平成19年11月22日大臣会見概要

平成19年11月22日
17時53分〜18時12分
文部科学省記者会見室

大臣)

 今日の繰上げ閣議は、通常の案件がありまして、岸田国民生活担当大臣から犯罪被害者週間の実施について、また外務大臣からメキシコ合衆国及びバングラデシュ人民共和国に対する緊急無償資金協力と、総理の米国訪問及びアセアン関連首脳会議等出席と、外務大臣の日中韓外相三者委員会等出席について、また甘利経済産業大臣から南アフリカ共和国、ボツワナ共和国及びシンガポール共和国出張について、各々発言がありました。閣議後の閣僚懇談会で、渡辺金融担当大臣から、わが国の金融機関におけるサブプライムローン問題の影響について発言がありました。その後官房長官から、今日の各党との党首会談について報告がありました。これはおそらく、もう既に報道されていると思いますが、最初に与党である公明党、それから各野党ということで、基本的には訪米、訪アセアンの報告ということのようです。特に民主党との会談では、国政の今の状況を踏まえて、社会保障と、日本の自衛隊の派遣のための一般法について政策協議をということをお話になったそうですが、これは国会の場でやればいいということだったようです。また年金についても、国民会議みたいなものを立ち上げたらどうかという提案もされたそうですが、これも同意は頂けず、国会でやればいいということです。またいわゆる給油のための新法の審議について、是非協力をして欲しいということもお願いをされたようですが、これはこれからの国会の審議ということですし、何よりも、参議院の判断、それからまた、防衛省の様々な問題が優先するというふうなやりとりがあったということです。今回は、官房長官と幹事長も同席をされたということです。

記者)

 横浜市の小学校で、原油高騰の影響で食材価格が上がって、二日分の学校給食を取りやめることをお決めになったのですが、それについて大臣のお考えをお聞かせ下さい。

大臣)

 そのことは実は報道で知りました。現在のところ、全国の他の地域・学校で、こういうことが原因で給食が中止されたという報告は入っておりません。今回の件については、原油価格の高騰によってということですが、報告によると、単にそれだけではないということです。ただ、第一義的には設置者がしっかりとそういう事態を捉えて、指導すべきであったろうと思っております。いずれにしましても、私も昨日昼、給食を食べましたが、各設置者は今後とも学校給食の適切な運用に取り組んで頂きたいというのが、私の今の考えです。

記者)

 いわゆる携帯電話のインターネットサイト等を使って児童生徒が犯罪に巻き込まれたり、いじめが行われたりという背景がある中で、11月20日(火曜日)に「ネット安全安心全国推進会議」の第1回目が行われました。大臣の、この会議で狙うこと、また、実現したいと思っているようなことを伺えますか。

大臣)

 これまでも、様々な方法でこういう対策は講じられてきたと思います。この前の記者会見でもお話ししましたように、なかなか難しい問題もあるわけですが、多くの関係者の方々から、きっちり情報を集約し、色々議論して頂くことによって、より適切な対策が取れるようになればと。今までもやってこなかったわけではありませんが、そういう意味もあって、今回こういう会議がセットされたと理解をして頂けたら良いと思います。とりあえず今年度中に、より詳しい調査も含め、実施したいと思っておりますし、また、来年3月に全国フォーラムを開催する予定です。また、意識啓発のためのリーフレットを、フィルタリングをしましょうというようなことも含めて、作成・配付することも考えています。そういった様々な取り組みが、より中身のある適切なものになるように、今後とも会議で色々とご議論頂ければと思っております。この会議は、今年度中に3、4回開くという予定です。やはり多くの人に参加して頂くことによって、色々なことが見えてくるのではないかということも、一つの狙いだと思います。

記者)

 京都大学の山中先生が、世界で初めてヒト皮膚細胞から万能細胞に近い「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」を生み出しました。山中先生は、1年前のマウスの段階から、米国の研究チームにあっという間に追いつかれて、ここから先、ブッシュ大統領も声明を出したように、生命倫理に触れないとなると、一気にアメリカの研究が進み追い抜かれてしまう可能性があるので、研究体制のオールジャパンとしての整備というのをかなり強く期待されているのですが、今回の成果に対する大臣の評価と、今後日本としてどうやって研究体制を整備していくか、そのお考えをお伺いしたいのですが。

大臣)

 今回の成果というのは、これだけ世界で様々な科学者が反応していることひとつ見ても、非常に大きいというふうに思います。私はこの分野に特に詳しいわけではありませんが、ただ、いわゆるES細胞なり、このiPS細胞と言われるものというのは、これからの再生医療の中で、本当に待たれていたといいますか、重要な大きな進歩だと考えております。確かに1年前のマウスの段階でかなり先を走っていたのに、何か追いつかれてしまったみたいなことが今回報道されておりますが、先程申し上げましたように詳細に知っているわけではありませんが、これは山中先生が、ある意味この一年間も色々な意味でやってこられて、ただ、この山中先生の研究も、今後まだ深めていかなければいけない要素もあるようですし、そういったことも含めて、今年度だけでも2億7,700万円を、国も先生の研究に注目をして、お金を手当てしています。ただ、オールジャパンでどういう体制を組んでということに関しては、もう少し勉強させてください。今、その辺のところがどうなっているかは、即座にお答えをするという情報を持ち合わせていないので、少し勉強したいと思います。

記者)

 今のお話で、私見で結構なのですが、そういった体制が必要とお考えになるかならないか、その辺のことを伺いたいのですが。

大臣)

 これは研究者の意見も聞いてみなければいけません。それと、私はどんな分野の研究にしても、やはり競争する部分と協力する部分というのを、しっかりと持たないといけないと思います。よく選択と集中と言いますが、我が国が研究開発の分野で世界と競争していくためには、当然、競争できる分野では競争してもらうことも必要ですが、協力できるところは協力をするという必要はあろうと思います。ただ、いわゆるライフサイエンスのこういう研究の部分でそういう体制を組むということが現実に、簡単にできるのかどうか。科学技術の研究開発の分野では、これまで色々な協力体制をとってきたと思うのですが、この種の研究がそういったことに馴染むのかどうかは、先程申し上げましたように、これは一昨日のことでもありますし、私も少し勉強しなければいけない部分がありますが、できれば総合力を発揮してほしい、これは私見です。

記者)

 沖縄戦の集団自決の関係で、沖縄での県民大会の後に、近未来政治研究会の山崎拓会長から大臣に電話があったという報道がされているのですが、どんな電話だったのでしょうか。

大臣)

 ちゃんとやれと。ちゃんとやれという言い方は、この問題をちゃんと文部科学大臣として適正に処理しなさい、ということであったと思います。

記者)

 その関連で、ちょっと事実かどうか分からないのですが、渡海大臣が石破防衛大臣に、軍命令の定義を個人的に聞かれたことはありますか。

大臣)

 あります。

記者)

 それはどんな話だったのでしょうか。

大臣)

 これは学説がどうかは分かりませんが、軍命というのは何をもって軍命というのか、みたいな話を雑談でしたことはあります。ですから、通常はやはり隊長が出したものを言うのかな、というふうなレベルです。自衛隊は軍だと言えば軍かもしれませんがどうなっているの、とか。

記者)

 石破防衛大臣としては、軍命が隊長命令だという見解だったと。

大臣)

 かな、というくらいの感じだったと思います。当時の状況と今の状況というのは、やはり分けて考えなければいけないのだろうと。要するに、一般的にどうなのかと、そんな話だったと思います。これは防衛大臣に聞いたというより友人の政治家に聞いたという感じでしたから、一般的にはどうなの、みたいな聞き方だったと思います。ですから、そんなに明快な答えを求めていません。彼とは同期で非常に仲良くしていますから、その中での会話でした。

記者)

 来週30日に朝青龍関が日本に帰国するという発表がされてます。大臣は以前、直接お会いして話を伺ってみたいというようなお考えをおっしゃったことがあると思うのですが。

大臣)

 いや、それは私は言っていません。松浪副大臣ではないですか。

記者)

 今回の色々な報道でも社会問題というか関心事になっていることに関して、朝青龍関に直接お会いしたいというお考えは、今現在はありますか。

大臣)

 お会いする場合としては二つの場合が考えられますが、まず第一は、朝青龍関ご自身が会いたいとおっしゃっているとの連絡が財団法人日本相撲協会(以下「相撲協会」)から来た場合です。これは、会いたいとおっしゃっているのですから、知りませんというわけにはいかないでしょう。また第二には、この問題に関する相撲協会の朝青龍関への対応について、公益法人として問題があるといった場合には、監督官庁として、こちらからお願いして、お会いするということもあるかもしれません。しかしその場合でも、まず第一義的には相撲協会の方と話をさせて頂くことになると思います。松浪副大臣は朝青龍関とは個人的に友達みたいですから、その関係から、「日本中謝って歩け」のようなアドバイスをされたと、新聞などで拝見しています。

(了)

(大臣官房総務課広報室)