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大臣会見概要(11月14日)

平成20年11月14日(金曜日)
9時26分~9時56分
文部科学省 記者会見室
教育

大臣)

 本日の閣議は特に報告することはありません。

記者)

 一昨日、教科用図書検定調査審議会のワーキンググループで、学習指導要領外の「発展的内容」を教科書に記載することについて、「小・中学校1割程度、高校2割程度」としている現行の上限規定の廃止などを盛り込んだ案が了承されました。来年度検定分から、教科書がかなり厚くなる等、在り方が大きく変わることが予想されますが、大臣としては今後どのように教科書を改善するのが望ましいとお考えでしょうか。

大臣)

 昨日の委員会でもそのような御質問がありましたが、教科書については、子どもたちが学ぶ上で大変重要なものですので、質と量の両面で充実していくことが求められています。昨日もお話ししましたが、以前から、外国の教科書と比べると日本のものは薄いということも言われ、あるいはゆとり教育の状況の中で、だいぶ薄くなった、量が減ったという批判もあったわけで、今後新しい学習指導要領に沿って十分に対応できるような教科書を、質・量共に充実していく必要があるということで、現在、教科用図書検定調査審議会において検討が行われているわけです。特に、12日開催された会議において、「発展的な学習内容」について、今までの義務教育では1割程度、高校は2割程度という上限を撤廃するということで、今見直しする作業をしています。従って、ある程度、質・量共に充実して頂けると期待をしています。いずれにしても、「教育基本法に示された目的・目標等を達成するために、児童生徒がバランス良く、客観的な見方や考え方を身に付けることができるよう、公正性・中立性をより一層確保する」ということも含めて、議論を頂いていて、最終的には教師が教えやすい、あるいは子どもたちが理解しやすい、そして内容豊かで読み応えのあるというような教科書が作成されることを期待していまして、来年度からの教科書検定に反映できるように結論を出して頂きたいと思っています。

記者)

 教育再生懇談会等では、倍増という言葉まで含めて、増量が望ましいという意見も出ていますが、大臣としてはそこまでお考えでしょうか。

大臣)

 教科書の内容の量について、明確に私から言う必要はないと思いますが、内容を充実させて頂くために、それぞれの教科書作成の段階で、わかりやすく、しかも教えやすい、読み応えがあるという観点から、倍の量になる教科書を作るところが出てきても良いと思います。一方で価格の問題もあります。ただし、価格のため量を押さえることはしたくはないと思いますが、これは我々の予算の獲得状況にもよります。また、先生方の立場からすると、あまり量が多くない方が良いという意見もあると聞いています。しかしながら、ある程度、それぞれの教科書作成の段階で考えて頂いて、来年度はどういうものが出てくるかわかりませんが、新しい考え方に基づいて、学習指導要領に沿った良い物が沢山でてくることを期待しています。ですから、量が倍で良いとかということではなく、トータル的に良い物を作って頂ければと思っています。

記者)

 生活支援定額給付金の所得制限について、市区町村に判断を委ねるということがあり、自治体では不満や混乱といったものが色々出てきているようですが、大臣の御所感をお願いします。

大臣)

 以前の記者会見でお話ししましたが、色々と意見が出ることは、迷走だと言われていますが、十分に検討する上では良かったのではないかと思っていますし、今回は、地方分権を重視して市区町村に委ねたという基本的な考え方に基づいています。色々な市区町村に判断を任された分、事務的な作業も含めて色々と御意見が出ているようですが、やはり地方分権の基本的な考え方で、政府としては今回結論を出したと思っていますので、それにぜひ応えて頂きたいと思っています。

記者)

 先程の教科書の改善については、沖縄戦の記述が一つのきっかけにもなっていたわけですが、この件については、沖縄県の方から検定意見の撤回を求めるような動きも、まだ続いていて、それについてはどのようにお考えですか。

大臣)

 今日申し上げた教科書の質・量の問題は特に沖縄の問題によるものではなく、やはり新しい学習指導要領に基づいて、また、過去の教科書に対する色々な御意見に基づいてやっていることですから、それは別問題だと思います。沖縄の件については、やはり教科書検定の在り方ということで、透明性をできるだけ確保する方向で今検討しているところですので、また、特定な案件については、専門家から改めて慎重かつ丁寧な審議をするという方向で考えています。

記者)

 先程の定額給付金の関係ですが、市区町村に所得上限を任せるということは、市区町村がどういう選択をするかによって、支給額も変わってくるわけで、そのところがぶれますと、国民の印象としては、その全体額の枠が決まっているとはいえ、どこまで財布を締めて出すのか出さないのかというところで、あやふやな施策に見えないかなというおそれがないでしょうか。

大臣)

 それよりも市区町村の独自性ということを考えてやったことですから、それも含めて市区町村の判断なのではないですかね。国全体では計画的な金額が決まっていますので、やはり市区町村がどう判断するかということですから、むしろ、市区町村はそういうことも含め、事務的なことも考えて判断すると思います。

記者)

 例えば、所得上限を1,000万円、1,500万円に設定する自治体が沢山あれば、総額2兆円規模というのが1兆円若しくは1兆5,000億円になるかもしれません。

大臣)

 いえ、そうではなくて、そんな減るという予測もしてないのだと思うのですね。基本的には生活支援ということで、支援が必要ないですという人があれば、ゆとりがあるという人でしょうから、辞退をして頂くということで、むしろできるだけ、少しでもたしにして頂いて、結果的に経済効果が現れればという考え方ですから、国の財政が厳しいからということで、上限を持てということではないと思います。

記者)

 要するに財政出動をして、経済を回しましょうという施策だと思うのですが、その出動する額そのものが、何億円、何十億円、何百億円上下するか分からないということですが、一方で例えば教育予算についても、何億円という単位でどんどん削られているわけですよね。

大臣)

 だから、それはある程度、予定より少し下回れば、それは財政的には助かるということは考えられるかもしれませんが、そのためにやっているということではないと思います。例えば、生活支援ということで、豊かな人にまで出す必要があるのかと考えたときに、その判断は、それぞれの市区町村なり、受け取る個人に任せるということですから、生活支援が経済効果をもたらす点においては、必要ないという人には、別に受け取ってもらう必要はないのです。その判断は個人に任せるということですから、そのトータルを少なくするために、そういうことをやっているのではないです。必要としないお金はあまり使わない方が当然良いわけですし、十分豊かな、余裕のある人にやったら逆に無駄だと言われると思いますよ。ですからできるだけ有効的に使っていくということで、御意見の中から出てきたということですね。

記者)

 大臣御自身としては、例えば教育予算にもっと使った方が有効だとは思わないのでしょうか。

大臣)

 教育予算は教育予算で、有効に使うところは沢山ありますが、それはそれとして、予算獲得には努力していきたいと思います。今後、将来的に教育予算というのは、もう一度トータル的に考え直さなければならないと思っていますので、それはそれとして、私の責任でしっかりと考え方をまとめていきたいと思います。

記者)

 景気対策は、国が国の責任としてやるべきで、市区町村の方からはその実務の部分だけを市区町村に投げるというのは分権ではないという意見も出ているようですが、その辺りについてはどうお考えですか。

大臣)

 判断を委ねたり、事務的には、やはり市区町村にお願いするしかないわけで、どこまでが分権かという議論をすると、これはまた地方分権の基本的な考え方も含めて議論しなければならないのですが、今回、国としては、やはりできることは市区町村にやって頂こうと、判断もして頂こうという考え方でやったわけです。やはりこういう一つ一つが分権につながると、私は思っています。こういったことについても、大変国民生活に大きな影響があると思いますので、大いに地方で判断して、実行してもらいたいと思います。

記者)

 携帯等のサイトに関してのマニュアルとして、先日、文部科学省が学校・教員向けに「ネット上のいじめに関する対応マニュアル・事例集」を出したのですが、この件はかなり色々な被害が報告され、色々な事件も起きているのですが、大臣としてはマニュアルを出したことも含めて、どのようなお気持ちですか。

大臣)

 今までは子どもたちや親に対してのマニュアル等は配ったと思うのですが、今回は教職員に対してのマニュアルということで、ぜひ有効に活用して頂きたいと思っています。昨年から携帯電話によるいじめの被害の調査があって、近々その発表があると思いますが、いずれにしても増えている傾向にあると思いますので、このマニュアルを活用して、できるだけ実態と併せて、学校での保護者との連携等、色々な事例も今回列記してありますので参考にして頂き、できるだけ速やかに、しっかりと対応をして頂きたいと思っています。

記者)

 今の学校での対応は、速やかとは言えないのではないかという不満もかなり出ているのですが、その辺はどうでしょう。

大臣)

 色々な事例も含めて参考にして、いち早く、保護者との連携等を進めて頂くよう、今回はマニュアルの中でも具体的に例を含めて記述してありますので、ぜひ活用してもらいたいと思います。

記者)

 教員の年齢がかなり高齢化していて、年代的に、こういったネットや携帯サイトについての知識がついていっていないというのは関係していると思いますか。

大臣)

 どの程度の方々が、年齢でなかなかついていけないと言っているか、そこは把握していないのですが、そういうことがあるのであれば、やはり子どもたちが、携帯あるいはネットでそういうことをやっている実態を、もう少し現場で把握してもらうようにお願いをしたいと思います。今お話しされたその対応が遅いということがあるから、今回は教職員向けのマニュアルを作ったわけでして、今後、これを活用してもらいたいということです。

記者)

 大臣御自身は、例えばプロフやSNSといった、新しいネット上のコミュニケーションに関しては御存知ですか。

大臣)

 知っていますが、あまり詳しくはありません。やはり携帯でのいじめの問題等ありますが、色々な情報等、かなり色々な形で今、それぞれが入手できるようなことになってると思いますので、そういうことをどう捉えるかは、また別の問題で、あると思います。携帯電話の学校への持ち込みが良いのかということも教育再生懇談会等で色々言われていますので、文部科学省としても実態をしっかり把握すると同時に、私自身は携帯を持つ必要があるのかなと非常に疑問に感じていますので、しかもこれだけ、色々ないじめの問題が起こっているという点では、ある程度規制を、どの段階で誰がやるのかというのは別として、考えなければならないという気がします。

記者)

 教育再生懇談会では、先日もワーキンググループで小学生には携帯電話を持たせない方が良いという意見が一部で出ていて、もう一方では、一切禁止してしまうのはやはりどうなのかと、ルール作りで対応をしようというのがありますが、文部科学省として、学校への持ち込みに関してきちんとルールを作ってくださいという中の例示として、持ち込ませないということを示していますが、大臣御自身はどのように考えていらっしゃいますか。

大臣)

 今申し上げたように、まずは、何のために持たせるのかということ、今までは、持たないで学校生活をして普通に問題なかったと思いますし、その必要性もあまり私自身は感じていません。それぞれの学校、教育委員会等でそういったことを議論して、ルールを作るように言っていますが、先程も申し上げたように、あまり持つ意味がないのではないかなということを感じていますし、一方でいじめの問題もありますから、できればあまり持ち込まない方が良いだろうと、個人的な意見として感じています。

記者)

 それは小学校レベル、中学校レベルですか。

大臣)

 小・中学校ぐらいですね。

記者)

 高校であれば必要と考えますか。

大臣)

 高校でもあまり必要ないと思いますが、高校生は、年齢的には、ある程度個人の判断、現場の判断で良いと思います。

記者)

 定額給付金の件ですが、経済効果が目的であれば、ゆとりのある、将来の生活に不安のない層程消費に向かって、経済効果が高いのではという意見もありますが、その点については。

大臣)

 基本は先程言ったように、生活支援が第一義的ですから、むしろゆとりのない人にということが今回の給付金について考えられたことでして、それが結果的に景気対策に結びつくという考え方で、従って、給付金という形にしたし、高額所得者にはどうするかという話が生まれたわけです。始め、定額減税の話が出たときから、生活が厳しい人たちの生活支援ということが第一の目的であったと思うのです。ですから最初の合意に基づいて、最終的な結論も出たと私は思っています。

記者)

 高額所得者の制限をする理由、目的は何ですか。

大臣)

 今は生活支援という点で、高額所得者に本当に必要なのかということを考えると、やはり上限を設けても良いのではないかという意見は、最初からありましたし、そういう中で金額について、果たしてどういうふうにその線を引くかという議論もあり、給付の仕方についても、事務が煩雑になるということも含めて、色々な議論があったわけです。

記者)

 そういった色々な議論があって、国としてどうやっていくか決められないのに、市区町村にそういう判断を委ねるというのは、疑問もあるのですが。

大臣)

 先程言ったように、やはり各地方での、分権という観点でやってもらうことで、国としては結論づけましたので、色々な意見もあったと思いますが、最終的にはやはり地方分権ということを、かなり重視した結果だと思います。

記者)

 埼玉県の公立中学校に通うフィリピン国籍の少女が、オーバーステイを理由に日本からの強制送還を命じられています。その少女の両親は出稼ぎ目的で他人名義のパスポートで日本に入国していたため、少女には国籍についてまったく話してなく、ずっと日本人であると思って育ってきたし、日本の公立の小中学校に通っていました。最高裁では、日本にいさせてほしいという訴えも退けられ、在留特別許可も下りませんでした。子どもの福祉ということから考えて、日本で生まれ育って、日本の学校に通っている少女を強制退去させるということは、大臣御自身は本当に適切であると思いますでしょうか。

大臣)

 子どもだけのことを考えると、確かに厳しい判決と思います。詳しい事情はすべて把握しているわけではないのですが、親がどう考えているのか、親の強制送還は、他人のパスポートで違法に来ましたからこれはいたしかたないと思います。だからその時に、例えば親が一緒に連れて帰りたいのか、子どもの立場から、親と離れても日本へ残りたいのか、色々な状況があると思うのです。ですから一概にはコメントできないのですが、もちろん、日本で生まれ育って、日本の学校へ行って、子どもだけのことを考えれば、ずっといさせてあげたいなという気持ちはありますね。だからそういう中での色々な考え方が出てくると思います。

記者)

 過去には、現在の生活から切り離すことで、子どもの人格の崩壊を招きかねないという理由から、子どもだけに在留特別許可が出たケースもありますが、今回の場合、このように強制退去させることは、少女の将来とか、心に、悪い影響をもたらすのではないかということについて、大臣のお考えは。

大臣)

 今回は、まずは親の責任が大きいと思います。やはり親が不法滞在していて、強制送還という状況を作ってしまって、そのとき子どもがどう考えるかというのは、そこが非常に大きい要素だと思います。単純に子どもの状況だけで判断できないと思いますし、将来にわたって、例えば親と一緒にフィリピンに帰って良いのか、良くないのか、今の私が聞いている範囲では判断できません。だから過去の例と比べて、多分状況が違うと思います。

(了)

  • 本概要は、発言内容を変更しない範囲で読み易く修正しています。

-- 登録:平成21年以前 --