スポーツ基本法案提案理由説明

 ただいま議題となりましたスポーツ基本法案につきまして、提出者を代表して、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 スポーツは、世界共通の人類の文化であります。心身ともに健やかな人間を育て、人々に大きな感動や楽しみをもたらし、また、明るく豊かで活力に満ちた社会を形成するとともに、国際的な交流や貢献を果たす上で欠かすことのできないものであります。
 さて、スポーツ振興法の制定から五十年が経ち、スポーツを取り巻く環境や国民のスポーツに対する認識が大きく変化する中で、時代にふさわしい法を整備することは、我々国会議員はもとより、多くのスポーツ関係者にとっても急務の課題となっておりました。
 このような状況の下、ここに各会派の御賛同を得て、本スポーツ基本法案を提出できる運びとなりましたのは、超党派のスポーツ議員連盟において論議を重ねてこられた方々や民間のアドバイザリーボードの皆さん、多くのスポーツ関係の皆さん、法案の提出者及び賛成者に名前を連ねていただいた諸先生方、参議院のとりまとめに奔走いただいた橋本聖子先生、谷亮子先生、松下新平先生、友近聡朗先生など諸先生方の御尽力の賜であると衷心より御礼を申し上げる次第であります。
 本案の主な内容は次の通りであります。
 本案は、スポーツに関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって国民の心身の健全な発達、明るく豊かな国民生活の形成、活力ある社会の実現及び国際社会の調和ある発展に寄与するため、スポーツに関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務並びにスポーツ団体の努力等を明らかにするとともに、スポーツに関する施策の基本となる事項を定めようとするものであり、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、前文において、スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは全ての人々の権利であることや、スポーツに係る多様な主体の連携と協働による「好循環」の創出など、スポーツの意義、効果等について明記するとともに、スポーツ立国の実現を目指し、国家戦略としてスポーツに関する施策を総合的かつ計画的に推進することを明らかにしております。
 第二に、総則において、スポーツに関し、基本理念を定め、国及び地方公共団体の責務並びにスポーツ団体の努力等を明らかにするとともに、スポーツに関する施策の基本となる事項を定めることとしております。
 第三に、国は、スポーツ基本計画を定めなければならないこととし、地方公共団体は、地方スポーツ推進計画を定めるよう努めるものとしております。
 第四に、基本的施策として、指導者の養成等の基礎的条件の整備、地域スポーツ振興のための支援等の環境整備、優秀なスポーツ選手の育成等の競技水準の向上並びに国際的競技大会等の招致及び開催の促進等に必要な施策を講ずることとしております。
 第五に、政府は、スポーツに関する施策の総合的、一体的かつ効果的な推進を図るため、スポーツ推進会議を設け、また、市町村の教育委員会は、スポーツ推進委員を委嘱すること等について定めております。また、国は、地方公共団体に対し、予算の範囲内において、政令で定める経費について、その一部を補助することとしております。
 なお、附則において、政府は、スポーツに関する施策を総合的に推進するため、スポーツ庁及びスポーツに関する審議会等の設置等行政組織の在り方について、行政改革の基本方針との整合性に配慮して検討を加え、必要な措置を講ずることとしております。
 以上が、本法案を提出いたしました理由及びその内容の概要であります。
 最後になりますが、このたびの東日本大震災において多くの方々が被災されております。その中にあって、世界で活躍する選手が支援を呼びかけたり、実際に被災地に赴いて支援を行ったりするなど、スポーツを通じた活動が被災者に生きる勇気と喜びを与え、我が国が明るさと元気を取り戻すきっかけの一つになっています。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

お問合せ先

スポーツ・青少年局スポーツ・青少年企画課

(スポーツ・青少年局スポーツ・青少年企画課)

-- 登録:平成23年06月 --