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平成14年3月5日大臣会見の概要

平成14年3月5日
9時6分〜9時19分
文部科学省記者会見室

一般案件  
パキスタン・イスラム共和国大統領パルヴェーズ・ムシャラフ閣下及び同令夫人の公式実務訪問賓客待遇について(外務省)
   
国会提出案件  
参議院議員櫻井充(民主)提出自賠責保険の適用除外に関する質問に対する答弁書について(防衛庁・国土交通省)
参議院議員櫻井充(民主)提出法律における「一部」の解釈に関する再質問に対する答弁書について(財務省)
   
法律案  
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案
    (公正取引委員会)
   
大臣)
   今日の閣議は特に御報告することはありませんでした。
 この機会に新しい政策について御説明したいと思います。御存知のとおり今の日本の経済状況、社会の状況から見て、これからの日本経済社会の発展のために、同時に大学の発展のためにも産学官連携推進は極めて有意義であります。最近、大学関係者や企業の関係者、研究所の関係者も産学官連携の重要性について非常に高い関心とそれを前進させようとする意識が強まって来ていると思います。私どもとしましても、大学の在り方のひとつの非常に重要な点として教育、研究をしっかりとしていくだけではなく、地域貢献や社会貢献は大事だと思っております。その意味で、産学官連携を着実に進めていくために新たに「イノベーション創出2002」事業を実施することにいたしました。これまでもいろいろな取り組みをしているのですが、今回、新たにやろうとしておりますことが3つ程ございます。
 1つは全国の国公私立大学、高専関係者によりまして大学発イノベーション創出推進会議を開催しようと思っております。まもなくこの会議を開催する予定でして、3月13日に大阪で、3月15日に東京で開催するつもりでございます。国公私立大学を中心とする関係者が集まって大学発のイノベーション創出について情報交換したり、論じていただくという会議は初めてでございますし、産学官連携によって日本の大学及び社会、経済を活性化していこうという契機になればと考えております。
 2つめは単発的な会議ではなくて、産学官の定期的、実質的な協議、交流の「場」を形成していこうということでございます。そういう「場」の必要性はいうまでもないと思いますけれども、その「場」の形成の在り方はそれぞれの地域、大学の取り組みの多様性を尊重した上で、いろいろなそういう「場」を作ろうとしているところに対して支援をしていくという考え方でございます。
 3つめは文部科学省としまして、こういう関連施策の工程表といいますか、プログラムを作ろうと思っております。これは向こう1年間に渡って、どのようなことをやろうとしているかを明確にすることによって、それぞれの大学、研究者、地域の産業界の人々の取り組みを促し、活性化しようという狙いを持っております。
 このような3つの事業で構成される「イノベーションの創出2002」事業を実施することによって、産学官の良い連携を促していく環境整備をしたいと考えているところでございます。産業界のいろいろな期待もございますけれども、大学の自主性、自立性を尊重しながら良い意味で産学官連携を強化することで、私どもの力を尽くしていきたいと思っているところでございます。
記者)
   この「イノベーション創出2002」というのは、全部14年予算案に盛り込まれていると考えてよろしいでしょうか。
大臣)
   14年度の予算の中ではいろいろな施策が盛り込まれておりますが、今回、新しく「イノベーション創出2002」事業ということで整理しているところでございます。もちろん14年度の予算の中には知的クラスターを実施したり、いろいろな施策が盛り込まれておりますけれども、今回はそれとはまた別個の新たな事業と考えております。ただ、1番目の大学発イノベーション創出推進会議は13年度の予算です。
記者)
   この推進会議は文部科学省の方は誰か出席されるのでしょうか。
大臣)
   もちろんです。私もできれば行きたいと思っておりますが、国会の関係で多分無理だと思います。
事務局)
   文部科学省やJST、特許庁や経団連等の関係者です。
記者)
   昨日、私立学校の完全学校週5日制の調査結果が出まして、今年4月から完全5日制の導入する学校が全体の68.4パーセントという結果が出ましたが、中でも中学校が実施する割合が半数を切っている状態で、決して高くない結果が出ているのですが、学力の公私間格差も心配されていますが、今回の調査結果についてのコメントをお願いします。
大臣)
   4月から新しい学習指導要領が実施されるという段階での調査でありまして、私立学校がどのように取り組んでいるかという調査の結果、小学校、中学校、高等学校につきましては55パーセントの私立学校が平成14年度から完全学校週5日制で実施を予定しているという結果をみました。4月からの新しい学習指導要領の考え方は週5日制を前提としまして、週5日制の中で確かな学力、豊かな人間性を形成、育成していくというねらいがあるわけです。週末も学校、家庭、地域というそれぞれの教育機能を持つところが十分に教育機能を発揮することによって、子どもたちが自然体験や社会体験の機会を持って豊な人間性を養ったり、家族との交流をしたり、地域のいろいろな伝統文化を学んだりということをねらいとしているわけです。今回の調査結果を見ますと、私立学校の中では必ずしも直ちに週5日制に移行しない学校もあることも確かです。新しい学習指導要領のねらいをそれぞれの国公私立学校で十分に考えていただきたいと思っております。一方で私立学校につきましては、建学の精神もあるわけでして、そこのところを十分賢明な検討の上で対応してもらいたいと思っています。私立学校が週5日制にすぐに取り組もうとされない背景には、建学の精神もございましょうし、保護者の方々が学力の低下ということを懸念されてる面もあるのかもしれません。そういうことを考えますと、例えば中学校ですと94パーセントが公立に通っているわけでして、生徒の94パーセントを預かっている公立学校が週5日制の制度をきちんと踏えた上で、確かな学力の育成など今回の学習指導要領のねらいをしっかりと実現しながら保護者の方々の信頼にも応えていくという姿勢が大事ではないかと思っております。
記者)
   昨日も次官名で通知が都道府県に出たのですが、大臣自ら私学に完全実施を呼びかける機会はあるのでしょうか。
大臣)
   次官名通知を出しましたし、都道府県知事に対しまして私学に対する指導という依頼をいたしております。私はそれをもって文部科学省の指導と考えております。
記者)
   今の関係ですが、今までの国会答弁では7割、8割の実施という数字もありましたが、調査した結果に対しての御感想は。
大臣)
   私立学校全体でいうと7割ですが、中学校、特に地域によって随分差がございます。都心部や大阪のようなところは、中学校でもかなり実施しないところが多いわけです。その意味では、少し想像以上に実施しないところが多いと思っておりますけれども、それだけ保護者の方々が学力低下についての懸念を持っておられるのかという気もいたしますが、新しい学習指導要領のねらいとしているところについては十分にそれぞれの学校で検討されて取り組んでもらいたいと思っています。世界各国の趨勢からいえば週5日制がほとんどでございます。そのような中で公立も私立も国立も設置形態を越えて、日本の将来を担う子どもたちをしっかり教育し、育成していくという責務があるわけですから、いずれの学校も新しい学習指導要領のねらいをしっかり踏まえた上で、十分対応してもらいたいと考えています。(了)
   

(大臣官房総務課広報室)

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