平成20年12月5日(金曜日)
10時32分~10時56分
文部科学省 記者会見室
教育
大臣)
本日の閣議は、特に報告することはありません。
私の方から、一つ発表があります。「大学病院の周産期医療体制整備計画について」ですが、先日も妊婦搬送に当たって、大学附属病院を含む、複数の医療機関で受け入れができなかったという事例が発生しました。このようなことから、我が国の周産期医療体制の構築は、喫緊の課題であると受け止め、文部科学省としては大学病院を所管していますので、我が国の周産期医療に貢献するために、早急に「国立大学病院の周産期医療体制の4カ年整備計画」の策定をし、また、国公私立大学病院の周産期医療に関する人材養成の強化、この二つを柱とする計画を推進することとしたいと思っています。具体的には、周産期医療体制の4カ年計画については、NICU(新生児集中治療室)が未整備の9国立大学病院について、1病院当たり最低6床のNICUを整備する計画を順次策定し、今後4年間で、NICU未設置の国立大学病院の解消を図っていきます。また、今後4年間で、少なくとも半数の国立大学病院において、現行平均11床程度のNICU、またMFICU(母体・胎児集中治療管理室)、そしてGCU(継続保育室)等の病床数を倍増して、20床とするものです。そして、人材養成については、国公私立大学病院のNICUに関する人材養成について支援するものであり、大学病院における周産期医療体制の強化を図っていきたいと考えています。特に、私立と比べて国立の病院の病床数が低いということで、今回早急に、この4年の整備計画を立てたわけでして、計画に基づいて、しっかりと進めていきたいと思います。
記者)
この度初めて、「大学病院における周産期医療体制等の調査」が行われましたが、この調査の結果によって、浮かび上がった課題及び問題点は、大臣はどこにあるとお考えでしょうか。
大臣)
先程申し上げましたが、国立大学の大学病院での病床数がトータルですと平均11.4床ということで、現在私立に比べて低く、一方、私立は29.8床ということですので、国立大学の大学病院としては、早急に病床数を高めるということです。また、9つの国立大学の大学病院でNICUが整備されていないということですから、これについても、早急に整備を図りたいということです。
記者)
ベッド数を増やすということは、スタッフに負担がかかるということになると思うのですが、具体的にスタッフの充実については、どのように考えていらっしゃるのでしょうか。
大臣)
人材養成については、周産期医療を目指す若手医師の教育環境の整備を行っていくとともに、小児科、産科等の女性医師の復帰の支援を行いたいと思っています。また、院内の助産所等を活用して、助産師養成環境を整備して、産科医の負担軽減を図るということを、現在考えています。
記者)
政府の「平成21年度予算編成の基本方針」について、社会保障費の抑制、あるいは公共事業費の削減について見直すという方向性が打ち出されましたが、教育予算に与える影響を含めて、大臣のお考えをお聞きしたいのですが。
大臣)
平成21年度予算編成の基本方針が閣議決定されたわけですが、見直すといいますか、財政規律は、しっかり健全化に向けて守っていく、維持していくということが方針として打ち出されたわけでして、現下の金融危機、経済状況を踏まえて、機動的に対応していくということです。当然、状況において、弾力的に色々な特別枠や方法で考えるということですので、それは今後の詰めになると思いますが、こういう事態でありますから、当然ながら、基本的な方向性は維持しつつ、この状況に対応していくということだと受け止めてます。教育予算にどれだけ影響するかということは、あまり影響はないと思っていますが、それよりも基本的な予算組みの中で、どう我々の要望通りの予算を勝ち取るかということに力を入れていきたいと思っていますので、特に今年は教育振興基本計画の初年度であり、教職員の定数改善、非常勤講師の配置、また大学の基盤的経費の確保、さらには科学技術関係予算の拡充といった、3つの大きな柱を中心に、年末に向かって、しっかりと確保に努力をしていきたいと思っています。
記者)
「堅持」という言葉を「維持」に変えたことも含めて、シーリングの枠はどうなるのかというところをお願いします。
大臣)
シーリングは、基本的に維持すると思います。しかしながら、今申し上げました特別枠等について、社会保障費については、たばこ税の話も出ていますし、そういった点で対応していくという考え方だと思います。
記者)
自民党の「頑張る学校応援団」において、骨太方針2006に明示された教職員定数の1万人削減の方針を撤回してほしいという決議が、また、自民党部会でも、大学関連予算の削減方針を撤回してほしい、という声が出ているのですが、先程大臣がおっしゃった方向性は維持しつつという中で、そこら辺の兼ね合いについて大臣はどのようにお考えですか。
大臣)
党と政府というのは、党が大きな話を持ち上げて、政府がそれをうまく受け止めるという、ある面でまさに応援団という形で、教育に対する思いをストレートにぶつけて頂いていると思いますので、それを受け止めて、我々としても、財政予算の基本方針を基に、最大限努力するということになると思います。定数の問題については、当然基本方針として守る必要があると思いますが、しかしやはり、現状の必要に応じて、確保すべきものはしっかり確保していきたいと。そこは、今の教育の現状をしっかり踏まえた上で、来年度からの学習指導要領の改訂に伴う授業時間数において、教員の数が必要になってくるということを、いかに理解してもらえるかということも、一つの攻防になると思いますので、我々としては必要なものはしっかり要求していきたいと思います。
記者)
そうすると、いわゆる骨太に書かれた、教職員1万人程度の純減等については、やはり政府、省としては、維持していくべきだと。
大臣)
原則はそうでしょう。ただ、今申し上げましたように、5年間で1万人という話ですが、我々は教育振興基本計画を策定して、学習指導要領も変えていますから、それに伴って、当然要求すべきものは要求していくということです。
記者)
子どもと携帯電話の問題について、大阪府橋下知事が、小中学生には携帯を持たせないようにするという方針を打ち出しているのですが、改めて文部科学省としての受け止めをお願いします。
大臣)
個人的には歓迎したいと思っています。文部科学省としても「子どもを守り育てる体制作りのための有識者会議」を設置しまして、7月に、小中学校での携帯電話の取扱いに関する方針の明確化について、各都道府県、政令指定都市の教育委員会で方針を定めるようにという通知を発出しました。それを受けて今回、大阪府がそういう決定をされたと思っています。色々な実情をしっかり把握して、特に携帯電話のいじめ等が数多く報道されたり、現実、問題が起こっていますので、各教育委員会の判断等も早急に調査して、今後の国としての方向性も明確にしていきたいと思います。
記者)
個人的に歓迎したいというのは、どの点が歓迎なのですか。
大臣)
禁止という点です。改めて調査したいと思いますが、持ち込む必要性と、持ち込んだときの弊害は、例外的に地域でどうしてもというのはありますが、どちらかというとやはり、弊害の方が多いだろうと。なかったらということではなくて、圧倒的に、問題の方が多いと感じていますので、改めて実態の調査をして、何らかの方向性を出していきたいと思います。
記者)
携帯電話がこれだけ普及した社会の中で、情報モラル教育であるとか、使い方の方を、むしろ教えるべきではないかという指摘もあるのですが、そういう考えはいかがですか。
大臣)
使い方というのは、誰でも覚えられるものではないかなと。情報モラル教育については、携帯電話だけではなくて、色々なところで必要だと思います。ただやはり、携帯電話を通じた、特にいじめ等を含む、色々な問題が出ていますので、それを上回る、何か必要なことがあれば、また教えて頂きたいと思いますが、いわゆる学校で使うことについてですね。
記者)
使い方と言ったのは、適切な使い方といいますか、どういう危険があるのか、どういう利点があるのか等、そういったものを含めた使い方の教育という意味です。
大臣)
当然しても良いと思いますが、その前に、学校へ持って行くこと自体が、必要なのかどうなのかということで、それに伴う弊害の方が明らかに多いと思います。もう一度実態調査をして、その結果によって、何らかの対応をしていかなければならないと考えています。
記者)
その実態調査というのは、どういうものになりそうでしょうか。
大臣)
教育委員会等がどういう判断をしているかということで、大阪府以外にも、すでに禁止しているところもあると聞いていますし、対応に悩んでいるというところも聞いていますので、実際に現場でどういう対応をしているか、改めて状況をもう一度明確に把握していきたいということです。
記者)
それは、いわゆる教育委員会の対応がどうかということよりも、もっと現場に近い、学校現場で実際に子どもたちが、どのように携帯を使っているかということまでの調査になるのですか。
大臣)
そこはまだ決めていません。まずは最初に、教育委員会に7月に通知して、それぞれの対応を促したわけですから、その対応がどうかということを調べて、同時に問題等の状況をどうやって調べるのが良いのか、また検討していきたいと思いますが、ある程度全体の状況がはかれるような形で把握をしていきたいと思います。
記者)
例えば、携帯電話を学校へ持ち込ませない、学校では使わせないということをしても、学校から出た後の時間があるわけで、先程の情報モラル教育の必要性等も出てくると思うのですが、それについてはどのようにお考えでしょうか。
大臣)
情報モラルの教育というのは当然必要だと思います。ただ、学校から外へ出たときについては、そこは家庭なり地域なり、社会全体が考えて頂かなければ、学校だけで対応できる問題ではありませんので。少なくともやはり、学校という教育の場で、必要性がどの程度あるかということ、弊害がどれだけあるかということで判断をしていきたいと思います。情報モラル教育については、現在もやっていますので、継続して、当然やるべきだと思います。
記者)
教育再生懇談会に関して、結局どのようなテーマでやっていくのかということを改めてお願いします。
大臣)
麻生内閣発足後2ヶ月あまり経って、教育再生懇談会が開かれていないということで、色々と報道されていたわけですが、元々、継続ということは考えていて、それをどういう形でやるか、総理の考え方がそこに反映されるということで、その前に経済の問題が先行していたものですからタイミングが遅くなったわけです。総理とは2回程話をして、一回目は、今申し上げましたように、継続について、明確に総理の意思を確認したわけです。今までのテーマは現在のメンバーで行われたことがありますので、例えば教科書の問題、携帯電話の問題も確かあったと思いますが、一応、予定されたものは区切りをつけるということです。その後、どういうテーマでやるかについて、私の方からは、文部科学省だけで判断、検討できない問題等を中心に、いくつか提言をしまして、総理からも、色々な御意見を伺いました。そして、二回目話をしたときには、改めて総理から、報道にもありますように教育委員会の問題や公立高校の問題が出ましたので、それを踏まえて、もう一度最終的なテーマを決めていきたいと思います。従って、今月中に、日程はまだ決まっていませんが、再生懇を開いて、予定された報告等をして頂いて、その後、次の段階のテーマ等を決めるということです。新しいテーマでやるのは、たぶん年明けになると思います。
記者)
昨日の教科用図書検定調査審議会のワーキンググループで、検定手続きの見直し案というのが提示されて、了承されましたが、大臣の評価をお願いしたいのですが。
大臣)
教科用図書検定調査審議会について、今度どういう形で手続きをするかということで、透明性ということが強く求められてきたと思います。従って、今後、事後ではありますが、その議論の内容を新たに公開するということは、教科書検定の透明性について、非常に信頼を高めるものであると考えています。
記者)
議事録ではなく、議事概要を事後公開ということについて、もう少し公開性を高めるべきではないかという意見もあるのですが、それについてはどのようにお考えになりますか。
大臣)
もう少しというのは、どの程度なのかなと思いますが、いずれにしても検定については、静かな環境の中で、審議自体はクローズで、色々な意見を出してもらって、事後に概要として公表されれば、私はかなり教科書検定の透明性が確保されると思っています。公開をどの程度するかということについては、各調査官や審議会委員の意見が会議において、ストレートに、自由に出てくる環境というのが、やはり必要でして、そのバランスを取る形で透明性を確保したと思いますので、今回の決定は非常にバランスの取れた決定だと思います。
(了)
※本概要は、発言内容を変更しない範囲で読み易く修正しています。
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