平成24年4月6日
独立行政法人科学技術振興機構(JST)が研究成果展開事業(先端計測分析技術・機器開発プログラム)の「放射線計測領域」実用化タイプ(短期開発型)における平成24年度新規課題を決定しましたのでご報告いたします。
先端計測分析技術・機器開発プログラムでは、東京電力 福島第一原子力発電所の事故に伴う放射性物質の影響から復興と再生を遂げるため、行政ニーズ、被災地ニーズなどを踏まえ、平成24年度の重点開発領域として「放射線計測領域」を新たに設定しました。
そのうち、実用化タイプ(短期開発型)では、食品・土壌などに含まれる放射線量および放射能濃度の迅速かつ高精度・高感度な把握などを可能とし、被災地で早期・確実に活用できる計測分析機器やシステムを、産と学・官が参画したチーム編成により1年以内に性能実証、システム化を行います。
平成24年
2月24日(金曜日) 公募受付開始
3月15日(木曜日) 公募受付締切・書類審査開始
3月23日(金曜日) 面接審査・採択候補課題決定
応募のあった17件について、外部有識者より構成される先端計測分析技術・機器開発推進委員会(放射線計測領域分科会)において審査を実施し、6件の新規開発課題を決定いたしました。
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開発課題名 |
チームリーダー |
サブリーダー |
その他参画機関 |
開発概要 |
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1 |
土壌放射能濃度の深さ分布モニタの実用化開発 |
石倉 剛 |
高田 真志 |
京都大学 |
土壌中の放射性セシウム(セシウム134とセシウム137)について、深さ1~2cmごとに検出下限100Bq/kg以下で測定できるモニタを開発します。開発機器は車両への搭載が可能なように100㎏以下にし、現場で試料採取し、迅速な測定を可能なものとします。本成果の実用化により、農地などの土壌放射能の現場測定や、除染時の土壌剥ぎ取り厚の決定などへの利用が可能となります。 |
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2 |
高速・高感度の食品放射能検査装置と大容量標準線源の実用化開発 |
井上 芳浩 |
戸崎 充男 |
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30kgの米袋をコンベア輸送し、測定時間5秒で検出下限12.5Bq/kg以下のスクリーニング検査が可能な、高速かつ高感度の食品放射能検査装置・周辺機器の開発・性能実証試験を行います。また、30kgの米袋の放射能濃度測定の信頼性確保のために大容量の標準線源の開発にも取り組みます。本成果は農協などの米倉庫における入庫・出庫時の検査に利用され、米の全袋検査にも対応することが可能です。 |
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3 |
軽量・小型電子式個人線量計の大量校正システムの実用化開発 |
大口 裕之 |
齋藤 則生 |
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現在、多くの住民が使用している放射線被ばく量の測定に用いる電子線量計などの使われ方に関して、測定値が機種ごとに異なっている、適正に校正されずに使用されている、積算線量計でなく個人被ばくの管理ができないなどの課題が見られます。これらの課題を解決するため、本開発では、各種線量計を大量かつ正確に校正できるシステムおよび被ばく量を容易に把握できるシステムを開発します。本成果の実用化により、住民が正しく校正された線量計を用い、自ら時間ごとの線量や一定期間の積算量の把握をすることが可能になります。 |
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4 |
ハンディタイプCsIスマートベクレルカウンター(Smart Becquerel Counter)の実用化開発 |
大久保 茂夫 |
佐藤 了平 |
三重大学 |
ガンマ線検出器となるCsI結晶の体積を従来のものより約7倍大型(約56倍への拡張可能)にして高感度化を図るとともに、小型・軽量化の装置を開発します。本装置により食品、土壌、森林などにおける核種(セシウム137、セシウム134)ごとの空間放射線量と放射能濃度を同時に高精度・高感度・高速で測定可能になります。本成果の実用化により、既存機器と比べ装置の小型化・軽量化・低コスト化が実現され、食品などに含まれる放射能濃度とともに空間放射線量の測定を簡易に行うことが可能となります。 |
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5 |
シンチレーション光ファイバーを用いた2次元マッピングシステムの実用化開発 |
宮﨑 信之 |
眞田 幸尚 |
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プラスチックシンチレーションファイバーを用いて、 0.1μSv/h以上汚染した10m×10mの区域を10分間で表面汚染測定できる装置を開発します。従来の装置では、電源・各種モジュール・操作用パソコンなどと連携して使用するため、非常に使いづらく重いものとなっています。本開発において、装置の軽量化、可視化、利便性の向上を行うとともに周辺機器の開発を行い、公園・河川敷などの汚染分布2次元マッピングや、これまで測定が難しかった河川などの水中汚染分布測定が可能となります。 |
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6 |
半導体検出器を用いた環境測定用ガンマカメラの実用化開発 |
茂呂 栄治 |
井口 哲夫 |
東京大学 |
放射性元素による表面汚染密度をモニタリングする既開発のガンマ線カメラを多くの用途に使用できるようにするため、ガンマ線検出器となるCdTe検出器を2段化し、ピンホールコリメータを改良することで、カメラの高感度化を図るとともに、可搬性を考慮して開発します。本成果の実用化により、例えば1μSv/hの環境下で5μSv/hの表面線量をもたらすホットスポットを5mの距離から約5分で検出可能となり、家屋などにおける除染効果の迅速な確認・把握に用いることができます。 |
新規開発課題については、4月より開発を開始し、1年以内に性能実証、システム化を行い、当該機器・システムを実用可能な段階(開発期間終了時に受注生産が可能)まで仕上げることを目指します。
久保、加藤
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