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平成13年6月12日大臣会見の概要

平成13年6月12日
9時50分〜10時9分
文部科学省記者会見室

◎一般案件
☆ドミニカ共和国駐箚特命全権大使野上武久に交付すべき信任状及び前任特命全権大使赤澤正人の解任状につき認証を仰ぐことについて(決定)(外務省)

◎国会提出案件
☆1.平成12年度交通事故の状況及び交通安全施策の現況
☆1.平成13年度において実施すべき交通安全施策に関する計画
 について(決定)(内閣府本府)
☆衆議院議員保坂展人(社民)提出千鳥ヶ淵戦没者墓苑の遺骨収容施設の改善に関する質問に対する答弁書について(厚生労働省)
☆参議院議員櫻井充(民主)提出診療放射線技師の業務範囲の在り方に関する質問に対する答弁書について(同上)

◎公布(法律)
☆電波法の一部を改正する法律(決定)
☆中間法人法(決定)
☆確定給付企業年金法(決定)

◎政令
☆国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法施行令の一部を改正する政令(決定)(厚生労働・財務・国土交通省)
☆貿易保険法の一部を改正する法律附則第11条の国を定める政令(決定)(経済産業省)

◎人事

◎報告
☆平成12年度人事院年次報告書について(内閣官房)

大臣)
 今日の閣議は一般案件等、色々ありましたが、それら一連のことが終わりました後に、関係閣僚からの発言ということで、大阪教育大学教育学部附属池田小学校の事件について、私をはじめ三閣僚からの発言がありました。私の方からは、皆さんご存知のように、6月8日に起きた事件について、文部科学省ではどのようなことを行ったかを簡明にご報告をしました。本部を立ち上げて、岸田本部長のもとに何回か会合を重ね、副本部長の池坊さんにも現地に行って頂き、9日には本部長自らが池田小学校での保護者の説明会に出席をして、文部科学省の対処方針を説明すると共に、現地での対応を指導したところであります。事件の発生を受けて、緊急に文部科学大臣談話を発表し、全国の学校等に対しまして、各学校の安全管理の再点検を呼びかけ、更には事件再発防止等のため、関係者とも相談して適切な対策を講じるよう教育委員会等に対し緊急に通知を出したところです。昨日11日付けで出した通知のことです。私どもとしては、このようなことが2度とあってはならないことで、学校における安全管理の徹底を図って参りたいという決意が更に強まっているところです。ただ、学校だけが一生懸命やりましても、今回のような事件はなかなか深刻な社会情勢を反映していますので、今後関係省庁の連携と政府全体としての対応も重要になってくることから、関係閣僚のご理解とご協力をお願いしたい、という発言内容であります。
 続いて国家公安委員会委員長の方から、この間の事件について、23人の死傷の問題。犯人が逮捕されていますけれども、この種の事件は国民に大きな不安感を与えるものであって、事件の全容解明のために大阪府警察において徹底した捜査を行う。また心身に傷を負った方々への被害者対策に取り組んでいるというご発言がありました。警察においては、この種の事件の発生の防止を図るため、警ら警戒活動の強化等、子供を犯罪から守るための対策に万全を期していますというご発言がありました。また、この種の事案の発生の防止のために、政府関係者が一体となった総合的な対策を検討することが必要ということについては、私の意見と同じであります。
 これを受けまして、内閣官房長官からも同様の痛ましい事件に対するお悔やみ等の言葉と共に、本件については昨日、古川官房副長官のもと、関係省庁の担当局長が集まり、それぞれの取り組み状況について情報交換を行うと共に、今後の対応について打ち合わせを行ったという報告がありました。この打ち合わせでは、本事案について、不安の解消や施設の安全管理等の対策に鋭意取り組んでいくことを確認したところであります。今後、与党とも密接な連携を取り、関係省庁におかれても連携して対応の万全を期して頂きたいという話がありました。国民の皆さんと同様に、内閣としても大変この問題について重要視していますし、真摯に取り組んでいこうという状況になっております。
 その後、障害者施策推進本部会議がありました。ここでは障害者に関わる欠格条項の見直しが進められる中で、障害者の資格取得等の機会が実質的に確保されるように、関係省庁において教育や就業環境等、必要な整備を行うことが申し合わされました。文部科学省は従来から、障害者の大学等における受験機会の確保、学習支援、学校施設のバリアフリー化、障害のある児童生徒の教育の充実に取り組んできたところでありますが、この申し合わせを機に、各大学等に積極的な取り組みを促すと同時に、障害者・障害児の教育環境の整備に常に努力して行きたいという主旨の発言をしたところであります。
 池田小学校の件については、報道の皆さんにも大変ご協力を頂いて正確な報道と、また私どもの方策についても的確な報道を頂きましてありがとうございました。この問題については心も痛むことでありますが、なんとか学校が安心出来る場所にするために更に努力をしたいと思っているところであります。

記者)
 昨日、国立大学を中心とした構造改革の方針ですとか、大学を変えることで日本の経済を変えていくプランがまとめられて、経済財政諮問会議に報告されていますが、これから再編を大胆に進めるわけですが、どのように進めていくのでしょうか。また、他省庁と調整しなければならないことがプランにあると思いますが、どのように進めていくつもりでしょうか。

大臣)
 昨日の経済財政諮問会議では、私どもが考える大学の構造改革の方針を説明したところでありますが、要するに21世紀の日本を担っていく人材を作り出すということで、人材大国または科学技術創造立国を目指して、日本の大学を国際競争力を持つ世界最高水準の大学に育てていきたいということで、その考えのもとに、大学改革の一環として、大学がどうあってほしいかを説明したわけであります。幸い、昨日の会議ではその案に対して、よくできているという好意的な評価を頂いたところでありますが、この問題は大学が本当にその使命を果たしていくために、何が重要か、日本の国にとって大学がどういう役割であるべきかということを考えた上で、策定した方針ないし目標であり、これを実現していくには、ある程度の痛みも伴うわけであります。大学のそれぞれの考え方もありましょうけれども、方針を明確にして、いわゆる骨太の方針にも反映して頂いて、日本の大学をより良くしていく。これは国立大学に限らず、国公私立を通じてその方向で取り組んで行かなければならないことを明らかにしたわけであります。国立大学のあり方につきましては明後日の国立大学長会議の席上で、私どもの考えを申し述べる機会がありますので、それに先立ってこの場で申し上げることは適切でないので、その点については控えさせて頂きますけれども、大きな構造改革の時期にどうあるべきかの方向性を出したと考えています。既に平沼プランのようなかたちで、産官学共同について色々な意見が出ていまして、日本の大学への期待も非常に大きいわけです。その中で、関係各省と連携を取りながら、日本の大学が大学発の新産業創出の課題であるとか、世界に通用するプロフェッショナルの育成等の問題にも積極的に応えていく必要があるのではないかということで、大学を起点とする日本経済活性化のための構造改革プランのひとつの案として、大学が変わる日本を変えるということでご説明をしたわけです。これについても大変出席者から、いい反応がありました。

記者)
 池田小学校の件ですが、児童の授業を受ける場所についてですが、池田小学校側は当面、この一週間ぐらいは心のケアをしているということですが、事件のあった場所は授業に使わないということで、近くの中学校や高校を利用して授業再開を考えている。また、岸田副大臣が現地入りの際、その場所の改築、改修やその校舎の建て替えについてもおっしゃっていますが、文部科学省として、予算措置を含めて、児童の教育する場所の改修等はどうするのでしょうか。

大臣)
 本部長が明確に言ってくれました方針というのは、私も誠に的確な判断であったと思います。あの忌まわしい事件があった場所で勉強しろというのは酷でありますし、やるべきではないと考えています。あの教室は使用しないということを前提として、校舎をどうしていくかという利用計画を、今学校において策定してくれていますので、それを待って全面的に支援をしていきたいと思います。学校の再開につきましては、児童の心の動揺への配慮を最優先にして、慎重な配慮のもとに再開をしていくという学校側の考え方を私も支持します。そういうことが非常に大事ではないかと思います。

記者)
 大臣としてはどのような計画、方針ですか。

大臣)
 そこをそのまま使わないということについて賛同し、それに対して、どうやっていくかという具体的な案があがってくると思いますので、それを見て一番いい方法で行わなくてはいけないと思いますし、建て替えの話も出ていますから、もしそのことが強く要望されていれば、是非、建て替えも含めて、しかし建て替えには時間がかかりますので、その間どうしていくか等、様々な配慮が必要だと思いますが、そういったこともできるだけ早く決定をして、その方向で進めたいと思っています。

記者)
 大体いつ頃までを目途に方針を決めたいと思いますか。

大臣)
 今、恐らく検討してくれてまして、その学校側のプランが上がり次第、私どもとしてはその方向でいきたいと思っています。予算面もありますので、その辺も配慮しなくてはいけないと思いますが、できるだけサポートしていく姿勢です。

記者)
 各学校で、独自にお父さん、お母さんが登下校時に付き添ったり、ガードマンを出入り口に立てるとか、様々な措置をなされていますが、国として今後の対策はどのようなものがあるのでしょうか。

大臣)
 今、それぞれの学校がどういう対応をしてるかを調査をしてもらっていまして、点検項目についてどうやっているかについては、15日までに回答をもらうことになっていまして、それをできるだけ早く整理した上で、国として何ができるかを検討して参りたいと思います。やはり学校というのは、特に公立小中学校というのは、地域の中の非常に大事な存在でありますので、その地域が、教育委員会なり、あるいは地元の方々なりPTAなりがどうやって学童を守っていくかという視点から、それぞれの地域の実状に合わせて取り組んで頂くことが、ベストな方法だと思っています。あるところでは警備員を置くということを決定されるも良し、また警官の見回りを更に頻繁にする、あるいはPTAの方々が順番に協力をするという話も誠に結構であると思ってます。点検項目の中では、来訪者をきちんと学校で確認すること、あるいは学校施設面での安全確保をやってほしいということです。これは鍵のこともありますし、防犯感知システムを整備してもらうことも入ってますし、警備会社との連絡体制を密にするようにとのことも入っています。不審者情報がある場合に、連絡の体制をとること。これは緊急事態に発生した時にどうするかという、危機管理上の一番大事なことでありますが、そういうことについてもしっかり見直してもらいたいと思いますし、また現に、不審者が入って来た時にはどういう緊急の体制をとるかということについても、常に想定をして準備をしておいてもらいたいと思っています。教育委員会においては、学校施設面において安全確保をしてもらいたいと思っています。地域の方のご協力を得ながらというのは、大変大事なことだと思います。それは学校が、申しあげたような役割を持っていますので、その意味でも地域の方々、あるいはPTAの方々の協力を得ながら、安全でかつ楽しい学校にしていくことはとても大事だと思います。その上で、更になにかすることがあれば教育委員会なり、あるいは私どもでもすることがあれば、やれる範囲でやらなくてはならないと思っています。いずれにしても子供を学校に預けて安全だ、信頼できると国民の皆さんが思って頂くような学校にしなければ今、一生懸命教育改革をやって「学校を良くする教育を変える」ということで、今悪戦苦闘して国会審議に臨んでいるわけでありますが、その意味がないわけです。この問題については引き続き一生懸命やって行きたいと思っています。(了)


(大臣官房総務課広報室)

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