平成20年2月12日大臣会見概要

平成20年2月12日
8時44分〜8時55分
衆議院 議員食堂前

大臣)

 今日の閣議は、通常の報告の他、外務大臣から出張の報告、また、財務大臣からG7の報告がありました。閣議後の閣僚懇談会では、今日、消費者行政推進会議が発足することに関連して、総理から、例の中国ギョーザの問題について情報を内閣府に一元化すると言いますか、色々なところで色々な情報が出ていると混乱しますので、そういったことも注意して欲しいという発言がありました。それから、沖縄の話が少し出ておりました。特にどうのこうのという話ではありませんが。

記者)

 中央教育審議会(以下「中教審」)で今検討が進められています教育振興基本計画(以下「振興計画」)について、答申を受ける目処はいつ頃をお考えでしょうか。また、全体を通じて振興計画にどういった点を重点的に盛り込んでいかれるお考えでしょうか。

大臣)

 ご承知のように、中教審の教育振興基本計画特別部会(以下「特別部会」)において、10年先の日本の教育の姿がどうあるべきかを見据えて、今後5年間の計画を作るということで、先日8日の特別部会では、この5年間に重点的に推進する事柄について議論がされたと聞いております。答申の目処としては年度内に頂きたいと申し上げているところでして、答申ができましたら、振興計画を策定して、そして閣議にかけるという手続きになろうかと思います。何を重点的にということについては、そのためにご議論を頂いているわけですが、中教審での議論を踏まえてということも一つあるでしょうし、教育再生会議からも、振興計画に我々の意見をしっかりと伝えるようにということもありましたから、そういった内容が当然審議されるべきであろうと思っております。ですから、今私があれをこれをと言うことよりも、この議論の行方をむしろ待たせて頂きたいと思いますが、それほど大きな齟齬はないと思っております。ただ振興計画ですから、あまり漠然としたものではなくて、やはり色々、ある意味具体性というものが組み込まれなければいけないのかなと思っております。

記者)

 沖縄の少女暴行事件の件で、日米関係に与える影響についての受け止めをお願いします。

大臣)

 日米関係に影響しないようにしなければいけないですね。これはあってはならないことですし、また既に政府が再発の防止、綱紀粛正を申し入れているようです。私からは、昨日教育長が総領事のところに行っていましたが、そういったことも含めて厳重に抗議しなければいけないと。やはり一番考えなければいけないのは、同じようなことが起こっているということですから、二度とこういうことが起こらないように、ということを毎回言わなくてもいいようにしてもらわなければ困るわけでして、そのことをしっかりと申し入れもしていますし、しなければいけない。文部科学省としては教育の現場を預かっておりますから、そういった面では、より一層、学校現場を通じて、先生方にも、また生徒にも注意を促すことが必要であろうと思います。

記者)

 振興計画ですが、例えば、ずっと課題であります定数改善について、現段階の案には目標が何も入っておりません。学習指導要領の答申でも、この指導要領の実施にあたっては条件整備が必要だということを書いてあるのですが、定数について振興計画に入っていないことについては、どのようにお考えですか。

大臣)

 その問題については、去年の年末の概算要求の時に、色々な議論がありました。この数字をどうするかというのは、書けば良いというものでもないと思うのです。今の段階で、これをしっかりと数字に表すということは、概算要求的な書き方はできるかもしれませんが、責任のある振興計画になるのかどうか、ここのところはもう少し時間をかけて詰めなければいけない問題が残されているというふうにご理解を頂きたいと思います。

記者)

 ということは、最終的にはそういう数値を入れたいという趣旨ですか、それとも別のところで議論されるべきだという話ですか。

大臣)

 定数の問題というのは、例えば給与とか、色々な問題がありますが、そういう問題も含めてどういうふうにしていくのかということ全体を決めていかなければいけません。一つの目安は、概算要求の段階で全体を見据えて、どうしていくかということになろうかと、私は考えております。

記者)

 上海の日本人学校で、輸入した書籍800冊が税関で差し止められているという報道があるのですが、それについて受け止めと、日本政府の今後の対応、どのようにされるのかということについて。

大臣)

 まだ状況が、例えばどういう理由であるかとかについて、私は今情報をもらっていませんので、聞かなければいけないと思っておりますが、いずれにしましても、今回のことによって在留邦人の子女の教育に支障がある恐れがあるということも考えられますから、外務省を通じて、速やかに通関が行われるように要請していきたいと思っております。

記者)

 運慶の作品と見られる仏像が海外に流出する危険性がありますが、このことについてどう思われますか。

大臣)

 これは一年前に重要文化財ではないという確認を求める動きがあったそうですね。これは重要文化財に指定すれば差し止めをできるわけですが、日本から出て行く恐れがあるということで、担当者が接触はしていたようです。結局相手側との交渉がまとまらなかったということで、非常に残念なことですが、これを止める手だてが今の段階ではないという報告を受けております。何もしなかったわけではないようですが、そういうことになったとしたら、後はできるだけ個人のコレクターと言いますか、多くの人に見てもらえないような状況にならないところで、これが所蔵されるというふうになって欲しいと思います。

記者)

 指定制度について今後もっと強化を進めていくといったお考えはありますか。

大臣)

 今の段階でそれについて、それほど大きな情報を持っていませんので、コメントは差し控えたいと思います。必要があるかもしれませんので、少し考えてみたいと思います。

記者)

 沖縄の件について、先ほど、学校現場を通して注意を促すようなお話がありましたが、沖縄という土地柄、特に沖縄の件においては、こういうことを現場で伝えていこうとか、若しくはこうしているということが、何かあるのでしょうか。

大臣)

 特に沖縄でという今意識はしないで申し上げました。こういったことが起これば、これは国内であれ、この間私の選挙区でも事故が起こったわけですが、ああいう事があった時には、学校現場に注意を促すということは、当然やることですから、そのことをきっちりやる必要があると思います。

(了)

(大臣官房総務課広報室)