平成21年12月4日(金曜日)
9時49分~10時5分
文部科学省 記者会見室
教育
高校無償化、教員定数
平成21年12月4日(金曜日)に行われた川端文部科学大臣の記者会見の映像です。
大臣)
閣議案件は、私の方から申し上げることはありません。
記者)
景気悪化を受けて、今年度の税収の大幅な減少が見込まれています。来年度以降もかなり厳しいということで、総理も最近、マニフェストについては国民の意見を尊重して、状況に応じて修正するという考えも示しています。それを受けたのか、文科省の高校無償化についても、野田財務副大臣等が所得制限や地方負担などに言及しています。こうした状況や動きについての大臣の受止めと、改めて高校無償化についての考えや方針をお願いします。
大臣)
今日で国会も終わるので、いよいよ予算編成が大きな山場を迎えます。刷新会議の一応の基本方針も出たということでありますが、今言われたように、大変税収が厳しいという環境にある中で、難しい予算編成が始まっているんだと、それは認識しております。ただ、そういう中で、一部報道で、野田財務副大臣のお話は出たんですけれども、私自身、報道でしか聞いていないんですが、これから、そういう話があるのかもしれません。ただ、基本的に、民主党のマニフェストの、正に工程表に額まで示した大きな政策の中心の一つであると同時に、今まで、党でマニフェストを作るときを含めて、所得制限うんぬんという議論は、実は一度もされていない中で、法律も参議院で一回出したものでもありますので、私たちは、こういう仕組みがベストであるというか、こうあるべきだということで概算要求をしたわけですから、その姿勢でこれからも臨んで参りたいと思っております。
記者)
関連なんですけれども、昨日の税調で、特定扶養控除は先送りという、廃止ではない判断がされましたが、そうしますと、高校無償化の世代と重なると思うんですけれども、無償化で、概念的には間接ではなく直接家庭にお配りをして、かつ控除が残るというのは、他の手当とか税制との関係と、整合性がうまく取れないんじゃないかと思うんですが、その辺はどんなふうにお考えですか。
大臣)
これは税調の議論で、今の段階ではそうなっているというふうには承知していますが、そういう議論もあるでしょう。扶養控除と子ども手当ということとの御指摘だと思うんですが、そういう理屈もあり得るだろうとは思います。
記者)
火曜日の会見では、高校無償化について、ヒアリング以降、打診とか相談はされていないとおっしゃっていました。その後、何らかの接触というのはあったんでしょうか。
大臣)
今日以降にヒアリング、あるいは接触がありそうです。昨日まではありません。
記者)
具体的な日程は決まっていますか。
大臣)
今、調整中です。
記者)
大臣自ら。
大臣)
いろいろなので、各級で。
記者)
昨日の記者会見で鈴木副大臣がですね、要するに所得制限を入れたのでは、もはや高校無償化とは言えない、それは高校無償化ではなく、言わば、高校をどうするかの支援策であるにしか過ぎないというふうにお話をされているんですけれども、大臣としてもそういうふうにお考えですか。
大臣)
先ほど申し上げたように、私たちがこれを議論して、公約に書き、マニフェストの工程表にも乗せた議論は、正に高校の実質無償化ということであって、今やっている都道府県レベルでの補助を拡大するというものとは、全く理念や制度が別のものであるという認識をしていることは間違いありません。今の都道府県の部分を拡大するという、その所得制限の枠をこちらにずらすということは、今のあるものの延長線であって、新しい制度ではないですよね。
記者)
もちろん、貧困対策に寄与するというかですね、低所得者層を助けることにもなるんだけれども、理念としては、それだけではなくてすべての…。
大臣)
国際人権規約の制限条項をはずすという趣旨とは違うものになってしまうというふうに、私たちは思っています。
記者)
やりたいのは、すべての子が無償で行けるようにするという、高校教育を受けられるようするんだという理念ですか。
大臣)
無償化というものの理念と、大変な人を応援する、補助するというのとは、理念としては違うものになっています。多分法律的にも違うものになる可能性があるというふうに思います。
記者)
財務省の論理としてはですね、一定の低所得層の方々というのは既に授業料が減免されているんだと。そこに、一斉に授業料を無償にするとですね、所得の高い人にメリットがあって、現に授業料を免除されている人にはメリットがないという点を指摘されるんですが、そこはどう反論していくんでしょうか。
大臣)
我々が制度設計した部分は、今、一定の所得の人に乗せられていると。今度、それが同じようにこちらまで乗せるということだったら、おっしゃることになるので、ここの部分にはいろんな授業料以外の支援を結果的に乗せていくことによって、いろんな財源で全体に上がるというふうに、制度設計は今考えてやっているわけですから、ここにある部分にこちらだけ乗せるということではありません。私学に関しては特にそうです。
記者)
授業料以外に乗せる部分については、今のところ、財務省との間で、それは…。
大臣)
まだ、今そういう話まで細かく、今日の報道でいう部分の論点の指摘は昨日ぐらいから出てきた話だと思いますので、まだここのやりとりはできていません。
記者)
教員の数の充実という方で、今のところ概算要求で5,500人の要求をしているわけですけれども、その点で、見通しというか、どれだけ守れるのかというところはいかがでしょう。
大臣)
正に、これからなので、個々にうんぬんということで、これはこうだということではありません。正にこれからの折衝と、そこから最終査定に至るまでの経過ですので、私たちとしては、この件に関しては、仕分けでも一定の御理解をいただいた項目であり、仕分けを参考にするとき、いいとこ取りをするつもりはありませんが、そういう共通の認識があるのかなとは思っていますので、しっかりと、やはり教育の質の充実というのもマニフェストの重要な項目の柱ですので、確保に向けて全力を尽くしたいと思っています。
記者)
お気持ちとして、自然減が3,900人ありますけれども、それよりは上回りたいとかですね、実質増を獲得したい等は。
大臣)
実質増は前提として思っています。
記者)
その関係で、仕分けでは教員の事務負担の軽減を見直すようにというふうな指摘があったと思うんですけれども、それに向けて具体的な取組とかは始まっているんですか。
大臣)
事務負担の軽減というときに、この事務は要らないという軽減の仕方と、人を増やして皆で分散するというのと、二つあったと思うんです。両面からだと思いますが、この事務の、ここの部分の事務を止めていくということは、簡単にできるものではないですから、例えば、補助金などで仕分けの対象にも一部なっていますが、モデル事業とかというものを、できるだけメニュー化して大括り化するというのも、一つの事務の軽減にもなるということの工夫は、一所懸命やっていきたいと思いますが、ベースはやっぱり、人を増やすということにつながるのが一番だと思います。仕分けの議論も、そういう趣旨が多かったんではないかと思います。
記者)
昨日、山形大学と信州大学の学長が政務官のところに来られまして、産学連携等で、今年から始まった事業ですけれども、他にも継続事業も含めて廃止という判断が事業仕分けでされましたが、新規をやらないというだけではなく、継続まで途中で廃止されるということで、かなり戸惑っている地方の方も多いと思うんですが、その辺はどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
大臣)
仕分けの御判断は、そういうものが非常に意味がないという議論よりは、国がそこまで応援する必要あるのと、地方でやられたらというような議論だったと私は認識しているんですが、とはいえ、やはり今までやってきた経過もあります。そして、地方でやったらというときに、御案内のとおり、財政基盤の弱い地方ほど大変であるという面もありますので、少なくともですね、今まで5年なら5年やっている、あるいは、これから1年始まったとかというものは、雇用にも関係する話でもあります。任期付きの研究者とかというのは、研究費の中で人件費も払っていますから。この実情の中で、かえって芽を摘むようなことにならないようにという立場で、我々は求めて参りたいと思っています。個々の案件うんぬんではなくてです。
記者)
各都道府県の教育長の方々が、昨日要望書を出していらっしゃると思うんですけれども、先ほど話があったとおり、高校無償化で言えば、地方負担というのは、やっぱりやめてほしいとかですね、そういう地方の声に対しては、今後予算の編成に当たって、どういう形で話を聞いていくとか、そうした場面とかは考えているんでしょうか。
大臣)
以前の記者会見でも、同じように地方負担のお話が出たと思うんですが、要するに今も負担してもらっているんです。今度、国が肩代わりして全部やりますということではなくて、今までの高校にしてきたいろんなバックアップの部分は、やはり厳しい財政の中でも、やはり維持拡充する負担は引き続きお願いしたいと思っています。それが、今負担しておられるのを引き続きと言ったら、地方に負担をさせるのかというような、子ども手当と児童手当の議論も、多分そこの、子ども手当を詳しくは知りませんし、あまり他省庁のことを言及してはいけないのかもしれませんが、子ども手当で地方に持ってほしいとなったら、いろいろ議論になったという報道を見たときに思ったのは、この前も申し上げたんですが、今負担していただいている部分があります、高校の無償化でも児童手当でも。その部分をどうするのかという議論はあると思うんです。だから、今負担してもらっていることを国が肩代わりして、地方の皆さんを楽にしますということは我々は想定していなくて、もちろん、交付税化することによって、私学の部分は乗せてくださいということですから、話としては、それも厳密に言えば地方負担ですよね。だから、高校に関してのことは一切国がやりますから、地方の皆さんが今まで荷物を持っていただいたけれども楽になります、というふうには思っていなくて、両方で続けてやっていきたいとは思っています。
記者)
新たに給付するお金を配る際とか、学校を通す際に、その事務負担の費用であるとかは…。
大臣)
事務負担の費用は、計算をして全額、無償化をやるという前提のときに全部それを予算化していますから、その負担を地方にしてもらうことはありません。質問を勘違いしたのかもしれませんが、これは全国知事会のときもお話に出ましたけれども、いわゆる代理受給するということで集めたりするという事務経費を計算して、約8億円ぐらい掛かるということで、それはやるべき措置の予算のセットで入っています。
記者)
事務負担ということですけれども、もし仮に所得制限ということになるとですね、現行のように間接給付というやり方ではなくて、結局、直接給付という形になると思うんですが、そうなると事務負担というのは、せっかく軽減したものが、また、かなりの事務負担をしなければいけないということになってですね、所得制限によって削減される方がかなり薄れるんじゃないかというふうな見方もありますけれども、その辺りはどのように。
大臣)
所得制限を想定していないので、考えたこともありません。
記者)
総理自身がですね、マニフェストの修正について言及しているというのはかなり大きいと思うんですけれども、そういう意味では、例えば今後、世論的にですね、高校の無償化についても、財源との関係であくまで全員無償化でなくてもという声が大きくなった場合に、そういう部分が反映されてもやむなしと、大臣としてはお考えでしょうか。
大臣)
今申し上げられるのは、我々の要求どおりに実現するよう、最大主張し、努力するという以上のことは申し上げられません。結果は政治判断ですから。
(了)
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