平成21年5月15日(金曜日)
11時43分~12時05分
文部科学省 記者会見室
教育、科学技術・学術、文化
次世代スーパーコンピュータプロジェクト、教育費、宇宙航空研究開発機構、スポーツ庁、新型インフルエンザ
大臣)
閣議後、総理とのお話が長引きまして遅くなりました。今日の閣議については、当省案件はありませんでした。
記者)
昨日、NECが業績の悪化を理由に、理化学研究所が2010年の稼働を目指して開発を進める次世代スーパーコンピュータの開発から撤退するとの発表がありました。国家プロジェクトが一企業の業績で大幅な修正を加えられるということになりますが、これについて大臣の御所感をお願いいたします。
大臣)
次世代スーパーコンピュータプロジェクトについては、国内のメーカーの技術力を糾合して世界最高水準のスーパーコンピュータを開発するという大きな目的の下に進められてきたわけですが、今回のNECの判断は大変残念に感じています。これも、百年に一度と言われる未曾有の経済状況の悪化の中で、企業としてぎりぎりの厳しい判断をされたものと受け止めています。次世代スーパーコンピュータプロジェクトについては計画の見直しが必至でありますが、国家基幹技術として、我が国の技術をもって世界に先駆けて最高性能のスパコンを開発し、活用するという目標の早期達成が重要でありまして、今後とも最大限の努力をしていきたいと考えています。
記者)
閣議後に麻生総理とお話した内容について、どういった内容だったか、簡単に。
大臣)
総理からいくつかの点で、経過報告をということで、一つは、安心社会実現会議の中で教育費の話が出ているということについて、我々文部科学省としても、今、色々な検討を進めているということで、教育費について今後の在り方をまとめていきたいということの、今までの経緯、将来的な検討の結果をお話しました。それが一点。それから二点目は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の問題についてお話しました。宇宙基本法をもとに今、宇宙基本計画が策定中でありますが、内容は別として、JAXAの在り方について移管ありきのような話が出ていますが、それはやはり、宇宙基本計画に基づいて、JAXAの役割をどういうふうにするかという議論をした上で、所管の問題が出てくるわけですから、順序よく議論を進めていただきたいということをお話しました。党内的にも、なかなか議論が分かれているところですから、今後、JAXAの役割、運営戦略、あるいは産業振興とか、色々な新たな方針が出ていますので、そういったものをどうするのか。例えばJAXAに全部統合するようになれば、それはそれで、例えばアメリカ航空宇宙局(NASA)みたいなものを作るという議論も出てくるであろうけれども、そういった具体的な議論なしに、移管ありきのような話が進んでいますので、それは大変問題であるということで、今までの議論の経緯と、それから私どもの考え方を伝えました。それから、昨日の再生懇は全体の整理のための議論でしたので、諸々ありましたが、一つは、スポーツ庁のことについて、今、スポーツ議員連盟において、新たなスポーツ基本法を制定するという方向で検討されていますので、その中でスポーツ庁の構想も、どういうふうに入れるかは別として、ある程度構想を持ち上げたらどうかということで、総理もそれには賛成だということをおっしゃっていました。その他、補正予算の話もしてきましたが、主なものは今の3点です。
記者)
総理からは、どんな反応が、もしくは御意見、御指示などはあったのでしょうか。
大臣)
教育費については、国公私の問題や家計負担の問題、それから教員の定数改善などということをお話しましたので、当然、今後十分に検討していかなければならないという、前向きなお考えは聞きましたので、また、まとめて相談しますというふうにお話しました。それから、JAXAについては、その通りだということで、今後、それぞれの政策・戦略をどういうふうに展開していくかという議論、そして、今までの体制より、やはり別なこういう体制の方がいいだろうかという議論があって、人があって、最後に、組織とか所管の議論が出てくるということだろうから、そういう順序によってやるべきだと。それから、スポーツ庁については先ほど申し上げたように、総理もやはり、基本法を制定して、スポーツ庁としてどんな役割を持ってくるのか、中身を検討する中で、どういう内容にするかということを検討すべきだというお話で、いずれにしても、スポーツ振興のためには新しい在り方も必要だなということはおっしゃっていましたので、今後具体的に、それぞれについて話をしていきたいと思っています。
記者)
教育費の話では具体的にどんなお話をなさって、財源のことにも…。
大臣)
そこまではいきません。将来的にというか、この厳しい経済状況から、特に教育格差が著しい状況が各地で現れてきますので、当然考えなければならないし、具体的にどうするという話は、今日は話していませんし、総理からも特になかったですが、例えば定数改善の問題も、現場の声として、かなりやはり必要だということを聞いていますし、またそういう意見もありますし、昨日の再生懇でも話が出ていましたので、そういうことも併せて、今後検討していかなければならないということでお話して、総理は、本当に先生は大事だということを、そして、自分としては人材が、何をやるにしても重要で、そういう意味では教育に真剣に取り組んでいきたいということを、総理は明確におっしゃっていただきました。ですから、今後は具体的な話を、また相談していきたいと考えています。
記者)
スパコンの件ですが、1千億円以上をつぎ込んだ国家プロジェクトで、しかも国家基幹技術という位置づけでありながら、一企業の経営判断によって、根本的にその計画が変わってしまうというような、進め方がどうだったのかということについては、大臣はどのように考えていますか。
大臣)
非常に残念なことでして、これについては、文部科学省と理化学研究所、そしてメーカーの間で、絶えず情報を共有してきたところですが、今回のNECの経営状況については、3月頃にNECから文科省に伝えられたということを聞いていまして、その後、担当者において、理化学研究所を通じて様々な対応策について検討を行ってきたわけですが、最終的に企業の厳しい状況から、こういう判断をしたということで、13日に参加断念のことが我々に伝えられたということでして、こういった一企業の経営状況が国家プロジェクトに大きな影響を与えるということは、誠に残念ですが、それを続行する色々な方策も考えましたが、最終的には難しいということですので、今後、今までの研究を無にすることなく、このベクトル部の詳細設計については完成をしてもらって、その成果については理研に引き継がれていくということで、今後の開発にもつなげていきたいと考えています。
記者)
新型インフルエンザの問題を受けて、徳島県内で国内の修学旅行についても、自粛するような動きが広がっているということだったのですが、文科省としても昨日通知を出されましたが、このことについての受け止めと、改めて、どういう対応をしてほしいと考えていらっしゃるのですか。
大臣)
以前から、例えば自粛を含めた再検討を求める状況ではないということは、私どもから通知してあったのですが、今回、徳島県の教育委員会において、中止を含めた再検討を求める通知が出たということは、どうしてそうなったかというのは、まだ直接聞いていませんが、ある程度、最悪のことを想定して考えたのか。ただ、今の状況からは、そこまで検討する状況ではないということを、私どもとしては改めて判断をしていますので、その旨を通知したわけでして、いずれにしても、都道府県の保健部局等とよく相談しながら、また正確な情報に基づいて、適切な判断をしていただきたいと考えています。
記者)
政府の方針を受けて、弾力的運用として、具体的な弱毒性への対応といったものを考えるとおっしゃっていたのですけれども、今の時点では、その後どういう…。
大臣)
今の時点では、政府の方針は変わっていないと思います。今のところはですね。
記者)
自治体の方でも独自に、ゆるめるような動きが出ているようなのですけれども、この辺はどのように。
大臣)
今、具体的にどこの自治体でどうのということは、まだ、把握していませんが、例えば、大阪の感染者について、停留期間を十日間から七日間にしてということでありますので、そういう状況も踏まえて、今後、どう対応すべきかということです。国として近々会議が開かれるのかどうか、今のところはないと思いますので、国の方針としては今までの方針を継続していくということだと思います。
記者)
民主党の代表選が行われているのですが、野党第一党の党首選の議論を、これまでどのようにお聞きになっていますでしょうか。出馬表明された二人の主張を、どのように聞いておられますでしょうか。
大臣)
詳しくはまだ聞いていないというか、新聞報道を少し見たような状況ですが、いずれにしても、今の経済対策なり、今後の状況に伴う税源の問題とか、そういうことが焦点になってくると思いますので、その点で十分な議論の上、明日、投票されると思いますが、いかにも期間が短すぎるのではないかなという印象はありますし、どれだけ党員あるいは国民の声がそれに反映されるのか。我が党の場合は、地方代表とかというところまで、一応、短期間の中でもできるだけ幅広くということをやっていますので、そういう点では、今回の結果が党の結束につながるかどうか、今の状況からすると疑問のような感じがします。
記者)
鴻池官房副長官ですけれども、週刊誌に女性問題が報じられて、その後、辞任をされて、総理も任命責任を昨日のぶら下がりで認めたのですけれども、一連の事態についての所感をお願いします。
大臣)
大変遺憾なことであると思います。続けてと言いますか、あったわけでして、こういうことは二度とあってはならないと思いますし、辞任は当然かなと思います。
記者)
豚インフルエンザの関係ですけれども、学校に対して結構誹謗・中傷のような電話がかかっているという話がありまして、横浜であった1例目かと思われた件でも、割と心ない言葉が投げかけられたりということもあって、これから、子どもたちが学校へ、地域に戻るわけですけれども、その辺のその後の対応に関して何かお考え等ありましたら。
大臣)
誠に残念なことですよね。ブログに書かれたりという話もあるらしいですけれども、何か情けないような気持ちです。いずれにしても、教育委員会等には、各学校において風評により不当な扱いを受けることがないよう冷静な対応を取るように指導をすること等、事務連絡を発出しているところでして、適切な判断・行動をしていただくように、改めてお願いをしているところですが、こういったことがどうして起こるのかというのは、改めて、社会的な問題なのでしょうかね。マスコミの方にも、何かいい方法があったら、お聞かせいただきたいなと思いますし、感染した人を余計傷つけるようなことですから、むしろ、温かく迎えるような気持ちを持ってもらったら、いいのではないかなと思いますが、大変残念なことであります。我々ももちろん、何でこういうことが起こるのかということは、議論もしてみたいと思いますし、また社会全体としても、国民がこれを聞いて、どう受け止めているか、多分問題であると思っていると思いますが、そういうことが、公然と行われるということは、やはり社会的な問題だなと感じています。
記者)
教委に対しての、風評被害に対する対応として、どのようなことを考えていらっしゃるとおっしゃったのでしょうか。
大臣)
帰国した生徒や教職員が、各学校や地域において、変な風評により不当な扱いを受けない、冷静な対応を取るようにということを指示したということです。
記者)
スーパーコンピュータの件ですが、NECと日立が抜けた後の対策としては、その資金を誰が出していくかということにもなってくるのですけれども、富士通なり国の負担分も増えるかも知れないと思うのですが、仮に国が今まで予定しているよりも、もっと負担するようなことになってもやむを得ないというふうにお考えですか。
大臣)
富士通とNECとは別の形でやってきましたので、先ほど申し上げたように、NECの部分は一応設計段階まで終了して、しっかりと理研が受け継ぐことになっていますし、具体的にどのようになるかというのは、今、検討中ですが、富士通は富士通で今後ともしっかりと、研究開発を進めていただいていますので、そう大きな変更はないと考えています。今の話は、NECの部分を誰かが引き継ぐようなことの話ですかね。
記者)
そのまま引き継ぐのではないにしても、世界最高性能というのを実現するためには、それなりのコストが必要だし、たぶんその抜けた分は、多少なりともどこかが穴埋めして負担しなければいけないということになると思うのですが。まったく同じ物をやるのではないにしても。
大臣)
その辺は、どうできるかということも含めて検討中です。
記者)
その場合、国が、ある程度かぶっても仕方がないという。
大臣)
それは、もし必要があればということです。ただ今のところ、他がNECの部分をそのまま引き継ぐという話はないですよね。
文科)
基本的には、スカラー型を中心として、新しいシステムを考えていくということになると思いますので、NECの部分を直接引き継ぐという形にはならないのではないかと思います。いずれにしても、また新しいシステムを構築しますので、それに基づいてまた検討していきたいと思います。
大臣)
そういうことです。
(了)
※本概要は、発言内容を変更しない範囲で読み易く修正しています。
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