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平成15年12月9日大臣会見の概要

平成15年12月9日
10時58分〜11時24分
文部科学省記者会見室

◎国会提出案件
衆議院議員長妻昭(民主)提出国家公安委員長の企業献金及び会費返金に関する質問に対する答弁書について
(警察庁)
衆議院議員金田誠一(民主)提出防衛計画の大綱で定める「独立国としての必要最小限の基盤的な防衛力」と自衛隊の海外展開との調和に関する質問に対する答弁書について
(防衛庁)
衆議院議員枝野幸男(民主)提出簡易生命保険約款及び保険料の算出方法書の変更に関する質問に対する答弁書について
(総務省・内閣府本府・金融庁)
衆議院議員石井郁子(共)提出国立大学法人の運営費交付金に関する質問に対する答弁書について
(文部科学省)
衆議院議員穀田恵二(共)提出日本道路公団の工事入札や人事などにからむ、政治家等の圧力・介入疑惑に関する質問に対する答弁書について
(国土交通省)

◎政令
地方自治法第252条の26の3第1項の特例市の指定に関する政令の一部を改正する政令(決定)
(総務省)
民事訴訟法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令(決定)
(法務省)
人事訴訟法の施行期日を定める政令(決定)
(同上)
担保物権及び民事執行制度の改善のための民法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令(決定)
(法務省)
司法試験委員会令(決定)
(同上)
法務省組織令等の一部を改正する政令(決定)
(同上)
食品衛生法施行令の一部を改正する政令(決定)
(厚生労働省)
独立行政法人国立病院機構法の一部の施行期日を定める政令(決定)
(同上)
独立行政法人国立病院機構法施行令(決定)
(厚生労働・財務省)

◎人事


大臣)
 本日の閣議では、私から、群馬大学長・京都大学長の指名とその指名を解く人事について御報告しました。閣僚懇談会では、外務大臣が『週刊現代』の写真掲載の問題について、極めて遺憾であるという御発言をされました。社会に与える影響や遺族への配慮などがあってしかるべきだと思います。報道の自由は最大限守られるべきだと思いますが、人間の尊厳や人権といった観点からやはり限界があるのではないかと思います。閣議の後、青少年育成推進本部の会議がございまして、青少年育成施策大綱を決定いたしました。大綱には、例えば「魅力的な学校づくり」、「学力の向上」、「大学教育の充実」等、文部科学省として取り組まなければならない課題が数多くありますが、関係省庁が緊密な連携を取っていく必要があると考えております。また、青少年の問題は大人の問題であるという共通認識に立たないと対応できないのではないかということも申し上げておきました。

記者)
 国立大学法人の運営費交付金について、財務省から削減案がでていることについて大学側が非常に危機感を持っていて、昨日、国立大学協会の会長が次官に対し、学長職の返上も視野に入れているという表現で非常に強い申し入れがあったようですが、このことについてどのようにお考えですか。

大臣)

 私も国立大学の法人化については、その経緯を十分承知をしているつもりです。これから国立大学を法人化して立ち上げるという時に、運営費交付金を削減するというような話がでたら、国立大学側からは話が違うという主張がでるのは当然だと思います。もちろん業務の効率化を図ってもらうことは当然でありますけども、むしろ新たな教育研究のニーズから予算を増やさなければならないといったこともあります。国立大学の法人化にあたっては、今までの予算額を踏まえ、従来以上に各国立大学における教育研究が確実に実施されるよう所要額を確保していただかなければ困ります。一般の独立行政法人制度を適用せず、国立大学法人法をあえて制定したのは、財源的な責任を国が持ち、大学のより自律的運営と活性化を図るためであります。財政支出の削減を目的とした民営化とは全く異なるものです。ましてや報道されているように、1パーセントから2パーセントの運営費交付金を削減したら、総額から言えば、小規模な国立大学の10から20校分の予算が1年間でなくなるわけですから危機感があるのは当然だと思います。特に今回、国立大学から強く不安を訴えられたのは、各国立大学が法人化に向けた準備作業に努力している最中に、もう17年度以降の予算削減の話がでてきたりするのでは、到底大学運営ができるものではないという思いがあり、学長職を返上するという話にもなったのだろうと思います。事務次官以下、事務方には、財務省は財政運営上予算を抑えこむため、国立大学法人といえども独立行政法人と同じ様な考え方で運営費交付金の削減を求めてくるだろうから、21世紀の知の創造と承継を担う国立大学の役割を理解してもらい、運営費交付金が機械的に削減されることがないよう最大限の努力をするようにという指示をしました。国立大学法人の運営費交付金についても、教育研究の観点からきちんと対応しなければいけない課題だと思っておりまして、国立大学協会には、文部科学省として責任をもって対応するとお話しました。

記者)
 教育研究の観点から対応するというお話ですが、国立大学協会からすると、今まで文部科学省が説明していた話と全く違い信頼関係を傷つけられたとまで言っていますけれども、その点に関してはどのようにお考えですか。

大臣)

 国会審議において、国立大学が法人化されても国が責任を持ってまいりますと何度も申し上げております。財務当局の考えている運営費交付金の削減の話を、文部科学省が受け入れているわけではありません。財務省には、文部科学省の基本的な認識をきちんと説明をして、国立大学の法人化がきちんとスタートできるように予算を確保するのがわれわれの役目ですから、その方針にそってこれからも最大限努力していくということです。国会の附帯決議にあるとおり、国立大学の法人化に際して所要額を確保するという政府の基本認識をきちんと堅持していただきたいと思っております。このことは財務当局ともきちんと話をしていかなければならない課題であり、国会審議を通じた国立大学側との約束だと考えております。大学運営の自由度を拡大し教育研究を活性化するために、各国立大学が法人化を受け入れたことをわれわれは承知しておりますから、大学側がそういう感情を抱かれたことは、私自身も申し訳ないと思っています。

記者)
 先般のITER(イーター)(国際熱核融合実験炉)に関する次官級会合において、各国による負担額の合計が必要な費用額に達したということですが、日本が誘致した場合、または、しなかった場合の費用はいくら位ということで提示されているのでしょうか。

大臣)

 次官級会合では、必要な費用額に対する各国の負担割合を100パーセントにする案が作成されましたが、いろいろなケースがあると思います。昨日、フランスのエニュレ研究・新技術大臣が記者会見においてその内容についてお話になったということですが、そういった内容の議論が次官級会合においてあったということは聞きました。いずれにしても、各国の負担割合については、次官級会合の結果を各国が持ち帰り、改めて検討・確認し、12月20日の閣僚級会合において合意を得る予定であるということです。今回の次官級会合に臨むにあたり、私は交渉団に、ITER(イーター)サイトの日本誘致に向けて最大限努力してほしいと指示をしました。EU側の動きも見ながら、ともかく互角に交渉して国内に案を持ち帰ってもらい検討したいと考えていました。大きな財政負担を伴う話ですから、当省としてはこの案を慎重に精査した上で、20日にどう対応するか決めなければいけないと考えています。

記者)
 20日の閣僚級会合は、大臣が行かれるのでしょうか。

大臣)

 私がいくべき会議だと思っていますが、予算折衝の時なのでスケジュール調整をどうするか、もう少し検討しなければいけません。

記者)
 ITER(イーター)サイトを日本が誘致しても、フランスが誘致しても、誘致した国が建設費の5,700億円のうちの48パーセントを負担するという方針で閣僚級会合に臨まれるのですか。

大臣)

 最終的にどうするか、まだ、詰めてません。

記者)
 もし誘致しなかった場合に比べ、誘致した場合に過度の負担となるかどうかは、やはり国民が関心あるところだと思うのですが。

大臣)

 ITER(イーター)サイトの候補地としては、日本とフランスが有力候補となっておりますが、日本に誘致されたからといって過度の負担になるということはないわけで、条件は同じです。日本に誘致されなかった場合に、我が国がどの位の負担割合になるかは、明確に申し上げる段階ではありません。ともかく、次官級会合の結果をきちんと精査をし、20日の閣僚級会合で日本へのITER(イーター)サイト誘致で最終的な合意を得られるように最大努力をしていきたいと思います。

記者)
 閣僚級会合で他の国を説得するといいますか、日本の誘致に向けて賛成してもらうために一番PRすることは何なんでしょうか。

大臣)

 まず、韓国・中国に同じアジアである日本へのITER(イーター)サイト誘致をPRしたいと思います。

記者)
 話は変わりますが、今日の午後にも臨時閣議が開かれ、自衛隊派遣の基本計画が決定されると思いますが、国民世論では派遣に対して慎重な意見もでております。小泉政権にとっても、とても重要な大きな決断になると思いますけれども、大臣自身はどのような御感想をお持ちでしょうか。

大臣)

 イラク復興のために自衛隊を派遣する必要性については、皆さま大筋で認めていただいているように思います。問題は派遣する時期ではないでしょうか。私も派遣の時期は慎重に判断しなければいけないことだと受け止めております。どの時期に派遣をするかは、今までの調査も踏まえて決定されると思います。現時点では与党内でいろいろと調整がされていると思われますが、その決着を見た段階で、おそらく総理から会見等により正式な表明があると思います。現在は、文民を派遣する状況にないが、イラク復興に日本として貢献しなければならないのは大筋で合意しているわけですが、教育・医療等の社会基盤も整備できるようにすべきだと思います。その条件が整っているかどうかの判断は意見が分かれるところだと思いますが、できるだけ早く自衛隊を派遣できる状況になるように願っています。また、文化財の保護についても、ユネスコがいろいろと検討をしておりますので、文部科学省としては、ユネスコを中心とする国際的な支援体制を踏まえ、協力することができる状況に早くなってほしいと思っております。

(了)


(大臣官房総務課広報室)

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