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平成13年5月8日大臣会見の概要

平成13年5月8日
9時50分〜10時5分
文部科学省記者会見室

一般案件
  都市再生本部の設置について(決定)(内閣官房)
  「ハイジャック等非人道的暴力防止対策本部の設置について」及び「重大テロ事件等発生時の政府の初動措置について」の一部改正について(決定)(同上)
  グァテマラ共和国大統領アルフォンソ・アントニオ・ポルティージョ・カブレラ閣下及び同令夫人の公式実務訪問賓客待遇について(了解)(外務省)
国会提出案件
  衆議院議員土井たか子(社民)提出小泉内閣発足にあたって国政の基本政策に関する質問に対する答弁書について(決定)(防衛庁)
人事
配付
  平成13年版外交青書(外務省)
大臣)
   今日は一般案件が3つありまして、一つは都市再生本部の設置ということでありまして、昨日の所信表明にもありましたけれども、これは私自身も本部員の中に入っております。2番目が「ハイジャック等非人道的暴力防止対策本部の設置について」及び「重大テロ事件等発生時の政府の初動措置について」の一部改正が決定されました。特に文部科学省はこれには関連がありません。3番目がグァテマラ共和国大統領アルフォンソ・アントニオ・ポルティージョ・カブレラ閣下及び同令夫人の公式実務訪問賓客待遇について了解がなされました。後は国会提出案件ということで質問主意書に対する答弁書が決定されました。後は人事と外交青書が配付されたという状況であります。
記者)
   教科書問題で、今日の午前中にも韓国政府の方が正式に再修正要求を伝えて来るという話なのですが、それについてはまだこちらの方には。
大臣)
   まだ私共には渡されておりません。
記者)
   外務省等を通じてと言うことでしょうか。
大臣)
   そうです。
記者)
   対応はそれを見てというかたちでしょうか。
大臣)
   今の段階ではそのようにしか申し上げられません。
記者)
   一応その内容を見てということですけれども、大体向こうでは再修正がまず大前提であるということのようなのですが、改めて修正ということは。
大臣)
   これは再三お話しておりまして、同じ文言で恐縮ではありますけれども、日本の教科書検定制度上、検定合格した教科書については明白な誤りがある場合等を除いて訂正を行うことが出来ない。このことは従来からご説明している通りでありまして、今回韓国側から意見が参りましたら、よく読ませて頂いて十分その内容を精査させて頂きたいということです。二国間の関係は大変大事でございますし、特に日本の近隣国ということで韓国との関係、あるいは中国との関係は大変大事でございますので、この問題は誠実に対処したいと思っております。ただ今の段階ではそれ以上申し上げられないので、大変恐縮でございますが、ご理解いただきたいと思います。
記者)
   韓国内では昭和61年の「新編日本史」で、修正があったではないかという意見がありますが、その辺に関しては。
大臣)
   昭和61年当時の教科書検定制度の場合には、検定審査が三段階に分かれておりまして、「原稿本審査」、「内閲本審査」、そして最終的に「見本本審査」となっておりました。その教科書の検定のご指摘の点につきましては、検定の決定後ではなくて、第二段階の「内閲本審査」終了後の検定合格までの間に更なる修正を求めたというものであります。従って今回のように検定結果が出された後の話では無いわけであります。プロセスとしてまだ修正の余地のあるその段階での意見であったわけです。その後検定制度は改正されまして、平成2年度の検定からそれまでの三段階の審査を廃止しまして、申請図書の審査に一本化したという状況です。従いまして現在は昭和61年度の時のような措置をとることは制度上出来ないということでございます。その辺り、若干誤解があるように思われます。
記者)
   そうしますと当時としても、今回としても検定結果後の再修正は無いと言うことでしょうか。
大臣)
   そうでございます。
記者)
   韓国側からの指摘で、明白な誤りが見つかった場合はどうされるのですか。
大臣)
   明白な誤りがあると学問的あるいは客観的、専門的に明白になれば、修正もあり得ると思います。ただそのこと自体は、よく精査した後に出て参る話でございますので、今の段階では制度としてのあり方を申し上げただけでございます。
記者)
   修正ということもあり得るということですが、仮の話ですけれど、修正の仕方として、明白な誤りがあった場合に出版社側に伝えて自主的な是正をお願いすることになるのか、それとも大臣が是正を勧告するのか、どのようにお考えですか。
大臣)
   大臣に認められている、あるいは大臣がなすべきこととしては勧告を行うということでございます。教科書の発行者に対して訂正の申請を勧告することが出来るということでございます。
記者)
   いきなり勧告するということになるのでしょうか。
大臣)
   その点は、まだそこまで具体的なことについて考える段階でありません。まだ受け取ってもおりませんし、その内容をよく読んでどのように対処していくか。いずれにしても誠意を持って対応したいと思います。しかし、現行制度はきちんとした制度として出来上がっておりますので、それにのっかって対応したいと思います。
記者)
   韓国側からの指摘の文書がこちらに届いた場合に、出版社側にそれを伝えることはされますか。
大臣)
   恐らく何かもう皆さんの手にも渡っておりますでしょうし、韓国側でもレクが行われていると思いますし、その辺はもちろんよく考えて、これは透明性を持って対応しなくてはいけないと思っております。
記者)
   韓国側の指摘の文書を検討された後、それを回答するというのはどういったかたちなのでしょうか。
大臣)
   まだそこまでは。大変重要な問題でありますから、この問題については私としても非常に誠意を持って、非常に客観的、専門的、特に学問的な見地からの精査を経た後に、どのように対応していくかということを考えるべき問題でありまして、まだその答えの出し方とかそこまでは思い至っておりません。
記者)
   学問的見地から精査するということは、大臣としてあるいは省としてやられる問題なのでしょうか。
大臣)
   そこもまだそれ程明確に決めておりませんけれども、やはり専門家の目を経て精査するということでありますので、教科書調査官を含め専門家の意見を聞くということになると思います。
記者)
   調査官や教科用図書検定調査審議会の委員の中に、古代朝鮮史関係の専門家がいらっしゃらないと聞いているのですが、そのあたり委員会の構成等を改める等のお考えは。
大臣)
   そこまで踏み込んだかたちで今ご質問されても、まだ受け取ってないので。そこをご理解頂きたいと思います。
記者)
   昨日の所信表明演説で、教育改革の推進と教育基本法の見直しについて、幅広く国民的な議論を深めていきたいというお話があったのですが、まず所信表明を聞いてのご感想を。また基本法の見直しについてはどのようにすべきだとお考えですか。
大臣)
   所信表明の評価は既に広く出ておりまして、やはり改革の意思を盛り込んだ総理ご自身のお考えを、極めて精選された用語で、国民に訴えるという効果が大変出ていらしたと思います。教育の関係ももちろん書き込まれておりまして、教育の重要性ということに重きをおいていましたのと同時に、最後のあたりでも米百俵の話の中にありますように、人づくりというのはいかに重要かというようなことを、きちんと書かれておりまして、私としては総理が教育問題に対して改革といいますか、更に良くするためにこれは国の基礎であるということをご認識頂いていると思っております。所信表明は、言葉を精選した上ですっきりしたかたちのものになっております。そういう意味で見直しに関してもそういう表現になっておりますけれども私はこの前とは変わったことは無いと思います。(了)

(大臣官房総務課広報室)

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