平成19年12月7日大臣会見概要

平成19年12月7日
9時54分〜10時8分
文部科学省 記者会見室

大臣)

 今日の閣議は、通常の一般案件、国会提出案件、人事、政令等について報告がありました。その後、環境大臣より指定湖沼及び指定地域の指定についてと、国及び独立行政法人等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する基本方針について報告がありました。閣議後の閣僚懇談会で、国土交通大臣から第1回アジア・太平洋サミットの開催結果について報告がありました。また、官房長官から道路特定財源の見直しについて、今朝だと思いますが、政府・与党の合意に至ったという報告がありました。また、経済財政政策担当大臣から最近の経済指標についての報告がありました。
 私の方から一点ご報告があります。既にお手元に資料をお配りしておりますが、「学校現場の負担軽減プロジェクトチーム」の中間まとめを行いました。短期間で非常に集中的に検討して頂きまして、当初できたら11月末ということを考えておりましたが、少し時間がかかりました。中間まとめの詳細は資料をご覧頂ければと思いますが、主に文部科学省としての取り組みについては、公立学校を対象に定例的に行っている38の調査について、調査項目の精選を行うと。また、毎年実施する悉皆調査28のうち、法令等に基づき必要なものを除く12の調査について、調査の統合・一括化を図ると。また、文部科学省に「学校現場の負担軽減連絡協議会」を設け、平成20年度実施に向けて、調査文書の見直しその他、学校現場の負担軽減方策について連絡調整を行うということにしております。こうした取り組みを進めることにより、学校現場の事務作業の軽減を図りたいと思っております。今後、年度内にはしっかりと計画を立てて、そして来年度から実施できるようにして欲しいと思います。各都道府県、市町村においても今回の中間まとめをベースに、色々な意味でこれから作業をされると思っております。

記者)

 伊藤誠名古屋市立大学大学院元教授が、大学在任中に行った博士学位の審査の際に同大学卒業生の開業医らから現金を受け取り、事前に口頭試験の内容を漏らすなどの便宜を図って、収賄容疑で逮捕されました。この件について文部科学省への報告の有無と、この件に関する大臣のお考えをお聞かせ下さい。

大臣)

 名古屋市立大学の方で今日、内部の会合等もあると聞いていますが、同大学には、できるだけ早急に報告するよう、今、求めているところです。もし、そんなことが本当にあったとしたら、これはけしからんことですよね。

記者)

 高校の歴史教科書の検定に関する件ですが、教科用図書検定調査審議会(以下「検定審議会」)が指針というようなものを今週になって教科書各社にお伝えしたようなのですが、その中身などについて可能であれば教えて頂けますか。

大臣)

 指針というふうなものが出されたかどうか、そのようには承知しておりません。ただ、今回意見を聞くということでお願いしておりますので、もしそういうことがあるのであれば、通常の検定で行われている範囲において、検定審議会の委員の先生方の、厳正な審査をするうえで必要な、学問的・専門的な調査ということをされる中で行われているというふうに理解して頂ければ良いのではないでしょうか。いずれにしましても、私は常々申し上げておりますように、透明感を上げなければいけないと思っておりますから、審査が終了した段階では、全体の過程についても、できる限り報告したいと思っております。

記者)

 今の関連で、指針が出されたとは承知していないというのは、要するにもっとはっきりと言うと、出ていないというふうに考えればいいのか、それともただ単に聞いていないという意味なのか、具体的にご自身が聞いていないという意味なのか、どういう意味でおっしゃったのですか。

大臣)

 それも含めて、今の段階でコメントは差し控えさせて頂きたいと思います。何をもって指針と言われているのかということ自身も、ちょっと不明ですから。

記者)

 本日朝、人工多能性幹細胞(iPS細胞)の山中教授が作った手法において、アメリカの研究チームが実際の貧血をマウスで治療することに成功したとの報道がありました。今回改めてアメリカとの競争といいますか、世界的な競争が浮き彫りになったわけですが、本日の山中教授との話し合いも含めて、今回の研究成果の発表をどう受け止めてらして、今後どのような形で進めていかれるのか、もう一度改めて伺わせて下さい。

大臣)

 率直な印象としては、世界中皆頑張っているんだなという印象ですね。前々回の会見の際に申し上げましたように、私はこの分野はそんなに詳しいわけではないのですが、ただ、多くの研究者が注目していた分野ですから、世界の様々な国で様々な研究が行われているというふうには承知しております。そういうことを考えたときに、我が国でやはりオールジャパンの体制をとらなければいけないということは、先日開催されました総合科学技術会議の中で、総理から臨床まで含めてという指示も受けておりますし、総合科学技術会議でも、このオールジャパンの体制という意味では、色々な検討をすることになっております。ただ、基礎研究という事になりますと、ほとんどの部分文部科学省が所管していますから、文部科学省としても、20日に開催予定の科学技術・学術審議会ライフサイエンス委員会で、どういうやり方が良いかということを審議して頂くことになっております。今日、山中先生が私のところに来られますので、先生のお考え方なりも聞かせて頂ければ、大いに今後政策を進める上でも参考になると考えております。

記者)

 教科書検定の件ですが、だいぶ作業がおしてきていると思うのですが、その辺はどのようなお考えをお持ちですか。

大臣)

 今やっている作業は、来春の教科書の供給に間に合わせなければいけないと思っておりますから、そのことに支障がないようにということでお願いをしていまして、検定審議会の委員の先生方もそれを念頭に、今審議して頂いていると思っております。

記者)

 物理的な時間が、今後の印刷とか配付とか含めて、きつくなってきていると思うのですが、例えばこのまま今回は結論を出さないとか、そういうようなことは想定をされているのでしょうか。

大臣)

 それも今申し上げたとおりですから、今の段階で、予見を持って何かを言うということは差し控えさせて頂きたいと思います。

記者)

 逆に言うと、文部科学省から早く終わらせて下さいとか、そういうようなお願いもしないということですね。

大臣)

 基本的には、来年の春に間に合うようにということでお願いしています、ということです。

記者)

 時間の制約という意味で、もし教科書会社の方が内容を再提出した場合、それを審議するだけの十分な時間というものは残されているというような認識をお持ちでしょうか。それとも、やはりもう既に出ている分だけでやるしか、もう時間的にはないという認識でしょうか。

大臣)

 それは検定審議会の委員の先生方が今まで色々な意見も求めておられますし、そういった蓄積があるわけですから、そういったことも含めて、全体のスケジュールの中で今、作業して頂いているというふうに思います。

(了)

(大臣官房総務課広報室)