平成20年2月29日大臣会見概要

平成20年2月29日
9時11分〜9時29分
文部科学省 記者会見室

大臣)

 今日の閣議は、文部科学省関係の「社会教育法等の一部を改正する法律案」、並びに「学校保健法等の一部を改正する法律案」の2法律案について閣議決定されました。また、総務大臣から労働力調査、消費者物価指数及び家計調査結果について、厚生労働大臣から有効求人倍率の報告がございました。続いて、官房長官から緊急事態発生時の報告の徹底について、今回のイージス艦と漁船の衝突事故については、閣僚や官邸への報告の遅れが課題になったわけですが、再度「緊急事態に対する政府の初動対処体制について」の周知を徹底するようにという発言がございました。続いて、上川大臣が新たに公文書管理担当大臣ということになりまして、総理から、公文書についてはこれから法案提出も含めて検討するが、それまでの間はまだ法律がないからといって、管理が甘くなるといったことがないようにという指示がございました。続いて、新待機児童ゼロ作戦について、まず厚生労働大臣から発言がございました。この件につきましては、私からも認定こども園、幼稚園の預かり保育、放課後子ども教室の推進事業等について発言をいたしました。また少子化担当大臣からもご発言がございました。続いて、国土交通大臣から空港整備法及び航空法の一部を改正する法律案、これは話題になっておりました外資規制の問題でございますが、結果から言いますと、引き続き検討する必要があるという報告がございまして、官房長官並びに総理からも発言がございました。

記者)

 旭川医科大学病院が患者から採取した血液など約2,600検体を製薬会社4社に提供していたと発表しました。臨床検査・輸血部は寄付金も受け取っていたということですが、このことへの大臣の見解と、医大病院に対して文部科学省が考えている対応・措置などありましたら教えて下さい。

大臣)

 今のご質問は、平成16年8月から18年12月と報告を受けておりますが、検査検体を製薬会社に提供していたという件だと思っております。今回の件につきましては、患者の同意が取られていないこと、また、個人情報が流出したこと、それから今質問にもございましたように検体提供先から寄付を受けていた点が誤解を受ける可能性があること。こういった問題があると認識をしております。旭川医科大学の方で、学内の法令遵守について改めて徹底し、またワーキンググループを設置して、検体の二次利用についてこれから基準をしっかり作る作業を開始したという報告を受けております。文部科学省としても、今後大学から報告を適宜求めるとともに、適正に対処するように指導していきたいと思っているところです。

記者)

 本日閣議決定された両法の、改正案を出すことの意味と、どのような位置づけなのか、それぞれお願いします。

大臣)

 改正案の意味というのは、一昨年末にございました教育基本法の改正の中で、学校教育、社会教育、また生涯教育、様々な分野にわたって新たな理念が設定されているわけですが、まず社会教育法等の改正は、それを踏まえて、社会教育の行政の体制の整備を図ることが、一番大きな目的でして、主に、社会教育に関する国と地方公共団体の役割・任務や教育委員会等の事務、また公民館・図書館・博物館の運営、司書等の資格要件に関する規定を整備するものです。また、学校保健法等の一部の改正は、学校保健や学校の安全に関して、地域の実情や児童生徒等の実態を踏まえつつ、各学校において共通して取り組まれるべき事項について規定の整備を図るとともに、学校の設置者、国・地方公共団体の責務を定め、学校給食を活用した食に関する指導の充実を図るといったような措置を講じることが、法改正の目的です。

記者)

 留学生30万人計画というのが出てきまして、これまで10万人達成以降、ちょっと質が悪くなっているといいますか、それによって大学の閉鎖があったり、質の方を重視しようではないかという動きがあった中で、突然30万人というのが出てきたのですが、大臣はこの計画について妥当性といいますか、かなりの対策が必要だと思うのですが、ご見解を頂ければ。

大臣)

 おっしゃる通りだと思います。留学生が増えることについてそういった懸念があることは承知しておりますが、一方で、日本が国際化社会の中で多くの留学生を受け入れる体制を作っていくことも、また大きな課題であるとも思っております。現在、多くの発展途上国等を中心として国の発展を目指して海外へ留学されている、そういう国から、どうも日本を通り越してアメリカやヨーロッパの大学へ行ってしまうということを考えますと、将来の日本が、国際社会の中で色々な役割を果たしたり、生きていくという言い方は少し適当ではないかもしれませんが、そのためにも、留学生の数が増えることは重要な政策だと思っております。しかし一方、そのような懸念があるわけですから、当然これから計画を作っていく段階で、そういった懸念も踏まえ、また、関係者からの意見も聞きながら、具体的に質の向上や受け入れ体制を整えていかなければいけないのではないかと考えています。

記者)

 海洋研究開発機構の海洋調査船「なつしま」による調査の状況について、昨夜も新たな映像を提供して頂いていますが、進捗状況と今後の予定、見込みなどを伺わせて頂ければと思います。

大臣)

 進捗状況につきましては、26日までは海洋調査船「かいよう」と曳航式無人探査機「ディープ・トウ」により、ある程度の海域について調査しまして、27日からは「なつしま」とハイビジョンカメラを搭載した無人探査機「ハイパードルフィン」で更に高度な調査をしております。映像等は処理ができ次第報道各社にも提供していますが、大変鮮明な画像が撮影されているわけです。今やっている範囲での作業につきましては、海が荒れたら引き上げなければいけないといったような事情もありますから天候次第ですが、遅くとも明日、早ければ今日中にでも終わるかなという報告を受けております。また、音波探知機、センサーを使ってやっている作業の状況も踏まえて次の段階もどうするかということで、とりあえず今回は4日までを予定して、今出航しているわけですから、それまでの間に次の作業をどうするかも含めて検討することになろうかと思います。なお、我々は防衛省から要請を受けて作業しておりますから、防衛省と緊密に連絡を取りながら、もちろん海上保安庁とも緊密に連絡を取っておりますが、一部報道されているような、作業は中止して頂きたいといったようなことに対して防衛省がどうされるのか、そのこともありますから、今後について私どもが今申し上げられるのは、今の出航というのは当面4日まで、食糧とか色々な準備をして出ておりますので、それがひとつの目処と考えておりますが、これは防衛省が現地とも接触されると思いますが、そういった状況の中でご判断をされれば、その指示に従って私どもは行動したいと考えています。

記者)

 今出されている「ハイパードルフィン」は、依頼によっては今まで発見したものを持ち上げることができるらしいのですが、今のところその予定はございますか。

大臣)

 まだ予定はございません。今まさにご質問されたように依頼があれば引き上げるということになろうと思います。今発見されているくらいのものであれば能力的には全部引き上げられるのですか。

担当課)

 全部かどうかはやってみなければ分かりませんが、アームで50キロ、全体で100キロくらいのものまで持ち上げられます。

記者)

 防衛省からは最初の依頼以降、今色々と見つかっていますが、ではどうしましょうというような話し合いは、4日以降のことも含め、特にしてないのですか。

大臣)

 そういうことを協議をしていくのはこれからだと思います。今までは、これは引き上げるのか、引き上げないのかというようなことは、指示は頂いてやっていると理解しておりますが、我々としては、発見すれば、こういうものが発見されましたということは申し上げて、ある程度画像をきちんと処理して、そして報道各社にもお出しをしております。最初のうち遅れたのは、これはやはり、一番最初に漁協とか家族、また、防衛省とか海上保安庁にお知らせしたいという思いもありました。ただ私は出来るだけ早く、出せるものは出した方が良いだろうということで、今まで情報はお知らせをしたつもりでございます。

記者)

 旭川医科大学病院の件ですが、文部科学省としては今のところ調査する考えとかはないということでよろしいですか。

大臣)

 今のところはございません。

記者)

 確認ですが、いわゆる操舵室の可能性というか、そういったものの情報というのは何かございますでしょうか。

大臣)

 今はまだ入っておりません。この瞬間は分かりませんが。

(了)

(大臣官房総務課広報室)