平成21年5月26日(火曜日)
9時14分~9時40分
文部科学省 記者会見室
教育、科学技術・学術、文化
北朝鮮地下核実験、モニタリング、財団法人日本分析センター、教育費、幼保一元化、国立メディア芸術総合センター(仮称)
大臣)
今日の閣議については、当省案件は特にありませんでした。
記者)
昨日25日、北朝鮮が地下核実験を実施しました。各都道府県などで放射性物質のモニタリング体制を強化するとのことですが、文科省としての今後の対応と、北朝鮮の核実験に対する所感を改めてお聞かせください。
大臣)
文部科学省としましては、昨日の19時、放射能対策連絡会議の決定に基づいて、各都道府県等の協力を得て、放射能の測定体制を強化していくところです。具体的には、以下の4つ。一つは「空間放射線量の測定」を47都道府県と日本分析センターにおいて、そして、「地上大気浮遊じんの採取・測定」を全国37カ所及び日本分析センターにおいて、三つ目「降水を含む降下物の採取・測定」を47都道府県及び日本分析センターにおいて、最後に「地上におけるキセノンの採取・測定」を日本分析センターにおいて、それぞれ実施中です。既に、空間放射線量については47都道府県等より昨日のデータを入手し、内閣官房に報告したところでして、速やかに発表されるものと考えています。今後とも、我が国への放射能の影響の把握に万全を期していきたいと考えています。
記者)
昨日、北朝鮮が安保理決議に違反して核実験をしたということへの、大臣の受け止めをお願いします。
大臣)
大変、遺憾なことでして、総理声明にもありますが、当然厳しく抗議し、批判するということで、安保理においても、今後決議されることを望んでいます。その手続きも多分始まっていると思いますので、国際社会全体でしっかりと対応していくことが大事だと思います。
記者)
空間放射線量について、既にデータをもらったとおっしゃったのですけれども、出ているか、出ていないかということを。
大臣)
基本的には異常なしです。細かいデータは、内閣官房から発表ということになっていますので、ここでは発表は控えさせていただきます。今のところは異常なしということです。
記者)
昨日の朝、教育費負担の問題の懇談会の1回目がありましたけれども、議論を一通り、委員の皆さんの意見を聞いて、今後のことを含めて、どんなふうに考えていらっしゃるか、お伺いしたいのですけれども。
大臣)
特に昨今の厳しい経済状況を踏まえ、また今までも教育費については、色々な議論がなされ、昨年、教育振興基本計画においても、教育費の公財政支出についても、色々な方向性を目にしたところですが、そういったことを具体的に大局的に、そして、中長期的な考え方を踏まえた中で、来月然るべき時期に、ある程度の結論を出していきたいと思っています。特に、家計負担について、保護者の経済の状況において、就学機会が奪われることがないようなことを、今回は一番重点として提言を出していきたいと考えています。現在の補正予算、あるいは平成21年度本予算においても、私どもとして、できる限りの財政措置をしていますが、基本的に、保護者の経済状況において、子どもが就学機会を奪われないような状況を、制度的にいかに作るかということを、今回、一つの提案をしていきたいと考えています。その他、教育費全体について、ある程度の議論はして、先ほど申し上げた、大局的な、あるいは中長期的な、一つの提言もしていきたいと思っていますが、あまり時間もない中で、今申し上げた家計負担のことを、まずは優先して、そして将来に向けての教育費全般の議論ができればと考えています。
記者)
昨日は、幼児教育から大学院の博士課程まで、色々な意見がありましたけれども、大臣は特にここというのは。
大臣)
全般的に大事な意見でしたし、教育に関わる格差も、経済的ではなくて志の格差もあるという意見もありますので、やはり、全体的に捉える中で、最優先すべきは幼児教育の無償化。これもすでに、2008の骨太方針でも明記されていますし、それを今後、改めて具体的に提言したいと思っています。いわゆる家計の負担については、特に幼児教育段階と高等教育段階が、やはり、大きい負担になっていますので、そこがまず議論の中心になる。また、その中間で高校の問題も当然検討していかなければならないなと思っていますが、来月中にどこまで意見がまとめられるかというのは、まだ、これからの2、3回の議論、そして、少し各方面からの意見も聞けたらなと思っていますので、その辺も踏まえた議論をして、結論を出していきたいと思います。
記者)
幼保一元化ですけれども、急ピッチで議論が進んでいるようですけれども、改めて大臣のお考えをお聞かせください。
大臣)
その内容は、実は私のところに直接来ていないものですから、はっきりその詳細は分かりませんが、新聞報道等によると、幼保一元化を進めるために文部科学省の幼稚園担当部局を移管することなどが含まれているような報道もされていますが、前回お話したように、要は今、幼保のことで一番の問題は何だろうと。多分保育所が足りないということだと思うので、それをやはり一番に考えることが、子どもたち、保護者のためにいいのだろうと思っています。今回、幼保一元というのは何なのかというのをあえて提言したのは、何なのかというのをもう一度明確にしていかないと、今回の話の発端は、厚生労働省の分割ということですから、それと今回の問題がどう連動していくのかということも、よく私も理解できませんので、そのことは今後議論していかなければならないなと思っています。ただ、子どものために、保護者のためにどの状況が一番いいかということは、当然検討していく必要がありますので、そういう意味では、今一番問題になっているのは、保育施設が足りないということで、課題だと思っていますので、それをまずどうするかということを考えていく必要があると思っています。
記者)
教育費の話ですけれども、昨年の教育振興基本計画に数値を盛る盛らないというときに、激しく財務省から抵抗を受けたわけですけれども、結局、公財政支出の教育分が少ないというところについて、今、日本は少子化だから、子ども一人当たりに換算すると少なくないという財務省の抵抗に、結局抗うことはできなかったと思うのですけれども、そこを論破していくというのは、今回の懇談会では、まだ見えなかったのですが。
大臣)
今回はそこまでの話になるかどうか分かりませんけれども、いずれにしても、特に今回経済状況がこれだけ厳しくなったということもあり、家計負担の問題として、どこまで結論を出せるか。具体的に考えると、幼児教育の無償化ということが、やはり一つの明確な提言になると思いますし、あと、高等教育の部分あるいは高等学校の部分にどういった一つの基準を設けて国が負担をするか、ということが結論づけられるかということだと思います。昨年の教育費全般の公財政支出の問題は別として、というのは、教育費というのは、その家計負担だけではなくて、当然ながら、教育の質を高めるために、例えば教員の定数の問題とか、あるいは大学の施設の在り方とか、色々とまだ課題がある。質を高めるためにやるべきことは沢山ありますので、それ全体の議論となると、今回の懇談会では、期間的にも来月中ということで、難しいと思いますので、継続的には、今後当然検討していきたいと思いますが、当面、家計負担という観点で考えていきたいと思っています。
記者)
では、どこからそのお金を持ってくるのか、財源はどうするのかという議論を、どうやってつなげていくのですか。
大臣)
その辺はどこまで議論できるか分かりませんけれども、今の現状を踏まえ、また、諸外国との比較を考えたときに、いずれにしても、教育格差等が具体的に顕著に表れていますので、それを我が国としては、ある面では、社会保障的な考え方もありますし、今、安心社会実現会議等も進んでいますので、教育安心社会という捉え方で、我々教育の分野においても、国民が安心して教育を受けられるような環境作りをしていく必要があると思っています。
記者)
ということは、幼児教育なり高等教育に、別のところから教育予算を振り向けて、より厚くしていくという、そういう議論ではないわけですね。例えば、教育予算の枠の中で…。
大臣)
そこはなかなか厳しいと思いますね。例えば幼児教育については、税制の抜本改革に伴いということですから、むしろ消費税議論の中で、幼児教育等は、少子化対策としても考えていくような考え方も出ていますので、その財源としては、そういうことになる。高等教育の分野は、まだ財源のことは具体的に話されていませんが、私としてはやはり、教育全般に対して安心社会を作る中で、税制の抜本改革の中でも検討していただきたいなという思いはあります。ただ、経済財政諮問会議等では、例えば消費税アップの対象については、少子化までという意見もあるみたいですから、そこは今後の議論になると思いますが、私自身の、教育費、家計負担の考え方としては、教育全般の負担を考えた税制改革を、ぜひという気持ちはあります。
記者)
その抜本改革の流れに、懇談会の意見を反映させていく何かのアクションを…。
大臣)
それは考えなければならないですね。
記者)
中期プログラムというと、かなり先の話になってしまうのですけれども、幼児教育の無償化は、そんな先を目指している話なのですか。それとも…。
大臣)
いえ、我々としても、すぐという希望はありますので、多分、最終的には2009の骨太方針の中でどういうふうに取り上げるかということになると思いますし、その前提として、安心社会実現会議というのを設定していると思いますので、そこにどう組み込まれるかということが、今回の方針に大きな影響を与えると思っていますので、それと並行してというか、我々もだいぶこの教育費の議論はしてきましたので、2009の骨太方針、そして来年度予算に向けて、今やはりそういう時期だなということで、今回の懇談会で有識者の皆さんから意見を聞いて、まとめたいということです。
記者)
補正予算の話ですけれども、文化庁のメディア芸術センターというのが国会などで批判を浴びているかと思うのですけれども、大臣のお考えをお聞かせください。
大臣)
メディア芸術の総合センターということで、今後、日本が新たに世界的に発信できるものとして、そう多くはないと思っていまして、今、特に、これから産業的にも発展できる分野というのは、このメディア芸術の分野だと思っていますし、今現在も、世界から相当な評価を得ているということですから、やはり、こういった産業を確立させることが必要だろうと思っています。映画も含めて、メディア芸術という点は、かなり高い評価がありますから、諸外国のそういった芸術的な確立、それから産業的な確立から見ると、我が国は非常に遅れている点がありますので、評価は得ているけれども、こういった分野をしっかりと国としても方向性を持って支援していくことが必要だし、育てていくことが必要で、今こそそういう時期だろうと考えています。多分、この他に、世界に今から打って出ようというのを考えても、当然、ものづくり産業は別として、なかなか思い当たるところはない。しかし、この分野は明らかにいくつかの芽が出て、現実的にもかなり世界的に普及している、評価を得ているということですから、これをこのままにしておくと、結局、中国、韓国等に取られてしまうというか、例えば、映画祭も、韓国の映画祭の方が東京の映画祭よりも非常に大きくて、評価されているようですから、そういったことも含めて、しっかりとこの分野を育てていく意味があると思っています。そういう意味で、今までも議論され、また、コンテンツ産業等の推進も色々やろうと言っていた中で、やはり具体的にこういった案を出すことが、今こそ必要だろうと思っています。この中身については、やはり国がやるよりも民間委託して、民間の考え方をすべてに入れていただいて、運営も任せるということですから、できるだけ世界にアピールして、また日本に来たら、このセンターを訪れようというような拠点にすべきだと考えていますので、そういう点では、民間の方が能力があるということで、麻生総理も、すべて民間に任せようということは最初から言っていますので、ぜひ実現していきたいと考えています。
記者)
メディアセンターを補正に出したという意図は。これはもっと議論をすべきだと思うのですけれども。
大臣)
議論すると、多分5年ぐらいかかりますから。例えば、国立美術館で、10年間という例が言われていまして、従来の予算の段階でいくと、なかなかいけないところがあって、補正はそういう意味では一つのチャンスだったと思うのですね。ですから、なかなか財政が厳しい中で、従来の枠組みでいくためには、多分、本当に時間がかかる話になると。そこを、これだけ経済が厳しい中で思い切った判断をしたということだと思います。
記者)
文化庁の懇談会も、半ば途中で仕切られるような格好で終了してしまったのですけれども、景気対策という面からは、いわゆる契約関連とか、本年度中に終えるというお考えでよろしいのでしょうか。
大臣)
予算的には、土地の取得と建物になると思いますから、今年度中に当然それは終えるということになると思います。
記者)
国としてコンテンツ産業を育てていくために、何故に箱なのですか。
大臣)
やはり拠点作りだと思いますね。メディア芸術祭などを文化庁でやって、私もその場に出たり、あるいは映画のフィルムセンターも訪れたりしていますが、例えば、アメリカのハリウッドとは、全然規模が違うと思いますけれども、もっと映画については拠点が必要だなと。映画人が集まるような一つのシンボル的なものが必要ではないかなと。そして、メディア芸術についても、これからはそういう所が必要だろうと。その中身は民間に任せていく。私は拠点作りだと思いますし、人材の育成も含めてやる必要がある。すべての作品の展示ですとか、それから、今言った若手の育成といったことを考えると、その拠点が必要だろうと思います。
記者)
そのセンターという形態が、その育成というところに、どうつながるのか見えないところに、やはり批判も浴びているのではないかなと思うのですけれども。
大臣)
やはり、色々なそういう作品なり、いわゆるアーカイブの機能が揃っているということは、かなり重要な拠点になるし、それをもとに、色々な人材の育成は必要だと思います。その内容は民間に任せることになっていますので、やはりその前提となる、どこにするということが、やはり、今までも問われていましたので、先ほど言ったフィルムセンターなどを訪ねて、人が来ないとせっかくあるのにもったいないなと、国がやるとああいうことになるのかなと。あれはあれで必要なのですけれども、もっとそれを育てるためには、そういう拠点が必要だということで、色々な意見を聞く中で、最終的にセンターというものを作ろうという話になりました。
記者)
育成でしたら、例えば、学校とか、もっと分かりやすい形で言えば、あるいは、製作費にもっと直接投資するとか、そういう方が目に見えて早いのではないかなと思うのですけれども。
大臣)
それも含めてでしょうね。だから、まずはそういうことをやる拠点がないと、それでは誰がやるのかといったこれからの展開も含めて、やはり拠点作りになると思います。今までだってそれはやってきたわけですから、だからそうではなくて、やはり、作品もそこへ行くと全部見られるとか、そうするとどうしても場所が必要ですよね。特に外国から来られる人たちは、よくそういうことを、文化庁に尋ねられるということですが、メディアの色々な芸術的アニメにしても、そういうのを見られるという場所がないわけですから、やはりそういう点では、拠点を作ることが必要だということです。
記者)
運営とか、管理費とか、それから作品購入費とか、こういうお金はどうするのですか。
大臣)
原則的には、運営も、その収入についても任せるということです。ただ、例えば、そこでやる事業に対する委託とか、そういうことは国の政策の中で収入として入ってくる可能性はありますが、具体的にはまだ、そこまで話がいっているわけではない。原則として、そういう考え方でやるということです。
記者)
入場料やグッズ販売、寄付などでまかなうということ。
大臣)
そういうことです。
記者)
他の博物館、美術館を見ても、それで成り立っている例がないのですけれども。
大臣)
博物館、美術館とは違うと思うのです。博物館、美術館というと、相当高価な、色々なものを購入して展示するということになるでしょうから。
記者)
そういうことも含めて、十分な検討の上で、予算計上がされたのかという…。
大臣)
予算という意味では、建物と土地代ですから。やはり、運営も含めて民間に考えてもらうということが、今回はポイントになっていますので。当然予算が必要になれば、すぐにそこへ着手していくことになると思います。
(了)
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