平成21年8月11日(火曜日)
11時11分~11時38分
文部科学省 記者会見室
教育、科学技術・学術
文部科学省低炭素社会づくり行動計画、グリーン・サイエンス・ストラテジー、電子黒板、薬物乱用、学校基本調査、全国学力・学習状況調査
大臣)
本日の閣議については、当省案件はありませんでした。
私の方から、今般、当省における低炭素社会づくりにかかる取組をとりまとめたので発表します。今年6月の温室効果ガスの排出量削減目標に関する総理の発表や、先般のラクイラサミットで示された温室効果ガス排出量の削減目標などを受けて、本日、「文部科学省低炭素社会づくり行動計画」を決定しました。この行動計画については、一つは「研究開発の推進」、二つ目は「低炭素社会や持続可能な社会について学ぶ仕組みづくりの推進」、三つ目は「環境を考慮した学校施設(エコスクール)の推進」、四つ目は「文部科学省のグリーン化」ということです。研究開発の戦略については、戦略3であげた緩和策として、CO2の排出量を削減するため、大量生産が可能な太陽電池の候補である色素増感型太陽電池、超伝導送電などの先端的技術開発を行うとともに、戦略5にあげた適応策として、温暖化に伴う水災害への対応や土壌・森林等の統合管理などの環境変化に対する影響・対応に関する研究を行う。また、このような研究に当たっては、当省がこれまで取り組んできた気候変動予測研究などの成果を活用することとしている。さらに、これらの成果を社会に導入するため、戦略1としてあげた戦略的社会シナリオの研究や、戦略2としてあげた社会システムにおける技術的検証などを行うこととしている。この戦略を「グリーン・サイエンス・ストラテジー」と名付けて、実現に必要な予算を来年度の概算要求に盛り込んで、低炭素社会づくりの実現に向けた取組を進めていきたいと考えています。
記者)
21世紀臨調主催の政権公約検証大会で、民間のシンクタンクと全国知事会が、自民・民主両党のマニフェスト評価を発表しました。教育分野については、経済同友会が「教育改革の財源や具体的手段、目標が抽象的」と、日本労働組合総連合会が「子育て給付付き税額控除は、水準等具体的像が明らかでない」など、自民党の公約は民主党の公約と比べても、優れた評価を得られたとは言えない状況でした。国民の選択に先立って行われたシンクタンクの評価に対する大臣の見解をお聞かせください。
大臣)
このシンクタンクの評価については、それぞれの団体等の政策に対する、合致度と言いますか、そういったこととか、あるいは、極めて形式的な数字が明確になっているかどうかというところが、この評価の位置付けというか、対象になっていると思います。そういう点で、ある程度、手段目標が抽象的というのは、与党として、かなり確実な点においてでないと明確にできないという部分もありますし、また、具体的に例えば、子育て給付付き税額控除等については、まだ詳細は検討中だと思っていますので、そういう点もあり、先ほど申し上げたように、それぞれの点において、数字が出ている部分が評価されたり、その内容は別として、その団体の、最初に申し上げた、考え方といかに合致しているかという点ですから、それぞれ評価は評価として、私どもは真摯に受け止めながら、自民党政権としては、公約としてあげている事項については、現在の教育の問題として、様々な課題を解決するための施策であると思っています。我々文部科学省としても、それをしっかりと把握して、また評価も真摯に受け止めていく必要があると思っています。
記者)
もう少しで終戦記念日ですけれども、大臣は靖国神社へ参拝をされるのでしょうか。
大臣)
参拝はいたしません。
記者)
それはどうしてですか。
大臣)
今までも特に終戦記念日にはしてないものですから、戦没者慰霊祭には閣僚として出席はしますが、今までと同じような形でということです。
記者)
先ほどの低炭素社会づくりの研究開発戦略のことですけれども、これを実現するための通し目標というか、ざくっとした数字でも結構なのですけれども、例えば何年間でいくらぐらいだとか、あるいは来年度予算はいくらぐらいだとか、もし現段階であればお願いしたいのですけれども。
大臣)
今月末に概算要求を出しますが、それに向けて今調整を行っている最中でして、具体的な数字は申し上げられません。
記者)
例えば、10年間でどのぐらいとか、長期的な数字はどうでしょう。
大臣)
私どもが発表する計画の中では、長期的な数字も出していく必要があるかなと思っているところで、調整して、今後、明確にしていきたいと思います。
記者)
研究開発戦略ですけれども、もう一度、文科省の果たす役割についてお聞かせ願えますでしょうか。
大臣)
研究開発については、特にCO2の排出量を削減する技術開発に加えて、温暖化に伴う環境の変化に対する、実効性のある対策の研究とか、低炭素社会実現のための社会システムの研究、科学技術的見地と人文・社会科学的見地とを結集させて、総合的に研究開発に取り組むということです。
記者)
予算を有効に使っていくかどうか、自己点検する政策評価について、文部科学省が総務省などに、重要対象分野の評価の中止を求めているということですけれども、そのようにした理由を教えてください。
大臣)
それは、まったくそういう意図ではなくて、担当者の、今の状況を踏まえての、総務省とのやりとりの中の話でして、我々文部科学省としては、その評価をしっかりすべきだと、改めて指示をして、今回のそういった文書のやりとりについては厳重に注意をしました。
記者)
今の状況を踏まえてというのはどういうことでしょうか。
大臣)
経済財政諮問会議がどうのということを考えて、色々なことに言及したようですけれども、それはまったく適切ではない。ですから、文部科学省としての意図でもありません。
記者)
担当者がそれをやってしまったということでしょうか。
大臣)
そうです。相談というものは何もなく。ですから、しっかりと厳重に注意をしました。そして、改めて今、この評価をやる手続きをしているということです。
記者)
芸能界の薬物汚染が問題になっているようですけれども、ここまで、若者の大麻とかの対策を色々してきた中で、こういう社会的影響力の大きい方が、こういった事件を起こしたということをどう見られていらっしゃるか、教育への影響を含めてお考えをお聞かせください。
大臣)
誠に残念な事件がまた起こってしまったという思いでして、今回特に、大変人気のある方が、そういう薬物乱用ということでして、従って、非常に世間にも、大きな影響があると思っています。改めて、一連の薬物についての、学校での指導を、今までも強化してきて、各学年においての対応、その年代においての指導とか、あるいはパンフレット等を作成して配布するとか、あるいは薬物乱用防止教室などを開いてきましたが、より徹底してやる必要があるなということを感じました。今後、政府において、この薬物乱用防止計画、5カ年計画もありますし、それに基づいて、より一層強化をしていく必要があるなと。他の省庁と連携しながら、総合的に対策をしていく必要があると。いずれにしても、誠に残念な事件ですので、文科省としても今後の対応を改めて検討していきたいと考えています。
記者)
非常に世間にも影響があるとおっしゃったのですが、もう少し具体的にお願いします。
大臣)
あのような有名なタレントが、薬物を乱用したということで、それぞれ各社も相当大きく報道していますよね。ですから、そういう意味では、非常に誰もが、どちらかというと身近に感じていたタレントが、残念ながらあのようなことをしていたということは、相当、ショックもあるでしょうし、またそれに何か誘導されるような影響も出てくるのかな、色々な影響があるんだと思います。
記者)
靖国参拝の話ですけれども、先ほど終戦記念日には行かれないということでしたけれども、時期をずらして行くということはありますか。
大臣)
閣僚としては行きません。今までも行っていません。議員としてはもちろん、靖国神社を参拝する会にも入っております。
記者)
今年の夏は…。
大臣)
また、文科大臣として、そういう特定の神社とかというところには、行くのを控えていますので、そういう面もあります。
記者)
今年の夏は行っていらっしゃるのですか。
大臣)
行っていないです。
記者)
私人、個人としては。
大臣)
行っていないです。
記者)
閣僚が靖国神社に参拝すること自体についてはどうでしょうか。
大臣)
気持ちの上というか考え方においては、閣僚だからとかということはないのですが、一応やはり、そういう立場においては、控えていくことが適切かなと思っていますので、私自身は閣僚としては控えています。それと文部科学省についても、例えば、明治神宮に参拝とかというのは、文部科学大臣としては行かないということでして、やはり所管の大臣ということで、ある特定のところへは行かないということもあります。
記者)
電子黒板を今使ってみて、使い勝手はどうですか。
大臣)
もう少し練習すれば、なかなか楽しくできるんじゃないかなと思います。まだ、使い勝手が分かっていませんので。ただ非常に、こういうのを使って授業等をやるということは、先生方にとってもやりやすいのかなと。こうやって大きい画面に表示して、単純な話ですが、教科書がここに写されて、ここだよって示すときに、今まで、子どもたちは自分の教科書を見ているわけで、それを言葉でここだよと言って、全員が本当に分かるかっていうと、結構聞いている子どもたちというのは、どこだか分からないで過ごしちゃうような人が、多分、私も経験がありますが、その辺がはっきり、先生の言っていることが伝わったり、単純な話ですね、そういうことで、割合授業が子どもたちに伝わるのかなという気がしますね。ですから、今後、実際に使って、そういった先生方の、あるいは子どもたちの色々なそれに対する意見も聞いてみたり、今は学校に1台ですけれども、もう少し有効に使うということであれば、当然、増やしていく必要があるのではないかと思っています。
記者)
選挙で2点お聞きしたいのですが、各種世論調査で、自民党への支持が若干ですけれども、盛り返してきているという状況がありますけれども、それは御自身として感じられる場面が、最近の選挙活動を通してあるかどうかということと、もう一点は、大臣としての公務をある程度こなしながら選挙ということで、地元に密着できないもどかしさというものを感じる場面があるかどうか、お聞きしたいのですけれども。
大臣)
1点目については、実際にはあまり感じていません。相変わらず厳しいという状況です。ただ、色々マニフェストが出たことについて、私どもも、訴えることも明確にして、比較の話をしますから、そういうことで分かって理解をしていただくという話は、これからしていけば、より有権者、支持者には、理解をしてもらっていけるという気がするわけですが、まだその実感として、支持率が少し上がったということの反応という面では、まだ分かりません。2点目については、もちろん他への応援とか、あるいは閣議とか、としても、それはもうやむを得ないというか、そういう状況の中で最大限、自分の選挙に力を入れられるかということで、私自身努力をするしかないなと思っていますので、与えられた環境の中で最大限頑張るしかないと思っています。
記者)
今朝方の地震ですけれども、閣僚懇の中で何か指示あるいはお話が出たかどうかという確認と、文科大臣として、何か指示された点があるのかについてお願いします。
大臣)
地元ですので、かなり心配です。昨日、東京に出てきたものですから、直接体感していないのですが、連絡を取ったところ、現地ではそんなに、静岡市あるいは地元の浜松市でも、市長さんとも話をしましたが、そんなに大したことはないと、今の時点ではね。ただ、東名高速道路が、これは閣僚懇でも話が出まして、今復旧に当たっているということで国交大臣からありましたが、復旧の見通しがまだ立っていないと聞いていますので、このお盆休みと、明後日13日からですか、1,000円になるということも含めて、できるだけ早く復旧させたいというお話がありました。文部科学省については、静岡県で、高等学校卒業程度認定試験が今日行われる予定でしたが、これは中止しました。愛知県においては、遅刻した一部の受験生に対して、別室において試験時間を繰り下げて実施しています。今日中止した静岡県の試験については、8月下旬を目途に再試験を行うということにしています。あと学校関係では、特に被害はないということを報告を受けています。
記者)
先ほどの政策評価のことで、今の担当者が勝手にという話でしたけれども、その人がそうした理由というのは明確なのでしょうか。
大臣)
直接理由は聞いていません。多分、色々な状況を自分なりに心配なりしていたと思いますけどね。それは、まったく私としてみれば余分なことというか、政策評価はどんな状況になっても必要なことですから、今の政治状況とかは別として、我が省としてしっかり進める必要があるということで、改めて指示したわけです。
記者)
低炭素社会づくりの行動計画について、大臣として取り組む意気込みなり意義なりというのを、もう一度御自身のお言葉でお願いします。
大臣)
低炭素社会というのは、やはり今の経済状況の厳しい不況対策も含め、また、これは、個人的な言葉かもしれませんけれども、こういう厳しい経済状況になったからこそ、そのピンチはチャンスだと受け止めまして、例えば、太陽光発電も、今まで何十年とあったけれども普及しなかったわけです。困難な経済状況があり、今の低炭素社会あるいは地球温暖化克服という、一つの方向性に基づいてインセンティヴを与えて、それがこのように大きく取り上げられた。ですから、経済対策についても、我が国の技術をしっかりと駆使して、地球環境にふさわしい良い製品がどんどん出て、これがまた産業化につながっていくということで、それに対する文部科学省の研究開発というものが相当求められますから、それを実行に移していくということです。
記者)
先週、学校基本調査で、4年制大学への進学率が半分を超えたりというのがありまして、それから問題行動調査もありまして、不登校の問題、高校生の中退のデータも出て来たのですけれども、経済的理由の背景というのも初めて分かったのですけれども、こういった点で何か、大臣として思いはありますでしょうか。
大臣)
今、具体的にお話がありましたけれども、こういった調査は、やはり実態をしっかり捉えて、文部科学行政にまた反映していく必要があると思います。50%を超えたということは、一つの、日本の社会の高等教育に対する位置付けというのが、一つ明確になったというか、そういう段階に来たということだろうと思います。また、経済的なことについても、これは色々な理由があって、経済格差がそのまま成績の格差につながるということだけではなくて、他の理由もあると思うのですが、その辺は、調査をしっかり精査して、少なくとも経済的理由によって、学業を断念せざるを得ないような状況がないように、また、それによって、自分の進路が変わらざるを得ないようなことがないように、私どもとしては努力する必要があるなと思っています。
記者)
国の調査として、学力格差と収入格差が、あのようにくっきり出てきて発表したのは初めてで、委託調査ではあるのですけれども、もちろん他の理由というのもついてきますけれども、歴然と、はっきりとした右肩上がりのようなグラフが出ていまして、あれについてはどのように感じていますか。
大臣)
やはり、それがある程度の実態かなというのを改めて認識しました。前々からそういうことが言われていましたが、改めてあのような調査結果が出たということは、認識せざるを得ないなと思っています。特に学校外学習ということも言及されていたり、それらの問題等をどう今後捉えて、文部科学省として何ができるかということだと思います。今のところはその実態を改めて認識したということです。
(了)
※本概要は、発言内容を変更しない範囲で読み易く修正しています。
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