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優秀実践校一覧及びその活動内容(平成13年度)-2

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都道府県名 学校名 取組の概要
愛知県 春日井市立鳥居松小学校
(1) 本校の実践の特色
      本校には、主に高学年が利用する「なるほど広場」、低学年中心の「おはなし広場」、紙芝居や読み聞かせ等に利用する「わくわく広場」の3つの図書室があり、さまざまな読書活動の軸となっている。またそれらの活動は、図書委員会の児童を中心に進められている。
   1 年間を通しての読書指導
         毎週金曜日を朝読書の日とし、全校一斉に読書に取り組んでいる。また、「図書館だより」の月1回の発行、読書目標の設定、多読者の表彰などを通して、読書活動を推進している。
   2 読書週間の取り組み
         各学期ごとに読書週間を設けている。教師及び地域の方々による読み聞かせ、読書郵便の交換、先生のすすめる本の展示、しおりのプレゼント等さまざまな行事を計画し、また、読書郵便コンクール、感想画コンクールへも参加している。
   3 図書館のコンピュータ化
         本校は、平成3年度に図書のデータの入力を始め、8年度から市販の図書検索ソフトを導入し、コンピュータによる図書管理、貸出手続き、検索を開始した。13年度からは、春日井市独自のソフトに変更し、将来的には市内の小中学校及び市立図書館とコンピュータでつながる予定である。
   4 学習センターとしての図書館
         図書館を単なる本を借りる所ではなく、学習センターとしての機能をもたせ、学習に役立つ魅力ある学校図書館づくりに努めている。
   特に、調べ学習が効果的に進められるために、図書だけでなく各国、県市町村のパンフレット等の資料の整備に努めている。
        
(2) 家庭との連携・地域との連携
   1 家庭との連携
         図書委員会が発行する「図書館だより」で図書館の活動を家庭に知らせている。また、長休業中には、親子読書をすすめ、記録を冊子にまとめている。
   2 わくわく絵本の会
         在校児童及び卒業生の母親の有志の方々による読み聞かせのサークルである。わくわく広場での全校児童を対象とした読み聞かせ、朝読書の折の各教室での読み聞かせを実施し、どの児童も毎回大変楽しみにしている。
愛知県 豊川市立東部小学校
(1) 本校の実践の特色
      「本読んで心豊かな東部っ子」校門を入ると、体育館の壁に大きく掲げられたこの文字が、真っ先に目に飛び込んできます。また、げた箱の上には、「本読むとちょっぴりどきどきたのしいな」、階段には「読み聞かせみんなの笑顔すてきだな」等々、大きなパネルが掲げられています。これらは、平成8年「読書活動を核にした総合学習の展開」をテーマに研究発表をした時作られたものです。
   その後も、読書活動を中心に、本校は下記の実践を継続しています。
   1 全校読書タイム(火~土)
      8:30~8:40
      *火・木曜日は教師による読み聞かせ
      *水・金・土は自由読書
   2 図書委員会の活動
      *図書の貸し出し(2年生以上)
      始業前
      月~土曜日の20分放課
      昼放課
      *平成12年度図書貸し出し冊数3,463冊(児童一人あたり11冊)
   3 読書週間(読書旬間)
      *講師による読み聞かせ、講演会
      *親子読書、家庭での20分読書
   4 学年10冊の推薦図書の選定と活用
   5 学校図書館の充実
      ・おはなしのくに中高学年向き
      ・えほんのくに低学年向き絵本・ちしきのくに事典・年鑑
        
(2)    家庭との連携、地域との連携
      PTAによる「お話ひろば」
         毎月1回、PTAの委員が4~5名来校して、「えほんのくに」で低学年を相手に読み聞かせをしています。委員の一人は次のような感想を書いています。
   「1,2年生がたくさん聞きにきてくれた。とても真剣に聞いてくれたので、楽しく読み聞かせをすることができた。お話ひろばはこれからも、ずっと続けていってほしい。」また、読み聞かせの後、PTAの方が市の中央図書館へ本を100冊程度借りに行き1~2年生の書架へ入れています。
愛知県 椙山女学園高等学校・中学校
(1) 本校の実践の特色
   1    中学・高校ともに年2回HRの時間(本年度からは一部総合学習)を利用してHR読書会を実施。50冊揃った集団読書テキスト213点の中から、クラス希望図書を選び、図書委員が中心となって、予備調査カードや資料を作成し、当日の運営の充実を図る。
   2    中学・高校ともに年2回の読書感想文コンクール、年1回の読書感想画コンクールを実施し、クラス全員で参加し、校内審査の結果優秀なものは、全校放送で朗読し、作品集も全校生徒に配布する。校外の各種コンクールにも積極的に参加し、毎年優秀な成果を収めている。
   3    生徒が良書に親しむために中学・高校ともに「椙山中学(高校)100冊の本」を選定し、各3冊揃え利用を勧めてきた。古典的名作中心の選定であったが、昨年度から、新しい社会的視野の広がりのある、生徒の実態にふさわしいものに大幅に改定し、利用状況も良好である。
   4    各種行事に際して関連教科、行事係と連絡を密にし、推薦図書・参考図書を別置したりして、事前学習推進に寄与している。
   5    インターネット接続可能な検索端末6台を利用して、館内資料とインターネットの両方から必要な情報を探し出す力をつけるために、高校1年生全員を対象にして、メディア・オリエンテーション「知の探検家を目指して」を実施した。さまざまな教科の調べ学習がより効果的に能率的に充実したものとなるような支援の第一歩である。
        
(2) 家庭との連携、地域との連携
      平成14年度から本校生徒の保護者に図書館資料を開放する運びとなった。蔵書を広く活用させ、同じ本を読んで親子の対話が進んだり、PTA活動の中に読書活動を取り入れ、互いの教養・交流を深めたりすることができれば幸いである。さらに、保護者がボランティアで図書館運営に関わるような開かれた図書館を目指したい。
三重県 河芸町立上野小学校
(1) 本校の実践の特色
   1 図書委員の活動
         6月の梅雨の時期に低学年の児童を対象に昼休みや業間に教室に出向き、紙芝居をしている。また、図書委員が給食後の休憩の時間に図書館で読み聞かせをしている。辞典の使い方を学習するため、4年生を中心に辞書引き大会を開いている。年度末には、1年を通じてたくさん本を読んだ児童に各学年5名ほど多読書賞を渡している。秋の読書週間には、10日間ほど読書キャンペーンを行い図書委員手製のしおりを渡している。
   2 いろいろなコンクールに応募
         東海地区郵便コンテストに全校の2/3以上の児童が取り組んでいる。他に読書感想文や読書感想画などに応募している。
   3 図書集会
         新刊を児童集会で発表したり、図書館コーナー掲示板には、本の内容を絵と文で簡単に書き紹介している。また、図書館のきまりや本の借り方等を、劇によってわかりやすくしたり、クイズで興味を持たせたりして図書館の利用を呼びかけている。
   4 図書の係から
         所在地課題図書を全校児童に読んでもらう為に、夏休みに各クラス二冊ずつ回覧をしている。
   また、毎月、図書館だよりを発行して、図書館の利用を呼びかけている。
        
(2) 町の図書館やPTAとの連携
      三年生の見学体験学習で全員の町立図書館利用者カードを作る。学校の集団利用カードで、一回に100冊借りることができるので、学年で借りている。
      町の図書館のホールを借りて郵便コンテスト等の優秀作品を展示している。
      町図書館の情報と学校図書館の情報を、お互い図書館だよりにのせて交換している。
      一・ニ年生を対象にPTAに定期的に図書館に来ていただき、読み聞かせをしてもらっている。
      夏休みに図書の整理のお手伝いをPTAにお願いして、来てもらっている。
三重県 四日市市立三重小学校
(1) 本校の実践の特色
      本校は、開かれた学校づくりの具体的な取組として、『保護者ボランティアのいる学校図書館』を始めた。
   1 明るく親しみのある図書館に変貌
         書架の整理や清掃のみならず、トールペイントの飾りや造花、絵本に登場するぬいぐるみを置いて明るくしたり、子どもたちが本に出会いやすいよう、元大工のおじいちゃんに本棚等の改造をしていただいた。
   2 ボランティアさんとの触れ合い
         休み時間には子どもたちから「読み聞かせ」をおねだりしたり、時には、「詩の体現」を演じていただいている。読書の時間には本探しのお手伝いや、調べ学習では子どもたちに助言していただくこともある。
   3 「朝の10分間読書」との響き合い
         「朝の10分間読書」のために、学級文庫を充実させたいと、ボランティアさんのアイデアで、リサイクルの本(「ともだち文庫」と命名する。)を各学級へ定期的に巡回させている。
        
(2) 家庭との連携、地域との連携
      保護者等が日常的に出入りする学校と、この取組の波及効果から、保護者や地域社会との響き合いのある連携ができるようになった。また、大人の存在が不審者等の侵入を未然に防ぐ効果があるようで、学校の安全確保にも役立っている。
三重県 三重県立四日市四郷高等学校
(1) 本校の実践の特色
      「1日の初めを静かに読書することから始め、読書の楽しみを知る機会とする」を目的として、平成10年度から朝の10分間読書をスタートし、今年度で4年目になります。
   1    毎朝SHR前の10分間(8時40~50分)、HR担任と全校生徒が各自の好きな本を読んでいます。(マンガ、雑誌、新聞は除く)
   2    本は各自が用意する。学級文庫を利用してもよいことになっています。
   3    各学期に約2回、1~2週間をひとつの単位として、担任以外の教員も一緒にHRに入り、本を読む「読書週間」を設けています。これは、担任を手助けし、ともに静かに読書する雰囲気を作っていくことが大きな目的です。
   4    図書部と連携し、生徒向けの「ブックトーク」(本の紹介)や「読み聞かせ」を図書室で実施しています。これにより、本と出会うきっかけを作っています。
   5    年1回の「全校生徒向けアンケート」と「3年間の朝の読書についての感想文」(3年生対象)を実施しています。これは、朝の読書の成果、意義を確認するよい機会となっています。
   6    生徒が選んだ人気作家は?1位赤川次郎「三毛猫ホームズ」等2位ローリング「ハリー・ポッター」3位大平光代「だからあなたも生きぬいて」等
滋賀県 高月町立古保利小学校
(1) 本校の実践の特色
      本校は,平成10年度からの3年間,文部省の「学校図書館情報化・活性化推進モデル地域事業」の指定を受け,本に親しみ,目的を持って本を活用しようとする子どもの育成に努めてきた。また,「読書の町・高月」を合い言葉に,町を挙げて子どもの読書意欲を高める工夫を図ってきたが,町立図書館と学校の図書室をネットワークで結び,学習情報センターとしての機能を拡充するよう努めてきた。
   1 子どもたちの豊かな心を育む読書活動の推進
         全校児童と職員による朝の15分間読書
            いろいろな本にふれ,楽しんで読もうとする意欲を高める。
         年3回の読書強調月間の充実
            教師の読み聞かせを聞き,本を紹介しあったり,好きな本の音読や群読に取り組む。
         図書委員会の活発な活動
            昼休みや雨の日などには,児童が自主的におはなし会を開き,多くの児童が参加する。また,ブックトークやアニマシオン,しおりコンクールなど多様な活動を展開し,読書への意欲づけを図っている。
   2 子どもたちの学びが輝く授業実践
         調べ学習,課題解決学習に図書を活用
            主体的に学ぶ力を育むために学校の図書室や町立図書館を積極的に利用する。
         図書を利活用した授業の改善
            本やビデオ等の情報を活用する学習活動を工夫する。
   3 魅力ある学校図書室の経営と環境整備
         学校図書館ボランティアによる読み聞かせや図書環境の整備に努める。
           
(2) 家庭との連携,地域との連携
      毎年4月当初のPTA総会や学級懇談会で読書活動の推進について啓発し,その活動について計画し実践していく。
         親子読書を進め,家族で読書を楽しむ。
         読書週間中は家族がそろって20分間の読書を楽しむことにより,家庭での読書の習慣化を図る。
         PTA教育講演会で町立図書館長から読書についての講演を聞く。
         親子ふれあい活動(各学年)で,読み聞かせや親子読書を行う。
滋賀県 滋賀県立八幡工業高等学校
(1) 本校の実践の特色
      図書館は本館2階の職員室とHR教室のつなぎ目にあり,生徒の動線上にあるので,たいへんよく利用されている。平成13年度図書館統計(平成14年1月末現在)生徒・職員一人当たりの貸出冊数8.9冊授業時間数185時間,蔵書冊数20,603冊
   1 教科等による学校図書館の活用
         1年では,図書館オリエンテーションの利用指導に始まって,国語科の読書指導や美術科の画材探しが行われる。2年では,家庭科の家族の授業や社会科のレポート学習が行われる。3年では,家庭科の保育の授業や工業科の課題研究に使われる。このように,本校では授業でよく活用されている。
   2 レファレンス・サービス
         各教科の教材研究を中心に,生徒たちの疑問にも応えられるように,あらゆる分野の本を揃えるよう心がけている。本校の蔵書で不十分な時は,公共図書館や博物館等も活用する。
   3 リクエスト制度
         生徒のリクエストを積極的に受け入れ,話題の新鮮な本が並ぶよう心がけている。「図書委員が選んだ本」のコーナーも,とても人気がある。
   4 コンピュータの活用
         平成11年度,学校として,コンピュータ教育開発センターの「Eスクエア・プロジュクト」に「学校図書館でインターネットを活かす」というテーマで参加した。その研究に伴い,インターネットも自由に使えるよう,図書館のコンピュータが整備された。
   来年度からは,コンピュータで貸出業務や検索等ができるようになる。
   5 組織的な取り組み
         図書視聴覚推進委員会が月1回定期的に開かれ,図書館活動について学校全体のバックアップがあることも,大きな特色である。
   生徒の図書委員会は,企画広報班・カウンター班・図書整理班・コンピュータ班に分かれて春・秋の校内読書週間を行ったり文化祭に参加したりする。図書館ニュース『LIBRO』の編集もしている。
        
(2) 公共図書館との連携
      滋賀県では,公共図書館が非常に充実している。そこで,レファレンスやリクエストに対応するための資料の借用や,展示のための実物資料(絵画,写真,民俗資料等)を借用している。また,公共図書館の広報紙や催し物のチラシも活用している。
京都府 木津町立梅美台小学校
(1) 本校の実践の特色
      本校は平成11・12年度と京都府小学校教育研究会の図書館教育研究協力校の委嘱を受け「自ら読書に親しむ子どもの育成」を目指して、読書環境づくりや日常的な読書活動に取り組んできた。
   また、子どもたちに自ら課題を追究する力を身に付けるために、学校図書館を活用した授業改善に取り組んでいる。
   1 読書環境づくりと日常的な読書
         学校図書館が読書センターと学習・情報センターとして機能できるように、図書ラウンジの蔵書を増やすだけでなく、畳の上でゆったり読書できる「楽しい本屋」や調べ学習に使える図書を揃えた「ゆうゆうコーナー」を設置した。
   朝の10分間読書に取り組み、毎週水曜日は担任教師による読み聞かせ、金曜日は自由読書を行っている。
   2 情報活用の実践
         木津町中央図書館や町内小中学校の図書が図書ラウンジから検索できるシステムが導入され、児童が読みたい本や調べ学習用の図書資料を探すときに活用している。
   また、調べ学習や表現活動を高めるために、コンピュータソフトやインターネット、視聴覚機器の多様な活用を推進している。
   3 授業研究の実践
         国語、社会、生活、総合的な学習の時間を中心に図書館の効果的な活用を図るため年間計画の作成と、調べ学習や読み広げで育てたい力を基にして学習指導過程を作成し、授業実践や授業研究に生かした。
        
(2) 家庭との連携,地域との連携
   1 保護者ボランティアによる読み聞かせ
         毎月1回のお母さん方の熱心な読み聞かせに子どもたちは聞き入っている。
   2    保護者の授業や読書集会への参加国語でのお話シャワーやブックトーク、また、読書集会などで協力を得ている。
京都市 京都市立朱雀第八小学校
(1) 本校の実践の特色
      子ども達の読書に親しむ態度の育成を図るため,毎月,読書週間を設定し次のような取組を実施している。
   1 読書活動伸長のために
         目指せ○○冊,読書マラソン,読書感想文,読書感想画,絵本づくり,本の帯作り,しおりコンクール等を実施し,本に接する機会を増やす工夫を行っている。
   2 読書の楽しさを味わう
         読書週間に,図書委員会の児童・教職員・保護者による「読み聞かせ会」を行い,読書に対する意欲を高めている。
        
(2) 家庭との連携,地域との連携
      本好きな子どもを育てるために,家庭に啓蒙活動を行っている。休業期間中に実施する「体験教室」で,読み聞かせの学習会,読書の楽しさについての講演会,絵本づくりに挑戦する機会等も設けている。
   1 保護者による「読み聞かせ会」
     
大型絵本の読み聞かせ会
      保護者が数ヶ月かかって制作した手作りの大型絵本の読み聞かせ会を図書室で開催している。
スキルタイムの読み聞かせ会
      毎月の読書週間の朝の15分間,低,中,高学年別に読み聞かせを行っている。読み聞かせに向け,保護者・学校の要望を取り入れ,毎月打ち合わせ会を実施している。読み聞かせには国語の学習に関連した作品,季節に合わせた読み物等を取り上げるよう工夫している。
   2 保護者による蔵書の整理
         図書の整理分類や破損箇所の修理等,児童がいつも気持ちよく図書館の利用ができるように援助してもらっている。
   3 保護者による読み聞かせグループの位置づけ
         十数名のボランティアによる読み聞かせグループであるが,幅広く活動できるように,PTA活動として組織的な位置づけを行っている。
大阪府 和泉市立信太小学校
(1) 本校の実践の特色
      教育活動の中心に図書館教育を設定し、学校図書館の充実を図るとともに、児童の読書意欲を喚起し、読書の習慣を定着させるためのさまざまの活動を展開している。
   1 全校朝の10分間読書
         週3日、朝の10分間読書タイムの設定
         一学期に6年生が1年生の教室に入り、朝の10分間読み聞かせを行っている。
   2 図書館の常時開館と環境整備
         児童がいつも図書館が利用できる工夫
         児童に図書館が楽しい場所である工夫
         児童にとって利用しやすい図書館の工夫
         地域人材活用による司書ボランティアが児童の図書館活用の支援をするとともに、保護者ボランティアがブックカバー掛け等の環境整備を行っている。
   3 保護者ボランティアによる読み聞かせ
         各学期毎に全クラスにおいて「読み聞かせタイム」を設定し、保護者ボランティアによる読み聞かせ活動を行う。また、パネルシアター等の工夫を凝らして児童の読書意欲を高めている。
     
(2) 家庭との連携、地域との連携
   1 学校図書館への保護者ボランティアの活用
         平成11・12年度に文部省の学校図書館ボランティア活用実践研究指定を受け、保護者による図書館ボランティア活動を始めた。
      a.読み聞かせ
      b.図書管理
      (ブックカバー掛け、補修、蔵書点検等)
      c.貸し出し・返却業務
      d.図書館ニュースへの推薦図書の掲載
   2 地域でのブックフェスティバルの開催
         本校を含む富秋中学校区では、平成10年より中学校区教育総合推進事業の一環として、学校・幼稚園・保育園・保護者組織が実行委員会を作り、「富秋校区ブックフェスティバル」を開催している。
   地域全体で読書活動を進めることを目的に開催される本事業では、「子育ての中での絵本の読み聞かせの大切さ」をテーマとした講演と、各校園の教職員・保護者による読み聞かせコーナーを開いている。
大阪府 茨木市立葦原小学校
(1) 本校の実践の特色努力目標の三本柱
   1. 人権総合学習
   1. 基礎基本学力の育成
   1. 図書館活動とその利用
      本校は創立時より、人権教育を努力目標の中心に置いて研究を重ねてきた。全国大会を初めとして、多くの場で発表した実績を持っている。しかし、研究を重ねるにつれて、基礎・基本学力の必要性を認識し、さらに「読む」力の必要性をも確認した。同時に人権の大切さを理解するためにも「読む」「理解する」力が必要だと認識し、H10年度からは図書館活動に積極的に取り組んできた。H10年度には文部省の学校図書館情報化・活性化推進モデル地域事業の指定を受け、図書館活動改革も行ってきた。
   1 読書タイムの設定
         毎週水・木曜日の始業前15分を読書タイムとして、職員・児童も読書に専念した。
   現在は兄弟学級で高学年が低学年に読み聞かせも行っている。
   2    インターネットと情報ネットワークインターネットを利用して、児童が個々に情報収集を実施し、学習活動に多大な成果を上げている。
   3 第三図書室(お話ルーム)の設置
         毎週一時間、図書指導を位置づけ、新たに教室を改造し、第三図書室を設置した。主に、低学年の図書指導と読み聞かせに利用している。
   4 職員の研修と発表
         図書館全国大会を初め、研修会には積極的に参加し、研究発表も随所で行った。各地からの本校見学には全面的に協力し、説明した。
     
(2) 家庭との連携、地域との連携
   1 環境・蔵書整備
         市立中央図書館の廃本を譲渡してもらい修理後、第三図書室に配置し、いつでも読める体制にしている。
   2 家庭・地域の協力
         地域内の読み聞かせグループやPTA文化委員会、ボランティアグループが毎週一回水曜日の25分休憩時間に出前の読み聞かせを実施している。教職員も学年ごとに読み聞かせを実施している。
   3 物流システムの活用
         教育委員会の物流システムを通じて他校からも本や資料を借りることができたので学習効果が向上した。
大阪府 羽曳野市立羽曳が丘小学校
(1) 本校の実践の特色
      平成9年度に司書が配置され、朝の始業前ら放課後まで常時開館している。また、市の公立図書館とコンピュータによるネットワークを結び、児童の読書活動及び調べ学習等の活性化が見られる。
   1 図書委員の活動
         朝の読書タイム時に、1年生等低学年の級へ行き「紙芝居」や「ペープサート」等行う。
   2 朝の読書タイム
         火曜日~土曜日の朝10分間、全校一斉に児童、教師ともに思い思い好きな本を楽しんでいる。貸し出し冊数も大幅に増加している。
   3 ブックトーク
         3・4年生を中心とした児童によるブックトークを行った。劇・ペープサート・パソコン等いろいろな方法で友達に感動を伝えている。
   4 公共図書館とのネットワーク
         学校図書館に設置してある端末機を使い、公共図書館の図書を検索,予約、配送でき、調べ学習での活用が大きい。
        
(2) 地域との連携
      地域の読書推進グループ「お話しの部屋」の方々によるストーリーテリングを平成9年度より続けている。子ども達も大変楽しみにしている。
兵庫県 西宮市立高須南小学校
(1) 本校実践の特色
      図書部を中心とした取り組みと保護者の協力により、始業前から放課後まで「いつも人のいる図書館」が実現している。
   平成10年度に西宮市の全小・中学校が文部省から学校図書館情報化・活性化推進モデル地域事業の指定を受けた際には、先進校としての役割を果たした。また平成12年度の文部省・兵庫県教育委員会主催の中部地区学校図書館活用フォーラムでは、分科会会場として授業や読書集会を公開した。
   1 「図書館の時間」の授業の充実
         全学級で週に1時間「図書館の時間」を設定し、年間指導計画を作成している。計画に沿って、図書資料やインターネット・CD-ROM・ビデオテープなどが準備され、学習活動に有効に利用されている。また、学習期間に合わせて資料を展示したり、学習の成果を発表する場としても図書館を活用している。
   2 朝の10分間読書の実践
         学期ごとに「読書タイム」を実施していたが、それを発展させ、現在は通年で実施している。毎週金曜日には高学年が低学年の教室に読み聞かせに入り、楽しいふれあいの時間を持っている。
     
(2) 保護者との連携
      保護者の図書館運営ボランティア「ブックママ」が組織されており、現在約30名が参加。午後の開館の補助や整理、月1回の「お話会」、高須南小読書週間での「ふれあい読書集会」の開催などの活動を実施している。そこで紹介された本は毎回図書館で大人気となり、予約が殺到するなど、児童が心待ちにする行事となっている。
兵庫県 神戸市立井吹台中学校
(1) 本校の実践の特色
   図書館の基本運営方針「調べ学習のできる図書館づくり」
   国語科努力目標「豊かな人間性と思考力を養う読書指導」
   の実践を目指している。
   1 読書習慣の形成
      「朝の読書」の実施
            8時25分から8時40分までの15分間、全校一斉に自由読書の時間を設定し、図書委員を中心に生徒が自主的に読書に取り組んでいる。読書記録は「読書ノート」に3年間の記録を各自で記入している。
         図書委員会を中心に、放送による全校読書会、読書週間、貸し出しコンクール(学級表彰、個人表彰)などの図書館行事を実施している。
   2 生きる力をはぐくむ学校図書館づくり
         図書委員会の活性化を図るため、各種図書館行事の企画、運営を行っている。月一回の図書館だよりでの啓発活動、図書館をよく利用した生徒への手作りのブックカバーやしおりのプレゼントなどを行い、好評を得ている。
         自主的、主体的な調べ学習を支える図書館資料の整備と充実を心がけている。総合的な学習の時間のテーマに基づいて、平成12年度は「福祉・ボランティア」、平成13年度は「環境」に関する資料の充実を図った。また、朝の読書の時間を支えるため、生徒の希望アンケートボックスを設置し、生徒が求める話題の本をタイムリーに購入している。
   3 読書啓発ポスターの作製
         「朝の読書」のまとめを兼ねて、1年間読んだ本の中から一番心に残った本の推薦ポスターを各自が作製している。平成9年度から毎年継続して行っており、今では本校の伝統になりつつある。ポスターは校内の至る所に掲示され、読書活動の啓発に大いに役立っている。
   4 「図書館の時間」の設置
         本年度、新学習指導要領の試行として、第2学年の国語で、週1時間を「図書館の時間」として年間計画に位置付けた。NDCによる図書の分類の学習、調べ学習とミニレポート学習、新聞記事の要約指導、読書感想文・学級文集の作文指導、読書啓発ポスターの作製等、1年間の計画的、系統的な一貫した指導により、大きな効果を上げることができた。
        
(2) 家庭・地域との連携
   1 家庭とつなぐ「朝の読書」
         「朝の読書」で家族から薦められた本を読む生徒が多く、家庭で感想を話し合うようになったなど、保護者にも好評である。
   2 公立図書館との連携
         本年度、第2学年の総合的な学習の時間では、公共図書館から集団貸し出しを受け、「環境新聞」作成のための情報収集に有効に活用できた。
兵庫県 兵庫県立尼崎高等学校
(1) 本校の実践の特色
      平成9年度より「学校を生き生きしたものに」と、他校に先駆けて「学校改革」を進めてきた。教育課程も従来の進路中心の3類型(文・理・就職)から、生徒の興味・関心を大切に選択の幅を広げた4類型(人文・国際・自然・情報)へと改編した。
   「朝の読書」の取り組みも、この学校改革の一環として4年前から始められた。毎朝8時30分から10分間の「朝の読書」時間の内容を略記する。
   1    「朝の読書」時間を学校全体として取り組む。
   2    SHRの時間と区別し、読書を楽しむ時間を確保する。
   3    教職員がまず読書を楽しみ、静かな、落ち着いた雰囲気を創り出す。
   4    一人でも二人でも読書に親しむ生徒が増えることを念願し、欲張らず、焦らず、無理をせず、根気よく成長を待つ、継続した取り組みにする。
   5    学校全体の取り組みゆえ、「学級文庫」等の条件を整える。
     
(2) 家庭・地域との連携
      平成12年度より、PTAの保護者を中心に23名の方々に図書ボランティアとして活動して頂いている。図書の整理・貸出しなど積極的な協力で、図書館教育が活発になり以下のような成果につながっている。
   1    図書館を保護者・卒業生など地域に開放できた。
   2    終日図書館が開館できる。
   3    「古本市・バザー」を共催し学級文庫や図書館の書籍の充実につなげることができた。
   4    何よりも、保護者の方々が学校の実情・生徒の姿を良く理解し、信頼関係が深まった。
   5    保護者全体に図書館教育の関心が高まった。
奈良県 香芝市立旭ケ丘小学校
(1) 香芝市民図書館との連携
      本校は456平方メートルの大きな図書館を持っており、その管理運営については、香芝市民図書館がよきアドバイザーとなっている。毎年秋には市民図書館の司書を迎え、「おはなし会」を開くことが恒例となっており、楽しいお話とブックトークにより、子どもの読書する心を育てようとしている。
     
(2) 朝読が好き
      開校して3年目の平成9年度より全校で朝の読書タイムを実施し、今年で5年目となった。毎週水曜日の始業前の20分間、静かな音楽で始まりを告げ、終わりにも音楽を流す。低学年でも慣れてくると、読み終わった本を無言で合図して交換し合って読んだり、学級図書と交換したりと、読む雰囲気を上手に保てるように育ってきた。アンケートでは、朝読が好きと答えた児童が圧倒的に多く、その時間を楽しみにしている。個人により、読みの深さや本選びの的確さに差があるが、まずは静かな環境で読書する時間を確保することが大切である。児童には読む本の分野を強制せず、集中して読む雰囲気の中に身を置いて、本の世界に浸る醍醐味を実感する中から、読書する楽しさに自ら気付き、手に取る本の分野が広がっていくことを願って実践してきた。
奈良県 奈良県立耳成高等学校
(1) 「朝の読書」の実施(H11年4月開始)
   1 対象第1学年生徒全員
   2 時間帯8時30分~8時40分(SHR前)
        
(2) 朝の読書の生徒アンケート結果
   1 一年間実施して思うこと(H11/H12/H13)
      1.本を読むことは面白い(23/25/29%)
      2.興味を持つようになった(22/33/42%)
      3.少しは読む習慣が付いた(13/11/10%)
      4.何とも思わない(28/20/15%)
      5.本を読むのは嫌である(14/10/5%)
   2 朝の読書で良かったこと(ベスト4)
      1.読むペースが速くなった
      2.知識の幅が広がった
      3.集中力が付いた
      4.いろいろなものを感じる力が付いた
        
(3) 朝の読書に対する保護者の感想
      ある日、子供が今読んでいる本の内容を得意そうな顔をして話してくれた。その話を聞きながら子供が本の世界を楽しんでいると思った。
      朝の読書は落ち着いた学習活動のスタートになり、読みたい本を自分で選ぶことは、子供にとって好ましい結果につながる。
      心静かに読む、知識を得る、いろんな感性を受け入れる。そんな時間を持たせてもらうことはすばらしい。
      考えたり、想像したりコンピュータやテレビにはない考える力が付く。
      朝の読書から家でもよく本を読むようになり、図書館や本屋で読みたい本を捜しているようだ。面白い本があると親にも教えてくれて、お互いの感想を話す機会も増えた。
      読書離れの防止に一役買うし、毎日決まった時間に決まったことを行うことで読書が生活の一部になればと考える。
      一年生の間は新しい環境で落ち着かないこともあると思うし心も体もゆっくりできるこの時間があってもいい。
和歌山県 高野町立花坂小学校
   本校は、全校児童9名と少人数であることから、みんな仲良く楽しい学校を目指している。「いきいき・きびきび・はきはき」を合い言葉に、総合的な学習の一つとして読書活動に取り組んできた。少人数だからいつも「大きい子との関わりを大切にしたい。」という親や教師の願いがあり、全校一斉に取り組む活動が多い。読書活動も温かい人間関係を育てるため、本校の教育目標に取り入れ、取り組みを進めている。
(1) 読書意欲を高めるための読書カードと感動レベル
      読書カードは、本を返却するときに題名をカードに記入する。自分がどのような本を読んだか記録として残しておくため。学期末に一人40冊ぐらい読んでいる。また、題名を紹介することで他の児童の励みにもなる。
        
(2) 家庭との連携、地域との連携
      読後に本の感想を「感動レベル」という形で書く。レベルは1~5までとし、表現はその子独自のものをごく短く表している。例えば、『一つの花』を読んで「悲しいレベル5」。『15少年漂流記』を読んで「頭がいいぞレベル5」というように書いている。人気のある本や子どもたちの読書の状況がよくわかる。異学年の子どもたちが、お互いのよさを見つけあってその子を認めあう事もできる。そして、学期に一回、子どもたちが一番好きだという本を図書室に掲示したり、図書便りも発行している。
   1 保護者の方の読み聞かせ
         花坂小学校の読書週間行事の一つとして、保護者の方に読み聞かせをお願いしたところ快く引き受けてくださり、3人のお母さんと1人のおばあさんが読み聞かせをしてくれた。0HPを利用して、色鮮やかな読み聞かせをしてくれたり、平和について考えさせてくれる本を読んでくれたり、心の温かさが伝わってくる本を紹介してくれたり、子どもたちの興味を膨らませてくれた。
   2 地域の「コロボックル」の読み聞かせ
         町内に「コロボックル」というサークルがあり、保育所や子ども会で読みき聞かせをしている。読み聞かせをお願いしたところ7名の方がそれぞれ味のある本を選んで、読み方も工夫し子どもたちを本の世界に入り込ませてくれた。
和歌山県 広川町立耐久中学校
(1) 本校の実践の特色
      全校一斉朝の読書の時間(火~金、始業時の10分間)が始まってまだ2年であるが、その効果は着実に現れてきている。これまではチャイムが鳴っても廊下で騒いでいた生徒が、予鈴で入り、準備(既に読み始める生徒もいる)をして席に付いている。担任も一緒に読んでいるが、たとえ遅れても時間と共に静かに読み始めており、学校中が静寂に包まれる。1時間目の授業も静かで落ち着き、1日が気持ちよくスタートできている。
   1    各クラスには学級文庫が置かれ、誰でも利用できる。
   2    読書のようすを学校だより「ポプラ」で知らせることにより、家庭での読書も広がりつつある。
   3    図書委員会として、「図書だより」(新刊本の紹介等)の発行や貸し出し等の日常活動を行っている。
   4    すべての生徒に、もっといろんな本が読めるようになってほしい(確実に読める漢字を増やす)との願いから、基礎学力を高める取り組みの一つとして全校一斉「漢字(読み)テスト」に取り組んでいる。
     
(2) 家庭との連携、地域との連携
   1    朝の読書支援活動の一つとして、「朝の読書運動をすすめ、図書室の充実をはかる」ための取り組み(図書本の寄贈と寄付)を育友会と一体となって推進している。
鳥取県 鳥取市立岩倉小学校
(1) 本校の実践の特色
   1 読書センターとしてのはたらきの充実
         本校では、子どもたちが本に親しみ、図書館をより身近に感じることができるようにさまざまな図書館業務の工夫をしている。借りたい本を予約することができる予約制度やくじの日(9のつく日に実施)で当たりが出たときや個人カードを1枚終えた時に特別貸し出し券を発行する制度を導入している。また、利用についてのオリエンテーションを行う際には、子どもたちが楽しみながら学ぶことができるよう、ペープサートやクイズ等を取り入れて工夫し、読書指導や情報活用能力の育成に努めている。
   秋には、読書月間を設定し、委員会の子どもたちを中心として、お薦めの本を紹介するしおりコンクールや、読み聞かせなどの取組を行っている。全職員が本の読み聞かせを行う「探検ブックの会」も子どもたちに大人気の行事である。読書月間の最後には、「読書祭り」も行っている。
   2 学習資料センターとしてのはたらきの充実
         学習資料コーナー・テーマ展示の工夫をするなどして、子どもたちが教科や総合的な学習で情報を収集したり、活用したりできるよう工夫している。
        
(2) 家庭との連携・地域との連携
      本校では、平成10年度より、朝の読書を毎日10分間実施している。本の世界に浸りながら読書をする習慣がつき、落ち着いた気持ちで一日の生活がスタートできるようになってきている。司書だけでなく、地域・保護者の有志で構成されているグループによっての定期的な読み聞かせもある。
   また、「読書祭り」では、地域の文化サークルの方や読み聞かせの会の方などによるブラックシアターや読み聞かせの取り組みもある。
鳥取県 鳥取県立境港工業高等学校
(1) 本校の実践の特色
      平成9年4月より、生徒の「心の教育」の一環として、県下の高等学校では最も早く全校一斉の朝の10分間読書に取り組み、今年で5年目を迎える。
   1 活動内容
         朝の始業時の10分間、生徒は自分の読みたい本を持参して読書する。ただし、漫画、雑誌、教科書、辞書は対象外とし、原則として活字本としている。
   2 活動体制
         生徒の読書に合わせて、担任も教卓で読書を行い、その他の全職員もそれぞれ自分の席で読書をする。
         読書をしようとしない生徒に対しては、決して叱らず趣旨を理解するよう粘り強く指導している。
         定期的に読書委員会を開き、全担任を召集して進捗状況を点検し、問題点があれば改善の方策を立て、常に朝の読書がきちんと行われるよう努力している。
           
(2) 家庭との連携
      入学式や学年懇談会で「朝の10分間読書」について説明し、本の購入、読書について家庭において話題として取り上げるよう協力をお願いしている。
島根県 横田町立八川小学校
(1) 本校の実践の特色
      継続的な活動による読書の習慣化,イベント的な活動による読書への誘いなど,多様な活動を通して,個々の読書のジャンルを広げたり,意欲・関心を高めたりする活動を推進した。
   1 朝の読書タイム8:25~8:35(毎日10分間)
         平成10年度より,集会のある金曜日を除いて毎日実施。始業のチャイムと共に,児童も担任も各学級で読書をする。時々地域の読書ボランティア(八川文庫)の方の協力がある。
   2 音読集会
         毎月1回金曜日朝(8:25~8:40)平成10年から3年間継続して行っている。各学年が交替で,読書タイムで出会った本を多く紹介しあった。平成13年度はアピール集会と改名。
   3 ブックトーク・ストーリーテリング
         平成10年度から毎年1~2回,定期的に宇田祥子先生を招いて実施した。先生を講師に職員の研修を重ねる。
        
(2) 家庭との連携,地域との連携
      学級ごとに家庭での親子読書を呼びかけ,低学年は定着しつつある。地域の方による読み聞かせも年間計画に位置付け実施した。「聞いて,読んでみる」活動はイベント的な活動として,地域全体の協力により実施している。
   1 お話の会毎月2回月曜日(14:30~15:30)
         地域の読書ボランティアの方による低学年への読み聞かせ活動である。八川公民館や本校の図書室まで「出前」をしてもらっている。
   2 林洋子一人語りを聞く(平成11年11月)
         読書や朗読への発展をねらって地域全体で実施した事業である。宮沢賢治作品「雪わたり」「いちょうの実」の公演等,耳で聞く名作を体験した。
   3 谷川俊太郎詩LIVEIN八川(平成13年1月に八川小学校にて実施)
         詩人の谷川俊太郎氏と里みちこ氏を招いて,学級ごとに,また全校で詩の朗読会を実施した。当日をはさむ数か月間を「詩に親しむ」期間と設定し,詩集を図書室へ新たに購入したり,県立図書館より100冊以上の詩集を借りてきて,それぞれの学級で詩を読んだり,詩を創ったり,詩を朗読したり,詩の世界に浸る活動を展開した。
島根県 瑞穂町立瑞穂中学校
(1) 本校の実践の特色
      読書へのアンケートにおいて「読書は好きだけど,読書の時間がない」と答える生徒が多かった。そこで,「読書の時間を保障しよう」「本を身近なものにしよう」ということを合言葉に実践に取り組んだ。
   1 朝読書の実施
         全国で実施されている朝の読書に習い,4年前から実施している。今年度は,月曜日から金曜日まで,朝の10分間を読書に充て,担任も一緒に本を読むことで読書時間を保障した。
   2 学級文庫の充実
         本が身近なものとなり,すぐに手に取って読めるように学級文庫の充実を図った。町立図書館からの貸し出しも活用し,生徒による学級文庫の充実活動も行った。
   3 図書室の配架の工夫
         20年以上変化のなかった図書室を,使いやすくしようと,全職員で模様替えを行った。壁面の工夫もあり,全体として温かな雰囲気となった。
        
(2) 生徒会の活動
      本校の図書管理は,平成11年度よりコンピュータで行っている。新しく入った本の入力や貸し出し等の手続きも生徒ができるようになり,本そのものへの興味も高まってきた。生徒が読書活動の中心的役割を担っている。
   1 読書祭り6月実施
         楽しい展示の工夫,本のクイズやブックトーク等の実施により図書室への来訪者を増やしている。
   2 本作り11月実施
         文化祭の企画として,自分でスト-リ-を考えた手作り本の作成を行った。そのことにより生徒は,本を身近なものと感じるようになった。
岡山県 玉野市立山田小学校
(1) 本校の実践の特色
      本校は,平成10年度,市の研究指定を受け,美しいものに感動する心・いのちを尊重する心をもった人間に成長して欲しいとの願いから,「よりよい生き方を求め,ともに生きる子どもをめざして」というテーマで研究に取り組んできました。その手だての柱として読書活動を位置づけ,朝の一斉読書や読み聞かせ,図書室の本を利用する授業や行事などに取り組んでいます。
   1 朝の一斉読書
         水曜日と金曜日の8時45分~9時までの15分間,全校で一斉読書に取り組んでいます。好きな本を読んだり,担任による読み聞かせを通して,読書が習慣付けられるとともに,子どもたちにとって心和むあたたかい時間となっています。
   2 授業と図書館との連携
         授業の導入やまとめの段階で,読み聞かせやブックトークを取り入れることにより,深まりのある授業作りに努めています。また,図書館司書と連携しながら,調べ学習の力を培えるように取り組んでいます。
   3 読書祭り
         読書週間の最後を飾る,図書委員会主催の行事です。読書のすばらしさを伝えるために,各クラスごとにペープサートやパネルシアターなどの出し物を実施し,子どもたちもとても楽しみにしています。
        
(2) 家庭,地域との連携
      子どもたちの生活の中に読書を定着させるために,家庭や地域への啓発活動に取り組んでいます。
   1 親子読書
         家庭の中で親子で本を読む時間を大切にしてもらうように,保護者に呼びかけています。子どもたちの日記から,読書を仲立ちとした家庭の和やかな様子が伝わってきます。
   2 保護者への貸し出し
         夏休み中などの長期休業中には,保護者に対しても本の貸し出しをおこなっています。図書館司書におすすめの本を紹介してもらうお母さんも少なくありません。
岡山県 吉備郡真備町立真備東中学校
   本校では,平成9年の中四国学校図書館教育研究発表会を機に,従来,図書館教育が一部の教科に偏りがちであったことを見直し,すべての教科での利用を図り,それに合わせた図書の充実も進めてきた。その結果,各教科・行事・総合的な学習の時間など,今では生徒の活動のさまざまな場面で,図書室が調べ学習の拠点として,大いに活用されている。
1 調べ学習の充実
      本校では司書がいないため,図書館担当の司書教諭が中心となって,教科主任,学級担任などと連携して図書館教育を進めているが,総合的な学習の時間や授業の発展学習として必要な資料を希望に応じて速やかにそろえることで,いろいろな教科での時宜を得た利用が可能になっている。
   学校行事に向けた事前の調べ学習にも使われているが,関連資料を一まとめにしたコーナーを設けたり,不足分を町立図書館との連携で補ったりして,情報の確保に努めている。
2 第2図書室の設置
      英語,国語の辞書がそれぞれ数種類ずつクラスの人数分置いてある辞書の部屋を,空き教室を利用して設置。辞書を使った授業が容易になり,さらに比較によって調べる内容が深まる。また,第1図書室から関係図書を持ってきて特設コーナーを設け,必要に応じて多様な調べ学習を展開することができる。職業調べや,教材世界を具現した中での期間限定国語教室などが実践されている。
3 いつでも利用できる図書室
      本校では,例えば,国語科の授業であるクラスがグループに分かれて手作り授業のための準備学習に入ると,授業中でも生徒だけで自由に図書室を利用できるようにしている。この場合,使用届の提出による調整と,利用のルールの生徒への徹底を行うことで,司書のいない不便さを補っている。
4 図書室大人気の秘密
      リクエストカードと予約カードで,教師・生徒のニーズに速やかに応える,新しい本や漫画・雑誌のコーナーを設けるなどの対応で,いまや図書室は校内有数の人気スポットとなった。
5 読書活動を支える図書委員会の地道な活動
      図書の受け入れ・貸し出し・整頓,学級文庫の世話のほかに,図書便りや校内放送による本の紹介などを行っている。
広島県 君田村立君田小学校
(1) 本校の実践の特色
      本校は「豊かな心の育成」をめざして読書教育に取り組んでいるが,その歴史は長く,今年度で30周年という節目を迎えた。学校・家庭・地域が一体となって読書活動に取り組み,「地域ぐるみの読書教育」という評価を得ている。
   1 図書館の整備
      読書コーナーと学習センター
            広い室内を二分し,それぞれの目的別に本を配置。学習センターとしてはパソコンを設置して自学自習の学習体制に備えている。
      雰囲気づくり
            童話の世界に導くよう掲示物にも配慮しながら,楽しい雰囲気をかもしだすよう努めている。
   2 読書教育年間指導計画の作成
   3 「読書祭」「読書講演会」「朗読会」の実施
   4 「読書朝会」「読書の時間」の実施
           
(2) 家庭との連携,地域との連携
   1 「地域読書会」の実施
         地域単位で年間4回(延べ28回)の読書会を実施。1冊の本を媒介として子育てなどについて話し合っている。
   2 「ノーテレビデー」の実施
   3 「親子読書」の実施
         家庭内で時間を決めて,親子で読書を行う取り組みを継続している。
   4 保護者による「読み語り」
         全校児童に対して,毎月1回の保護者ボランティアの方々から,読み語りをしてもらっている。
   5 「らくがき帳」の回覧
         読書関係の内容だけでなく,保護者が自分の思いをノートに書いて,学級の保護者間で回覧し,交流を図っている。
広島県 福山市立川口小学校
(1) 本校の実践の特色
      本校は,学校をあげて読書活動の推進に努めている。まず,子どもたちにとって魅力ある学校図書館をめざし,整備に努めている。また,本好きになり多くの本を読んでみようという意欲を育てる読書指導,読書を発展させた総合的な学習の時間にも取り組んでいる。
   さらに,ボランティアによるお話の会や図書の修繕等もあり,地域ぐるみで読書運動の展開をめざしている。
   1 学校図書館の整備
         子どもたちにとって魅力ある図書館にしようと全職員で環境整備をおこなった。
   まず,分類を徹底し,配架を工夫した。次に,学習テーマに沿ったコーナー,民話のコーナー等を設けた。このように,掲示を工夫し,楽しい雰囲気を作り,読書意欲を起こさせるように努めた。
   2 本好きな子の育成に向けた多彩な読書活動の実施
         読書に親しみ,学校として読書の雰囲気をつくるために,朝の読書を毎週火曜日始業時に15分間実施した。
         総合的な学習の時間を使って,読書を発展させた活動を実施した。「絵本の楽しさを伝えよう」というテーマで,幼稚園の子に劇や紙芝居などで昔話を紹介した。
         図書委員会の活動として読書週間には,「読書まつり」を実施し,大型紙芝居やクイズを全校児童集会で行った。また,学校図書館で昼休みに読み聞かせも行った。
           
(2) 保護者との連携
      図書館ボランティアの保護者に「お話の会」(月2回)での絵本の読み聞かせや図書の修繕等の活動をしていただいている。
広島県 吉田町立吉田小学校
   本校では,平成12年秋より,「わが町の教育推進事業」の一環として,地域ボランティアとの連携による「読書タイムの導入」と「図書館の有効利用」を柱に活動の推進が始まった。これまでにも,地域ボランティアによる読書活動は20年間続いていたが,本好きな一部の子どもたちだけのものになりがちであった。
   そこで,読書活動の輪を広げていくために,次の4点を柱に実践を重ねてきた。
(1) 本の楽しさを届ける「朝のお話宅配便」
      第2,第4水曜日の朝,地域ボランティアによる全クラス一斉の読み語りを実施している。この時間に読まれた本は2週間各教室に置かれるので,子どもたちの間で楽しく回覧されている。
     
(2) 行きたくなる図書館づくり
      子どもたちの願いを聞きながら,図書委員とともに図書ボランティアによる図書館づくりを進めている。それは,子どもたちによって「本の森」と命名され,いつも誰かがいてくれて,読みたい本がある,明るく楽しい図書館をめざした取り組みを進めている。
     
(3) 教育内容の充実
      読書教育・図書館教育についての研修を深め,子どもたちと本との出会いを,学習や生涯にわたる生きていく力の基として育てていく。本の帯や紹介カードづくり,絵本づくりなどをしたりして,子どもどうしで本の紹介をし合っている。
   また,調べ学習に利用するために選ぶ本の幅も広がってきている。
     
(4) 図書委員の活動
      図書ボランティアの方が生き生きと活動される姿に刺激されるとともに,自分たちの願いが実現していくことに喜びを感じ,図書委員会の活動が充実し,図書委員希望者が増加してきている。
   貸し出しや図書日誌の記録
   休み時間のお話会
   朝の読書タイム・・・・「もっと本を読みたい」という願いを受け,金曜日の朝に「読書タイム」を設定して,1年生には読み聞かせ,他の学年には進行役として図書委員が入っている。
   本の紹介コーナー設定
   図書祭り
山口県 新南陽市立和田小学校
   本校では、読書が子どもたちの知的生活を増進させ、人間形成や情操を養う上で重要であると考え、子どもたちの望ましい読書習慣を形成するとともに、子どもたちが主体的に学校図書館を活用することを願って、学校図書館ボランティアを積極的に活用している。
   具体的には、学校図書館ボランティアに、読み聞かせやブックトークなど様々な支援をしてもらうことを通して、家庭や地域と連携しながら読書活動を推進している。
(1) 豊かな心をもち、主体的に生きる子どもの育成をめざして
   1    身近な素材や様々な手法を取り入れた本の読み聞かせを実施し、本との楽しい出会いを作っている。
   2    ブックトークで多様な本を紹介し、一人一人の興味や関心に応じた本との出会いを作っている。
        
(2) 進んで図書館を活用し、主体的に学ぶ子どもの育成をめざして
   1    本の配置を工夫したり新しい本の紹介の掲示や学校図書館ボランティアのコーナーを設置したりすることを通して、親しみやすい図書館づくりを進めている。
   2    本の検索や貸し借りの簡素化を図るためのコンピュータへのデータ入力や新聞コーナーの設置、インターネットの整備を通して、情報社会に対応できる図書館づくりを進めている。
   3    市立図書館との連携や学校図書館の地域への開放を通して開かれた学校図書館づくりを進めている。
        
(3) 豊かな表現力を育み、主体的に取り組む子どもの育成をめざして
   1    子どもたち一人一人の思いや願いに対応できるように、教師と学校図書館ボランティアが連携して授業を展開している。
   2    子どもたちの視点を変えたり、学びを広げたり深めたりできるように、読書ゲームや学校図書館を活用した情報収集などを取り入れた授業を展開している。
     
(4) 夢を語り、郷土のキラリ輝く子どもの育成をめざして
   1    全校一斉に朝の10分間読書を推進し、落ち着いた読書時間を定期的に確保している。
   2    読書集会や学校図書館祭りを開催し、読書の楽しさを伝え合う機会をもっている。
   3    独居老人との交流会などの機会をとらえて、子どもたちによる地域での読み聞かせ活動を積極的に進め、読書を通して地域とのかかわりを深めている。
山口県 大島町立蒲野中学校
   読書の時間を確保し、読書ノートの記録を継続的に行うなど、自分自身を見つめ、考えを深める機会を設けてきた。本校は毎月定期的に「俳句作り」を実施しているが、それとともに読書活動は、生徒の語彙力や豊かな感性を育てる一助となっている。
   また、町立図書館や地域・家庭と連携して、家庭や地域でも読書に親しめる生徒の育成に努めてきた。「開かれた学校」づくりの視点から、高齢化の進む地域のお年寄りに手紙を出す読書郵便、保育園などでの生徒による読み聞かせ、そして、地域全戸への図書郵便の配布の実施など、生徒が自ら地域に対し読書の推進についての活動を行っている。
(1) 学校での取組み
   1 朝の読書
         給食配膳時間等を有効に活用するため読書タイムにすることから取り組み、現在は全校一斉に始業前の十分間読書を実施している。
   2 読書ノートの記録
         山口県学校図書館協議会作成の冊子「わたしたちの学校図書館」の中にある読書ノートを継続的に活用しており、生徒同士によるコメントの記入も取り入れている。
   3 本の紹介活動
         教師によるブックトークや朝礼での本の紹介、生徒による本の紹介カードの作成やオープンスペースである図書コーナーの掲示を行っている。
        
(2) 家庭・地域との連携
   1 親子読書(PTA図書)
         学校図書館に、親子読書の機会を提供するため、親子で読める本などを選書したPTA図書コーナーを設置している。また、家庭間での図書の回覧も行っている。
   2 読書の集い
         読書の集いとして、町立図書館司書によるブックトークやストーリーテリングを行っている。
   3 地域への本の貸し出しと図書便りの配布
         地域全戸へ図書便りを配布して、学校図書館利用の便を図っている。町の広報誌にも学校の読書活動を掲載し、読書啓発をしている。
   4 保育園での読み聞かせ
         隣接する保育園で、生徒による園児への絵本の読み聞かせを行っている。
   5 地域のお年寄りへの読書郵便
         敬老の日の前に、地域のお年寄りに読書郵便を出している。返事をもらったりすることにより、交流が生まれている。
徳島県 徳島県立板野養護学校
   本校の図書館では、あらゆる機会や手段を駆使して、児童生徒が本との出会いが持てるような運営を心掛けている。入りやすい図書館、魅力ある図書館、わかる図書館をモットーに,利用しやすい環境づくりを工夫している。
1 本のある環境をつくる
      児童生徒の興味・関心のある本を豊富に整備する。文字やことばの理解が苦手な児童生徒のために,音声付き・しかけ・触れるなどのメディア本を整える。それらの本は、学級文庫や学期に一回全学部を巡回する移動図書館を設置し、本を身近に置くことで、本に親しむ工夫をしている。
2 本に出会う活動をする
      毎月発行している『今月の本棚』に名作物語を4コマにイラスト化し、書名を当てるクイズをのせる。先着10クラスに手作り栞を手渡し,本に巡り合う機会を設けている。栞は一日でなくなるほど関心が高い。また、本に出会う導入として、おはなし教材を手作りしている。大型紙芝居・布絵本・手袋人形・木工シアター・エプロンシアター・パネルシアターなどである。手作りならではの温もりと柔らかさが好評で、親しみやすい雰囲気を持っているため、いろいろな行事で大活躍をしている。
3 本を活用する機会をつくる
      全校の児童生徒に発達段階に応じた形式の読書記録ノートを配布している。一ページごとにシールをはり、読書の意欲や達成感をもつよう励ましている。また、その記録をもとに貸し出し冊数の多かった児童生徒に多読者表彰をする。さらに読書感想文・読書感想画をかくことで、考え方や感じ方を引き出すなど、読書をとおして豊かな心を育てている。
4 本を読む時間を設ける
      全校一斉行事として、“おはなしワンダーランド”や“読書タイム”を企画運営する。教師の創意工夫された読み語りや児童生徒が一生懸命練習した読み語りの成果を発表する時間を設けることで読書の楽しさを味わう。
香川県 丸亀市立城坤小学校
(1) 本校の実践の特色
      平成10年度より,「自ら学び考え,豊かな心をはぐくむ読書活動」を学校経営課題として,児童の自ら学ぶ力の育成や豊かな感性や情操などの人間形成をはぐくむ場として学校図書館の利活用を行っている。特に,児童の学習活動や読書活動,学校図書館ボランティアの活用,市立図書館との連携,校内の運営委員会や児童活動を中心に取り組んでいる。
   1 学校図書館の整備
         空き教室を利用した低学年図書室と高学年図書室の二つの図書室を備えている。低学年図書室は,主として,読書センターとしての活用を,高学年図書室は,読書センター及び児童が自ら学ぶ学習・情報センターとして活用を図っている。
   2 校内学校図書館運営委員会の設置
         校長,教頭,図書館教育主任,学年主任で委員会を組織し,児童・職員の図書の購入の選定,校内の読書活動,図書館の運営について話し合っている。
   3 国語科や総合的な学習の時間での学校図書館の活用
         国語科担当教師が低学年の読書指導(TTでの指導を含む)を行っている。また,総合的な学習の時間には,児童が課題学習や発展学習等の主体的な調べ学習の場として利活用している。
        
(2) 家庭・地域との連携
      学校図書館ボランティアに,10数名の保護者が人材バンク登録しており,図書の修理・整備,低学年児童への読み聞かせ等のボランティアを週2日(月・水曜日)行い,児童の読書意欲を高めたり効果的に学校図書館を利用できるようにしたりして支援している。
愛媛県 西条市立飯岡小学校
(1) 本校の実践の特色
      保護者の温かい思いからスタートした読み聞かせ活動は、本校の教育活動や児童の読書体験にやさしい風を送り込むとともに、地域の人たちがおのずと児童の活動にかかわることのきっかけとなっている。本との出会い、人との出会いを大切にして、児童の未来に続く生活を潤し続けていくことができるよう、学校・家庭・地域との連携を深めた実践を続けている。
   1    二つの図書室と「ひまわり教室」設置児童の願いや思いを大切にした二つの図書室と、図書館ボランティア活動の拠点となる「ひまわり教室」を設置した。
   2    図書館ボランティアを活用した学習の構想と教職員の意識改革
        
(2) 学校図書館ボランティア活用
   1    「ひまわり文庫」の主な読み聞かせ活動・木曜日の昼休み、ひまわり教室にて
     
   毎週月曜日の読書タイムに低・中・高学年の各1クラスで読み聞かせを実施。
        
   2    学習活動への支援
      ・絵本の読み聞かせや紹介
      ・紙芝居や絵本づくりのアドバイス
      ・交流活動や課題追究活動の支援
   3    総合的な学習の時間「読み聞かせ教室」「点字教室」「国際理解教室」など開催
   4    読書への誘い「ひまわり新聞」発行
   5    集会やイベント活動での支援
   6    地域諸団体からの協力・飯岡読書会による「百人一首カルタ会」・文化財愛護会による「ふるさと探訪」
   7    PTA図書委員会や文化芸術委員会の発足と多様な読書活動推進への支援
愛媛県 松山市立窪田小学校
(1) 本校の実践の特色
      平成11年度に西部地区学校図書館活用フォーラム、平成13年度に四国地区学校図書館研究大会の会場校となり、読書活動と情報活用を柱とした研究を公開した。
   1 学習・情報センターの充実
         広い学習センターを「お話のへや」と「調べ学習コーナー」に分け、読書や調べ学習に活用している。学習活動を支える学習・情報センターを目指し、図書の整備や楽しい展掲示の工夫、スクールリブによる図書の管理・貸し出しを行っている。低学年には学年内に専用の図書スペースを設置。
   2 読書活動の充実(毎週木曜日)
         読書の日とし、朝の「ひだまり読書」の時間を設け、自由読書や教師の読み聞かせ、他学年との読書交流を行っている。
   「本は友だち」コーナーの掲示、読書集会、図書委員会による読書郵便等を行っている。読書郵便は特に児童の反応が大きく、読書の浸透や交流に一役かっている。
   3 情報活用の授業実践
         子どもの実態に応じ「くぼたっ子GoGo学習」(総合的な学習の時間)をはじめ様々な学習で、コンピュータ・本等の多様なメディアを活用した授業を行っている。
   4 学習情報の充実
         子どもの個別ファイルやフォルダー(パソコン)、教師による図書資料リスト、ホームページリンク集等の学習情報の活用・蓄積を行っている。
        
(2) 家庭との連携、地域との連携
      保護者読書ボランティア「ふう」による、読書の日の読み聞かせや親子読書・ファミリー読書の推進を図っている。地域の幼稚園・保育園との読書交流を行ったり、地域の方をゲストボランティアとして積極的に学習に招へいしたりしている。
高知県 須崎市立多ノ郷小学校
(1) 本校の実践の特色
   1    朝の読書タイム
         毎週月、水、金曜日の朝自習の時間を「読書タイム」として位置づけ、児童は多くの本に親しんでいる。
   2    青少年読書感想文コンクールや読書感想画コンクールへの取り組み児童の表現能力を育てるために全校的に取り組んでいる。
   3    秋の読書月間
         11月に図書委員会が中心となり、読書活動に取り組んでいる。内容は、主に次の通りである。
         読書タイムを毎朝行う。
         校内読書郵便
            自分の読んだ本の内容を友達や先生に紹介するはがきを書き、読書郵便として図書委員が配達している。児童は読書郵便が大好きで、1年生から6年生まで楽しく取り組むことができた。
         辞書早引き大会
            日頃から辞書に親しむ習慣をつけるために4、5、6年生全員参加で行っている。
         図書委員会からのしおりのプレゼント読書月間中、目標冊数を超えた児童に図書委員会からしおりをプレゼントし、読書の励みとしている。
         読書まつり
            日常実践している読書活動をさらに発展させるために、「読書まつり」として、劇、紙芝居、歌、オペレッタ、朗読などの発表に力を入れている。
           
(2) 家庭との連携、地域との連携
   1 親子読書
         1年生は毎週末に、他の学年は時期を決めて、児童が借りて帰った本を親子で読み、本に親しんでいる。
   2 お話の時間
         保護者や地域の方々が月に2回、始業前の10分間、各学級へ入り、お話や本の読み聞かせを行っている。子どもたちも大変楽しみにしており、地域の方々とのふれあいの場にもなっている。
福岡県 桂川町立桂川東小学校
   平成9年度の文部省教育総合推進事業及び桂川町学力向上推進事業の委嘱を契機に、「学校・家庭・地域の連携のもとに子どもの学習意欲を高め、確かな学力の定着を図る」ことを目指し、授業の改善に取り組んできた。その取組と合わせ、次のような読書活動の推進に力を注いできた。
(1) 朝の「読書タイム」
      5年前より「読書タイム」(火・木・土の8:35~8:50)がスタートした。
   「読書の楽しさを子どもたちに分かってほしい」という願いから、担任をはじめ校長、教頭、補助教員等全ての教職員が担当の学級に入り、全校一斉に読み聞かせを行っている。
   この時間は全校が静まり、目を輝かせて読み聞かせに集中している子どもたちの姿が見られ「読書タイム」を楽しみにしている子どもたちが増えてきた。
   近接学年読書や交流読書を取り入れ、教職員も楽しみながらの「読書タイム」に発展してきている。
     
(2) PTA文化部「親子読書会」
      炭坑が閉山し、児童数が激減したとき、子どもたちの生きる希望になってほしいという願いを込めた「親子読書会」が始まった。当時の保護者の願いは現在も受け継がれ、地域の読書運動とタイアップした形で「親子読書会」が行われている。
   PTA文化部のメンバーが、1学期に大型紙芝居やパネルシアター等を行ってくださっている。1カ月前から、夜、学校に集まり、準備や練習を重ねられる姿から、「子どもたちに良いものを」という真摯な気持ちが伝わってくる。
   2学期には、各学年ごとの読み聞かせ、3学期はお別れ集会での劇への参加と、地域の方々にも加わっていただいての活動が楽しく行われている。
     
(3) 「おばあちゃんの子守歌の会」との連携
      毎朝、校門でのあいさつ運動に取り組んでいただいていた地域のおばあちゃん方に呼びかけ毎月第3木曜日の「読書タイム」の時に、紙芝居をしていただいている。
   おばあちゃんたちに親しみを感じ、自然に挨拶を交わしている子どもたち。「おばあちゃんの子守歌の会」も年々人数が増え、意欲的に練習されている。「子どもたちと毎朝接することや、紙芝居を行うことで、私たちもたくさん元気をもらっています。」と代表の方は言ってくださっている。いろいろな面でご支援をいただいており、本校の大切な宝である。
福岡県 北九州市立前田小学校
   94年の歴史を数える伝統校です。八幡東区の西端に位置し、南に皿倉山を望み、緑に囲まれた土地にあります。周辺には、市立の芸術・文化・科学・体育施設やJICAのセンターもあり、教育環境として非常に恵まれたところです。保護者の教育活動に対する理解と協力は厚く、PTA活動において文部大臣賞を受ける等、地域の教育力も大です。
本校の実践の概要
(1) 本校の実践の特色
   1 読書への誘いの活動
     
   読書タイムは、毎週金曜日の朝十五分間を子どもたちの自主的な読書の時間とし、自分で用意した本を読みます。
   お話の日は、毎月一回、教師が読み聞かせをしたり、児童が自分の読んだ本の紹介をするなど、学級により様々な工夫がされています。
   2 表現力に結びつく活動
     
   読書集会は、年間二回、学年ごとに実施されます。表現方法も子どもによってデジタルカメラやOHPなど、視聴覚機器を用いる場合も多く、劇化・絵本・ペ-プサ-ト・ブックト-クと、多様です。
        
   3 魅力ある図書館にするために
     
   特設コ-ナ-には、新刊書・国際理解・福祉・環境・健康・調べ学習ファイル・県の資料・国別資料・詩・児童作品・外国の作家・季節ごよみなど、年々増加しています。
   やすらぎの場として、高学年図書室・絵本の部屋・廊下はオ-プンスペ-スとし、雰囲気づくりに努めています。
   パソコンの導入は、バーコードでの貸し出し事務簡略化、検索の便利さ、統計整理と広報活動に効果をあげ、利用数の増加がみられました。
   児童の運営参加によって、創意工夫のある活発な児童委員会活動になっています。カウンター業務、季節ごよみづくり、本の紹介、ポスターづくり、図書館新聞づくり、お話の会、ブックトーク集会など、児童の発想を取り上げてやることにより、意欲的な活動が増えました。
        
(2) 地域との連携
   1    前田どんぐりの会は、隣接する市立前田市民福祉センター内サークルに読書好きな9名が集まってできた「学校ボランティア」グループです。毎月第4水曜日昼休みに、低学年を中心に「読み聞かせ」や「紙芝居」をしています。また、学習時のゲストティチャーとして本の修理をグループ指導してもらっています。さらに、児童の物語づくりの学習では、聞き役をしてもらう等、年長者と児童との心の交流の場として欠かせないものになってきています。
   2    隣接する市立八幡図書館の利用も多く、全児童が図書カードを持っています。
福岡県 大和町立豊原小学校
(1) 本校の実践の特色
      本校の読書活動は、昭和60年度頃より始まっている。そして、今日まで新たな試みを付加したり、改善したりしながら啓発や推進を図ってきている。この読書活動で目指す児童像は、「本が好きな児童」である。以下、主な活動を紹介する。
   1 読書月間
         子どもの読書に対する興味と関心を高め、幅広い読書ができるように、次の活動を全校で行っている。
      読書標語作りに挑戦しよう
      すすめる本を絵や文で紹介しよう
      読書月間の集大成、図書館祭りをしよう
   2 集団読書の日
         十分以内に読めるように選定された集団読書用テキストを、一斉に読む日を年間5回設定している。
   3 縦割り読書集会
         縦割り班のリーダーの自主的計画のもと、その班の全学年の児童が楽しみながら、読書の幅を広げることをねらいとしている。
        
(2) 家庭との連携、地域との連携
      読書活動は学校だけではなく、家庭や地域と一体になって行うことによって、さらなる効果や価値が期待できる。
   1 家庭読書
         毎月第二・第四土曜日を「家庭読書日」と位置づけ、児童を通して貸し出した本を家族で読み合い、その感想を「どくしょのきろく」というノートに書く。
   2 大和町子供会の集い
         町内の児童を対象として、地域のボランティアの方による読み聞かせやブラックシアターなどが行われ、校区内外の児童の交流を図っている。
佐賀県 神埼町立神埼小学校
(1) 本校の実践の特色
      昭和50年度より,国語科学習指導方法の研究を継続実践し,平成9・10年度文部省指定「教育課程及び読書指導」を機に,学校図書館の充実と読書指導の工夫改善についての研究を開始した。
   1 読書指導と読解指導の一元化
         国語科学習において,読書指導と読解指導を一元化するために,教科書教材に関連した図書や作品を活用する学習指導過程の基本パターンを開発した。
   2 発達段階に応じた読書指導
         各学年の発達段階に応じて,子供たちに手にとって読んでもらいたい本を,学年ごとに50冊精選し,読書を奨励した。
   3 読書を支える環境の整備・充実
         図書館では,楽しく明るい雰囲気の中で読む場づくりを目指し,月ごとのテーマ展示や子供の作品展示等を行った。
   4 読書タイムの設定
         平成9年度より,火曜日から金曜日までの連続4日間,朝の10分間を全校一斉読書の時間として設定した。
   5 図書館祭りの実施
         子供たちの読書意欲の向上と図書館への慣れ親しみを願って,学期に1回,連続3日間を図書館祭りを開催した。祭りの内容としては,ペープサート劇・パネルシアター・紙芝居・読書ビンゴ・点字速読み等の活動や,しおり作り・とびだす絵本作り等の製作コーナーを設けた。
     
(2) 家庭との連携,地域との連携
   1    家庭の中にも読書の輪を広げようと,図書館祭りと同時期にファミリー読書を行ってきた。ペアペアカードを家庭に配布し,協力依頼を行った。
   2    子供たちの読書意欲の向上に伴い,図書館蔵書だけでは読みたい本のニーズに応えることができなくなってきた。そこで,地域の図書館からの長期貸出しの協力を得た。また,PTA主催のバザーや地域廃品回収の益金で新刊図書購入をして頂いた。
佐賀県 玄海町立値賀中学校
(1) 本校の実践の特色
      図書主任と図書館司書補を中心とした全職員の連携により、生徒が主体となった学校図書館活動になるよう日々実践している。
   1 「朝の10分間読書」の実施
         平成11年9月14日より開始、行事のない火曜日から土曜日の朝に各クラスで10分間読書を実施している。各クラスの担任、副担任も生徒と一緒に読書を行っている。
   2 「読み聞かせ」の実施
         平成11年度は担任による読み聞かせ、平成12年度からは土曜日の「朝の読書の時間」に生徒(図書指導部員)による本の「読み聞かせ」を実施している。
   3 「図書館のしおり」の活用
         平成10年より「図書館のしおり」を作成している。入学時に配布し3年間使用する。「3年間にこれだけは読もう」という本50冊を選定し、読み終わったら『読破シール』を貼らせ、校内に全生徒の読破状況を掲示している。
   4 「読書カード」の記入と掲示
         平成10年度より開始、読んだ本の書名・著者名・感想などを紹介する「読書カード」を各自に記入させ、掲示している。
   5 以上の他、生徒(図書指導部)による活動
      ・図書館標語コンクール
      ・俳句短歌コンクール
      ・全校朝会での本の紹介
      ・文化祭における人権に関する本の紹介、展示
      ・多読者へのアンケート
      ・先生お薦めの本の紹介
      ・記念日の放送と図書室利用の呼びかけ
長崎県 福島町立福島中学校
   豊かな感性と情操を身につけた生徒を育成するために、読書活動の推進と魅力ある図書館づくりを目指し、次のような取組を行ってきた。
(1) 朝の15分間読書活動の推進
      毎週、木・金・土曜の8時5分から20分までを「読書タイム」と位置付けた。教師も全員が各教室に入り、一緒に読む。学級文庫の運営については、各学級の担任と生徒がそれぞれの学級の持ち味を生かし運営してきた。
     
(2) 読書推進に関する啓発活動の推進
      読書活動を活発にするために、「学校だより」「学級通信」「文化部だより」「図書室だより」の中で、新刊図書の紹介や読書に関する情報を中心に、生徒や保護者、地域の人に啓発活動を推進してきた。
     
(3) 「読書室」と「学習室」の分離
      目的に応じた使用を目的に、調べる学習ができる「学習室」を空き教室を活用して新たに設置し、従来の図書室を読書専用の図書室(読書室)と改めた。読書室にはやすらぎとくつろぎのある空間を目指して、畳の間や観葉植物を配置し、好きなときに訪れ、気軽に本が借りられるような工夫をしてきた。
     
(4) 読書に関する校内の整備や掲示
      読書に関する情報の提供を目的に、階段の踊り場に「図書案内」「一口感想文」などのコーナーを設けた。また、校舎内の掲示板をフルに活用して「読書マラソン」「お薦めの本の紹介」などを掲示した。
長崎県 長崎県立佐世保西高等学校
   本校の読書活動は、自ら生きる力を育成する「朝の読書」を基盤に置き、図書館の資料を利用した調べ学習及び小論文学習を両輪として考えている。
1 「朝の読書」
      平成10年度の2ヶ月の試行期間を経て、現在まで、毎朝10分間の全校一斉読書を実施している。この読書活動は、読書力の向上を第一義に、学校全体の学力向上と静寂さを作り出すために始めたものである。
2 図書館の資料を利用した授業
   (平成12年度236時間の利用)
      教科学習を積極的に手助けする読書は学校図書館の学習センターとしての役割を確認させ、勉学に取り組む生徒の学習姿勢に変化をもたらすことができる。平成10年度以降、本校では、国語・公民・英語・数学・理科・家庭の6教科で実践してきた。
3 校内小論文コンクール(1・2年生で実施)
      平成11年度より実施。調べもの学習を展開させた形として、図書館の資料を利用した小論文学習(校内小論文コンクール)を位置づけている。
4 卒業論文(3年で実施)
      平成11年度より実施。進路が12月中に決定した生徒を対象に呼びかけている。
5 心の虹運動(朝の読書の発展した形)
      平成12年度より全国の学校と読書を通じての交流を実践している。その交流の成果は文化祭で発表している。
熊本県 熊本市立飽田中学校
(1) 本校の実践の特色
      本校は平成12年度、13年度熊本市委嘱「図書館教育推進校」及び文部科学省・国立教育政策研究所指定「生きる力をはぐくむ読書活動推進事業」を受け、学校・地域をあげた取り組みを進めてきた。特に、図書館の整備と読書活動の充実に取り組んできた。
   1 図書室整備
         図書購入費の大幅増額とともに、環境整備の充実などを、司書を中心として行っていった。
   2 蔵書の電算化、図書館の情報化
         平成12年度より本校区4小中学校で、平成13年度より全市で蔵書の電算化を実施。図書館には平成13年度現在、光ケーブルで接続された4台のコンピュータが設置され、インターネットも利用できる。
   3 運用改善
         平成12年度より、市立小中学校全校に司書が配置された。また、本校では朝7時30分から午後5時まで終日開放している。
   4 読書指導
         朝のいっせい読書、図書委員による昼のお話し会の実施など、読書活動を推進してきた。
        
(2) 家庭、地域との連携
      本校は地域の幼稚園・保育園・小学校・民生委員などを会員とする幼保小中連携協議会を組織して、活動を続けてきた。その基盤の上に、以下のような活動を行っている。
   1 小中学校間の連携
         校区内の3小学校・1中学校の司書4名と図書館担当教諭との連絡会を毎月1回実施した。
   2 公民館活動との連携
         公民館講座で図書館活動に関連するものを行い、生徒・保護者の参加があった。読書祭りを地域全体として行った。
   3 学校図書館ボランティア活動
         環境整備ボランティア・読み聞かせボランティア・装備ボランティアなど多くの方が関わってこられた。
熊本県 熊本県立蘇陽高等学校
(1) 本校の実践の特色
   1 朝の15分間読書
         平成12年9月より実施。この試みは、生徒たちに読書習慣を身につけてほしい、読書を通して自分で考えることのできる力をはぐくんでほしい、自分自身を静かに見つめなおす時間を持ってほしい、一日を落ち着いた環境の中で始めてほしいという職員の一致した思いから始まり、担任はもちろん、副担任や学年団の教職員も教室、廊下等で本を読むなど、全校をあげて取り組んでいる。
   2 「読みたい本がある」図書館づくり
         近隣に大型書店や公共図書館がないため、74.1%の生徒が、朝の読書で読む本を図書館から借りている。図書館側も、生徒たちがより利用しやすいよう「読みたい本がある」「居心地が良い」「使いやすい」という3点を心掛けた図書館づくりに取り組んでいる。
   特に、生徒達の「読みたい」気持ちを大切にするために本の予約制度のPRと定着には力を入れている。また、公共図書館とも連携して、生徒の読みたい本、必要な本は必ず提供するよう努めている。
        
(2) 家庭・地域との連携
      月曜から金曜の午後1時40分から4時40分まで図書館を地域の方々に開放している。1人3冊まで、1か月間の貸出も行っており、育友会新聞や蘇陽町の広報紙を通して利用を広く呼びかけたところ、平成12年度は60冊の貸出があった。
大分県 臼杵市立上浦小学校
(1) 本校の実践の特色
      読書意欲や、関心を高め、読書活動を活発にするための指導法の実践的な研究を行っている。特に国語科を中心に、生活科・社会科における読書活動への支援を通して、読書を楽しみ、読書を学習に役立てようとする児童を育てるための授業のあり方を探ってきた。また、児童の実態を踏まえ読書環境を整備し、読み聞かせなどを通して本との出会いの場を意図的・計画的に設け、さまざまな読書活動や集会活動を通した児童間の交流を図っていくことをねらってきた。
   1 校内研究
         校内研究の中で、学習意欲の高まりをねらって、単元の発展学習として「読書活動」を位置付けている。
   2 読書カルテ
         児童一人ひとりの本に対する興味関心等の理解のため「読書カルテ」を活用している。
   3 上浦タイム
         学級担任以外による読み聞かせの時間(上浦タイム)を設け読書の楽しさを知らせ、読書への意欲を高めている。
   4 読書朝会
         児童会や図書委員会を中心に、新しい本の紹介をしたり、パネルシアター・ビデオを使って発表やお知らせを行ったりしている。
     
(2) 家庭との連携、地域との連携
      児童の読書環境のあり方の一つとして、家庭での読書環境の整備・地域ぐるみの読書活動を挙げ、次のような取り組みを行っている。
   1 親子読書
         PTA専門部(研修部)と協力して、保護者による読み聞かせの時間(親子読書タイム)を設けている。
   2 家庭との連携
         「読書環境作り」の充実のため、「家庭での読書環境作り」と「家庭への啓発」を行っている。
   3 地域への図書館の開放
         「学校へ行こう」を合言葉に、地区の方々が気軽に学校へ来て読書に親しめるよう日ごろから図書館を開放し地域住民と子どもたちとの交流を深めている。
大分県 大分県立高田高等学校
(1) 本校の実践の特色
      本校の図書館は利用者の増加を目指して,独自の図書館活動を展開し,図書館利用のきっかけを作っている。入館のきっかけをつかめれば,カウンターでのブックトークや読書相談を通じて読書の習慣をつけていくことが可能である。入学時に全く読書体験のない生徒が,3年間に読書の楽しさを語るまでになったという事例もある。
   本校の館報は,図書館の動向を伝えるばかりでなく,読書へのアプローチや学習にもつながることを目指して,生徒図書委員会の作成する「LIBRARYnews」と司書の作成する「としょかん通信点点点」,「朝読書・本・情報」で読書へのアプローチを行っている。
   1 「LIBRARYnews」
         図書館の本や行事を通して図書館を身近に感じてもらい、読者が「読んで得した」という気になる館報作りを目指すということに,館報発行の主旨を置き,月1回の定期発行を続けている。担当は4月に各クラスから選出される図書委員広報班である。機器の発達した昨今であるが,親しみやすいことを理由に手書きを踏襲している。特に手書きでは読みやすさが求められるため,班全員でゴシック体の字を練習して字体を統一している。毎月発行日前に校正会議を開き,誤字,脱字,タイトルの決定,カットやレタリングの検討等を行っている。
   2 「としょかん通信点点点」
         読書案内に主眼を置き,これも手書きで,B5判で読み物形式の館報である。ラジオ,テレビ,新聞,雑誌から取材した、高校生に伝えたい内容も、図書の紹介とあわせて記事にしている。カウンターでの読書相談やブックトークの話題となり,関連図書の利用につながっている。
   3 「朝読書・本・情報」
         本校では,サタデー読書(第1,3土の朝読書会)を行っており,木曜日に朝読書の本の選択に役立つように発行している。配布後の本の貸し出し数が増加し,図書館を身近に感じるという生徒が多くなった。
     
(2) 活動体制
      生徒図書委員会広報班の会議で,館報製作の月を決定する。月担当者はその月の校正会議の後,特集や続きものなどの,取材,編集,ゴシック体の字で清書,校正会議を行う。この会議には係の教員も参加し,記事にタイトルをつけ,レタリングしたり,飾り罫を入れたりして紙面を完成している。
宮崎県 串間市立福島小学校
(1) 本校の実践の特色
      本校は,新しい時代の福島の文化を創造す子どもを育てることを学校の特色とし,その基本的な柱を次のように設定している。
   ・読書活動の展開
   ・地域の文化を学び新しい文化を創る活
   ・表現力の育成
      そのような背景をふまえ,特色ある学校づ作りの重要な側面として読書活動を積極的に推進している。
   1 朝の10分間読書
         平成10年度から火曜日を除く毎朝10間,全校児童とすべての教師が,好きな本に読み浸る活動を続けている。
   2 読書環境の整備
         図書室とは別に,第一読書室(畳の間),第二読書室(椅子と机),調べ学習室(広いテーブル)を整備し,児童が目的に応じて利用できる読書環境を工夫している。
   また,図書委員会の児童やPTA図書部のメンバーが,切り絵などで季節感あふれる読書室の環境設営を行っている。
   さらに,パソコンを導入して,蔵書の集中管理や貸出事務の簡素化が図られた。
   3 読書祭の実施
         本年度から毎学期1回,読み聞かせや多読賞の表彰,本の紹介,読書感想文や感想画の展示などを中心にした読書祭を行っている。
        
(2) 家庭との連携,地域との連携
   1 「読書の杜」事業の展開
     
近隣の学校との連携
      県教育委員会の地域指定を受け,近隣の小・中・高等学校や市立図書館と連携しながら読書活動の充実に努めている。
   親子読書の推進
   「読書の杜新聞」の発行など
   「おすすめの本」の発行
図書館祭
      市立図書館と近隣の学校が連携して図書館祭を実施した。内容は,古本の交換や読み聞かせ会,読書アンケート,読書に関する講演会等である。
   2 PTAとの連携
         本校のPTAには,図書室のパソコンの設置からバーコードの入力作業等積極的な支援をいただいている。また,毎週水曜日の昼休みには学級の保護者の代表に交替で読み聞かせをしていただいている。
   3 市立図書館との連携
         市立図書館からは毎学期2000冊の図書を団体貸出として受け入れ,各学級の朝の10分間読書等に活用している。
宮崎県 新富町立新田小学校
(1) 本校の実践の特色
   1 朝の10分間読書
         平成8年より,毎朝全校一斉に本を読んでいる。全児童が本に集中し一日が静寂の中で始まる。教師も共に読書を楽しむ時間である。
   2 読書貯金通帳の利用
         「読んだ本」「本の頁数」「累計」を記録する読書貯金通帳を活用し,読んだ量を確認しながら読書意欲を高めている。
   3 図書室の整備
         これまでの学校図書館から調べ学習などの資料となる本を選出し,空き教室を利用して第2図書室を作った。図書室で調べ学習の学級と読書利用の学級がぶつかることなく,目的にあった利用ができるようになった。
   4 読書まつり
         毎年11月に読書集会を実施している。クイズや劇、読み聞かせ,多読賞表彰などを行ってきた。今年は2時間に拡大し,読書まつりとして学年発表や読み聞かせ「先生方の思い出の本」など盛りだくさんのプログラムで本の世界を楽しんだ。
     
(2) 家庭との連携,地域との連携
   1 ファミリー読書
         家庭での読書を習慣化するために,毎学期2週間,家族で本を読む活動を推奨している。普段忙しい保護者にも,この時期には子どもと一緒に本を読んでもらっている。
   2 学校図書館のネットワーク化
         学校図書館にパソコンを配置し,校内LANによるインターネットの利用が可能となった。来年には小学校・中学校が連携して蔵書検索できるようになり,双方の図書閲覧をはじめ,家庭・地域からの検索が可能となる。
   3 PTAによる読み聞かせ
         家庭教育学級の一環であるPTAの読み聞かせの会「ピーターパン」が,定期的に学級に入って読み聞かせを行っている。
   4 文集「心に残る1冊」の制作
         新田小・新田中・児湯養護学校・校区内保育所・公民館が連携し,165人の心に残る本を紹介し合う文集を作成した。読書という観点からコミュニケーションを広げていくため,新田地区全戸に回覧している。
宮崎県 日之影町立小原小学校
(1) 本校の実践の特色
      本校は過去6年にわたり,全校で「年間目標読書量」を設定し,意欲的な読書活動を行っている。また,学校の教育活動の中心に読書活動を位置付け,基礎学力の定着を図る取組を続けている。
   1 年間目標読書量の設定
         4月当初,図書委員会の提案で全校児童9名で年間10万ページの目標読書量を設定した。児童の意欲を喚起するため,「10万ページ小原小歴史ツアー」と銘打ち図書室前に掲示した。5000ページを小目標とし,達成した段階で日付と達成ページを書き込むようにした。
   2 朝の読書
         毎週木曜日を全校読書の日とし,朝の10分間全校読書を実施している。
   3 業間活動における読書
         月に数回,業間の時間(20分)に全校読書を行っている。また,本の紹介をお互いに行い,いろいろな本に親しむ活動も行っている。
   4 給食前の読書
         給食当番以外の児童は,図書室で本を読むようにしている。高学年の児童が低学年の児童に読み聞かせを行っている。
        
(2) 家庭との連携,地域との連携
   1 読み聞かせの取組
         家庭教育学級において,外部講師による読み聞かせ活動(親子対象)を行った。
   2 参観日における読書の呼びかけ
         懇談会で児童の読書状況を保護者に説明し,家庭でも積極的に読書をするよう勧めている。
鹿児島県 姶良町立山田中学校
(1) 本校の実践の特色
      本校は平成7・8年度に文部省から読書指導の研究校の指定を受け,全教職員と全校生徒が一体となって読書活動に取り組んだという経緯がある。現在まで読書活動は継続して行われている。その活動の一端を紹介する。
   1 朝自習読書
         実態調査から,生徒が本を読まない理由として時間がないからということが分かった。そこで,朝自習時間を読書と学習の隔週制で行うことにした。本を忘れた生徒もスム-ズに取りかかれるように学級文庫も設置している。現在はさらに読書の時間がほしいという声に応えて水曜日を読書の日に設定して,全校生徒が放課後に一斉に読書をしている。
   2 読書旬間の活動
         生徒の読書の幅を広げさせるためにも,読書旬間はテ-マを設定し,取り組んでいる。多くの行事を行うが1時間は図書委員によるブックト-クを実施している。生徒自身が本の選定と紹介の準備をしていく。生徒の興味が広がるいい機会である。
   3 パソコンの導入
         以前はカ-ド式の貸し出しシステムであったが「学校図書館情報化・活性化モデル事業」により図書館にコンピュ-タが導入され,貸し出し業務がスム-ズに行われるようになった。貸し出し冊数も飛躍的に増え,総合的な学習でも図書や資料の検索に役立っている。
   4 個に応じた読書指導
         全体的に見ると読書に対して積極的に取り組める生徒が多いが,一人ひとりを見ていくと,読書に対して抵抗をもっている生徒もいる。年に一度は実態調査を行い,個に応じた本を勧めたり,声をかけたりしている。
鹿児島県 鹿児島県立種子島高等学校
(1) 本校の実践の特色
      読書を生涯学習の基礎と位置付け,その習慣を身に付けさせるための種々の実践を通して,「豊かな感性」や「判断力」「表現力」を育成することを目指す。
   1 朝の読書の実践
         平成12年度から,毎朝10分間の時間帯で全学級スタート。生徒・職員にも好評で,ほとんどの生徒が「自分の好きな本」を読むことから,静かな1日が始まっている。
   2 新入生へのオリエンテーションと「読書案内」の配付
   3 読書強化週間と読書日記の作成
         5・11月の年2回設定。この期間に読んだ本の簡単な紹介・感想を提出させ,生徒と教師の心の交流に役立てている。
   4 校内読書感想文コンクールの実施
         春・夏・冬の長期休業期間に学年ごとに課題図書を設定して感想文を書かせる。その第一次選考には学級担任が携わることになっており,学校全体の読書意欲を喚起するのに役立っている。最終的には,各学年3人ずつを表彰する。
   5 各種読書感想文コンクールの紹介と積極的な応募
   6 図書館だよりの発行
         生徒図書委員会を活用して年11回発行。学級別貸出冊数・貸出冊数上位者等を掲載することで啓発活動の一環としている。
        
(2) PTAとの連携
      読書によってものを見る目が育ち,自分の意見を持てるようになっている。これを踏まえてPTAの保護者代表と生徒代表による「本音討論会」を年1回程度実施。その模様は「PTAだより」でも紹介し,好評を博している。最近のテーマは「携帯電話は必要?」「あなたにとって故郷とは?」であった。
沖縄県 浦添市立浦西中学校
(1) 本校の実践の特色
      創立当初から図書資料をデータベース化し、県内小中学校に先駆けてコンピュータを導入、現在の学校図書館の情報化、活性化事業の先駆的役割を果たしてきた。また、朝の読書活動推進校として平成5年~8年の3年間、学校図書館モデル研究指定校を経て今日まで10年間、朝の読書活動の実践を継続的に行っている。
   本年度の読書読書冊数は、2月19日現在、生徒一人当たり60.0冊となっている。
   1 読書活動を充実させる取り組み〔朝の読書活動〕
      ねらい:心豊かな生徒の育成、学習の雰囲気づくり、学習意欲の向上、読書の習慣化
      取り組み:月間目標の設置、読書ノートの記入、学級読書通信の発行等
   〔多読者の表彰〕
         100冊以上の多読者を全校集会等の場で表彰する。(年4回)
   〔読書案内〕
         校内放送や掲示により新刊図書や推奨する図書等を紹介する。
   2 教科指導における図書館利用の取り組み
     
   総合的な学習の時間における福祉、平和、進路学習の調べ学習
   国語の教科書に沿った漢字、意味調べ
   道徳の時間の発展としての関連図書の読み深め
        
(2) 家庭との連携、地域との連携
      図書委員が各自の読書ノートを「学級読書通信」にまとめ、各学年掲示板に掲示するとともに、家庭へも配布している。また、「図書館だより」の発行により、クラスや個人の読書傾向や新刊図書を紹介したり、読書月間期間中の作品や入賞者等を家庭に知らせたりしている。
沖縄県 具志川市立田場小学校
(1) 本校の実践の特色
      本校では、児童の主体的に学ぶ力の育成のために、各教科や総合的な学習の時間等で「調べ学習」の場としての図書館の活用を中心に進めてきた。特に市立図書館や他校の資料を図書館のコンピュータから検索・予約して取り寄せ、日常の授業の中で子供たちの問題解決を支援する学習情報センターとしての図書館活動も実践している。
   1 活動内容
         朝の一斉読書
         コンピュータによる本の貸出・返本
         市立図書館及び他校の図書資料の相互貸借による教科学習での活用
   2 実践開始時期
      〔平成9年〕
            蔵書の電算化を行い、2台のコンピュータ端末で図書館業務を行う。
      〔平成10~12年度〕平成10~12年度
            「学校図書館情報化・活性化モデル地域事業」の文部省指定を受け、図書館システム3台、図書館検索用端末2台のコンピュータを配置する。地域図書館ネットワークが構築され、総合目録が整備される。また、物流配送サービスも開始され相互貸借がシステム化され、市立図書館、市教育研究所、市内小中学校図書館との協力が円滑になった。
         (きょうはどの本借りようかな?)
           
(2) 家庭との連携、地域との連携
   1    「図書館だより」を毎月発行し、活動のようすや、新着図書や読書統計などを家庭に知らせている。
   2    「ひとり一役みんなのPTA」で募集した人材バンクより「読み聞かせ」のできる方々で「読み聞かせ」ボランティアサークル結成し、毎週水曜日の朝8:15~8:40の間、各学級で読み聞かせをしてもらっている。本の読み聞かせはもちろん自作の大型紙芝居やパネルシアターなどの工夫を凝らした取り組みは、子供たちに喜ばれている。
※「平成13年度読書活動実践事例集」(国立教育政策研究所編)より転載。
       
 

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