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平成16年1月6日大臣会見の概要

平成16年1月6日
10時40分〜10時55分
文部科学省記者会見室

◎人事

大臣)
 新年明けましておめでとうございます。旧年中はお世話になりました。今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。本日の初閣議では人事案件以外に、特に議題はございません。総理から年頭の御挨拶がございました。報告としては、交通事故が7,000人台に減ったということが一点ございました。総理から「構造改革なくして国の再生なし、この路線は変わらなく、今年はその結実をはかる大事な年である。」というお話がございました。いろいろな改革の中で文部科学省が特に関係いたしますのは、三位一体改革の問題です。かねてから申し上げておりますように、経済財政諮問会議では、教育論はなじまないということもございまして、単なる財政論ではなくて、教育論でしっかり協議をいたしたいと思っております。麻生総務大臣にも、そのための協議をする場を考える必要があるのではないかというお話をしております。それと、総理の新年の御挨拶の中で、子育て支援、少子化の問題について触れておりまして、私も大きな課題だと受け止めております。

記者)
 年頭ということで、今年の抱負や課題をお聞かせいただき、あわせて、仮庁舎に移転した感想も含めてお伺いできればと思います。

大臣)
 去年は就任早々、残念ながらH−ツーAロケットの打上げ失敗や「みどり」、「のぞみ」など人工衛星・探査機の故障がありました。また、宇治小学校で子どもが襲われる事件等もありました。しかし、ロケットの問題にしても、ひるむわけにいきませんので、原点に立ち返り再出発し挑戦していくということが必要であろうと思います。それから、学校は子どもたちにとって絶対に安心・安全な場所でなければならないわけで、地域社会で子供たちを守り育てるという機運をもっと高めるために努力していきたいと思います。学校の登下校時も含めて、家庭・地域社会・学校が連携をして、子どもたちの安全管理を徹底することは大事なことだと思います。そのようなことも踏まえながら、今年一年、教育改革元年として新しい出発の年にしなければいけないなと思っております。大きな課題としては、教育基本法の改正もありまして、やはり根本からこれを考えていくことが必要だと思います。法案を通常国会に提出できるかどうか先行きは不透明でありますけども、中教審から答申をいただいている以上、法案提出に向かって最大努力しなければいけない使命があると思います。今の平和憲法の下で考えてみたときに、日本が再び軍国主義に走るとか、昔に戻るとかということはありえないことが明確でありますから、きちんと与党間で協議を進めてもらいたいと思っております。それからもうひとつ、先程申し上げましたように義務教育費国庫負担金についての三位一体の議論もこれから出てまいりますが、これも義務教育のあり方をどう考えるかという大事な問題です。いずれにしても、地方が教育の現場で努力をされていることをきちんと評価をし、その取り組みをしっかり支援するのが文部科学省の姿勢でなければいけないと思っております。また、ゆとり教育が学力低下を生み、文部科学省は学習指導要領を改正し学力向上へ向けて方針転換をしたというような意見もありましたが、文部科学省の政策が正確に理解をされず誤解され、そのために教育現場が混乱することはあってはいけないと思っております。私も学力低下はあってはいけないと思っておりますし、基礎・基本をしっかり学ばなければいけないのは当然のことで、そのことは周知徹底しなければいけません。今の時代を考えたときに、ただ知識があるだけではだめであって、自ら学び自ら考える力などまで含めた「確かな学力」と豊かな人間性に基づいた「生きる力」を育まなければならないという、その考え方にたっての一連の取り組みですから、それを間違えないようにしていただきたいと思っております。また、現実には少子化も進み多様な価値観もあって、いろいろな選択肢があります。フリーターも、一つの選択肢のようにとらえる向きもありますが、やはり青少年の時期のそれぞれの段階で身に付けるべき勤労観・職業観があると思います。特に義務教育段階はどういうことを身に付ける必要があるのかを考え、またその中で文部科学省の果たしていく役割、それから地方が果たす役割を明確にしていく必要があるのではないかと思っております。そういうことで新しい年は、これからの子どもたちが夢と希望と自信を持っていろいろなことに積極的に取り組めるような年でありたいと思います。
 文部科学省も新しい庁舎でしばらく仮住まいをさせていただくわけですが、いろいろなことを心機一転して頑張っていこうと思っています。国会からちょっと遠くなったのが不便ですけども、全てが望みどおりというわけにはいきません。旧文部科学省の建物の一部が残るそうでありますから、登録文化財に登録していただけたらいいなと思っております。今年は、まずは通常国会があり、提出を予定している法案の中に、文化的景観の保護等のための文化財保護法の改正があります。また、学校教育法の改正で栄養教諭制度を創設するということと、薬剤師養成のための薬学教育の修業年限を6年に制度改正していくというものがございます。それから著作権法において、書籍・雑誌のレンタルに対して著作権者の権利を保護するための改正をするというものもございます。あとはITER(イーター)(国際熱核融合実験炉)の件ですが、その誘致を2月の閣僚級会合で決着をつけるため内閣が一致協力してこの課題に取り組むため、近々協議会を立ち上げたいと思っております。また、日本への誘致の要請のために14日から17日までの日程で中国・ロシア・韓国の3カ国を訪問して、日本の熱意をしっかり訴えてきたいと思っております。それから今年4月には国立大学が法人化されますので、これをきちんと軌道に乗せることが大事です。また、法務省との関連もありますけども、ロースクール(法科大学院)もきちんと軌道に乗せることも非常に大事なことだと思っております。国立大学については、効率化係数の問題もありまして、これに対してもきちんと対応してスタートがうまくいくように取り組みたいと思っております。また今年は、アテネオリンピックの年であり、日本選手が活躍することによって日本も元気が出るので、選手の皆さんには大いに頑張ってもらいたいと期待しております。16年度予算案において、いわゆるトップレベルの選手の強化策とも関係するトレーニングセンターの予算が措置されましたから、そうしたスポーツの頂点の振興をしっかりしていかなればいけません。同時にスポーツの裾野を拡げることも必要ですから、例えば、学校の運動場の芝生化も、大いにやったらいいと思います。そのことによって子どもたちがもっと外へ出て、元気よくスポーツしたり遊んだりするようにしていかないといけません。子どもの体力が年々低下している現状は非常に大きな問題だと思っております。4年に一度のオリンピックを契機にそうしたこともしっかり考えたいと思っております。

(了)


(大臣官房総務課広報室)

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