所得制限というふうな話になってきたら話が違うじゃないかということだから、先に所得制限の方はやっぱり固定してしまおうと、はっきり話してしまおうと、そこから考えて特定扶養控除をどうするかっていうのを、我々判断しますよっていうことです。

記者)
ちなみに、350万円以下の給付型の部分がありますが、その議論との接点というのはあるんですか。

副大臣)
いろいろなオプションが出てくる可能性があります、これからのまとめ方によって。まず入り口のところ、所得制限はなしということの確認を我々は取りたいと。そこから次の絵を描こうじゃないかという話です。

記者)
財務省サイドは、所得制限は例えばこれくらいとか、年収幾ら以上とかということは言ってきているんですか。

副大臣)
これは今、鈴木副大臣が交渉やってくれているんですが、彼のところにはいろいろなことを言ってきているんだと思います。

記者)
それがないと特定扶養控除との比較ができないですよね、金額ベースでの。

副大臣)
文科省の主張としては、これは哲学なんだと、額の話じゃなくて。所得制限を入れる入れないというのは、この政策をずっと3年前から議論してきたときに、何回もそのところは課題として繰り返し出てきて整理したのが所得制限なしで、子ども手当も同じように所得制限の話が出て、この国の基本的な歳出構造を、全体の子育てを社会化していくという意味で変えていこう、直接給付をしていこうという構造に変えるんだということで、これは社会保障制度ではなくて歳出構造と基本理念として社会全体で子育てしていくんだというところに落ち着かせたわけです。だから、それを財務省の事情で、あるいは考え方でマニフェストの基本的な哲学を変えてもらっては困るんだというのが私たちの今の主張なんです。

記者)
そうするとやっぱり、文科省対財務省という構図というよりも、国家戦略室なり鳩山総理なりがある程度ビジョンに示さなければ、お互いに言い合っていても、なかなからちが明かないんじゃないかと思うんですが、そういう動きにはならないんですか。

副大臣)
なったから、今動き始めて大臣同士が話合うことになってきたわけです。これで藤井大臣と話ができなければ、菅副総理のところで整理をするということになるんだろうと思います。

記者)
昨日、日産の工場と海洋研究開発機構へ行かれたと思うんですが、その報告と感想を教えてください。

副大臣)
海洋研究開発機構を中心に現場へ向いて入っていくということで、行ってきました。地球シミュレータを走らせているんですね、専門家の話もいろいろ聞いてきたんですけれども、私たちはこれからスパコンを基本的に整備していくのにいい議論ができたというふうに思っています。一つ感じたのは、スパコンの事業仕分けで提起されたように、一つの公共事業が始まって何年も走っているうちにそれしかないという選択肢だったんですが、いろいろ聞いてみるとあのレベルのスパコンを作っていくということ自体は大切であっても、他の選択肢は全部否定されて、あれだけしかないというような考え方は間違っているんだというのは追い追い分かってきたように思いますし、地球シミュレータの議論の中でもそんなことが出てきました。例えば、スパコンの性能をいうのにリンパックの計算能力だけで計って世界一だということではなくて、様々な汎用性の中でトータルでスパコンの性能をみたときに、必ずしも、例えば地球シミュレータを運転している担当者の議論でいけば、いかにパソコンが小さくても、それを、例えば0.5で使うのか7まで目一杯拡張して使うのかというのはソフトの力ですから、日本の場合は地球シミュレータで7まで使っているんで、そういう意味では世界一なんだという自負をもって説明していただいたり、あるいはそうしたいろいろなスパコンが今そのレベルであって、今度それの100倍のハード能力を持ったもの、いわゆるリンパックで規定されたその能力を持ったものを作るということですが、ではこれまでのものをネットワーク化して、いわゆるクラウド化してそれを縦横に使うようなもの、今のレベルではなかなか一度にというわけにいかないけれども、いわゆる機能分けしてというレベルになるんだけれども、しかしそれを一度に使うような技術開発というのは、例えばそこを見て資金を投入していったときに、もっと日本の場合は利用者が増えて、限られた分野だけにそれを使うということじゃなくて、汎用性をもってぐっと広がっていくというふうな可能性もあるんじゃないかとかいうことを、私も投げかけて向こうの専門家もそのような方向付けがあってということだったものですから、非常に実りが大きかったというふうに思っています。それはスパコンに関しての議論でありました。
それから、地球深部への探査のプロジェクトとか、あるいは深海プロジェクトとか、いろいろ夢のある話を聞かせていただきましたが、一つ感じたのは、海洋分野での投資というものをやってきて、例えば、調査船トータルで8隻を運用して世界と連携しながら調査してきたわけですけれども、それで具体的にどういう形で貢献してきたのか、何が実現できたのかというふうなことを、あそこへ行くとよく分かるんだけれども、やっぱり国民に対してしっかり知らしめていくということは必要だというふうに感じたのと、それをもって今度はどこへ集中的に資金を投入していくのかというのは、やっぱり、我々が判断して考えていかなきゃいけないというふうなことを感じてきました。

記者)
日産の方はいかがですか。

副大臣)
電気自動車に試乗できると思って行ったのですが、今整備をしている最中だというので乗れなかったということが残念だったのですが、こういう雇用状況、経済状況でありますので、日産そのものも生産がピークの7割ぐらいまで落ちているという現状も理解させていただきました。その上でいいことをしていただいていると思ったのは、異業種間で、製鉄所だとか、あるいは全く違った電気関係のメーカーであるとかと連携して、期間工を融通し合っているんです、雇用を。派遣というものに頼らずに、そうした異業種で、自動車だけじゃなくて、あるいは自分のグループだけじゃなくて、異業種で連携して雇用の調整をやって、採用というか雇用の安定というものに対して工夫をしておられるということ、非常に前向きで、頑張ってもらってるなという思いもして評価をさせていただきました。 

(了)

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