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大臣会見概要(12月19日)

平成20年12月19日(金曜日)
10時25分~10時53分
文部科学省 記者会見室
教育

キーワード

全国学力・学習状況調査、携帯電話学校持込み、法科大学院、教育再生懇談会

大臣)

 本日の閣議は、特に報告することはありません。

記者)

 鳥取県が提案した情報公開条例改正案が、昨日の県議会で可決され、全国学力テストの市町村別、学校別の結果を開示できるようになりました。文部科学省は開示を禁じる方針ですが、鳥取県で条例改正案が可決したことへの大臣の受け止めと、地方自治体に広がっている開示の動きについて、御所見をお願いします。

大臣)

 昨日の鳥取県議会で情報公開条例の改正案が可決されたということは聞いています。文部科学省としては、学力調査の目的、ねらいが、より生きて、有効に活用してもらえるように、調査の実施方法等について、専門家検討会議の提言を踏まえて、現在、平成21年度調査の実施要領の最終的な検討を進めています。情報公開については、学力調査を実施する段階において、かなりの議論をしてきた結果、公開をしないということで始めたわけですから、基本的な考え方は変わらないと思いますが、例えばこのねらいを、より良いものにしていく考え方があれば、今回の条例の意図といったものを一層しっかりと聞いていきたい。序列化や過度の競争にならないようにという前提で始めたわけですし、調査結果を学力改善に十分に活用してもらうということが、一番の目的、ねらいで実施していますので、今回の情報公開をするという意図というのは何なのか。我々が考えている目的、ねらいに沿って、より良い結果を出すような、色々な御意見があれば是非お伺いしたいと思っています。

記者)

 地方自治体に広がっているという点については。

大臣)

 大阪府や秋田県も同じようなことかと思いますが、今申し上げたように、調査の目的、ねらいが、より良い成果を、あるいは活用されるという観点の御意見があれば、お伺いしたいと思います。開示した方が、より有効だということがあるのかどうなのか、あれば教えて頂きたい。

記者)

 文部科学省のスタンスとしては、過度の競争や序列化につながる恐れが、公表した場合にはあるのではないかということを…。

大臣)

 それは国会での議論もあるし、過去においても過度の競争があったということです。だから今回やるときも、もうそれはないようにということを前提として、実施したわけです。例えば、点数を上げるために、できない子どもたちを休ませたり、先生が解答を事前に教えたりとか、過去にあったようなのですよ。だから皆心配して、そういうことにはならないようにという前提で実施していますからね。

記者)

 過去にあった、しかも今回ももしかしたら、そういうことが起きるかも知れないので…。

大臣)

 相当議論がありました。

記者)

 今回も実施要領にして、基本的には公開しないと。ただ、もしこれが起きないのであれば、公表しても良いのではないかというように、変えていかれると…。

大臣)

 いえ、情報を公開した方が過度の競争は起きないという意見を聞いていないですから。例えば教育的に、もっとプラスになるという話があるのなら聞かせて欲しい。

記者)

 そこまで効果がはっきり出てくるのは先になるとは思うのですけれども。

大臣)

 そういう話があって情報を公開しようという話なのか、ただ単に、公開のための公開の議論ではないのかなと。教育的に、学力調査をより効果的に活かすための話なのかどうかは、今のところ聞いていませんので。

記者)

 要するにメリットを見るか、デメリットを見るかという話だと思うのです。メリットがあるかどうかというのは、大阪府、鳥取県もまだ見えてこない段階だと思うのですが。

大臣)

 メリットは何だと言っているかです。何かメリットがあるから公開してくれと言っているのかですね。

記者)

 秋田県の教育長がおっしゃっていたメリットというのは、市町村教育委員会に対して、公開することで責任を持たせたいということ、それからやはり住民に広く知らせることで、教育に参画してもらう情報を出すことが、その参画への一歩になるというようなことをおっしゃっていました。

大臣)

 しかし、秋田県教育委員会は、市町村名は出さないですよね。

記者)

 秋田県では今、出していないです。出すという方向が議論の中で一時ありましたが。

大臣)

 責任を持たせるという議論もありましたが、結果的にはやはり弊害の方が大きいということで、調査の実施・参加の前提として、出さないということです。市町村名や学校名等を出して、序列化や過度の競争を、より強めるようなことは避けたいということです。調査結果の中で、分布的に各市町村がどの辺にあるかは当然分かる話ですが、市町村だとか学校とかの具体名を国や都道府県が出して、序列化を図るようなことは、やらないということです。

記者)

 現時点で大臣のお考えとしては、デメリットがやはり大きいので、市町村別は公表すべきではないという趣旨は変わらないということですね。

大臣)

 そうです。いままでかなり多くの議論をしてきた結果ですから。たぶん、毎年序列化されて学校名や市町村名が出されることになれば、それだけでもう大変に興味が持たれるのだと思うのです。だからこそ情報公開条例の請求対象になるのかもしれませんが、しかし、目的やねらいはそういったものに応えるためではなくて、やはり教育的に、それぞれがより改善をしていく等を目的としてやっていますので、あくまでそういうことで実施したいというです。その前提のもとで参加・協力してもらっていますので、例えば責任を持てると確約できるとか、教育的な観点からの議論があれば、大いに議論してもらいたい。

記者)

 昨日、萩生田政務官は、文部科学省はメリットとデメリットを全然議論していない段階であるということをおっしゃっていたのですが、テスト開始前の長く議論があったと考えると、その発言には少し違和感があったのですけれども。

大臣)

 政務官のメリットデメリットの話は、直接聞いていませんので分かりませんが、たぶん、何回も調査が実施された結果でどうかという話ではないかと思うのです。スタートする前からかなり議論をしましたので。

記者)

 政務官は、公開することのメリット、デメリットの議論はないとおっしゃっているのですが、文部科学省が議論していないということについては。

大臣)

 いえ、そんなことはないです。私どもは毎日議論しているぐらいですから。全体で揃って議論をしたかどうかは別として、担当の部署も、このことについてはそれぞれ議論をしています。専門家検討会議もありますし、しかも、導入する段階では、国会でもだいぶ話がされましたし、議事録等でも絶対に過度の競争にならないという前提でやろうという話になっていますから。

記者)

 政務官は、個人的にという断りでしたが、市町村とコンセンサスがあれば、都道府県が公表しても良いのではないかと思っているということを、御発言されていましたが、そういった少し違う方向を向いているような状況はいかがですか。

大臣)

 違う方向を向いているというような話は、今初めて聞きましたけれども。政務官とは良く話をしていますから。

記者)

 現在作られている実施要領も、とにかく早いうちに出したいという意向で、今作っていらっしゃると思うのですけれども、先日の有識者会議での弾力的な運用という提言についてお話を伺ったところでは、要は、データを要らないと都道府県側から言われた部分に関しては、文部科学省が出さないことも、あっても良いという話でした。それは文部科学省が最初から、データを公表してしまいそうなところには、出すのをストップするという意味ではなくて、都道府県側からの要請があれば、それには応えるということを入れていく方向性だと御説明もありましたが、そういう方向でいくのですか。

大臣)

 まだ議論をしている最中ですが、各都道府県や市町村の要望が、また新たに出てくるかも分かりませんので、あくまで原則を書いていこうという方向です。今後の動きに対しては、その都度また対応していかないと、一つ一つの対応に対して実施要領に入れていくことはなかなか難しいと思いますので、まず原則を書いて、そして、その都度の対応にするしかありません。また、その方が分かりやすいだろうと。今のお話も、色々な意味に取られる可能性もあるわけです。ですから、あくまで原則を書いてということにしたらどうかということですが、今は議論の段階の中で申し上げているところで、まだこれは最終決定ではありません。

記者)

 文部科学省の出している実施要領というのは、一つの約束事であり、ルールではあるのですが、条例ができてしまうと、それとはまったく別の法律的なものとバッティングになってしまいます。一部の地方からは、実施要領については条例を超えるものではないと、条例の方がそれに優先するという意見が出たりして、その辺が混乱しているように思います。国の場合は情報公開法の例外規定に当たるということを明記していらっしゃいますが、実施要領の中で、地方の条例との関係がどうなるかということは書いていないということもあって、不思議な混乱状態に陥っているような気がしますが、この辺はどうなっていくのでしょうか。

大臣)

 困っています。こういった条例ができて、実施要領は、今おっしゃったとおり約束ですから、約束を守って頂かなければ困るというようなことです。実際、法的にどうなのかというのは、今後更に検討しなければならないとは思っていますが、それを実施要領にどう書けるのかは、議論をしてみないと分かりません。

記者)

 冒頭のお話について、鳥取県から近々に、条例制定に関する考え等を聞くということの意思表示、ということでよろしいのでしょうか。

大臣)

 はい。一応、どういう意図で、状況でということを詳しく聞きたいと思っています。

記者)

 それは、来年度の実施要領作成前に、鳥取県から聞くということですか。

大臣)

 そうですね。

記者)

 今のところそのような動きがあるのは鳥取県、秋田県、大阪府ぐらいですが、それを受けて、来年度以降例えば、県側で、県レベルでは情報公開したい、しかし市町村や学校はやはり公開に反対だという場合に、参加校や参加市町村がどんどん減ってくるという可能性もあると思われます。悉皆にこだわった文部科学省としては、どういうふうにお考えでしょうか。

大臣)

 その時には学力調査が必要かどうかという議論になると思うのです。何度も申し上げましたが、目的、ねらいとして、国としては全体の学力状況を把握し、それに対して改善をどうするかということですし、県や市町村、学校、個人なりが、それぞれの学力をしっかりと把握する中で、それぞれがまた改善をしていくということです。そういうことがまったく必要ないという議論なのか、情報公開をするしないの議論なのか、また、どっちが大事かという話になると思います。私どもとしてはやはり、学力調査を活用して改善してもらうということが目的で、そういう目的では、調査の意味がないよということなら、それはまた検討してみても良いでしょう。しかし、公開をするしないの議論と一緒には、なかなか考えられないし、情報公開については、それぞれの市町村なり県なりの教育委員会でも、もう少し議論をしてもらいたいですね。我々としては、これをやるにあたり、だいぶ議論しましたが、様々な過去における経過も踏まえて、最終的に公開しない方が良いとの結論に達しました。子どもたちのためになるのか、学力向上のためになるのかということが一番の目的ですから、そうならないとなったら、やる意味もないが、そこら辺をどう考えるかということ。我々としては、この目的に沿って考えてもらいたいと思っていますが、情報公開の観点で、教育目的とは別に議論がされるとして、そこら辺をどう捉えていくか、最終的には必要があるかどうかということになると思います。例えば国民的に、各地方で、皆公開した方が教育的にためになるのだということであれば、実施して公開するということになると思いますが、今は、そういう意見は聞いていない。ただ公開しろという話だけで、それで良いのですかということなのですよ。そうすると、過去においてあったような弊害が、出てくるだろうと思っていますから。

記者)

 繰り返しの質問になりますが、鳥取県から話をお聞きになる意図というのは、文部科学省側の、実施の目的をもう一回認識してもらうものになるのか、それとも、公開条例を作るということが、本当に改善に役立つものなのかを確認する、鳥取県の立場を聞くという場になるのか。

大臣)

 今申し上げたように、目的に沿って、どれだけプラスになるのか。だから、鳥取県としてプラスになるから公開するということなら、聞かせてほしいということです。

記者)

 大阪府の知事の発言について、大臣が官邸でコメントされたときに、大阪府は御自分のところでやれば良いんじゃないですかという御発言がありましたが、あの意味はどういう意味だったのですか。

大臣)

 我々は序列化を目的にはしていません。もしそれをやりたいのなら、自分たちの調査で序列化をして頂いたらどうかという意味です。

記者)

 それは都道府県なりが、独自に実施する学力調査の結果を、市町村別に、お出しになったらどうですかという、そういう意味ですか。

大臣)

 もし、どうしてもやりたいのなら、という意味で。我々は序列化が目的ではないですし、何度も言うように、それをしないという前提で、これを実施していますから。

記者)

 中国四国の法科大学院が、共同で大学院を運営しようという動きが出ているのですが、法科大学院を取り巻く状況の、今後の対策の方向を教えてください。

大臣)

 その件については、まだ具体的な話を聞いていません。法科大学院の問題については、かなり合格率が低かったり、質の問題も色々指摘されているところで、今後検討しなければならない課題だと思っていますので、これも一つの方策であるかと思います。いずれにしても、具体的にしっかりと話を聞いてみたいと思います。

記者)

 小中学校の携帯電話の持込みについて、文部科学省としては持込みを禁止することを検討する段階ということで良いのでしょうか。この問題に対する大臣の御意見を改めてお伺いしたいと思います。

大臣)

 昨日の教育再生懇談会で、携帯電話問題ワーキンググループの取りまとめ案の報告があって、最終的に来月、懇談会として第三次報告を提出して頂くようになると思いますが、原則的には禁止の方向で考えているということです。文部科学省としても各都道府県等の対応について、今調査をしていますので、それも踏まえて、ある一定の方向性は明確にしていきたいと思っています。今の時点では、やはり小中学生に対する携帯の学校への持込みは、禁止の方向で考えるような状況かと思っています。高校については、都道府県が主体にやるようになるのかと思いますので、そこら辺はまた、各地方と連携しながら、状況をしっかり把握する中で判断していきたいと思います。

記者)

 実態調査を踏まえた上で、禁止の方向を検討したいということでよろしいですか。

大臣)

 禁止ということを始めから決めているわけではありませんが、今聞いている状況は、そういう方向かなという感じを受けています。

記者)

 聞いている状況というのは。

大臣)

 埼玉県が禁止したとか、再生懇の報告等、やはり禁止の方向かなということです。私自身個人的には、やはり禁止すべきだとは思っていますが、そういうことも踏まえて、最終的に一つの方向性を明確にしていきたいと思います。

記者)

 昨日、駒澤大学の理事長が解任されまして、実際の経済の悪い状況が、教育の現場に直接影響を及ぼしている現状と、これからさらに経済状況の悪化が懸念される中、その対策についてお考えがあれば、お聞かせください。

大臣)

 大変残念な状況だと思います。昨日の理事会で決定されたようですが、いずれにしても、大学の経営判断の間違い、デリバティブ取引によって多額の損失を被ったということでして、直接のコメントは控えたいと思いますが、経済の厳しい中で、こういった経営、あるいは授業料の未納等の問題について報告がありますので、そういったことも少しずつ、これを何とか支援していく。来年度については、特に、就職支援体制を充実させようということで、予算的にも計上しているところですが、学校経営について、今のところまだ検討していませんが、こういった事例が出てくれば、当然検討していかなければならないと考えています。

記者)

 国立も含めて、予算の状況がなかなか厳しい中で、大学に手厚い処置ができないと思うのですが、ある種こういう状況を生み出してしまったのかなという気もしますが、その辺の文部科学行政の責任ということに関してお願いします。

大臣)

 教育に対する財政支出といったことをもう一度、根本から見直していく必要があると思っていまして、今回の厳しい経済状態だからこそ、余計にその点は具体的に考え方をまとめていきたいと思います。やはり、教育費の問題、家計負担の問題、例えば、特に高等教育は、相当な各予算を投じているわけですが、そういう点において、やはりどこまで我が国でやるべきかということも、我々なりに提案していかなければならない時期だと思っていますので、それには今、色々財政状況や家計負担の状況、あるいは各国の状況の比較等、そういうものを整理をしている最中なものですから。将来にわたって、社会保障関係も今、そういった中期計画が出ていますから、教育としての在り方、教育費の在り方等、できるだけ近いうちに提言していく中で、厳しい経済状況の中でも、安心して教育を受けられるような状況を作りたいと考えています。

記者)

 各国に比べて、手厚くできなかった背景というのは、どういう御認識ですか。

大臣)

 色々あると思うのですが、戦後の教育の中で、私学とか、教育優先で、かなり家計負担が結果的に多くなって、色々な背景があったと思うのですが、それでも、やはり教育に対する熱意が、かなり、学校を運営する側も、教育を受ける側も、国民全体的にあって、そういう状況の中で頑張って来れたということだと思うのです。それはそれで、大変すばらしいことですが、やはり今、我が国が豊かになって、ある程度レベルまで行ったときに、そのような向上心、チャレンジ精神とか、あるいは経済的に右肩上がりで伸びていく時代ではないときに、将来安定した状況を作るという観点では、今までの在り方が続くということでは、なかなか難しいだろうなと思っていますので、やはりある程度、安心して教育を受けられる環境を作るということです。家計においても、誰もが、色々な教育機関に参加できるというような状況は、これから考えていかなければならないと思っています。

 

  (了)

 

※本概要は、発言内容を変更しない範囲で読み易く修正しています。

 

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