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事務次官会見概要(7月9日)

平成21年7月9日
14時04分から14時31分
文部科学省 記者会見室
教育

キーワード

スクールカウンセラー,教育費負担軽減,特別支援教育,教育安心社会,高等学校無償化・義務化

次官)
今日の事務次官等会議ですが、一般案件が1件、法律案が1件、政令案が3件ですが、直接当省が所管のものではありませんので、特にご報告することはありません。

記者)
島根県出雲市で7日、中学2年生の少年が父親を刺殺した事件で、この少年がスクールカウンセラーに相談していたということが報道されていますが、子どもたちの心の声を聞くという意味でスクールカウンセラーの存在は重要だと思いますが、あらためてスクールカウンセラーのあり方について次官のお考えをお聞かせください。また、文部科学省として、今回の事件を受けて何か対応するようなことがあればお聞かせください。

次官)
今月7日に、島根県出雲市で、中学2年生の生徒が父親を刺殺するという大変痛ましい事件が起きております。大変驚くとともに非常に残念に思っています。 お尋ねのスクールカウンセラーですが、子どもたちの心の問題について、高度の専門的な知識や経験を有する方が就いておられるわけですが、カウンセリング等の手法を通じて子どもたちの心のケアを行っていただいています。学校の教育相談体制に非常に大きな役割を果たしていただいていると思っています。文部科学省においては、「スクールカウンセラー等活用事業」により、教育委員会が配置するスクールカウンセラーに必要な経費について補助を行っているところです。中学校については、全ての公立中学校に配置できる予算が措置されているところです。公立小学校についても、平成20年度より予算措置されており、順次、拡充を図っているところです。また、今回のような事件・事故が発生した際には、他の児童生徒の心のケアのためのスクールカウンセラーの緊急派遣への支援も行っているところです。今回の事件に関して、島根県では、当該中学校へのスクールカウンセラーの緊急派遣が行われていると承知しています。今回の事件を踏まえ、文部科学省としては、スクールカウンセラーなどとの連携、関係機関との連携により、学校における教育相談体制が一層充実されるよう、引き続き必要な支援を行ってまいりたいと思っています。

記者)
先週末に教育安心懇談会の提言がまとまり、いろんな試算も出てきたわけですが、次官として、一連の教育費負担軽減施策について、どのように見ておられるかお聞かせください。

次官)
教育費負担の軽減については、教育政策上大変重要な課題であると認識しています。今月3日、教育費の在り方について大局的・中期的な視点から検討いただいておりました「教育安心社会の実現に関する懇談会」の報告がまとまったところです。この懇談会の報告では、人生前半の社会保障を教育安心社会という観点から、幼児期から高等教育までを通じた教育費の負担軽減、とりわけ家計負担の軽減の必要性と併せて、教育の質の改善、充実という、教育の活力によって社会を活力あるものにしていこうということが提言をされたところです。それぞれの学校段階によって教育費負担は異なるわけですが、人生前半の社会保障、教育安心社会の実現という観点から、このような施策を執れば、これくらいの経費がかかるという試算も併せて行っていただいており、今後、私どもとしては、今回の懇談会の報告を踏まえて、来年度の概算要求を含め、これからの教育安心社会の実現に向けて、最大限の努力を傾注していきたいと思っています。

記者)
幼児教育は既に出ていましたし、小学校に関しては就学援助制度もあるわけですが、高校、高等教育で新しい話が出ていますが、これに関してはどのように見ておられますか。

次官)
高等学校については、現在、国公私を通じて授業料の減免措置と奨学金ということで対応していますが、今回の報告では、これに加えて、低所得世帯の高校生を対象にした入学金や教材費などの新たな修学支援方策の実施ということが提案されています。それから、高等教育に関しては、大学生が進学に係るファイナンシャルプランを設計できるようにするため、返還猶予者等に対する減額返還等について提言がなされているところです。もちろん奨学金事業、授業料減免等についても、引き続き着実に実施して欲しいということが言われています。幼稚園、義務教育段階、高等学校段階、高等教育段階、それぞれの状況に応じた教育費負担の軽減方策について提言をいただいているわけですので、予算要求や、更なる議論を通じて、可能な策から速やかに実施できるように、全力を傾注していきたいと思っています。

記者)
高校や私立の大学も含めて、今まで足りなかったという認識でしょうか。

次官)
日本の学校教育における高等学校、大学教育の家計負担は、非常に大きな課題であるという認識は持っており、更なる改善は必要なことだと思っています。

記者)
いろいろな政府の会議で、次々と教育費がらみの提言が突然出てきていますが、これまであまり言われてこなかった部分が続々と出てきていますが、これは、どういう流れだと理解すればよろしいのでしょうか。

次官)
大きく2つあると思います。1つは、我が国の教育にかかわる公財政支出が、OECD諸国等と比較した場合、低位の状態にあるということ。我が国の将来を考えたときに、教育に対する投資が十分かという議論が昨年の教育基本計画の時点からあったわけですが、その後も引き続き大きな課題として取り組んできているということがあると思います。もう1つは、現実の経済状況、現在の教育費の家計負担の状況を考えたときに、特に低所得者の方を中心として、非常に大きな負担になっているという実態があると思います。この問題の解消に向けて取り組んでいく必要性が強まっているということはあると思います。教育の機会を出来るだけ均等に提供して、質のいい教育を行っていくということが現下の重要な政策課題だということで、こういった議論が進められていると思っています。

記者)
奈良の車椅子の生徒さんが、学校側は通わせられないということで、自宅で勉強していたわけですが、裁判の決定を待って通えるようになったということです。町は即時抗告していますので、判断に従っているというよりは、とりあえず現状対応しているという感じなのですが、この点、次官としてはどのように考えておられますか。

次官)
奈良県の教育委員会から、この件に関する報告を受けて以来、その子どもの教育を受ける権利が確実に保障されるように、県教委、町教委によって適切に対処されるようご相談に乗ってきたところです。先般の地裁における仮の義務付けの決定を受け、当該生徒は、今、公立の中学校への通学が開始されています。それを踏まえ、受け入れ及び指導の状況について、県教委を通じて更に聴取を行っているところです。私どもとしては、今後とも安全確保を前提としつつ、当該生徒の教育的なニーズに応じた適切な指導・支援がなされるように、引き続き指導を行っていきたいと思っています。中学校への通学が円滑に行えるように、必要なサポートをしていきたいと思っています。

記者)
安全性という意味で、車椅子にうまく対応できない校舎の造りだということもあるようですが、ハード面では文部科学省としてもサポートができる要素があるのでしょうか。

次官)
その子どもが学ぶ場所を1階に設置するとか、教員のサポート体制や車椅子用トイレの使用、介助員の配置など、色々な工夫を町教育委員会、学校も考えておられるようです。奈良県教育委員会でも教員の加配等、色々検討していただいていますので、そういった事柄をサポートしていきたいと思っています。また、どういったことが更に必要なのか、よく相談に乗っていきたいと思っています。

記者)
小学校6年間あったこともあり、突然降って湧いたことではないような気がするのですが、もう少し違う着地点はなかったのでしょうか。

次官)
これまでの経緯を含め、今回の事例を今後の就学問題についての一つの教訓として対応していきたいと思っています。

記者)
インクルーシブということも言われていますし、教育基本法にも書かれています。憲法26条の問題もあると思いますが、今回の事例を参考にして全国の様子を調べるなり、何か打ち出すなりする予定はあるのでしょうか。

次官)
学校教育法を改正し、これまでの特殊教育という考え方を特別支援教育という考え方にし、子どもの教育的ニーズに応じた指導・支援を的確に行っていくことにしています。就学指導にあたっても、専門家に伺ったり保護者の意見も伺うようにしています。色々なケースがあると思いますが、その子どもにとって必要で適切な指導ができるような体制づくりには引き続き努力をしていきたいと思っています。

記者)
特別支援に関しては、全国の養護学校がパンク状態になっていて、ちゃんとした特別支援教育を受けたいという人の権利も、なかなかむずかしい状態になっているようですが、このあたりの対応はいかがでしょうか。

次官)
特別支援学校、特別支援学級で学ぶ子どもたちの数が増えているというのは、お話のとおりです。1つには、必要な施設設備の整備ということがあります。これについては、今、最重要課題の一つとして本予算、補正予算等において必要な措置を行っているところです。加えて教職員の配置等についても、義務教育費国庫負担法に則って、必要な教職員の配置に心がけているところです。特別支援学校、特別支援学級、小学校、中学校、高等学校において、色々な障害はあっても、それぞれの教育的ニーズに応じた指導が行われるように努めていくということが大切なことだと思っています。

記者)
教育費の件ですが、教育不安が至る所である中で、教育費の在り方を公財政支出から見直していくとのことですが、大臣も、現在は転換点にあるとおっしゃっていましたが、これまでの状態がどういう状態で、この先転換した後、どういう方向を文部科学省は目指し、どういう状態まで持って行くというものを国民としては聞きたいと思うのですが、言葉で表現できる部分があればお願いします。

次官)
最も大切なことは、教育の機会をきちんと保障していくということであり、その教育の場において、質の高い、水準の保たれた教育を提供していくということです。そのためには、国の必要な公財政支出を充実していかなければいけませんし、特に教育を受ける側の負担の軽減を図っていかなければいけないと思っています。これまでも我が省の施策において、そのことは非常に重要なこととして取り組んできたわけですが、諸外国との比較、現下の経済状況を考えたときに、更にそのための努力を傾注していかなければいけません。そういう観点から、今回、教育安心社会実現のための懇談会を設けて、熱心なご討議のうえ必要なご提案をいただいたわけですので、それを踏まえ概算要求を含めて更に努力を傾注していきたいと思っています。

記者)
高等教育において、家庭の所得と進学の状況がリンクしているという状況については今後どうされるのか、また、どのように考えておられるのかお願いします。

次官)
家計の状況にかかわらず、高等教育への進学機会が保障されていくようにしなくてはいけないと思っています。これには、様々な方法があり、例えば全国的な大学の配置を見直し、大学の少なかったところに公立大学が設置されて、地元進学率が高まるということもありますし、進学を希望しながら、低所得の家庭にあるということで進学を断念することがないように奨学金を充実する、あるいは、授業料の免除、減額の充実や授業料をできるだけ引き上げないような努力等、色々な方策を講じながら大学進学の機会を保障することは、これからとるべき方策だと思います。

記者)
これまでの文部科学省の施策は機関補助が中心だったと思いますが、今回は個人支援の部分を強く打ち出していて、一方で、概算要求については機関補助に関しても要求はしていくのだと思いますが、そのバランスは今後どのように考えておられるのでしょうか。

次官)
機関補助というのは、それぞれの教育機関が質の高い教育を提供するという観点から、これはこれで必要な措置だと思っています。一方で、きめ細かく進学機会を保障するという意味では、個人補助、家計負担に直接かかわる施策も望まれているわけですので、もちろん財源の問題、全体の予算規模の問題はありますが、バランスをとりながら、双方充実させていくということが必要なことではないかと思います。

記者)
教育費に関して、子どもを産むか産まないかということを考える世代にとっては、20年後の教育の在り方がどうなるかということを注目していると思いますが、こうなるというふうに約束できるものや、文部科学省としての決意のようなものを聞かせていただけないでしょうか。

次官)
少子化問題の議論の中で、なかなか子どもを産み育てられない大きな理由の一つに教育費負担が挙げられています。私どもとしては、親の経済力等に影響されないで子どもたちが進学でき、学習できることを目指して、幼児教育から高等教育まで施策の充実を図っていきたいと思っています。

記者)
高校生の負担の話の中では、民主党案としては無償化を掲げていて、自民党案としては、まずは低所得層から行こうと、更に、GDP比5パーセントも出しましたが、1兆3,000億円どころか7,8兆の規模になってきて、それはおそらく高校無償化も含めてだと思うのですが、喫緊でやるとしたらということもあるのかもしれませんが、高校の授業料は将来的に無償化していく方がいいという方向性、考えはあるのでしょうか。また、義務教育化してはどうかという意見も出ていましたが、98パーセントの進学率の中で高校の在り方をどのように考えておられますか。

次官)
高等学校は義務教育ではありませんが、一方で98パーセント近い子どもが進学しているという、まさに国民的な教育機関になっていると思います。そういう中で、高等学校の教育費のあり方をどう考えるかということは大きな課題です。高校の無償化ということは1つの考え方としてあり得るわけですが、多額の財政負担の問題があることなども踏まえて、更に慎重な検討が必要だと思っています。いずれにしても、先般の報告書の中でも、高等学校段階については一律無償化というよりは、本当に困っておられる方、家計の経済的困窮を理由に修学機会が奪われるということがないように、低所得世帯を対象とした財政支援を一層充実させるという考え方が基本として示されていますので、こういった提言も踏まえて、子どもたちの修学機会の確保という観点から、取り得る施策を十分に吟味しながら、何から始めるのか、いつまでやるのか、よく検討して、しっかりと決めていきたいと思っています。

記者)
義務教育化の話はどうでしょうか。

次官)
世界的に見て、義務教育の修業年限は9年というのが大体世界の大勢です。義務教育ということで言えば、今、直ちにということには、なかなかならないのではないかと思っています。ただ、国民的な教育機関であるという認識は、強く持って取り組んでいきたいと思っています。

(了)

※本概要は、発言内容を変更しない範囲で読み易く修正しています。

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