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『平成22年度文部科学省予算(案)のポイント』補足説明

 平成22年度予算案については、「コンクリートから人へ」の理念に立ち、「人と知恵」を産み育てる施策に重点化いたしました。

 今回の予算の一番のポイントは、高校の無償化です。

 高校の無償化を予算案に盛り込んだことにより、我が国が国際人権規約の留保を撤回する第一歩になると考えています。

 その他の事業について、事業仕分けの評価結果を踏まえた見直しなどを行い、文部科学省予算としては、過去30年で最高の伸び率となる5兆5,926億円、対前年度3,109億円(5.9%)増としています。

 また、今回の予算編成においては、「予算編成の基本方針」に則り、事業仕分けの反映に努めたところであり、現在、反映状況を「予算編成後速やかに公表」すべく政府全体でその反映状況を精査中です。

  なお、文部科学省においては、事業仕分けの対象となった事業について、国民の皆様から、15万3,000件を超える御意見をいただきました。その結果等につきましては、各事業の予算額(案)とともに、現在HPに公表しておりますのでご参照下さい。

<文教関係予算のポイント>

 文教関係予算については、高校の無償化以外にも、義務教育費国庫負担金の教職員定数の増、国立大学法人運営費交付金の削減率について骨太2006のマイナス1%を見直すなど、過去30年で最高の伸び率(8.1%)となっています。

◆初等中等教育の充実

・公立高校の授業料無償化及び高等学校等就学支援金の創設

 家庭の状況にかかわらず、すべての意志ある高校生等が安心して勉学に打ち込める社会をつくるため、高校の授業料の「実質無償化」を図ることとして検討してきましたが、このたび、総理のリーダーシップのもと、関係大臣のご理解、ご協力を得て、公立高校については、「実質無償化」から「無償制」の導入へと更に踏み込んで実現することとなりました。私立高校生等については、これまでの検討案と同じく、年額118,800円の高等学校等就学支援金を代理受領方式で支給することといたしました。また、低所得世帯に対しては、支給金額を増額することといたします。

 なお、高校無償化の実施を円滑に進めていくため、文部科学省の組織についても整備が必要と考えており、高等学校無償化推進室(仮称)を設置いたします。

 また、私立高校生の入学一時金の減免補助を、本年度の補正予算で各都道府県に創設された「高校生修学支援基金」の対象事業に追加することができるよう調整しています。

・義務教育費国庫負担金

 教職員定数については、7年ぶりの純増で前年度の5倍強の4,200人の大幅な定数改善を行いました。

 義務教育費国庫負担金総額としては、人事院勧告の反映などの減額要因により、対前年度マイナス545億円の1兆5,938億円を計上しています。

・幼稚園就園奨励費補助

 子ども手当の創設を踏まえ、低所得者への給付の重点化を図る観点から、補助単価の在り方を抜本的に見直すとともに、兄弟姉妹のいる家庭の更なる負担軽減を図ることとし、対前年度2,000万円増の204億円を計上しています。

・全国的な学力調査の実施

 事業仕分けの評価結果(抽出対象の絞り込み)も踏まえ、悉皆調査から抽出率約30%程度(要求約40%)の抽出調査及び希望利用方式に変更し、対前年度マイナス24億円の33億円を計上しています。

・地域に根ざした道徳教育の推進

 「心のノート」の印刷・配付業務を取りやめWEB掲載とするとともに、事業の統合・メニュー化等により、対前年度マイナス6億円の7億円を計上しています。

・教員の資質向上

 教員養成課程の充実など、教員免許制度を抜本的に見直すこととし、教員免許更新制の効果検証等を含め、必要な調査・検討等を行うとともに、教員免許制度の見直しの方向性が示されるまでの間、大学における教員の現職教育への支援等を行うこととし、対前年度マイナス7億円の5億円を計上しています。

・外国語教育の推進

 「英語教育改革総合プラン」について事業仕分けの結果においては「廃止」となった一方で、国民からの意見募集においては、英語ノートは小学校の外国語活動を進める上で必要不可欠との意見が多く寄せられました。事業仕分けの結果や頂いた御意見を踏まえ、本事業は平成22年度限りで廃止いたしますが、英語ノートについては平成22年度において平成23年度使用分を作成・配布することとしつつ、平成22年度中にWEB利用などの意見も踏まえた見直しを図ることとし、対前年度マイナス6億円の3億円を計上しています。

・公立学校施設の耐震化等の推進

 事業仕分けの評価結果を踏まえ、予算縮減を行いつつ学校耐震化に予算をより重点化することにより、約2,200棟の耐震化を図ることとし、対前年度マイナス19億円の1,032億円を計上しています。平成22年度予算(案)執行後、耐震化率は約80%前後となる見込みです。

・学校・家庭・地域の連携協力推進事業

 学校支援地域本部の設置を1,620箇所まで展開できるようにするとともに、スクールカウンセラーの小学校配置を3,650校から10,000校へ拡充しました。また、モデル事業であった「豊かな体験活動推進事業」や「帰国・外国人児童生徒受入推進事業」などについて、地域の実情に応じた取組みを支援できるよう、統合・補助金化を行いました。併せて、他の事業については箇所数や単価の見直しを行うことにより、対前年度マイナス12億円の131億円を計上しています。

・芸術表現を通じたコミュニケーション教育の推進

 国際社会の中で、多様な価値観を持つ人々と協力、協働できる、創造性豊かな人材を輩出するためのコミュニケーション教育の推進は重要と考えています。

 このため、事業仕分けの結果を受け、概算要求に盛り込んだコミュニケーション拠点形成事業については国の事業としては実施しないこととしますが、言語活動の充実に資する効果や学力・問題行動への効果の検証等を行いながら、広くコミュニケーション教育推進のための具体的な指導法の開発などの検討を行うため、1,000万円を計上いたしました。

 コミュニケーション教育推進の検討に当たっては、「子どものための優れた舞台芸術体験事業」の中で実施する演劇・ダンス等の表現方法を用いた計画的・継続的なワークショップ等の成果や課題などを活用しながら、児童生徒の芸術表現体験を通じたコミュニケーション教育を推進します。(2億円程度)

◆大学教育の充実と教育の質保証

・国立大学法人運営費交付金

 マイナス1%の削減方針を見直しつつ、医学部入学定員増(265人)に伴う教育環境の整備充実や授業料免除枠の拡大(学部・大学院50,900人→55,100人)、地域医療のセーフティネット構築のための体制等整備、医師・看護師をサポートするコメディカルスタッフの配置、医療機器の整備充実に必要な経費を支援するなど、対前年度マイナス110億円、マイナス0.9%の1兆1,585億円を計上しています。(平成21年度第2号補正予算に計上された病院設備整備82億円を含めると、マイナス0.2%となります。)

 なお、事業仕分けの結果、特に特別経費について、その削減は大学の教育研究の衰退を招くとの心配の声が多く寄せられました。特別経費についてはプロジェクト経費の見直しなどにより要求額の一部縮減を図りつつ、事業自体は引き続き実施して参ります。

・国立大学法人等施設の整備

 耐震化及び大学附属病院の再生等という緊急性の高いものから実施することとして、対前年度62億円増の503億円を計上しています。

 これら国立大学向けの予算については、国立大学法人運営費交付金、国立大学施設整備費(高専を含む)で対前年度マイナス48億円となっておりますが、2号補正予算を含めた15ヶ月予算としては34億円増となっています。

・医師不足解消のための医師等養成と大学病院の機能強化

 事項要求としていましたが、周産期医療に関する専門的スタッフなどの人材養成機能強化、医師事務作業補助者等の雇用などによる勤務環境の改善などを行うこととして68億円を計上しています。

   このほか、平成21年度第2号補正予算において、医学部定員増に伴う教育用設備の整備及びNICU病床等の整備による周産期医療環境の整備に要する経費として、29億円を措置しています。

・大学等奨学金

 同じく事項要求としていましたが、事業費で対前年度580億円増の1兆55億円を計上し、貸与人員を対前年度3.5万人増(無利子5,000人、有利子3万人)の118万人とするとともに、無利子奨学金の進学後における採用者に対する支給開始時期を7月から4月に早期化することとしています。また、事業の健全性を確保するため、返還金の回収強化に取り組んで参ります。

 なお、後述の私立大学の授業料減免とあわせて、国私立大学約8.5万人に対する授業料減免の措置を図ることとしています。

◆多様な人材を育む私学の支援

・私立大学等経常費補助

 授業料減免事業等支援経費を20億円増額し40億円(約3万人(全学部学生の1.5%))とするとともに、医学部定員増(70人)に伴う教育環境整備などを充実することとし、対前年度4億円増の3,222億円を計上しています。

・私立高等学校等経常費助成費等補助

 私立の幼稚園から高等学校への経常費助成について、国庫補助と地方交付税措置を合わせた国の財政措置総額は、対前年度61億円増の6,491億円を計上しています。

 国庫補助と地方交付税を合計した生徒等一人当たり単価については、すべての学校種で増額しています。

 ・平成22年度予算案 生徒等一人当たり単価(国庫補助と地方交付税の合計)

  高  校 306,143円(対前年度5,200円増)

  中学校 298,872円(対前年度5,200円増)

  小学校 297,216円(対前年度5,200円増)

  幼稚園 169,387円(対前年度2,400円増)

 なお、国庫補助については、障害のある幼児が在園する私立幼稚園への支援を充実するとともに、高等学校等就学支援金のみでは対応が困難な家計急変世帯に係る都道府県による授業料減免補助への支援を引き続き実施することとしています。また、都道府県による授業料減免補助を支援するため、地方交付税措置を約30億円増の約50億円としています。

・モデル事業・委託調査費

 モデル事業については、大括り化、統合補助金化することにより、平成21年度において145件ある事業を5類型に見直し、予算額を大幅に縮減(163億円(145件)→79億円(66件)(マイナス84億円、マイナス79件))しました。

 このことにより、教員の事務負担軽減につながると考えています。

<スポーツ関係予算のポイント>

 国民に夢や感動をもたらすのみならず、社会や経済に活力を与え、国際的な理解や共感、信頼関係を醸成するスポーツ関係予算について、過去最高の227億円を確保しました。

・世界で活躍するトップレベル競技者の育成・強化

 2012年ロンドンオリンピックでの獲得メダルの増加を目指し、国際競技力の向上を図るため、競技力向上ナショナルプロジェクトとして24億円を計上しています。

<文化・芸術関係予算のポイント>

  文化芸術は国民に夢や感動をもたらします。社会や経済に活力を与えるとともに、国際社会において我が国の存在を高めるために大きな役割を果たしており、国家戦略として文化芸術を振興していくことが必要であると考えています。

 平成22年度文化・芸術関係予算については、優れた芸術文化活動への支援や地域の伝統文化の継承・活性化への支援、メディア芸術の振興など、「ハード」整備から「ソフト」「ヒューマン」への支援に重点を置くことにより、過去最高額の1,020億円(対前年度5億円増、0.5%増)を確保しました。

・優れた劇場・音楽堂からの創造発信事業

 劇場・音楽堂が中心となり、地域住民や芸術関係者等が主体となって取り組む音楽、舞踊、演劇等の舞台芸術の制作、教育普及、人材育成等への支援を全国80地域程度で実施することとし、16億円を新規計上しています。

・地域の伝統文化の確かな継承と活性化事業

 地域に伝わる伝統文化の活性化や復興等のため、各地域の主体的な取り組みへの支援を全国160ヵ所程度で実施することとし、16億円を新規計上しています。

・メディア芸術の振興

 我が国の優れたメディア芸術の一層の振興策として、「メディア芸術デジタルアーカイブ」や「メディア芸術情報拠点・コンソーシアム構築事業」など、ソフト・ヒューマンを重視した新たな施策を展開することとし、対前年度8億円増の15億円を計上しています。

 これらをはじめ、諸般の施策に重点的に取り組むことにより、今後とも文化芸術立国の実現に向け、文化予算の充実に努めていきたいと考えています。

<科学技術予算のポイント>

 文部科学省一般会計の科学技術分野の平成22年度予算案(特会への繰入れ分を含む)は1兆344億円で、前年と比較しまして、105億円の減(マイナス1.0%)となっておりますが、21年度2号補正予算案と併せた15ヶ月予算としては、135億円(1.3%)の増を確保しました。

 今回の要求に当たっては、(1)鳩山政権の重要政策に対応した、低炭素社会の実現に向けたグリーンイノベーションを目指す研究開発や、(2)成長の源泉となる基礎科学力の強化に重点化を図るとともに、事業仕分けの結果を十分に踏まえて、既存事業の見直しを行うことで、メリハリのきいた予算とすることができました。

・グリーンイノベーションを目指した研究開発

  鳩山イニシアチブを実現するための研究開発として、グリーンイノベーションを目指した研究開発として総額98億円(対前年度61億円増)を計上しています。

  具体的には、新規事業として、CO2排出量の大幅な削減が期待できる、次世代太陽電池や超電導送電などの先進的技術の研究開発として「先端的低炭素化技術開発」に25億円(新規)計上しております。 

  さらに、文部科学省として、このような環境対策や新エネルギーに関する研究開発を強力に推進するため、予算措置のみならず、研究開発局に「環境エネルギー課」を新設し、低炭素社会づくりを進めるための省内体制の強化も行うこととしております。

・成長の源泉となる基礎科学力の強化

 オバマ政権による「アメリカ史上最大規模の基礎研究投資の増加」などの海外の状況も踏まえて基礎研究の充実を図るべく、2,762億円(対前年度29億円増)を計上しています。

 具体的には、「科学研究費補助金」については2,000億円(対前年度30億円増)、「戦略的創造研究推進事業」については505億円(対前年度8億円増)を計上しております。

  なお、競争的資金については、事業仕分けの結果(予算縮減)を踏まえ、複数ある事業の整理・統合・一元化を順次進めていく一方で、基盤的な基礎研究の根幹を支える科学研究費補助金及び戦略的創造推進事業については、要求額の満額を確保した形となっております。

・革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラの構築

 さらに、こうした基礎研究を支える研究基盤としての次世代スーパーコンピューターの開発については、事業仕分けの結果や頂いた御意見を踏まえ、10ペタFLOPS級の達成時期を「平成23年11月」から「平成24年6月まで」に変更することにより、開発加速のために計上していた経費を縮減するとともに、多様なユーザーニーズに応える革新的な計算環境を実現する計画に変更いたしました。

 具体的には、世界最先端・最高性能を目指した次世代スーパーコンピュータを開発・整備するとともに、次世代スパコンと自立分散する国内のスパコンをネットワークで結び協調的に利用する「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)」を構築します。

 このような見直しにより、要求額から40億円減額した上で、前年予算額からは37億円増の228億円の予算を確保しております。

・最先端研究開発戦略的強化費補助金の創設

 また、21年度1次補正予算の「先端研究助成基金」の一部執行停止に関し、22年度予算案として支出が認められた資金を活用して、新たに「最先端研究開発戦略的強化費補助金(仮称)」(400億円)を創設し、最先端研究開発支援プログラムで支援される研究開発課題を加速・強化させるとともに、わが国を支える若手・女性研究者等に対する支援を強化することとしております。

・将来を支える科学技術人材の育成・確保

 このほか、将来を支える若手研究者の支援に資する施策として、優秀な博士課程学生への経済的支援として、「特別研究員事業(DC)」に、136人増の4,736人を支援できる予算を計上しております。これは、要求額から3億円減額した上で、前年予算額からは3億円増の114億円の予算規模となっております。

・地域科学技術の振興

 地域科学技術の振興については、事業仕分けの結果「廃止」とされ、自治体関係者等から事業の継続性を心配する声が多く寄せられておりました。

  これについては、事業仕分けにおける指摘を踏まえ、複数の事業について整理・合理化したうえで再構築を進め、段階的な縮減を行っていくこととしている一方で、これまでに蓄積した地域の芽を着実に伸ばす観点から、自治体の現場に混乱をもたらさないよう、継続事業を着実に推進するために必要な予算を確保しております。予算規模としては、地域科学技術振興・産学官連携全体として要求額からは52億円減、前年予算額からは65億円減の217億円の予算規模となっております。また、このうち、「地域イノベーションクラスタープログラム」については、要求額からは10億円減、前年予算額からでは15億円減の121億円となっております。

  このほか、科学技術外交に資する事業、iPS細胞研究等の健康長寿社会の実現に向けた研究、宇宙、原子力、海洋分野等の大型国家プロジェクトの推進に必要な予算を計上しております。

  今後とも、いただいた貴重な御意見等も踏まえつつ、国民の皆さまの理解と賛同を得ながら、諸般の施策に重点的に取り組むことにより、科学技術政策を一層強力に進めてまいりたいと考えています。

お問合せ先

大臣官房会計課

-- 登録:平成22年01月 --