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平成16年1月9日大臣会見の概要

平成16年1月9日
9時31分〜9時45分
文部科学省記者会見室

◎一般案件
国会(常会)の召集について(決定)
(内閣官房)
臨時国会召集要求書に関し、衆・参両院議長等へ通知することについて   (決定)
(同上)
グアテマラ共和国大統領就任式典に参列する特派大使森山眞弓に交付すべき信任状につき認証を仰ぐことについて(決定)
(外務省)


大臣)
 本日の閣議では、文部科学省関係の案件はございませんでした。閣議の前に、ITER(イーター)(国際熱核融合実験炉)の関係閣僚会合を開催いたしました。福田内閣官房長官、茂木科学技術政策担当大臣に御出席いただき、外務大臣、経済産業大臣は海外出張のため、外務省は阿部副大臣、経済産業省は坂本副大臣、そして当省から稲葉副大臣が出席しております。まず、稲葉副大臣からITER(イーター)計画のこれまでの経緯、先の閣僚級会合について御報告をしまして、私からは、これからの取り組みについて御説明をいたしました。2月に開催が予定されております閣僚級会議に向けて、あらゆる機会を捉えて関係国への働きかけをしようということと、関係国からの技術的な質問事項等への対応等について御協力をお願いしました。出席者の方々からも積極的にそれぞれの機会を捉えて関係国にあたっていくというお話がございました。今日の会合を踏まえて、各府省との緊密な連携の下、ITER(イーター)の日本誘致に向けて、わが国をあげて最大限の努力をしたいと思っております。なお、私自身も最終的な日程は調整中ですが、中国、ロシア、韓国を訪問して、誘致に対するわれわれの熱意とそれから六ヶ所村の優位性等について説明をしてきたいと思っています。それから、もう一つ皆さまに御報告したい件があります。12月の予算編成において、16年度新規事業として「子どもの居場所づくり新プラン」の予算を確保したところですが、特にその中核の「地域子ども教室推進事業」が70億円で、それ以外の関連する事業の予算として、奉仕活動の推進、家庭教育支援、それから問題行動・不登校への対応等あわせて全体で約150億円規模の予算となり、地域の子どもたちの活動の総合的な大きな政策になりました。その趣旨を活かすため、実際に子どもの活動に関わっておられる社会教育や青少年教育の団体の方々や学識経験者を中心として、子どものための活動の推進委員会を立ち上げたいと考えております。この委員会で、さらに具体的なこれらの事業の実施方法を検討してもらいたいと思っております。あわせて、当省だけではなく、関係各府省、NPOを含む各種団体、都道府県、市町村の御協力を得て実施する必要があると考えておりまして、これらの関係団体等からなる連絡会議も設置し、協力要請をしたいと思っております。また、学校の安全対策もこれに関連するわけで、省内に設置をいたしました「学校等の安全確保対策チーム」での検討を踏まえながら警察等と連携をして安全対策を図っていくことも考えております。さらに、「子どもの居場所づくり」については、広報活動も非常に重要であり、幅広く御理解を得なければなりません。昨年、生涯学習政策局に設置した「子どもの居場所づくり推進室」を中心に国民へ幅広く呼びかけを行い、著名人の方々に応援団という形で御協力をいただくとか、あるいは親しみやすいロゴマークを作るなどしながら、地域社会、日本の国全体で子どもたちを健全に育み育てていく機運を盛り上げていきたいと考えております。この事業が、日本の未来を担う子どもたちや青少年を健全育成するための政策と考えておりますので、記者の皆さまも、ぜひ御理解をいただき、御協力いただければありがたいと思っているところです。

記者)
 教育基本法についてですが、通常国会への法案提出を見送るという記事がございましたが御感想をお聞かせください。

大臣)
 一部の新聞に、教育基本法改正案の通常国会提出見送りという記事がございましたが、昨日の日韓議員連盟の会合に森会長、額賀幹事長、そして私が出席し韓国の代表と懇談をしておりますが、その席では具体的に法案提出を断念するという話は一切しておりません。ただ、本日、「与党教育基本法に関する協議会」があり、私としては、この法案を通常国会に提出すべく協議会で積極的に協議をしていただきたいと申し上げたつもりであります。結果的に極めて後ろ向きな報道になっておりまして実は驚いております。私どもとしては法案化をして、通常国会で議論をしていただきたいと思っておりますし、また、国民的な議論も深めていきたいと考えているところです。

記者)
 東北大学の問題ですが、医学部の教授が公立の病院から現金を受け取りながら半分以上国庫に納めていなかった問題についてはどのようにお考えで、どのように対応されますか。

大臣)
 医局や同窓会などの任意団体において大学における研究・教育の経費に充てる目的で外部から受け入れる資金は、公費の取り扱いにより処理するとされておりますが、もうひとつ明確になってないのが、国の機関と医局や同窓会との区別であり、このことが社会的に不信を招く結果となっております。東北大学においては、こういう不明朗な資金について自主的に全面禁止すると聞いております。いずれにしても、助成金の受け入れにあたっては、透明性を十分に確保して社会から不信を招くことがないように指示をいたしました。

記者)
 和歌山の中学校の教諭が、校長先生を脅して現金を取ろうとして恐喝未遂で逮捕された事件についてはどのようにお考えですか。

大臣)
 言語道断であり、生徒の規範たる立場にある教員としてあってはならないことだと思っております。ここまで行くと服務規律の徹底というより、人間としての問題に関わってくることです。こういうことは子どもたちに与える影響が非常に大きなものがあります。今一度、教員のあるべき姿を、全ての教職員が自らの胸に問うていただきたいと思います。

記者)
 ITER(イーター)の関係で、中国、ロシア、韓国の3か国を訪問されるということですが、他の各閣僚について、あらゆる機会をとらえて働きかけるというのは、何か具体的なことがあるのでしょうか。

大臣)
 現在、逢沢外務副大臣が中国に行っておられまして、まだ正式な連絡はありませんが、ITER(イーター)の日本への誘致についてお話をされるということであります。それから、茂木科学技術政策担当大臣がシンガポール等へ行かれるときにも広くアジアにアピールするということで、日本への誘致を訴えていただけるということです。あらゆる外交ルートを通じて総合的にやるべきだというのが本日の会合での皆さんのお話だったと思います。

記者)
 ITER(イーター)の関係閣僚会議でEUから指摘されている日本の電気代の高さに対して、たとえば具体的な対策や経済産業省との協力などの話し合いはありましたか。

大臣)
 本日は、たまたま経済産業大臣が出張中でしたが、そのような話はありました。国家プロジェクトに対する割引料金のあり方とか、あるいは電力の自由化によって料金が下がり欧米並みの電気料金にできるという見通しもありますので、きちんと精査して回答したいと思います。

記者)
 ITER(イーター)の関係閣僚会合は、今後はどのような予定になっているのでしょうか。

大臣)
 私が中国、ロシア、韓国を訪問した結果やアメリカとの連携について報告しなければなりません。昨日、文部科学省を訪問された米国エネルギー省のエイブラハム長官が、今日、おそらく経団連の講演で、ITER(イーター)の日本誘致の支持を明確にするというような話も伺っておりますので、いろいろな動きが出てくるのではないかと思っております。2回目の会合はまだ未定ですが、私が3カ国訪問から帰国して、すぐに報告しなければいけないと思っております。

(了)


(大臣官房総務課広報室)

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