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平成13年10月19日大臣会見の概要

平成13年10月19日
9時46分〜10時7分
文部科学省記者会見室


一般案件
アフガニスタン難民に係る物資協力の実施について(決定)(内閣府本府・外務省)
「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定」第2条に基づく施設及び区域の一部返還,共同使用,使用条件変更,追加提供及び新規提供について(決定)(防衛庁)
   
法律案
国際機関等に派遣される防衛庁の職員の処遇等に関する法律の一部を改正する法律案(決定)(防衛庁)
防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案(決定)(防衛庁・総務・財務省)
一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(決定)(総務・財務省)
特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(決定)(同上)
   
人事
 
大臣)
   今日の閣議では、私から第31回ユネスコ総会への出席等について報告をいたしました。14日から18日までの間、第31回ユネスコ総会に日本代表団首席代表として出席して参りました。メインはユネスコ総会での代表演説だったわけですが、代表演説の中で3つのことを主に申し上げたわけです。一つは、先般の米国における同時多発テロに関しまして、テロリズムとその原因を根絶するために、ユネスコとして取り組むことの決意を表明しようということをこちらから表明したわけでございます。そして今後、ユネスコが取るべき措置などについての具体的な方向性についての考え方を述べたわけです。考え方は、ユネスコ憲章の精神であります、教育、科学、文化を通じて平和と人類の福祉を追求するという精神にのっとって、それぞれの分野で着実な具体的な政策を進めていこうという内容でありました。第2点は、今、松浦事務局長がユネスコの改革を進めておられまして、事業を重点化したり、事務局体制を改善しようと非常にリーダーシップを発揮しておられるので、日本政府として強い支持をしたところであります。それから、ユネスコ総会の直前に行われた日本と韓国の首脳会談の結果を踏まえまして、教科書問題についても触れた次第です。これはこちらが積極的に触れたというよりは、韓国の首席代表であります副総理兼教育人的資源部長官が、日本の教育大臣という感じですが、演説の中で歴史教科書に関連しまして歴史の共同研究について言及されました。私はそれを受けて、一時間後にその回答も含めて演説をしたわけです。15日の日韓首脳会談を踏まえて、今後両首脳の合意に基づいて協力をしていきたいという旨を表明したわけでございます。その他、総会の合間を縫って、何人かの大臣にもお話いたしました。一人はフランスの研究大臣でありまして、研究協力の推進等について幅広い意見交換を行い、またフランスの教育大臣、この方はラングさんと申しまして以前文化大臣をやられた国民的に人気のある大臣でありますけれども、御無理な日程でもありましたけれども時間を作って頂いてお会いしまして、教育改革の取り組みについてお互いにかなり似たような方向を狙っているということを確認しあったり、今後とも協力し、情報交換などしていこうと合意したわけでございます。フランスも長い伝統と文化度の高い国でありますので、研究なり、教育なり、色々な分野で協力し合える国であることを確信したわけであります。それが今回のユネスコ総会の出席についての報告であります。
   農林水産大臣の方からBSEの疑いのない安全な畜産物の供給ができるようになったとのことで、18日の牛は大丈夫との胸を張った御報告がありました。
   その他は、特に我が省に関連する事はありません。
   私から申し上げておこうと思いますのは、「えひめ丸」の引き揚げと船内捜索についてであります。アメリカ側によりますと、現地時間の16日に「えひめ丸」の船内から1名の御遺体が収容され、翌17日に御遺体は瀬川弘孝通信長と確認されたとのことであります。また同日、さらに2名の御遺体が発見され、うち一名は既に収容されたとのことで、皆さんもご存じのとおりであります。御家族をはじめとして、関係者の方々におかれては悲しみを新たにしておられるとお察しいたしまして、心から御見舞いを申し上げたいと思います。同時に行方不明者の家族などの要望に応えて船体の引き揚げを行いましたアメリカ側の努力を多といたしますと共に、米海軍、海上自衛隊等の関係者が船内の捜索、回収作業にこれからも全力で取り組むことを期待しているところであります。また文部科学省の所管であります海洋科学技術センターの深海調査研究船「かいれい」と無人探査機「かいこう」によって「えひめ丸」の引き揚げ移動した後の沈没地点、あるいは浅瀬海域までの移動ルートの海底調査を17日までに実施いたしました。これは米側の捜索に協力する形で行ったものでありますけれども、そのとき撮影したビデオと回収した遺留物は捜索を進めている米海軍に引き渡しておりまして、その内容の公表などを含めまして、それらの成果については米海軍が管理することになっておりますが、日本の深海の調査船が活躍したことについて御報告しておきたいと思います。
 
記者)
   今日、「かすみがせき保育室」が開設されたと思いますが、大臣も子育てをされながら仕事をされていましたが、御感想は。
 
大臣)
   何十年前になりますか、その頃にそういう保育室があったら良かったろうと思いますが、やっと小野次官の努力でできて、今日開園と聞いておりますので、私も楽しみにして見に行きたいと思っております。日本の色々な労働に関わる問題はございますけれども、子供を育てる親の責任を果たすと同時に、いい仕事をする。子供達にとっても快適な環境を、というバランスをとって考えていくには職場の近くに保育室があることはすばらしいことだと思います。この伝統的な官庁街で、文部科学省の中にそういう施設が置かれるということは、非常に色々な意味で有意義だと思っております。コンスタントに預けるかどうかは別にして、職員の皆さんも、特に子供さんを預けながら奥さんの仕事を少し楽にしてあげるなど、色々な活用があると思いますので、是非、使って頂きたいと思っております。
 
記者)
   先ほどのお話にありました「かいこう」の調査の件ですが、米海軍に全て引き渡してしまうことは、日本の船で日本のお金で調査して、しかも加害者と言うか、そこに全部情報と遺留品を引き渡してしまうのは何となく腑に落ちない気がするのですが、これはどういう経緯になっているのですか。
 
大臣)
   これはアメリカ側が引き揚げについて責任を持ってくれているわけでありまして、日本側はその持てる技術でこれに協力していくという姿勢だと思います。ですから、日本側が確かに自らの力で遺留物を発見したということではございますけれども、やはり全体として船の中に残っているものですとか遺体などについての公表の責任を米側で持ってくれておりますので、それに発見したものや回収したものを引き渡したということだと思います。
 
記者)
   公表の責任も米側にあるというのは分かりますが、撮ったビデオも日本の文部科学省や官邸には一部の静止画しか届いていなくて、ビデオの映像そのものは全部米海軍に渡していると聞いていますが、これは例えば事故原因につながるようなものがあるかも知れないですから、公表するかどうかは別として、この辺は本当は官邸なり文部科学省で情報を全て持っておくべきではないでしょうか。
 
大臣)
   そういう考えもあろうかと思いますけれども、船内にあるような状況が一番の原因追及の眼目であるわけでして、その船が動いた後のものを探しているだけでございますので、今おっしゃったような根本的な原因について遺留物だけで解明できるとは・・・。これは私の個人的な考えでございますが、それらトータルとして捜索に責任を持つところが管理して、おそらくいずれかの段階で公表してくれると思っております。そういう責任分担であると思っております。
 
記者)
   炭そ菌関連ですが、文部科学省も大学や研究所等を所管していると思いますが、今までどのような対策を取られているのでしょうか。また、今後はどのような対策を取られるのでしょうか。
 
大臣)
   本当に予想できないようなことが起こっておりまして、こういう問題についても我が省といたしましても、内閣官房が主催します「NBCテロ対策会議」における議論の中に参加しながら、関係省庁と緊密な連絡を取りつつ、所要の措置を講じていきたいと思います。全体としては、まず原子力関係について、文部科学省が所管する原子力事業所に対して核物質の管理、警備体制をより一層徹底するように指導して、警察等と連携協力して警備に万全を期していくのが1点目であります。また生物剤、化学剤の関係につきましても大学や所管の研究機関等に対しまして、それぞれが所有する生物剤等の厳格な管理を徹底するように文書で指導いたしました。3点目には、国立大学附属病院に対し、対応に万全を期するようにとの指導を行っているところであります。今後ともこの問題については対応を加速していかなければいけないと思っております。炭そ菌テロに関連して不審な郵便物が官邸等に来ているという話もありますけれども、現在までのところ不審郵便物は我が省には届いておりません。しかし、ああいう事態がございますので、文部科学省に配達された郵便物に対するチェックを強化しようとしております。仮に不審な物があれば開封せず、警察に連絡するなどの対応を省内で徹底しております。米国厚生省疾病管理予防センターの勧告がございますが、参考情報として省内に周知いたします。これは日本の厚生労働省のホームページに掲載されておりますけど、その対処法についても省内に通知をしております。予断を許さない問題でありますけれども、できる限りのことを直ちに始めたわけでございます。
 
記者)
   炭そ菌や狂牛病も含めて、学術的な意味で文部科学省としてどのように関わっていくのでしょうか。
 
大臣)
   狂牛病についてはご存じのような経過をたどっておりまして、原因究明が行われているわけです。炭そ菌につきましては、省内にもこの問題についての対策の専門家集団を持っておりますから、こういうことへの対応について何らかの寄与をしたいと思っておりまして、何ができるか、あるいは何か協力ができるような成果が生まれてくれば、そういうことについても報告していきたいと思っております。まだ具体的にということではないですが、昨今の状況を基に色々考えているわけでございます。
 
記者)
   「えひめ丸」についてですが、ビデオ等の公表等は米海軍が行うと決めたのは誰でしょうか。
 
事務局)
   これは、当初から引き揚げについては米政府が行うことになっており、日本は米海軍に対して、海洋科学技術センター等が協力することになっております。その協力の進め方について、日米間で相談し一元的に米海軍が遺留物等を管理することとしたわけです。
 
記者)
   そのスキームは政府間で決めたのでしょうか。
 
事務局)
   そうです。
 
記者)
   今日の閣僚懇等ではテロ対策の話は何も出なかったのですか。
 
大臣)
   テロ対策については特に出なかったですが、アフガニスタン難民に対する支援の追加的な措置について報告がありました。本当にテロ、狂牛病、炭そ菌と、少し前までは考えられなかったことが起こってますが、内閣としてもそういう時期にきちっと対応するようにという発言が閣僚から出ていました。
 
記者)
   テロの関係で、沖縄県から修学旅行に来てくださいとの要請があったかと思いますが。
 
大臣)
   国土交通省から「米国における同時多発テロ後の状況を踏まえた沖縄県への修学旅行の実施について」という通知がこちらの局長に参りまして、それを受けて初等中等教育局長の名前で各都道府県の教育委員会の教育長と都道府県知事に対しまして、修学旅行の実施にあたっては国土交通省からの通知にあるように沖縄も安全であるという主旨の上書きを付けて通知を送ったところでございます。
 
記者)
   沖縄への旅行の不安の要素は、飛行機で行くことと米軍基地があることでテロが起きやすいということだと思うのですが。
 
大臣)
   危険なのはもう全世界同じではないでしょうか。確か、ケニアでも起きましたし、沖縄だからという考え方では無くて、今あらゆる場面で気を付けなければならないと思います。だからといって、大部分が平穏なわけですから、特定の地域だけ危険と考えるのは今の状況では良くないのではないかと思っております。私自身も、できるだけ早くうまく日程があえば沖縄に行ってみたいと思います。
 
記者)
   一部報道で内閣改造の話が出ていますが、今日の閣僚懇では何かありましたか。
 
大臣)
   全く出ませんでした。(了)

(大臣官房総務課)

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