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大臣会見概要(10月10日)

平成20年10月10日(金曜日)
11時10分~11時28分
文部科学省 記者会見室
科学技術・学術

大臣)

 今朝は朝早くから御苦労様でした。本日の閣議は、人事案件で、長崎大学学長の任命について報告をしました。また、今回のノーベル賞で4人の受賞者が出たということについても、私から報告をさせて頂きました。閣議後の閣僚懇談会では、ノーベル賞に関連して与謝野経済財政政策担当大臣から、これだけ多くの日本人の受賞者が出たということで、特に、高エネルギー加速器研究機構の貢献が大きく、そういう意味で今後の国際リニアコライダー計画についても、ぜひ協力をお願いしたいという発言があり、私からも、今回基礎研究の重要性を改めて感じ、国として、この分野はもとより学術研究について、より一層政策的、また財政的に努力していきたいという旨を発言しました。

記者)

 あらためて、受賞が相次いだノーベル賞について、現在の御所感をお願いいたします。

大臣)

 この6年間、毎年受賞を我々としては楽しみにしていたのですが、残念ながらなかった中で、今回は4人という大変多くの日本人の研究者の方々が受賞され、本当に喜んでいるし、それぞれの受賞者に対して心からお祝いを申し上げたいと思います。やはり、特に素粒子物理学の物理学賞については、元々湯川秀樹先生からの流れで日本が大変な高いレベルにあるということを、改めて今回の受賞で証明したと思いますし、また、下村先生の化学賞においても大変すばらしい成果だと思っていますので、日本のこの4人の受賞者に対して改めて敬意を表したいと思います。今後、学術研究、基礎研究のいっそうの推進を図っていきたいという決意です。

記者)

 先程のリニアコライダー計画についてですが、文部科学省としては今、リニアコライダー計画に対して、どういうスタンスかを改めてお聞かせください。

大臣)

 これについては、一応推進という形で今、検討を進めている段階です。いずれにしても大変壮大なというか、長期的な計画ですし、また国際的な計画としても、まだ議論の段階でしょうから、そういった議論を踏まえ検討していく必要があります。来年度は30億円程度の予算を要求していまして、トータルで1兆円程度かかると言われていますので、その実現性、可能性も含めて、色々な議論をこれから進めていき、そういった議論の展開によって対応を考えていくということだと思います。

記者)

 日本として誘致を前向きに考えているというような段階ではない、ということですか。

大臣)

 具体的にそこまでの段階ではないと思います。今、リニアコライダー国際研究所建設推進議員連盟の中では、将来的にはそういうことを目指して、推進していると思いますが、まだ、そこまで至っていないと思います。

記者)

 ノーベル賞に関連して、基礎研究の一層の推進を図っていきたいというお話ですが、具体的にどういうことをしたいということでしょうか。

大臣)

 4人ものノーベル賞の受賞というのは大変画期的なことです。またその研究者の基礎研究というのは成果がすぐ出てくるようなことではなく、財政的にはどちらかと言うと成果を見てからという傾向が強いのですが、そうではなくて今回も、大変長い間努力した結果ですから、その重要性を認識して、施設の整備も含めた研究体制を整える必要があると思います。また特に、今回の受賞者が若いときにこういった優れた理論、研究を確立したということから、若手研究者がいかに自立できるかということを制度的あるいは財政的に、研究スペースの確保等そういう初歩的なところも含め、これから考えていかなければいけないと思います。

記者)

 ノーベル賞に関連して、第2期科学技術基本計画に50年間で30人程度のノーベル賞受賞者という数値目標が入っています。これに対しては、見識がないとか、国として賞を取りにいくものではないのではないかという批判もかねてからあるのですが、どういう性格の目標だとお考えでしょうか。

大臣)

 国として取りにいくというものではないというのは、国として取りにいっているわけではなくて、個々の研究者の成果がこのように出ているのです。いわゆる50年間で30人という数字は科学技術基本計画がスタートして二期目の時に話が出たのですが、今8年目で、既に7人出ているので、そういう意味では、この数字は達成できる状況だと思いますが、やはりひとつの成果として、こういった受賞者が出るということは、国としてもすばらしいことだと思いますし、研究者にとって大変なはげみになるし、また若い人たちにとっても目標、夢あるいは理科離れと言われている状況の中で、もっと純粋な関心や興味を持って、こういった研究に進んでいく人が多く出てくればと思っていますので、ノーベル賞の受賞者を数で比較するということに特別意味があるということではなく、やはり多くのそういう人が出てくることはすばらしいこととして、素直に評価して良いのではないかと思います。

記者)

 受賞者が2000年以降既に8人ということで、このペースが続けば、いわゆる50年間で30人という目標は超えてしまうのですが、それでは目標としては少し甘すぎるというか、簡単すぎるという議論にはならないのでしょうか。

大臣)

 例えば国別に、何人受賞者がいるかというのを改めて見ると、やはり、ヨーロッパのイギリス、ドイツ、フランスぐらい並にはいきたいという、個人的な希望はあります。ですから、そこからするとまだ少し離れているのかなと思います。

記者)

 ノーベル賞受賞者発表後のぶら下がり会見の時に、アメリカ在住の方の受賞が多いのではないかという質問に対して、日本にもどんどん研究者が集まるような環境作りをされたいとおっしゃっていましたが、これは具体的にどういう取り組みをしたい、どういう点を変えていきたいということでしょうか。

大臣)

 これからやはり、例えば留学生30万人計画もそうですが、どうしても研究者が、例えば特にアメリカへ流出しているということは現実としてあるわけでして、もちろん、それぞれの研究はどこでやっても良いと思いますが、その逆に、研究者がもっと日本へ来て、日本在住のアメリカ人がノーベル賞を取ったとか、そのぐらいのいわゆる環境整備をしていく必要があるだろうということです。それは我が国が世界の中で、科学技術、学術研究の面で優れているということの一つの表れになります。それにしては、なかなか海外の頭脳がまだ、アメリカと比べれば集まってきてないのも現実ですから、どういうことをやれば良いかというのは、中央教育審議会に諮問してこれからの大学、大学院の在り方等も併せて今、やっていますので、世界の研究者が集まる、あるいは世界の研究拠点となるようなものを作っていくことが、一つの具体的な目標だと思います。

記者)

 株価についてですが、現在8千円台までいったということで、この受け止めについてお願いいたします。

大臣)

 昨日から千円下がって、少し持ち直したということを聞いてますが、大変驚いています。したがって、経済対策はしっかりとやらなければならない。総理としても、第二次の対策をという指示をして検討しているところです。何をどうすれば良いのかというのは、専門家に任せたいと思いますが、やはり大変な事態だと思っています。

記者)

 秋田県教育委員会が全国学力・学習状況調査の市町村別の結果について、市町村の名前を出さずに開示する決定を行ったのですが、この件はどのようにお考えでしょうか。

大臣)

 これについては、市町村名を出さなかったということで、秋田県教育委員会は一つの判断をしたのでしょうから、それですぐに違反ということにはならないと思っています。

記者)

 問題ないと。

大臣)

 ですから細かく言えば、当然実施要領に従って行って頂きたいと、我々としては、そう思ってるのです。

記者)

 問題はないという認識ということだと思うのですが、こういう公開の仕方というのは、望ましいということでしょうか。

大臣)

 望ましくないと思っていますが、ただ、市町村名を公開しないということで、それがすぐに違反とかそういうことにはならないという見解です。

記者)

 先程ノーベル賞を受賞された二人の表敬訪問を受けられ、最初の懇談の中では、日本の試験の在り方で、好奇心がなかなか育たない形になっているのではないかという、割と辛辣な批判も込めてのメッセージだったと思うのですが、あのメッセージを受け取られての御所感をお願いします。

大臣)

 非常に、教育の一番大事なところをついているなということを感じました。ただ、具体的にそれではどういう試験が良いのかというのは、現実は結構難しい話だと思います。子どもたちに色々考えさせて、文章で回答させたり、それでは、それを一人で共通なレベルで判断できるかというと、これもまた、現実は難しいと思いますので、そこをどう共通にとらえられるかというのを考えないといけません。したがって今までの、評価が簡単にできる方向へどうしても流れて来ているという、それで良いのかという疑問は、やはり持たなければいけないなと感じましたので、今後そういう面も含めて、小林先生、益川先生が、やはり色々な若い人に対して、良い意味での影響を与えてもらうような発言もあり、具体的に研究の成果発表なり、して頂きたいと思っています。

記者)

 個人的には、思ったことをおっしゃったというよりは、長年、言いたかったことを大臣にぜひお届けしたい、という情熱を感じたのですけれども。

大臣)

 そうですね、それは感じましたので、改めて、またお伺いしたいなと思います。今日は少し時間がなく、どうこうするという話ではなくて、一つの話題としてお話し頂いたので、今後、益川先生のお考えをしっかりお伺いして、それが実際に教育の面でどう生かせるのかということを、やはり検討していく必要があるなと感じました。

(了)

  • 本概要は、発言内容を変更しない範囲で読み易く修正しています。