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大臣会見概要(12月26日)

平成20年12月26日(金曜日)
11時14分~11時36分
文部科学省 記者会見室
教育

キーワード

全国学力・学習状況調査

 大臣)

 本日の閣議は、特に報告することはありません。

記者)

 昨日、秋田県の知事が、全国学力・学習状況調査の市町村別の結果を公表しました。大臣にその受け止めを教えていただきたいと思います。もう一つ、埼玉県も含めて、情報公開審査会等の答申が出たりしていますので、今後、他の都道府県にも公開等の動きが広がるのではないかと思われますが、そのことについても併せてお聞かせください。

大臣)

 昨日の秋田県知事が実施要領に反して、全国学力・学習状況調査の市町村別の結果を公表したということは、大変遺憾に思っています。市町村教育委員会が自ら、教育改善に取り組むことが必要であり、それが大きなこの調査の目的でありますし、序列化や過度な競争につながらないようにということで、実施要領を決め、そして調査を実施しているわけです。このため、市町村別の結果の公表については、各市町村の教育委員会に判断を委ねています。今回は、教育委員会の意に反して、知事が独自に公表したと聞いていますが、どのような意図・ねらいがあったのか、また教育的にそれがプラスに働くものなのかどうなのかということも、私どもとしては理解できないわけです。このため、県教育委員会を通じて、事情をしっかり確認していきたいと思っています。また、今後も、実施要領の趣旨を広く関係者に周知徹底していきたいと思っています。どうも、情報公開ということが各地で言われていますが、これは、調査の教育的な目的と、情報公開のための情報公開と言いますか、そういった議論と、全く違った議論が今、交錯しているような状況です。私どもとしてはあくまで、教育的な目的に従って、調査をしているわけですから、それを理解していただきながら、調査を実施していきたいと考えています。ただ一方で、現実として情報公開の条例が制定されたりしていますので、それがどういう状況をもたらすのか、教育的にどうなのかということを考えて頂きたいと思います。情報公開条例等で定められると、今我々としては、なかなかそれに対抗する手立てはないと思うのですね。しかし、今後それによって、参加しない市町村が出てきたりして悉皆調査ができなくなると問題です。ですから、情報公開というのは何の目的でやっているのか、場合によってはこの調査を止めさせるような行為にもなりかねないわけです。そこら辺のことを考えて情報公開をすべきだという話なのか、今後、そういう例が沢山出てくれば、将来的には議論をする必要があるのかなと思います。この調査の実施前には国会でも十分議論した上で、公開しないということで実施要領を策定したわけですから、改めてそういった議論をする必要があれば、またしていかなければなりません。今回の秋田県知事による公表については、どういう意図があるのか、また方法的にも情報公開条例を受けてということでもなく、まったく独自に市町村別の調査結果を発表されたということで、知事にそういう権限があるのかということまで考えざるを得ないと思いますので、事情をよく把握していきたいと思います。

記者)

 秋田県知事の意図がどういうことか確かめたいということですが、意図がどうあれ、公表したということは事実でして、秋田県に対して何か申し入れなりをするお考えがあるのか、あるいはまた、先日見直した実施要領について、今から見直すということもお考えなのか、お願いします。

大臣)

 今申し上げたように、教育委員会を通じて今回の事情をよく、まずは調査していきたいと。その上で必要があれば、具体的な、話し合いなり、何か措置を取るかもしれませんが、まずは事情をしっかりと把握していきたいと。今のところ、実施要領を変えるということは考えていません。そういった色々な例が出てきて、それに一つ一つ対応できる書き方というのは難しいと思いますので、できるだけ原則だけを明記していこうと実施要領を決めたわけです。こういうふうに書けば、我々の意図が反映できるということがあったら、また検討したいと思いますが、現在のところまずは原則をしっかり書いて、それを理解した上で、参加していただこうということです。

記者)

 先程おっしゃった、改めて議論をする必要があるかもしれないというお話ですが、もう少し具体的に、何を議論するのか。情報公開について、在り方をもう一度考え直す、設定し直すということなのか。

大臣)

 やはり、都道府県による市町村別の結果の公表や情報公開が、教育的な観点から必要かどうかということなどです。そういう原則論がまずは大事だと思いますので、何のために学力調査をやるのか、私どもは目的を明確にして実施していますので、それが実行できないような状態になるとすれば、そこはまた議論をしていかなければならないと思っています。

記者)

 まさにこのやり方で、このまま続けていって良いのかという、もう一度原点に立った議論というのは、必要になっているのではないでしょうか。

大臣)

 いえ、教育的にそういうふうには考えていません。学力調査を行うことが教育的に問題があるとか、そういうことではないのではないですかね。

記者)

 これまで、過度な競争、序列化が弊害になるのではないかという想定で、そういった弊害が起きないように色々やっていると思うのですが、こういった情報公開の議論とのぶつかり合いですとか、まさに違った面で弊害が出て来ているという捉え方もできるのではないかと。

大臣)

 どういう弊害ですか。

記者)

 要するに、本質論、教育論からはずれて、何か、自治体対文部科学省みたいな、こういうところばかり取りざたされて…。

大臣)

 いえ、自治体対文部科学省ではなくて、知事対教育委員会ではないですか。今回の知事による市町村別結果の公表については、県内の教育委員会は全部反対していますから、そこはよく地域でも議論をしてもらいたい。知事と全部の市町村教育委員会が了解してやられたのなら、それはそれで意味があることだと思いますが、これは私どもの意図を、知事と教育委員会がどのように理解しているかということの違いで、そこはまずは、県内で議論してほしいなと。我々は教育委員会に対して、今回の実施要領を提示してその前提でやっていただいています。そこは弊害というよりも、問題を提起して、問題を起こしていると言いますか。

記者)

 実際に問題が起きているわけで、このままの状態で続けていけば…。

大臣)

 だからそれは、学力調査を行うことの問題ではなくて、公表することが問題ということになりませんか。

記者)

 こういった学力調査があるから、もちろんこういう議論になってくるのですけどね。

大臣)

 いえ、学力調査が問題なんていう話は、各地方からも聞いたことがありませんよ。

記者)

 現在のやり方であっても、問題ではないと。

大臣)

 問題は聞いていませんよ。公表するかどうかの話だけで。

記者)

 悉皆が本当に必要なのかどうかとか、そういった議論はありますよね。

大臣)

 ありますがそれは公表とは関係ない話ですよ。悉皆が問題だという声が上がっているのでしょうか。

記者)

 いえ、悉皆ではなく、それを抽出でやれば、公表するかどうかという問題は発生しないと思うのです。

大臣)

 全国学力・学習状況調査のやり方は、また今後何年か経ったら色々考えてみて良いと思います。それと公表や情報公開の話は、全く違う、別の次元の話だろうと思っています。私個人的には、学力調査を本当は毎年、毎学年でやるべきだと思っています。自分の学力調査を小学6年生の時に一度受けて、次に中学3年生では、向上したのか下がっているのか、個人としては本当にはかれないわけです。だから個人のためには、毎学年ぐらいやるべきでしょうが、ただお金がかかってしまいます。学力調査はやはり、子どもたち個人が、まず原点。もちろん国としては全体の学力がどうあるべきかということもはかることが前提となります。しかし、公表や情報公開をして、何をしようとしているのか分からない。そういった議論ではなくて、単に公表や情報公開をしようかという話なのか。今、学力調査自体に問題は出てきていないと思うのですね。教育上、学力調査が、こういうことで問題があったということが、明らかに提示されるなら、またそれはそれで議論をしなければならない。公表や情報公開の話と、いわゆる教育的な問題とは、全く別の話だろうと思っています。

記者)

 情報公開を進めようという側にしてみれば、要するに、より競争をさせたいという…。

大臣)

 それならそれで、はっきり言ってほしいのです。そうすれば、例えば知事と教育委員会の間で、それではそうするのはどうかという議論ができるではないですか。ただ単に黙って公開してしまうなんていうのは、やはり問題ではないですか。

記者)

 だからやはり、その公表をすることによって、競争的なこのテストの様相を利用しようという意図だと思うのですけどね。

大臣)

 教育的に、知事が、こういう意図でやりたいと、教育委員会と話をすれば良いのではないですか。それを今回は教育委員会をまったく無視した格好で、独断で発表したのです。そういったことが良いのかと言ったら、やはり問題ではないですか。

記者)

 例えば、何年かごとに、抽出ではかるような形態であれば、こうした一律公表だ、競争だということにはならないですよね。

大臣)

 だから学力の傾向を把握するためだけであったらそれで良いと。私が言ったのは、個人のこととか各学校等の学力や学習状況が毎年どうなのかということも、やはり大事なことだと思っていますから、両方を兼ね併せて今回の学力調査をやっていますので。もう個人的な学力をはかる必要はない、もう悉皆ではなくていい、受けない人は受けない人でいい、ということになると、本当の意味で我々が目指しているような学力調査にならない。やはりそれは調査の質が変わってきますから。その議論はまた、何年か経ったらやる必要があると思いますが。

記者)

 今はやる必要ないですか。

大臣)

 今はその議論は必要ないと思います。でも、悉皆だから駄目だとか、学力調査のこういうところが問題だという議論が出てくれば、また議論はしますが、今は公開かどうかの話で、しかも公開は教育的にどうという話はまったく聞こえてきません。

記者)

 某新聞で大臣が、何か法的な措置も考えななければいけないのではないかという発言をされているそうですが。

大臣)

 結局、情報公開条例に対して、我々の実施要領を守っていただくためには、今の段階では条例に対してなかなか対抗はできないのかなということで、もし今後も、例えば公開のための公開で、どんどん公開され、参加が少なくなったりするとなると場合によっては、そういうことも考えられると。

記者)

 法的手段とおっしゃるとどういった。

大臣)

 だから例えばですが、学力調査法を作るとかですね。我々の実施要領が、やはりもっと理解していただくように、その方向で実施できるように努力をしますが、情報公開条例で、どうしても公開せざるを得ないことになってきますと、それは本来我々の望むところではない。始めから公表しないということでやっているのに、こういった情報公開条例が出てきますと、何の対抗も多分できないと思うのですよ。ですからそういった意味で、法律みたいなものも作らないといけないことも考えられるのかなと。まだ決めたわけでもないし、一つの方向としてそういうことが考えられるかなと思っていますが、いずれにしても、今の段階で具体的な話ではなく、今後もやはり、学力調査の目的を明確に訴えて、そして理解して参加してもらうことに努力していくということです。

記者)

 情報公開法の上位に位置するような、公開をさせないような法的措置というか。

大臣)

 いわゆる情報公開から除外してということは、国としては言っていますが、各都道府県や市町村でそれと異なる情報公開条例が制定されれば、それが有効になります。ですから、実施要領に書かれたことがなかなか実行できなくなりますから、そのときには、何か方法があるのか、また考えなければいけないのですが、その極端な例の一つとして、法的にはそれぐらいしないといけないこともあり得るのかなと。

記者)

 やはり、教育的なものの配慮とか考えとかが、情報公開したい側とうまくかみ合わないところがあると思うのです。その情報公開の理念を上回るところに、教育の関心を持ってこようとすると、情報公開するよりも大事だということを、国民にどうやって伝えていくかという点で問題があると思うのです。要するに情報公開よりも大事だということを、文部科学省は国民の理解をどうやって得るか。

大臣)

 やはり、公開した方が良いかどうかというのは、国民全般で議論する時期があるのだろうと思います。

記者)

 つまり国会で色々議論されて、今の実施要領も作られましたけど、その話は国民にはあまり浸透していないというふうにお考えですか。

大臣)

 たぶん、あまり浸透していないところもあるのではないかなとも思います。例えば、子どもたちとか、教員とか、国民一般の人たちが公開すべきだと、競争になっても公開すべきだという多くの意見があれば、そのときにはまた議論しなければいけないと思います。しかし、過去の例とかそういうことで、私が接した中では、公開する必要はないという意見を多く聞いていますので、公開した方が良いとか、教育的にどうということは、今のところあまり伝わってきません。

記者)

 導入の際に、よく議論されたとおっしゃっていましたが、要は当初の公表は都道府県までにとどめ、そして後は、各市町村に委ねるという判断になったわけですよね。それが、もう少し伝える努力が足りなかったのではないかという感じがするのです。要するに、それだけ議論して、こういうことに決めたことが、伝わってないから市町村が…。

大臣)

 我々の意図を、伝える努力はします。まずは理解して参加してもらうこと、そういうことはこれからも努力をします。説明が足りないということも、あったと思いますので。ですから、各教育委員会にも学力調査についてはこういう実施要領でいくということで、しっかり目的や考え方を明確に、もう一度分かってもらって、参加してもらうということでしょうね。

記者)

 来年4月にまた調査がやってくるわけで、今後どうされるかというのを、何か打ち出さないといけないと思われますが、この事態をどのように収拾されますか。

大臣)

 今のお話については、しっかりと目的とか考え方というか、教育的な目的でこうやっているということを理解してもらう努力をすることだと思います。私が分かってほしいのは、教育的に、具体的な問題があるのだろうかということであり、今回はそういうことではなくて、違う議論だろうと。教育的に問題があるのなら、それはそれでまた議論をしましょう。情報公開条例に対しては、我々としてもなかなか有効な手立てをとるのは難しい。ですから、それに対しては調査の目的や考え方を理解していただいて、今回であれば知事と教育委員会で、そのことについて話し合ってもらわないと困るということです。

記者)

 一つのチャンスが来年度の実施要領だったと思うのですが。

大臣)

 でも今回、知事があのように一方的に公表されましたが、教育委員会は全部反対ですからね。

記者)

 公開する必要がないという意見が、教育関係者に多いというのは非常に良く分かるのですが、一般国民もする必要がないという声が多いという…。

大臣)

 公開したときに何が有効だという話が重要だと思います。もちろん、ある程度競争心を煽って頑張らせるみたいなことは聞きますが、過去に弊害もありました。それでもやるべきかという話は、あまり届いて来ない。またそういう御意見があったら聞かせてください。公開するかどうかという話が多くて、教育的にこうではないか、ああではないかという話は、あまり聞きません。

記者)

 国民の間ではまだ、議論が深まっていない、認識自体は深まっていないということでは。

大臣)

 いえ、大方は納得していただいているのかなと思っています。今のところは、ただ興味本位で、序列を見てみたいという方が強いのかなという感じがします。教育的にこういう点で有効だから公開してくれということより、ただ単に公開のための公開だっていうことです。だから、教育的に公開した方が、もっと将来的にこのようにプラスになるだろうという御意見があったら、また聞かせてほしいと思っています。

 来年もよろしくお願いします。色々一年ありがとうございました。

 

 (了)

 

※本概要は、発言内容を変更しない範囲で読み易く修正しています。

 

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大臣官房総務課広報室