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American Library Association (ALA:米国図書館協会)

1   住所等
Headquarters (本部)
  50 East Huron Street, Chicago, IL 60611-2795, U.S.A.
  Tel:312-944-6780   Fax:312-440-9374
  E-mail:ala@ala.org
  URL:http://www.ala.org/
  Washington Office &  ALA Office for Information Technology Policy
     1301 Pennsylvania Avenue, NW Suite 403,
  Washington, D.C. 20004-1701, U.S.A.

  Tel:202-628-8410   Fax:202-628-8419

2   調査日時
  平成14年8月9日(金曜日)13時~14時30分

3   対応者
  Emily Sheketoff氏(Executive Director, Washington Office
  Mary Rae Costabile氏(Associate Director, Washington Office

4   概要
(1)   設立の経緯、目的等
  ALA(American Library Association:米国図書館協会)は、1876年に設立された、世界で最も古くかつ最大規模の全国的な図書館の協会である。NPOとしての501C3(税金のカテゴリー)を獲得している。
  本部はシカゴにあり、50年前にワシントン・オフィスが設置された。ワシントン・オフィスは連邦政府や議会などとの折衝や他の業界団体と協力した活動を担当しており、技術部門もある。
  目的は、図書館・情報サービスの発展、促進及び改善、並びに司書職という専門職のためのリーダーシップを提供することにより、学識を高め、すべてに対する情報アクセスを保障することである。知的な自由、多様性、多言語を重んじており、身体的なハンディキャップをもった人も健常者と同じように情報アクセスができることが大切であると考えている。
  ALAは、州立図書館、公立図書館、学校図書館及び大学図書館のほか、政府、商工業、学芸、軍隊、病院、刑務所その他の施設に置かれる特別図書館といったあらゆる種類の図書館を網羅する、いわば「図書館の傘」である。また、米国、カナダその他の国の70を超える図書館の協会と緊密な関係を持つと同時に、教育、調査研究、文化振興、娯楽及び公共サービスに関心を有する他の多くの団体と密接に協働している。

(2)   活動内容
  概観
  活動の主軸は、1多様性、2教育と生涯学習、3平等なアクセス権、4知的活動の自由、521世紀のリテラシー育成の5つであるが、それぞれの内容は次のとおりである。
1   多様性
  「多様性」はALAとその会員の基本的な価値であり、これは非白人や身体障害者の専門職への採用、図書資料収集・利用者へのサービスの推進・充実という公約に反映されている。
2   教育と生涯学習
  ALAは、すべての図書館職員に職業訓練や教育の機会を提供している。また、あらゆる種類の図書館・情報サービスを通して、すべての人々のための継続的かつ生涯にわたる学習を促進している。
3   平等なアクセス権
  ALAは、図書館を最も民主的な施設として支援するための基金(funding)や施策を主唱して、年齢、収入、地域、民族、身体的な能力を問わず、すべての人々にサービスを提供するとともに、生活し、学び、管理し、働くために必要なすべての情報素材を提供する。
4   知的活動の自由
  知的活動の自由は、民主主義社会における基本的な権利であり、図書館職の中核的な価値である。ALAは、修正第1条により保障されているように、読書をしたり、情報検索したり、自由に話をするという図書館利用者の権利を積極的に保護する。
5   21世紀のリテラシー育成
  情報素材を検索し、効果的に利用する能力は地球規模の情報社会の中で重要なものであるとの理解の下、ALAは、子どもや大人が自ら必要とする技術-本を読み、コンピュータを使う能力-を発展させるのを図書館が手助けすることを援助し、促進させる。(資料編78~83ページ参照)

  ALAは、1月と6月の年2回会議を開催する。1月の会議では15,000人、6月の会議では26,000人ほど参加する。また、IFLA(International Federation of Library Associations and Institutions)という国際会議も年1回開催されており、今年はスコットランドで、昨年はボストンで開催された。

  インターネットに関する取組
1   図書館の役割とインターネットの普及状況
  全国の公立図書館は、どの地域の図書館であろうと、利用者に対して富裕層・貧困層の別、都市圏・地方の別に関係なく同じ情報を提供できるようにしなければならない。
  米国においては過去100年間、図書館は教育機関として情報や訓練などの活動を地域に提供してきた。100年前は、本が高価であったため、図書館は本を借りる場所であり、また、読み書きを習う場所でもあった。
  現在では、英語を学習できる場所、読み書きを習う場所、市民権を得るための学習をする場所であり、また、銀行口座の開設の仕方を調べる場所でもある(例えば、つい先月、不動産の購入に関する講座を開設したばかりである。節約の方法、用紙の記入の仕方、不動産の評価等について教えて、ホームオーナーを増やすことに貢献しようと考えている。)。
  1994年当時、インターネットにアクセス可能だった公立図書館は全国で40パーセント以下であったが、2000年には99パーセント以上の図書館において無料でインターネット・アクセスを提供するようになっている(インターネット・アクセスが提供できない図書館は、資金がないから提供できないのではなく、電話回線が敷設されていないためである。)。

2   図書館への技術導入
  図書館は、情報を図書館利用者に提供するために技術が大きな役割を果たすであろうことを早い段階で認識していた。そこで、図書館では早期に技術を導入し、パソコン、データベース、ソフト等を購入して、図書館利用者がパソコンの使い方、データベースの利用法、情報の検索等について学習できるようにした。技術の導入には資金が必要であるが、これには連邦政府の援助と地域の寄附が役立った。

3   ユニバーサル・サービス・ファンドと通信法
  1930年代は、地方では電話料金が非常に高かった。そこで、電話会社の資金提供により「ユニバーサル・サービス・ファンド」が創設され、誰もが安価に電話を利用できるようになった。
  1996年の通信法(Telecommunications Act of 1996)は通信業界の規制緩和を促進するものであった。この法律は、「ユニバーサル・サービス・ファンド」の資金を公立学校、図書館、過疎地の医療施設等のインターネット利用上の電話料金割引(E-rate)に充てることを可能にした(年間25億米ドルがこのために使用される。)。また、富裕層・貧困層の別なくインターネットにアクセスができるように、地域の貧困度によって割引料金が定められている。この法律は、教育団体やPTAといった、インターネットが今後重要な役割を果たすことを認識する団体の活動によって成立するに至ったのである。
  こうしたプログラムが実施される以前は、電話もないほど貧しく、小さい図書館が存在したが、現在では、アラスカ、ノースダコタのような人口密度が低い地域にも高速インターネットなどのサービスが普及している。

4   児童インターネット保護法(CIPA)への対応
  上記3のプログラムが実施されてから4年が経過しているが、大半の地域はこのプログラムに依存するようになっている。そのため、2000年、議会がこのプログラムへの参加を続けるのであればフィルタリングを採用しなければならないとする法律(児童インターネット保護法:CIPA:Children's Internet Protection Act)を制定したときは、多くの図書館はジレンマに陥った。つまり、プログラムに参加しなければサービスが提供できないし、参加すれば検閲(censor)を経たコンテンツしか提供できないこととなり、貧困層と富裕層と間の情報格差が生じるというわけである。
  図書館と司書は、情報を提供することを使命としてきており、これが活動の核であるため、この法律は、図書館と司書の立場を非常に苦しいものにした。
  そこで、ALAは、この法律の廃止を求めて連邦政府に対して訴訟を提起することとした。ALAの管轄は公立図書館にとどまり、公立学校や学校図書館には及ばないことから、公立図書館の代表という形で訴訟を提起したのである。最高裁判所は、「子どもを保護できる技術は存在しない。フィルタリング・ソフトが全ての有害情報を排除するのは不可能である。それよりも有益な情報を排除してしまう可能性が高い。」というALAの主張を全面的に支持し、ALAは勝訴した。したがって、連邦政府はこの法律を施行することができなくなったのである。

5   図書館における取組
  ALAは図書館や司書に対して命令するのではなく、情報を提供したり、アドバイスをする立場にある。フィルタリングよりもより良いリソース、役に立つサイトを紹介したいと考えている。
  ALAでは、例えば、ウェブ上で"The Librarian's Guide To Cyberspace for Parents & Kids"というページを設けて、子どもに適切なサイトの選択に当たって保護者が留意すべき事項、インターネット利用に関して保護者が知っておくべき事項、インターネット上で子どもの安全を確保するためのルール、Q&Aサービスを提供したり、推薦サイトのリスト("50+ Great Sites for Parents and Kids"、"700+ Great Sites")について情報提供を行っている。(資料編88~92ページ参照)
  インターネットは、教育と教育関連商品を消費者に届ける役割も果たしていることから、司書は、子どもに対して有用なサイトの紹介も行い、多くの図書館では教育的なサイトのリストも作成している。しかし、100のリソースリストを作成しても半年の間に6~8サイトが休眠してしまう場合があるので、一般的には印刷物ではなくオンラインで提供している。なお、図書館では、利用者がインターネットを利用する場合、それをモニターすることはしない。また、個人のプライバシーを侵害するようなこともしない。しかし、他の利用者が気分を害するようなものを見ている場合には注意をし、子どもが不適切なものを見ているような場合には、司書がアドバイスをする。
  また、子どもは図書館に本やパソコンがあっても、まず大人に相談する場合が多いので、司書は子どもに質の高いサイトを教えるなど、子どもを教育する機会に恵まれている(子どもに図書館に来てもらうために、例えばメジャー・リーガーを利用するなど様々な工夫をしている。)。
  ちなみに、米国では司書になるためには4年間大学で学んだ後、さらに4年間図書館学を学ぶことが必要となる。ここでは、リサーチ・スキル(出版物におけるスキルがインターネットにも有効となる。)や情報の質に関する判断について学習するとともに、人に教える訓練も受ける。(資料編93~100ページ参照)

  "The Librarian's Guide To Cyberspace for Parents & Kids"の主な内容
セレクション(Selection)
  子どもに適切なサイトの選択に当たって、ALAが提示したいくつかのガイドラインを紹介している。その内容は、次のとおり。
  ウェブサイトの目的及びコンテンツが明確であり、出典が明確に確認されており、また、連絡先に関する情報が記載されている。
  コンテンツが探究や思考を促進するものであり、また、年齢に応じ、子どもに訴えかけるものである。
  サイトがアクセスしやすいものである。速くロードでき、核心的な情報がまず画面上に表示される。情報が正確で定期的に更新されるものである。
  ウェブの可能性を利用するサイトであり、出版物以上のことができるものである。また、ユニークで珍しいものを与えるものである。
  また、保護者は、人種的、性的その他の先入観を踏まえて、子どもに不適当なウェブサイトを吟味すべきであるとも促している。
保護者が知っておくべきこと(What Parents Should Know
  インターネット利用に関し、保護者が知っておくべきことについて、概ね次のように述べている。
  保護者は、インターネットについて、及びそれが楽しさや教養を与える機会となることについて、自ら学ぶことが重要である。
  子どもと一緒にインターネットに時間を費やすことは、インターネットについて学ぶ最も適切な方法であり、同時に、責任感、望ましい行動及び保護者が重要であると思っている価値について子どもに教える最も適切な方法でもある。
  インターネット上でどのような行動を取るべきかを子どもに教えることも重要である。
  学校やコミュニティ・センターでは、インターネットに関することやそれが子どもに何を与えるのかについての保護者向けの特別口座を開設しており、このような機会を利用することをお薦めする。
安全のためのヒント(Safety Tips)
  インターネット上の子どもの安全性を確保する最も適切な方法として、次のようなルールを提示している。
  インターネット上で氏名、住所、電話番号、学校名を使おうとするときには、いつも保護者の許可を得ましょう。
  インターネット上でびっくりするような物や理解できないものを見たときは、保護者又は信頼できる大人にいつも話しましょう。
  不快に思ったり不安に思うようなメッセージには、返事を出してはいけません。
  インターネット上では、クレジットカードの番号や暗証番号を明らかにしてはいけません。
  インターネット上で知り合った人に一人で会う約束をしてはいけません。そのときは、保護者や一緒に同行してくれる大人とよく話し合いましょう。
  また、次のように注意喚起している。
  子どもには、見たり聞いたりしたもののすべてが必ずしも真実ではないということを教える。
  圧倒的大多数のインターネット上のサイトは完全に安全である。しかし、現実世界と同様、視覚的世界においても性的、暴力的その他子どもには不適切なサイトが存在する。
  保護者は、フィルターは完全ではないことを理解する必要がある。子どもに見せたくないものすべてを遮断することができるわけではなく、また有用な情報までも遮断してしまう可能性がある。たとえフィルターが100パーセント効果的であるとしても、親が行う指導の替わりにはならない。
  自宅や図書館で子どもがインターネットを使うときには保護者が監督することを強く勧める。コンピュータを台所や家族の部屋、居間に置けば、子どもが使っているところを見ていることができる。子どもには、一人でネット・サーフィングをすることを許すべきではない。

(3)   フィルタリングに対する見解
  CIPAに係る訴訟に関して、ALAは、有害情報から子どもを守ることに対峙するので、子どもを犠牲にしているという批判も受けた。しかし、この批判は間違っているとALAは主張する。その主張は、次のとおりである。
  フィルタリングは子どもを守るよりも危険性を高めると考えている。つまり、保護者に間違った安心感を与え、子どもに対する監督を怠らせるおそれがある。政府の専門家もALAの意見に同意してくれたように、フィルタリング・ソフトが全ての有害情報を排除するのは不可能であり、子どもを保護できる技術は存在しない。それよりも有益な情報を排除してしまう可能性が高いのである。
  インターネットは、そもそも、科学者がお互いに自由に情報を交換するために開発されたものである。フィルタリングや検閲が義務付けられれば、インターネットの中核的特長である素晴らしい知的で科学的な意見交換が不可能となる。これは米国の教育の発展を妨げることとなる。
  また、インターネットは科学、健康、異文化等の情報を得るためのツールとして奨励されてきた。家庭でも健康関連の情報を収集するために使用されるようになっている。仮にインターネットが検閲されるようになると多くの健康関連の情報が排除されてしまう。結果的に裕福な家庭だけがそれらの情報にアクセスできることとなり、富裕層か貧困層かにより情報格差が生じることとなる。
  したがって、大切なのは、子どもにインターネット上の情報の評価(良い情報か、確証されている情報か、ごみのような情報か)について教育することである。書籍であれば出版社が内容について責任をとるが、インターネットは個人で情報の品質を判断できなければならない。
  このような有害情報から子どもを守りたいのであれば、フィルタリングのような技術に依存するのではなく、自分で有害情報から守れるように子どもを教育するべきである。また、著作権の保護などについての理解も必要である。憲法修正第一条(表現の自由)についても理解させておく必要がある。
  なお、幼児ポルノがネット上で流通しているのを図書館で認知した場合、米国では幼児ポルノは違法であるので、司書は警察を呼び、捜査機関の手に委ねることとなる。
  子どもが溺れるのを防ぐためにプールの周りに柵をめぐらすのではなく、子どもに泳ぎ方を教えることが重要なのである。

(4)   関係機関等との連携
  ALAは、米連邦通信委員会(FCC:Federal Communications Commission)、米教育省(DOE:Department of Education)や議会と緊密な連携を図っている。
  また、他のNPOやNGOとも良い関係を築いており、例えば、活動資金や人材が不足する場合には、財団等から援助を受けている。もちろん、時には意見が対立することもある(例えば、フィルタリングについては、AOLや出版社と意見が対立した。)。

(5)   組織基盤等
  組織構成
  評議会(Council)
  ALAの理事会である。最大で100名の選出された委員から構成される。支部(chapters)から53名、テーマ別部門(division)から11名、円卓会議から6名、及び12名の執行委員会委員からなる。
  執行委員会(Executive Board
  ALAの中央運営委員会である。選出された役員、前会長及び評議会委員の中から評議会により選出された8名からなる。
  ALA委員会(ALA committees
  会長から任命される。図書館とALAのすべての関心事項に影響を及ぼす分野を所掌する。人数は年毎に変動する。
  テーマ別部門(division
  11のテーマ別部門があり、それぞれ特に挙げられた関心分野を所掌する。それぞれ理事会があり、また、各部門の目的を達成することを任務とする委員会とセクションがある。ALAには3つの青少年部門(学校図書館司書、児童図書館司書、青少年図書館司書)があり、青少年の読書量を増やすために情報交換をしている。
  円卓会議(round tables
  17の円卓会議がある。それぞれ理事会があり、テーマ別部門(division)の所掌範囲以外で、司書の地位に関する同じ分野に関心を持つ会員から構成される。
  支部(chapters
  57の支部がある。自治的な単位組織で、それぞれに独自の選挙機構を持っている。地域内の図書館サービスや司書の地位の促進を所掌する。
  提携団体(affiliated organization
  25の提携団体がある。自治的な国内又は国際的な団体であり、ALAの目的と類似した目的を持ち、提携の要望を持っているものである。

  会員
  ALAには、2001年11月30日現在、5,138の団体会員、261の法人会員、58,292の個人会員、合計63,691の会員がいる。会員のほとんどは司書であるが、そのほか、図書館、出版社、行商人その他の図書館関係者が含まれる(図書館は約5,000)。

  財政基盤
  財源は、一般的には法人からの寄附で、会員からの会費収入は一部に留まっている。また、事業に応じて、政府からの補助金あるいは財団からの援助を得ている。

(6)   今後の課題・展望
  インターネットに関する教育について
  あまり効果のない技術(フィルタリング)に投資するのではなく、インターネットを安全に賢く利用できるような教育に資金を投入するべきであり、できれば、教員が子どもにインターネット上で提供される情報の質について教えることが望ましいとALAは考えている。
  しかし、現在は、教員より子どものほうがインターネットに詳しいのが実情で、多くの教員は学習段階にある。特に富裕層が居住する地域で専門の司書がいる学校図書館とそうでない学校図書館では大きな差が出ているとのことである。

  NPO等との連携について
  インターネットに対する連邦政府の政策は不完全であり、そのため、やはり子どもや保護者を教育することが必要であるとALAは考えている。しかし、教育機関では手が届かない地域があるので、この点においてNPOの活動は重要であり、FTCのようにNGOやNPOと連携・協力して対策を立てるべきであると主張する。
  ワシントン・オフィスの役割が重要になったのは、NPOやNGOが多く、お互いに協力し合う必要があったからであるとのことである。

5   コメント
【重松 】あらゆる種類の図書館を網羅する、世界にも類を見ない規模の図書館団体である。本部はシカゴにあり、訪問したのはロビー活動が中心のワシントン・オフィスであった。議会、官庁に近いところにオフィスがあり、「NPO」というには、我が国のそれとの違いをまざまざと感じた。図書館や司書の社会的地位は、我が国と米国では大きく異なっていると思われ、我が国では、基本的に「図書の貸し出し」が中心であるが、米国では、コミュニティーセンターあるいは情報発信センターとして明確に位置付けられている。それがゆえに、すべての情報にアクセスすることを保障するため、インターネットのフィルタリングには否定的である。保護者や子どもたちにコンピュータやインターネットの使い方などに関する情報提供を行うことに重きを置き、司書に対する必要な訓練を行い、司書が図書館において保護者や子どもに情報提供等を行っている。しかし、このような取組はどちらかと言えば受動的なもの(つまり、保護者や子どもたちが図書館を訪れて初めて成立するもの)であり、より積極的に地域社会へ入っていって情報提供等を行うといった能動的な取組は十分ではないように思われた。また、フィルタリングを否定し、教育の必要性を強調しているが、双方を車の両輪のように組み合わせることにより、一層有効な対策となるのではないかと感じた。教育の必要性は誰もが認めるところであろうが、フィルタリングは、完全に有害情報をブロックすることはできないにしろ、まったく効果がないわけではなく、また、ALAは「情報格差」を生ずることをフィルタリングの弊害として挙げているが、その格差の程度は、一般的にはそれほど大きなものとは考えられないことから、フィルタリングを完全に否定する立場には若干の疑問を感じた。

6   参照資料等
  ALAウェブサイト(http://www.ala.org/
  "Bookmark These ALA Web Sites !"
  "School program helps bridge digital divide"
  LIBRARIES - Linking People to the World of Information
  Principles for the Networked World