平成21年7月28日(火曜日)
11時02分~11時17分
文部科学省 記者会見室
教育
公立高校の授業料無償化 、幼児教育無償化
大臣)
本日の閣議において、我が省の関係は人事案件が2件ありました。
記者)
昨日、民主党がマニフェストを公表しました。その中で、特に行政の在り方について、事務次官等会議を廃止するということを、マニフェストに盛り込んだわけですが、閣僚委員会で話し合うということもあるのですけれども、そういった行政の在り方について、昨年秋から大臣として行政に携わってこられた立場からして、そういった考え方について、どのようにお考えなのか、お聞かせください。
大臣)
基本的に、政治主導ということを言っているわけですが、もちろん私どもも、政治主導で今、実行していると考えていまして、特にその点では、事務次官等会議を廃止するということを謳っていますが、事務次官等会議自体を廃止したから政治主導になる、という問題ではないと思っています。現実、事務次官等会議については、色々な案件を整理するような役割を持っていると思いますので、そこですべてが決定されて、我々閣僚が政治主導で行っていないということではないわけでして、事務次官等会議としての役割は、色々な整理・調整を事前に行うという意味では、今その役割を担ってもらっていると思っています。そのやり方とかについて、大臣がそれぞれ考えることはあると思いますが、ただ、この会議を廃止したから政治主導が強まるということではないと考えていますので、これについては、特に、我々としては現状問題なしと考えています。
記者)
関連して、民主党のマニフェストについて、本日の閣僚懇で何か大臣の方から意見があれば、差し支えない範囲で御紹介いただければと思います。
大臣)
全体的に、やはり、マクロ経済、財政の提示がなかったということです。これは、色々と新たな提言をしていますが、財源も含めて、あるいは成長戦略的な、いわゆる、経済のパイを大きくするとか、将来にわたって日本の成長をどう考えるとか、そういったところの提案がまったくないということです。正にそれがないと、色々な、子ども手当をはじめ、膨大な予算を必要としているものに対応できないだろうということは、色々な立場の大臣から話はありました。私からは、例えば、高校の無償化が提言されていることについて、一律の無償化ではなくて、特に高校の場合は、個人的な選択において学校を選んで、通学、修学しているわけですから、基本的には授業料を徴収して、しかし、低所得者に対しては最大限の支援をしていくように、今検討をしているという状況だということを、その方が合理的であろうというふうに説明しました。
記者)
民主党のマニフェストに関連してですけれども、国会議員を、各省庁に100人配置するという案も示されていて、これは役所側の人間として、どういうふうに受け止められますでしょうか。
大臣)
それが政治主導になるのかということよりも、国会の在り方をもう少し考えていかないと、国民の代表である議員としての役割ですから。私は、もちろん、閣僚をはじめ政治家が主導していくことは、当然、必要だと思いますが、国会での議論というのも、もう少し、やり方を考えていかないといけないのではないかなという気がしますし、やはり国会が最高決定機関ですから、そういう意味では、委員会の在り方ということも、もう少し、ある面では効率的に、それと、やはり本格的な議論をもう少しできるような状態にするにはどうしたらいいか。どちらかというと、国会がある意味では、形式的な分野というのも、やはり否めないところもありますから、我々議員の立場で言うと、本当に、そこでの議論が、国民の代表として、一番、最終的な決定がされるわけですから、そこのやり方も相当考えなければいけないのではないかなという気がします。ただ単に、役所へ国会議員が100人入れば、それでいいかということは、本末転倒ではないかなという気がします。
記者)
マニフェスト全体の感想はどうでしょうか。
大臣)
やはり、財源問題も含めて、成長戦略、マクロ経済、財政的な方向性が見えないということで、やはり、色々な支援とか、手当とかは必要に応じて当然やる必要があると思いますけれども、それをしっかりと成り立たせるために、国としてどう経済発展、成長できるかということがないと、まったく絵に描いた餅になりますので、その辺のところが私どもとしては、そのマニフェストについて、まったく実現が可能なものではないという感じを受けています。
記者)
一方で、自民党のマニフェストが、なかなか出てこないのですけれども、それはどうなっていますでしょうか。
大臣)
31日に発表するという報道があって、そのような状況で進んでいると聞いています。以前から、マニフェストについての私ども役所としての考え方は出してあって、それに対する党の答えに、1、2回やりとりがありまして、私も今、最終段階でどういうふうになりそうかということを確認していきたいと思っています。今後の手続きとしては、もう数日しかありませんので、必要があれば、またそれに対して党の方へ要請をしていきたいと思っています。
記者)
民主党のものの後に出てくるわけですけれども、それにどう対抗していくかというのは、何かあるのでしょうか。
大臣)
我々が関係しているところは、先ほど言いました高校の無償化の問題などがありますが、子ども手当については、例えば、公立の小・中学校の場合は、ほとんどもう無料だし、あとは修学支援も充実していくということで考えていますので、そういう点では、生活支援の方で、どちらかというと厚労省的な考え方がどこまで対応できるかということになると思いますが、財源がトータルで5兆何千億円になりますから、その問題はしっかり、今後追及していく必要があるなと思っています。いずれにしても、国民に対して、子ども手当というのは相当影響力があると思っていますので、それは誠に財源的にも大変だし、我々としては、例えば幼児教育の無償化も一つの方法だろうし、あと生活支援として、色々な対応をしていくということになると思います。育児手当とかということも、もう少し考えなければいけないなという気がしますので、ここ数日で、関係大臣とも話をしていきたいと思っています。
記者)
貧困世帯の教育費負担が大きくて、苦しんでいる人が多いというのは、あえて言うと、小泉政権がやってきたことの負の遺産と指摘する声もありまして、正に自民党の政治が招いた事態ではないかというような意見もあるのですけれども、そういったことについては、どのようにお考えでしょうか。
大臣)
ある程度、行き過ぎた市場経済主義というか、そういうことは、我が党の中でも具体的に話し合われていたり、総理も、以前その考え方と決別すると言ったかと思いますが、それは、どういう考え方かというのは、安心社会実現会議の報告書の中で網羅しているということで、やはり、行き過ぎという点では是正をしていかなければならないだろうというふうに考えていますが、そのすべてが小泉総理の政策の結果だとは思っていませんし、これだけの厳しい不況もありますから、当然ながら、全体的な厳しい経済状況の結果ですから、それを何とか回復するのが、今我々の使命であると考えています。
記者)
確認ですけれども、民主党は、高校を一律に無償化すると、私学についても12万円から24万円の補助と入っていますけれども、経済的に余裕がある家庭に対してもそういうものが行くと。一方、自民党のやり方としては、生活に本当に困っている人にというところで、そこの、民主党との思想の違いの部分を説明いただければと思うのですけれども。
大臣)
先ほど申し上げたように、民主党の方は一律に高校無償化、あるいは私学へ通っている人に対しても補助をするという考え方ですけれども、やはり経済的に豊かな人については、基本的には授業料を徴収すると。これは、高校の場合は義務教育ではなくて、個人の選択で行くわけですから、そういう面では、やはり個人でまずは授業料を払っていただく。それに対して、やはり生活の厳しい所得の低い人には、ある程度までの支援をしようという考え方が、やはり理解を得られるだろうと。思想的にというのは、やはり、すべて無償化するというのは、子ども手当についてもそうかもしれませんけれども、やはり、生活困窮者に対する支援をするというのが、我々の基本的な考え方だと思っています。
記者)
その一方で、将来的に、高校を義務教育化することも考える必要があるのではないかというのは、大臣のお考えかと思うのですが。
大臣)
義務教育化は、議論する必要があるということは言ったかもしれませんけれども、義務教育化する必要があるとまでは言っていませんし、そこは私もまだ疑問を持っています。やはり高校の場合は、それぞれ幅広い選択の中で選んでいくということが基本だと思いますので。
記者)
やはり、高校の無償化よりも幼児教育の無償化を優先させる方が、不公平感が少ないということですか。
大臣)
そうですね。それは、等しく、基本的な生活習慣とか、知識といった幼児教育に必要なものを、やはりベースとして、そういう場を与える必要があるということを考えていますので、特に幼児教育の場合は、今まで以上の重要さが最近は強く指摘されていますので、そういうところに対して無償化して、それから、子育て支援という意味での、両方の面で考えています。
記者)
その点で、先日の中間報告では、認可外の保育所は無償化の対象とはしないというような言葉が入っているのですけれども、認可外の保育所も随分たくさんあって、これは大臣御自身も、幼稚園と認可されている保育所のみを無償化とする方が、先決というふうにお考えなのですか。
大臣)
まずはそうだと思います。認可外は今後どう対応できるかということ、施設としての在り方もしっかりと、一つの場を考えていかないといけませんので。やはり、我々国の政策としては、一つの線を引いていかないと、どこまで無償化で対応するかということが、非常に議論になっていると思いますので、やはり、一つの枠組みを、考える必要があると思います。
(了)
※本概要は、発言内容を変更しない範囲で読み易く修正しています。
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