平成24年11月30日
文部科学省は、厚生労働省と協働で、ある疾患を有する患者体細胞から樹立したiPS細胞(疾患特異的iPS細胞と呼ぶ。以下同じ)を用いて疾患発症機構の解明、創薬研究や治療法の開発等を推進することにより、iPS細胞等研究の成果を速やかに社会に還元することを目指す「疾患特異的iPS細胞を活用した難病研究」を実施することとし、2種類の拠点を公募しました。このたび、学識経験者等により構成される課題選考委員会の審査を経て、実施機関等を決定しましたので、お知らせいたします。
疾患特異的iPS細胞は、疾患発症機序の解明、治療薬開発等の画期的なツールとして大きく役立つと考えられています。多くの疾患において、疾患特異的iPS細胞を用いた研究が病態解明、新たな治療法開発などに大変重要な役割を果たすことが期待され、特に、経済的観点から企業による治療法の開発等に困難をきたす希少・難治性疾患においては、開発コストの劇的な低下、成功確率の上昇が期待されることから、新たな治療薬開発の切り札となる可能性があります。
上記を鑑み、本事業では、目的や実施内容に応じた2種類の拠点を構築します。つまり、疾患特異的iPS細胞を用いた疾患研究および創薬の成功例を創出することを目的として、iPS細胞作製やその分化誘導技術を有する拠点機関と、厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)の補助を受けている研究課題(以下、難治性疾患研究班)および製薬企業等が共同研究を実施する「共同研究拠点」と、多種多様な疾患の患者体細胞から疾患特異的iPS細胞を樹立して細胞バンクの充実を図ることを目的とした「樹立拠点」を構築します。
「共同研究拠点」では、拠点機関は疾患特異的iPS細胞の樹立および疾患研究に必要な細胞種への分化誘導をおこない、共同研究パートナーである難治性疾患研究班にその細胞および付随する技術を供与することにより、疾患特異的iPS細胞を用いた疾患研究ならびに創薬研究を推進します。また、研究早期から製薬企業との共同研究を実施し、単なる病態の解明だけではなく疾患特異的iPS細胞を用いた創薬を実施していただきます。また単に細胞を提供するだけではなく、その作製技術や分化誘導技術などの技術移転もおこなっていただきます。
「樹立拠点」では、拠点機関は、多種多様な疾患の患者体細胞を受け付けて高品質な疾患特異的iPS細胞を樹立し、それを細胞バンクに寄託することにより、多くの研究者、企業が疾患特異的iPS細胞を用いた研究、創薬を実施できる基盤を構築します。患者の体細胞とともに患者情報も収集する、ニーズを見極めて樹立する疾患を戦略的に決定するなど、疾患特異的iPS細胞バンクの研究インフラとしての価値を高めていただきます。
学識経験者等により構成される「疾患特異的iPS細胞を活用した難病研究」課題選考委員会(別紙1)において、書面審査及びヒアリング審査を実施しました。
上記の手続きにより、(別紙2)に掲げる実施機関等を決定しました。
今後、審査における指摘事項を踏まえて、代表機関と事業計画と実施体制について調整を行った後、速やかに委託契約等の手続きを行い、事業を開始する予定です。
彦惣、中村、森
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