学校における体育活動中の事故防止について(報告書)

学校における安全を確保することは、教育活動を行う上で最重要事項であり、これまでも各学校では、各種の安全管理に努めてきたところであると考える。

学校管理下における事故件数は、独立行政法人日本スポーツ振興センター(以下「スポーツ振興センター」という。)の災害共済給付によると、給付件数が増加傾向にあるが、これは、これまで安全管理の意識向上から医療機関への受診が増えたことなどが背景にあることも考えられ、軽傷と言われる事故を含めると、一概に多い・少ないの整理は困難と言わざるを得ない。

このような中で、死亡事故や重度の障害の実態については、同給付件数は減少にあることから、これまでの学校における安全対策が着実に効果を得ているものと考えるが、死亡事故や重度の障害事故は限りなくゼロとしなければならないものである。

事故は、その原因を捉えた場合、様々な状況の下で発生しているが、児童生徒が体を動かす活動である体育活動は、事故件数からも安全対策の徹底が必要である。体育活動としては、体育の授業と運動部活動が主なものとして挙げられることから、ここに着目して考えることとした。

今回、本調査研究協力者会議(以下「協力者会議」という。)においては、体育活動中の事故の状況として、スポーツ振興センターが実施している災害共済給付の実績をもって傾向を把握することとし、その中でも、主に死亡事故と重度の事故(障害1級~3級程度)の事例等を主として分析し、体育の授業及び運動部活動を中心として、学校における基本的な安全対策について検討し、ここに報告をまとめたところである。

安全指導に関しては、体育の授業における領域や運動部活動における競技において、領域や競技種目の特性などから事故の状況が異なることから、それぞれで整理することとし、特に柔道については個別に取り上げることとしたところである。

昨年6月24日にスポーツ基本法が公布され、8月24日に施行されたが、その中では、「安全かつ公正な環境の下で日常的にスポーツに親しみ、スポーツを楽しみ、又はスポーツを支える活動に参画することができる機会を確保されなければならない」と示されており、安全な環境の下でスポーツを行う必要があると定められている。

各学校においては、本報告書に示す安全対策を、現在行っている安全対策の再点検を行うきっかけとして活用していただくとともに、今後の我が国の学校の体育活動中における安全対策の充実に繋げていただければ幸いである。

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スポーツ・青少年局参事官(体育・青少年スポーツ担当)

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(スポーツ・青少年局参事官(体育・青少年スポーツ担当))

-- 登録:平成24年07月 --