平成21年6月5日(金曜日)
10時15分~10時30分
文部科学省 記者会見室
教育、科学技術・学術
ポストドクター、テニュア・トラック制、全国学力・学習状況調査、学校選択制
大臣)
今朝の閣議については、当省案件はありませんでした。
記者)
2問続けてお願いします。一つは、昨日、科学技術政策研究所が発表した調査で、大学院の博士課程修了直後にポストドクターになった割合が15%、そのうち4人に一人が5年後もポストドクターにとどまっているという結果が出ています。また、博士課程修了者の約半数が研究職に就き、修了直後に海外に移動した割合は2%にとどまるという数字も出ています。これらの数字に対する受け止めをお願いします。
もう一問は、全国学力・学習状況調査に関してですが、今朝の報道などで、政府の規制改革会議の調査で、保護者の7割近くが学校別の結果について公表してほしいという考えだという結果が出ています。一方で、教育委員会の9割近くは反対という結果が出ています。これに対するそれぞれの受け止めをお願いいたします。
大臣)
まず、科学技術政策研究所の発表について、ポストドクターは、自立した研究者となる前段階のキャリアパスとして位置付けられているものでして、欧米においても若手研究者の一般的なキャリアパスとして確立されています。例えば、米国やカナダでは、博士号取得者の30%以上がポストドクターになっているということでして、それに比べると我が国は15%という調査結果で割合は小さいのですが、いずれにしても、若手研究者のキャリアパスになっていると認識しています。ポストドクター5年以上という者が、その4分の1という調査結果は、一概に高い割合とは言えないと思いますが、基本的には、必要以上に長期のポストドクター期間は、あまり寛容はできないと思っています。今、テニュア・トラック制という制度を導入しています。この制度を導入することで、キャリアパスとして、ポストドクターの位置付けも明確になってきます。博士号取得後、ポストドクターを経験した者が、テニュア・トラック制によって、より安定的な職を得るという形がいいのではないかと考え、我が国としても平成18年度から動いていますので、その方向で、今後も進めていきたいと考えています。それから、海外に移動する者が2%、これは極めて少ない数字だと思っていまして、やはり、世界のあらゆる所に優秀な研究機関がありますし、大いに、日本の研究者も、特に若手は海外に出て行くことが必要であろうと思っていますので、そういった意味で、今年の補正予算で300億円の基金も設けたわけでして、大いにこれを活用して、世界で色々な研究に励んで頂きたいと思っています。
それから、二番目の質問について、学力調査については、結果を公表すべきだという要望があり、もう一つ学校選択制の要望もあるのですが、ごく一般論として、学校の結果を出した方がいいということは、我々も理解できます。しかし、それをやった場合の弊害等をどれだけ理解して、このアンケートに答えたかということも考えなければなりません。今、都道府県別で結果を公表している中でも、既に、色々な取組の一部で、少し過熱気味ではないかと言われているようなところもありますから、これを、市町村別あるいは学校別で結果を公表したら、大変なことになるということは予想できることです。結果の公表を希望する保護者に対しては、例えば、学校なり教育委員会なりが、意見交換があるときに、やはり、実際にもし序列化をやった場合、弊害が出てくるおそれがあることを説明していただく機会を作る必要があるかなと思っています。従って、アンケート結果については、ごく自然な意見かなと思っていますが、今申し上げたように、具体的に、弊害が出るおそれがあるということについて説明すれば、御理解いただけると思っています。
記者)
今、学校選択制の方のお話もあったのですけれども、大臣としてはどういうふうにお考えですか。
大臣)
地域によって、ある程度柔軟に考えていく必要があると思いますが、やはり、特に公立学校は、学校自体地域に根ざしたもので、特に地域とのつながりが強いことが、また子どもたちにとっても必要だと思っていますので、原則はやはり、学区制ということだと思います。ただ、色々な状況で、地域の考え方もあり、それはある程度認められるところもあると思います。今回の保護者の意見としては、当然、行きたいところを選べた方がいいねというのは、これも一般的なことで、では自分の子どもをどうするかと言ったときに、やはり最終的には、子どもにとって一番通いやすいような所が選択されるのだろうと思っていますので、この結果も、実際、自分の子どものことを考えたときには、多分、大方は地元の学校に行かせるのではないかなと思っています。
記者)
山内副大臣に関しまして、ロシアのビジネスをやっている会社に絡んで、ロシアの国会議員の方々を副大臣室に呼んで、その会社のビジネスを紹介したりとかといった週刊誌の報道があるのですけれども、その件について、副大臣から何かお聞きになっていらっしゃいますでしょうか。
大臣)
週刊誌に出た記事については、一昨日、山内副大臣から、民間企業が行うロシアビジネスに副大臣が関与していたのではないかという取材があった、という報告がありました。その中で、副大臣はそのビジネスに関わっていないこと、それから、指摘される者から、副大臣の政治団体への献金はないことなどの報告がありました。私からは、その時点で副大臣に対して、事実関係をきちんと整理して、副大臣として国民に誤解を与えかねない不用意な言動を行うことのないように、厳重に注意をしたところです。今後については、より一層言動に慎重を期するとともに、職務に精励して副大臣としての職責を全うしてほしいということを伝えたわけです。その時点ではまだ記事の内容がはっきりしていなかったのですが、厳重注意ということで、昨日記事が出た後で、副大臣から記事が事実であるかどうかについては、あれが全部事実であるということではないということも、また報告を受けています。
記者)
副大臣室にロシアビジネスの関係の人を呼んで、ロシアの国会議員と会わせていたということは、話をされていたのですかね。
大臣)
ロシアの国会議員が、その会社の人と一緒に来たということは聞いていますが、そこで会わせたということではないと思うのですね。私も副大臣の経験もありますが、やはりこういう立場に立っていますと、やむを得ず、所管でないことでも、副大臣室で会うことがあります。そういうことだと聞いていますので、特に副大臣室へ呼んで会わせたということではないと思っています。
記者)
そういった所管ではないことでも、副大臣室を使って会うこと自体は問題ないということですか。
大臣)
いえ、問題ないのではなくて、色々な関係の人が個人的にここを訪れ、やむを得ず会うことは私もあります。なかなかここから離れられない状況で、当然、政務の関係の話は一杯ありますから。ですから、そういう点で、やむを得ず、副大臣室なり、私の場合であれば大臣室に、そういう人に来てもらうことは多々あります。
記者)
やむを得ないケースがあるにしても、例えば、受け取る側の信用の問題で、そういうビジネスをする立場として、大臣室で会ったということが、そのロシア人に紹介されたとすればですけれども、ロシア人の信用につながる場合もあるわけで、やむを得ない場合だったとしても、副大臣として、利用されかねないというところは、非常に注意を払うべきだったのではないですか。
大臣)
それはその通りですね。ただ、今回の場合は、いわゆる詐欺ということになったのかというのは、明らかではないし、実際あの記事の内容が本当かどうかということも分からない話です。もし仮に、利用されるということであれば、もちろん問題ですので、当然注意をしなければならないと思います。
記者)
副大臣がそのビジネスの内容を詳細に把握していなかったのに入れたということに関しては、どうでしょう。
大臣)
どこまで把握していたのかは分かりませんけれども、当然、詐欺のためにということは、まったく副大臣もそういうつもりではなかったと思いますね。
記者)
だから、知らなかったのであれば逆に、入れるなら入れるで精査すべきだったのでは。ある程度、信用できる人でやむを得ない事情や、忙しいからということで副大臣室で会うということもあるかとは思うのですけれども、よく分からない…。
大臣)
そういう点では、慎重にやらなければいけないわけでして、ただ、かなりの長いお付き合いをしている人でしょうから、断る理由もなかったのではないかなと思いますね。多分、ロシアの国会議員とビジネスの話を直接したわけではないと思います。
記者)
学力テストの結果公表の関係ですけれども、結果の公表に関して、市区町村教委の9割近くが、公表すべきではないというふうに、一方、都道府県教委に関しては、65%ぐらいということで開きがありますけれども、結果公表の反対に関して、教委の対応は一枚岩ではないというのは。
大臣)
多分、都道府県と市町村の立場の違いではないですかね。小・中学校の設置者と都道府県教委では、立場が違うと思いますので。あるいは、都道府県は全体を見ていますから、多少、橋下知事のように競争させたいといった考え方もあるかもしれません。だから、それは、立場の違いで、そういった違いが出てきたのではないかなと思いますけどね。
(了)
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