平成21年6月2日(火曜日)
10時56分~11時28分
文部科学省 記者会見室
教育、科学技術・学術、スポーツ、文化
科学技術白書、「スクール・ニューディール」推進会議、国立メディア芸術総合センター(仮称) 、法科大学院、スポーツ庁
大臣)
今日の閣議については、「平成20年度科学技術の振興に関する年次報告」、平成21年版科学技術白書が閣議決定されました。
私から、「スクール・ニューディール」推進会議の開催について、御案内の通り、平成21年度の補正予算が成立して、特に、「スクール・ニューディール」ということで、学校施設における耐震化、エコ改修、ICT環境の整備等を一体的に実施する「スクール・ニューディール」構想を推進するために、これから関係閣僚、経済産業大臣、環境大臣、そして私を含めた3大臣と、地方公共団体関係者を参集して、推進会議を開催したいと思っています。具体的な日にちは早急に検討していきますが、この会議を通じて、この計画を積極的に推進していきたいと考えています。
それから、国立メディア芸術総合センター、これは仮称ですが、これについて、国会等の質疑の中で、なかなかまともな内容の話が議論されなかったので、今日はこの会見で皆さん方に、その内容をぜひ、御理解いただきたいと考えています。国立メディア芸術総合センター(仮称)ですが、やはり基本は我が国が世界に誇れる、特にこれから成長産業として発展できる分野としては、この分野が、今一番世界から認められているところだろうと。一方で、産業として確立されているかというと、クリエイター一人一人が対応していたり、後継者の育成などということを考えますと、非常に寂しいものがあって、例えば、こういったものが韓国や中国などに取られてしまうような危機感もあります。映画で言えば、アジアの映画祭としては韓国の方が、日本の東京映画祭よりも大きかったり。しかしながら、アカデミー賞を取るのは日本の映画の方が、当然過去の実績からしても多いわけでして、そういった素晴らしい日本の底力の一つとして、アニメ、マンガ等のメディア芸術があるのです。特に我が国でも、メディア芸術祭というものをずっとやって、昨年大賞を取った加藤久仁生監督の「つみきのいえ」が、今回はアカデミー賞で受賞したということもあり、今までもメディア芸術関係のより一層の発展のために、色々な構想が話合われて来たわけです。特に、平成19年2月に閣議決定された、「文化芸術の振興に関する基本的な方針」等を踏まえて、このセンターの構想が持ち上がってきたわけでして、昨年7月以来、各分野の有識者からなる検討会で議論され、取りまとめたものです。今後の運営については、官の肥大化につながらないよう、すべて民間に委託するとともに、原則として必要な財源は自己収入により賄うこととしています。いわゆる「天下り」や「税金による赤字補填」は想定していません。補正予算の成立を受けて、早急に施設整備計画を作成し、用地の選定、設計等に取り組み、できるだけ早期の完成を目指していきたいと考えています。ただ、今年度の予算として、建物あるいは土地購入の予算が計上されていますが、具体的には、今年度その建物の着工をするということで、今年度中の完成は、時間的には無理だと思っています。お配りした「国立メディア芸術総合センター(仮称)について」という資料について、表紙をめくって1ページにはセンターの概要、それから2ページから5ページまでは、過去の「文化庁メディア芸術祭」の展示でして、センターにおける展示イメージもこのようなものになるという例です。6ページはセンターの機能を整理したもの、7ページはセンターの検討経緯についてまとめたものでして、平成9年度に始めた「文化庁メディア芸術祭」を起点とした今日までの経緯が書かれています。8ページは「メディア芸術の国際的な拠点の整備に関する検討会」の報告書の概要でして、同検討会は昨年7月に設置されて、全6回の会合を開催し、本年4月に報告書を取りまとめたところです。9ページから12ページまでは、センターに関する基本的な質問に対する回答を、Q&A形式でまとめたものです。今国会の民主党鳩山さんの質問で、始めから、漫画館とかというイメージで伝えられたことは非常に遺憾でして、最初に申し上げたように、やはり我が国において、自動車産業やものづくり産業はもちろんですが、その次に日本で注目されている、そして今後産業化して発展させていく分野としては、ここは一番ではないかと。多分皆さん方も、アニメ、マンガ、ゲームといったものは、よく御存じだと思いますので、やはりこれを産業として確立させて、日本の全体的な経済の盛り上げも含めて、しっかりと取り組んでいく拠点として、これを考えたわけでして、ぜひ御理解いただいて、また応援もしていただきたいと思っています。これから、内容や建物等について、設立準備委員会を設置して、どういう形で公募をし、どういう手順で進めていくかということを早急にまとめていきたいと思っています。それから、数多くの専門家の意見もあると思いますが、一昨日、浜松市で日本宇宙少年団の分団の立ち上げがあって、そのときにやはり、宇宙少年団理事長の松本零士さんが私のところへ来て、今度のメディア芸術センターというのはどういう内容のものですか、ぜひ応援したいということもおっしゃっていただいて、ただ、内容が一般的に伝わっていないものですから、今後、色々そういう専門家の意見も頂いていきたいと思います。メディア関係の専門家の方々にも色々な御意見をおっしゃっていただいていますので、できるだけ広くそういう意見を取り入れて、そして、世界の拠点となるべく、ものを作っていきたいと思っています。
記者)
昨日、法科大学院協会のまとめで、来年度には定員が700人近く削減される見通しであることが明らかになりました。法科大学院を巡っては、新司法試験の合格率が低迷しているなどの課題もありますが、今後の法科大学院の在り方などについて、改めて所感をお聞かせください。
大臣)
法科大学院について、その調査結果が公表されたということですが、基本的に、定員等について自主的に見直しが検討されている状況だと思っています。最終的に、平成22年度及び23年度に入学定員の削減を行うかについては、まだ結論が出ていないと承知しています。特に、質の向上ということが大事だと思っていまして、これについては、各法科大学院が自主的に改善に取り組むことが喫緊の課題と考えています。また、文部科学省としては、定員の見直しも含めた教育の質の向上のための取組を、各法科大学院に対して促していきたいと考えています。今、各法科大学院では、実態等を見つつ、教育の質の向上のためにそれぞれ取り組んで、必要なところは直接私どもも相談を受けてやっていますので、今後、トータル的な定員については、法務省、あるいは法曹界で当初3千人、4千人という話があって、我が党の色々な意見では、2千人ぐらいが適当ではないかという話もある。その辺の方向性がどうなるかによって、また改めて検討しなければならないと思いますが、司法試験合格者数については、当面閣議決定された3千人ということで、私どもとしては、その方向の中でいかに質の向上を高めていくかということを検討している状況だと思います。従って、ここ数年は、多少色々な考え方で、それぞれの大学院が努力して、定員の見直しも含めた質の向上をしていくような指導をしていきたいと考えています。
記者)
京都教育大学の学生6人が集団婦女暴行で逮捕された事件ですが、教職を目指す学生たちがこういった事件を起こしたことについて、どうお考えか。あと、大学側が処分の内容を公表しないなど、一部の対応に問題があるのではないかという指摘もありましたが、この点についてお願いします。
大臣)
京都教育大学において、特に、教員養成を使命とする大学ですから、このような事件が起きたことは、誠に遺憾で驚いているところです。当然、二度とこのようなことのないように、改めて厳しく求めていきたいと思っています。今回の件について、大学側が公表しなかったという点については、昨日の会見では、3月末に処分をして、教育的配慮などと言っていましたが、被害者の人権も含めた配慮だったと思いますし、当初は捜査が進んでいる段階でしたので、公表を控えていたという理由もあると思うのですが、昨日の段階で逮捕されて、明確にしなかったということについては、やはり、どういうことか疑問ですので、いずれにしても、そういったところの真意をしっかりと調査をして、今回の対応について、私どもの方から意見なり指導をしていかなければならないと思っています。
記者)
その教育的配慮ということで、相談があったにもかかわらず、警察への通報がなかったという事実が出ていまして、結果的に、被害者側が警察に被害届を出すまで、警察も認知していなかったと。そういう状況についてはどのように受け止められますか。
大臣)
その辺のいきさつは伺っていないのですが、やはり、大変問題であったと思います。やはり、自らの訴えがあったら、いち早く警察に知らせて、捜査をすることが大事だと思いますので、その結果こういうことが明らかになったのですから、もっと早くやるべきだったと思います。
記者)
昨日、今国会の延長が決まって、とりあえず55日間の延長ということになったのですが、その延長期間について大臣はどのように。
大臣)
延長は、いずれにしてもしなければならない。私どもとしては補正予算が通って、関連法案をしっかり通すことが一番の使命ですから、そのための延長と思っています。期間については、60日ルールがありますから、60日が適当かなと思っていましたが、昨今の状況から、ある程度審議が進むことも予想されたというふうに言われていますが、その辺は報道だけですから、どこに確証があるのか分かりませんが、そういうことで、55日間という決定になったと思います。これはかなり色々な意味も含まれていると思いますので、総理の今後の解散へ向けての主導権を持つための考えかなという気がしますが、はっきりしたところは明確に答えられません。
記者)
解散の時期に関しての影響はどのようにお考えでしょうか。
大臣)
影響と言うか、大体想定される時期が決まってきましたよね。ですから、その中で総理が、国会の状況等を見ながら、最終的に解散を判断すると思っています。
記者)
想定される時期は確かに決まってきたのですけれども、一部で、今国会を通して、臨時国会をもう一回開いてという案も取りざたされているのですけれども、そのことについてはいかがでしょうか。
大臣)
そういうことも考えられますけれども、実際には、今回閉じてまたということは、現実はなかなか難しいのではないかなと思いますけどね。ただ、何が起こるか分かりませんし、色々な想定がされるわけでして、総理は色々なことを考えていると思いますからね。
記者)
本国会でスポーツ基本法の提出ということが、あるのかどうかということで、今、調整していると思うのですけれども。
大臣)
今調整していると思います。その方向で調整をしているということを聞いていますが、具体的なところまではまだ聞いていませんので。できれば、私どもとしては、ぜひ基本法を成立できたらという思いがあります。
記者)
スポーツ庁構想については、提言もありましたけれども、どう考えていらっしゃいますか。
大臣)
要は、基本法で何をするかという、内容を明確にして、その結果として、スポーツ庁が必要であるかという議論になると思いますが、どこに置くかなど、色々出てくるかと思いますので、色々な議論を踏まえて、私どもとしては、当然、スポーツのことに関する専門的な庁ができれば、より一層の振興が図れると感じていますので、そのこと自体はいいと思いますが、それでは、省庁再編とか、行革の問題とかということを、今後、乗り越えられるのかという、別な課題がありますので、その辺も含めて考えていくときに、結果的にどうなるかということ。まだ、そういうところまで検討をしていませんので、今後、法案提出の段階からしっかりと、準備をしなければいけないなと思います。
記者)
大臣としては、スポーツ庁はどんな在り方が一番いいと。
大臣)
文科省の下にスポーツ庁があればいいのではないですか。文化庁と同じように。
記者)
他の省庁のそういう機能も、そちらに持ってくるという感じなのですか。
大臣)
例えば、スポーツをどの範囲にするかということは非常に難しいところで、スポーツ関係は結構幅広く各省庁でやっていますので、例えば、健康に関するというと、また非常に広くなるし、その辺は最終的に議論を要するところかなと思います。
記者)
「スクール・ニューディール」推進会議というのは、具体的にはどういうことをやっておられるのですか。
大臣)
今までにない施設整備関係の内容になっていますので、予算等も含めた説明、そしてこの事業を確実に推進していくための会議です。太陽光パネルというのは、私もよく把握していませんが、導入に当たっての要領など、やはり、幅広く周知徹底して、円滑に進められるようにということですので、それから、雇用対策という方向でも要請していきたいと思っていますので、そのことも含めて、会議を通じて周知徹底したいと思います。
記者)
3大臣が集まって、何回か定期的に開催するということですか。
大臣)
何回かはやらないと思いますけどね。これは地方の公共団体の関係者と3大臣が一堂に会して、このスタートで色々な要請やお願い、説明をするということですから。あとは個別の色々な対応があると思いますので、何回もやるような会ではないと思います。
記者)
今月中ぐらいには開くのですか。
大臣)
今月中を考えています。
記者)
メディア芸術センターの話ですが、今まで、確かに大臣がおっしゃっていたものとは違う話で進んできた気がするのですが、本来の趣旨が今までよく伝わらなかったのは、どの辺に原因があったとお考えですか。
大臣)
よく分かりませんが、野党の質問の中で色々と揶揄されたり、報道でもそのままストレートに書かれたりしていますので、まともにこのセンターの内容とか、どういう考え方かという質問もなかったですよね。ですから、私どもから言うと枝葉末節のような質問が多くて、こちらは用意していたのですが、残念ながら伝わらなかったということで、改めて、今日、この会見の中で申し上げて、これから具体的に検討していくし、考え方は御理解頂いたと思うのです。本当に、どのような内容にしていくのかというのは色々な構想がありますし、あるいはもう提言してきているところもありますので、そういったものをしっかりとまとめて、我々の趣旨に添った、しかも、多くの皆さん方が興味を持って訪れていただけるようなセンターにしたいと思っています。今のところは、少し違ったイメージで注目されているところがありますが、これから、正しいイメージで、また注目度を高めていきたいと思います。
記者)
箱を作って、中身を民間に委託するというのは、ある意味、新しい試みですよね。
大臣)
新しいですね。総理は始めから、この内容からしても、国が直接やるより、国民の興味をそそるような、世界から注目されるようなものは、やはり民間に任せた方がいいだろうということでしたから。多分、建物と中身を並行して色々と検討して、ある時点で募集ということになると思いますので、できるだけ幅広く、特に専門家の意見も聞いて、中身をつめていきたいと思います。
記者)
委託することで、国が意図している狙いと、その実態がずれるのではないかという懸念はどうでしょうか。
大臣)
委託先によく理解してもらうと同時に、やはり国が期待する以上に注目を集めていただけるから委託すると思っていますから。そうしないと委託する意味がないですから。
記者)
自己収入で1億5千万円という数字が出ていますけれども、その範囲内で運営できるのでしょうか。
大臣)
基本的に自己収入でということですが、あとは、例えば、国が実施する事業を委託したりということもありますから。それも自己収入と考えれば、基本的には自己収入でということになります。ですから、色々な国のメディア芸術に対する基本的な計画等も、その中に入ってくると思いますので、その辺も、当然相談してやっていきますけれども、委託先はよく検討してもらいたいということです。
記者)
その辺が曖昧で、よく分からない上に117億円という予算が付いたことに対して、やはり国民の不信感が。
大臣)
117億円といのは一応建物だけの費用であると思いますから、当然来年度予算では、今後の内容によっては、国としてある程度ここまでは、しっかり用意しなければならないということが出てくるかもしれません。今回の予算は、土地と建物だけになるものですから、あとは民間に任せるよということになるかどうかは、内容によって、国がここまでやらなければならないというところが、また出てくるかもしれません。
記者)
そこが、税金は投入しないと言ってみたり、若しくは…。
大臣)
結局、基本的には税金を投入しないというのは、自己収入でまかなうという、内容次第と言うとおかしいですけれども、内容が固まった時点でしっかり線を引くということになると思うのです。
記者)
今回、必ずしも採算だけが問題になっていないと思うのですが…。
大臣)
そうですね。
記者)
そこで内容を固めた上で提示した方が、提示しなかったために…。
大臣)
まあ、それはね。
記者)
その辺で、反省点はありますか。
大臣)
それは反省点はありますが、やはり今回、緊急経済対策という目玉の一つとして、最初に申し上げたように、やはりこの部分を日本の底力として、これから産業的にも発展できる、成長できるということで判断したわけです。今までの美術館とか博物館を造るとなると5年10年かかったという話を聞いて、手順を踏んで議論していくと、5年ぐらいはかかるのではないかということから、こういう緊急経済対策で打ち出したというのは、総理の決断だと思いますので、いい方向へ捉えて、これをやはり日本の新しい成長戦略の一つとして育てていくことが大事かなと思います。基本的なコンセプトは、アニメ、マンガ、あるいはゲームなど色々とあって、資料にもありますように、人材育成とか、展示の部分などは大体決まっていますが、細かい内容は、やはり色々な意見を聞いてやる必要があるということです。
記者)
緊急経済対策と言って、土地を買うことだけが今年度ぐらいというのは、その緊急というのが…。
大臣)
それは、先ほど言ったように、手順を踏んでいくと5年ぐらいかかるかもしれない内容で、すべて一遍にできればいいのですが、そこは総理の決断だと考えています。やはり検討してからというと5年ぐらい経ってしまうだろうから、今回はある程度、異例かもしれません。だけど、このような百年に一度の経済危機と言われるときに、同じことをずっとやっていても、多分、あまり効果がないだろうし、例えば、基金の問題などは、やはり新しい発想なり取組方ということが出てきますから、そのような点で、今回、財務大臣等もそのような方向でということだと思います。私どもも今までやはり、多年度に渡る予算の仕組みということができればと考えてきましたので、今回は提案をさせていただいたわけです。
(了)
※本概要は、発言内容を変更しない範囲で読み易く修正しています。
Copyright (C) Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology