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優秀実践校一覧及びその活動内容(平成13年度)-1

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都道府県名 学校名 取組の概要
北海道 えりも町立東洋小学校
(1) 本校の実践の特色
   1    思いを豊かに本校は、表現力の育成を目指し、国語科物語文の指導を中心に実践研究を進め、平成11年度には北海道へき地複式研究大会の会場校として、研究成果を広く発表した。その成果を生かし、音声表現の豊かさを一層培うため、総合的な学習の時間の学習活動等に発展させ、実践を深めている。
   2    読書活動を一日のスタートに表現力育成の取組の一つには、昭和40年代当初から実践してきた『読書活動』がある。これは、始業前の自主的活動で、自ら読みたい本を選択し、継続して読む活動を基本としている。
   また、読み聞かせの活動も日常化しており、全校的には教職員によるものや児童の委員会活動としても行っている。さらに、児童会活動として「読書週間」、「読書祭り」などを実施しており、読書が児童の日常生活に習慣化されてきている。
   3 読書の交流
         読書週間では、『読書手紙』や『こんな本読んだよカード』の掲示を行い、児童相互の交流を行っている。
   この活動が功を奏し、他の児童が読んだ本に興味をもち、その本を読んでみたり、児童が互いに自分の読んだ本を薦めあったりする姿も数多く見られるようになり、低学年児童と高学年児童との交流も深まってきている。
        
(2) 家庭との連携、地域との連携
   1 保護者にも広がる活動
         読書活動が始められたころの児童は、現在では、保護者となっており、当時と活動の方法や形態が変わったとはいえ、この活動に深い理解がある。
   また、長年にわたる取組で積み上げられてきた『親子読み聞かせ活動』は、地域にも広く定着した活動となっている。
   2 町立図書館との連携
         本校では、読書に親しむ活動として、町立図書館が定期的に実施している巡回図書を積極的に利用している。
   また、「総合的な学習の時間」における学習資料としての図書の活用方法について図書館職員からアドバイスを受けるなど、町立図書館との連携を一層深めている。
北海道 苫小牧市立美園小学校
(1) 本校の実践の特色
      読書活動を通して「豊かな心」と「生きる力」の育成を目指した教育活動に昭和43年の開校以来取り組んできた。
   1    全校で読書感想文の指導を行い、感想文集「みそのっ子」を毎年発行している。平成2年、12年には、青少年読書感想文全国コンクールにおいて、学校賞を受賞している。
   2    児童会図書委員会が読書量調べを行い、その調査結果を掲示したり新しい本を紹介したりしている。また、学級担任が児童の読書量を集計し、通知票に冊数を記入するなどして保護者に知らせている。
   3    開校以来、PTAの図書館司書ボランティアの協力により、図書の貸し出しや新刊本の紹介、図書の整理・補修等を行っている。また、児童会図書委員会と協力して、貸し出しのルールや閲覧室でのマナーの指導を行っている。
   4    PTA文化サークルが中心となり、月1回程度、本の読み聞かせを行う「おはなしの会」を実施している。平成12年度からは、ブラックライトを使った紙芝居を行い、児童だけではなく、保護者や市民にも公開している。さらに、学級ごとに保護者による読み聞かせ活動も活発に行われるようになった。
        
(2) 家庭との連携、地域との連携
   1    平成12年の国際読書年には保護者に本の寄贈を呼びかけ、蔵書数を増やした。
   2    PTA図書ボランティアの活動が、PTA組織の中に位置付けられ、読書活動の在り方が全体で論議されている。
   3    児童の読書意欲を高め、読書活動を広げるため、市内の読み聞かせサークルを招待し、ストーリーテリングを実施している。
北海道 千歳市立向陽台中学校
(1) 本校の実践の特色
   1 全校生徒による朝読書の実施
         本校では次の三点をねらいとして朝読書に四年間取り組んできた。
         一日の学習や生活を、落ち着いた気持ちと雰囲気でスタートさせる。
         集中力と読書の習慣を身に付け、情操豊かな心の育成を図る。
         学力の基本である読解力や表現力、思考力の育成を図る。
         さらに、意識化を図るために、記録用紙に毎日の読書記録をメモし、個人用ファイルに保存させたり、読んだ本を互いに紹介し合う『紹介ポスターの作成』を行っている。
   2    生徒会による自主的な読書活動の推進生徒会の図書委員会が、図書の貸し出しの管理や、図書の紹介等の広報活動、朝読書の指導を行っている。
   図書委員は、8時10分から読書が始められるよう環境づくりを行っている。また、図書便りで新着本の紹介を行ったり、全校生徒を対象とした読書感想文や本の紹介作文コンクールの企画運営を行っている。
   3 日常的な読書指導
         国語の授業や選択教科(国語)の中でも推薦する図書の紹介を随時行うとともに、日常の授業の中でも、折に触れ教科担任が一部を読み聞かせたりするなど、本の魅力を紹介するブックトークを行っている。
           
(2) 家庭や地域との連携
   1 PTAとの連携
         保護者に対しては読書活動の意義を説明し、家庭における読書の習慣化に向けて協力を求めている。
   2 地域との連携
         地域のコミュニティーセンターには千歳市の「すみれ文庫」が設けられている。地域の方々がボランティアで運営しており、学校へ図書を寄贈してくださるなど日常的な連携を図っている。また、市立図書館については校区からバスで10分程度の場所にあり、読書活動や、日常の学習における調査活動に利用する生徒も多い。
青森県 鯵ヶ沢町立西海小学校
(1) 本校の実践の特色
   1    読書サークル員による「読み聞かせ集会」地域の「読書サークル」誕生を期に、4年前から月1回、各学年対象に実施。サークル員各自の選びぬいた一冊への思い入れは熱く、巧みな朗読と相俟って子どもたちの心に泌み透る。子どもたちはその日の来るのを待ち望んでいる。
   2    朝の「読書タイム」子どもたちの要望が強く、朝の始業前の自習時間が自由読書週間が旬間へと延長されている。
   3    「図書室は楽しい」ところ図書室での規制を取り去り、子どもたちのサロンとする。静かに読みたい人は隣の第2図書室へ。図書委員の子たちの紙芝居やビデオ上映に、昼休みの図書室は子どもたちで溢れている。
   4    読書指導の充実読書サークル員に刺激を受けながら、広い教育的見地でもって本校図書館教育計画に限り、個々の子に応じ、生かした読書指導、利用指導に努めている。
        
(2) 家庭との連携、地域との連携
      「ふるさとの文化伝承」を掲げる公民館事業ともタイアップして、郷土史はもちろん、ふるさとの民話、伝統的な町の祭りや踊り、国際交流にと、地域の人材を活用した多彩な学習を展開し、郷土に根づいた「生きる力」の育成に努めている。
   1    読書サークルの活動が活発化し、本校教職員との交流、研修会、町の図書館行事、他地域読書サークルとの交流も盛んである。
   2    本校卒業生やその購入費の寄贈が多い。特に地元漁業協同組合からは、30年間にわたり、3000冊余の寄贈があり、「漁協文庫」として子どもたちに親しまれ、感謝されている。
青森県 木造町立柴田小学校
(1) 本校の実践の特色
      児童の読書習慣をつけることを支援しようと、教師、保護者、児童が一体となり実践的な読書活動を恒常的に展開している。児童は読書を通して本への関心が高まるとともに「ものの見方・考え方」が深まり表現力、作文力がついてきている。
   また、この読書活動で、温かく思いやりのある人間関係を構築させようとすることもねらいになっている。
   1 教師による読み聞かせ
         学級担任だけでなく、全職員で全校の児童に対して読み聞かせをした。それぞれの教師が工夫を凝らし、新聞紙を用いたり、パネルシアターを使った実践もあった。
   「読書まつり」と銘うち、全職員がポスターを作製し、昼休みに校内の特別教室、体育館等で一斉に読み聞かせを実施する。児童は好きな絵本を聞きに行くというイベントを行っている。児童は毎年楽しみにしている催しとなっている。
   2 図書委員会活動
         図書委員会の活動の一貫として練習を重ね、紙芝居や読み聞かせの活動をした。また、創作絵本の製作を全校児童に呼びかけコンクールを実施したり、書名に関するクイズ、新刊本の紹介等の活動をした。
        
(2) 家庭との連携、地域との連携
      保護者の有志による活動が主なものである。夏休みの朝のラジオ体操終了後、子ども達に読み聞かせのボランティアをしている。有志の母親たちが、輪番で持ち寄った絵本を読んでくれている。
   また、冬に実施される郷土カルタの大会のために読み手、審判、指導などと分担して児童の指導にあたっている。
岩手県 盛岡市立山岸小学校
(1) 本校の実践の特色
      本校は,主体的に課題解決を図り,心豊かに学び続ける児童の育成をめざし,学習情報センター・読書センターの機能を持った学校図書館の構築とその効果的な活用の研究に取り組んでいる。
   平成10年度には,県教委並びに市教委の研究指定を受けて学校公開を,平成12年度には県学校図書館協議会主催の図書館セミナーの会場校として,授業等の公開を行うなど研究を継続し,5年目を迎えている。
   1 目的別図書室作りと準備
         学校全体が「学習情報センター,読書センター」となるよう,学校図書館メディアが収集・整理・保存された目的別図書室作りを推進している。
   2 朝読書の実施
         毎週2回(水・金),朝の10分間を全校一斉朝読書の時間に設定している。
   3 バーコードシステムによる管理運営
         全職員の手作業によるバーコードシステムの管理運営化の実現。
        
(2) 家庭との連携,地域との連携
      PTAの図書館ボランティア「トトロの会」の協力による,読み聞かせ・ストーリーテリング・図書の整理修繕・各目的別図書室の装飾などを行っている。ボランティアによる活動は,読書意欲を高めるための大きな支えとなっている。
岩手県 私立盛岡女子高等学校
(1) 本校の実践の特色
      朝読書(平成7年4月開始)のねらいは、「活字の本を読ませること」であり、将来母親になるであろう多くの生徒に、読書経験を通じて、「我が子に『読み聞かせ』のできる母親になって欲しい。せめて、テレビに「子守り」をさせるような母親にはならないように」という思いから始めたものである。
   高校生の60%から70%が1か月に1冊も本を読まないという状況の中で、生徒からは、朝読書を実施して、「本が好きになった」「集中力がついた」「本を読むことで落ち着きがでてきた」「物事を深く考えるようになった」「家の本棚が漫画から小説に変わった」「朝読書で心が豊かになった」等の感想がよせられている。また、日常生活の中でも、書店へ行く回数が格段に増えたり、人間関係の面でも、自分が感動した本を教師や母親に勧めたりするなかで、友達同士でお互いに読んだ本を貸し借りして交友関係が深まり、他人への思いやりの心が自然に湧いてきた等嬉しい変化が見られた。
     
(2) 地域との連携
      「読み聞かせのできる母親」の実践学習として、自作の紙芝居を作り、姉妹校であるやよい幼稚園において読み聞かせを実施した。園児たちは、とても喜び、「また来てね」と握手を求めてくる園児も見られた。始める前の不安は一掃され、生徒たちは「読み聞かせ」の素晴らしさを実感したようである。
宮城県 岩出山町立上野目小学校
(1) 「藤澤文庫」の開設
      本校では、十数年間にわたり地域の方から本の寄贈を頂いている。現在、それらの書籍を寄贈者の名前をとって「藤澤文庫」と命名し、全校児童による読書活動の充実のために活用している。
   児童の、寄贈者に対する感謝の心をはぐくむことに配慮し、道徳の授業で取り上げたり寄贈者との交流会を行っている。
     
(2) 「郷土出身作家」との出会い
      佐左木俊郎は、当町上野目地区出身の農民作家である。高学年の児童の読書活動で、佐左木俊郎の著作や伝記を取り上げている。
   児童の中には、「図書の時間」だけでなく朝の「学級の時間」を活用して、佐左木俊郎について調べた者や、「佐左木俊郎文学碑」除幕式の際に、自分から進んで著作の感想発表を希望し、発表した者もいて、読書活動は児童の郷土や郷土出身者への関心を高め、理解を深める上で効果を上げている。
     
(3) 家庭との連携、地域との連携
      藤沢文庫以外にも、地域の方々からの本の寄贈があり、それらは「学校だより」等で広く地域に紹介している。寄贈いただいた方々へは、PTAや町から、機会をとらえ感謝の意を表していただいている。
     
(4) 「図書館運営」について
      図書委員会の児童と担当教員、町からの派遣職員(巡回図書担当)で図書館運営と整備に当たっている。
   派遣職員は、町内の小学校4校を巡回して図書館運営に当たっているので、本校における勤務は週2日だが、図書館運営全般にわたり大きな力となっている。特に、休み時間等を活用し、派遣職員による全校児童への読み聞かせを試みているが、この時間を楽しみにしている児童も多く、読書意欲の高揚や読書活動の発展につながっている。
宮城県 米山町立米岡小学校
(1) 本校の実践の特色
   1 朝の全校読書タイムの実践
         平成10年度から,各教室で,朝の10分間読書に取り組んでいる。文字が充分に読めない1年生の1学期は,6年生が紙芝居などの読み聞かせを行っている。心を落ち着かせて一日のスタートが切れるようにと,読書活動推進とを兼ねているテーマ曲が流れるとどの教室でも静かに本を読む子供たちの様子が見られるようになってきている。
   2    目的に応じた図書室の整備余裕教室を利用し,平成10年度から職員,図書委員会などの協力で,第2図書室の整備を始めた。以前からある第1図書室は読み物中心の本を集め読書活動を担うように整備した。そして第2図書室は学習センターとして,調べ学習ができるようにした。図鑑や辞書,事典類,自然科学や社会科学,調べ学習の手引きなどを集めた。またテーブルなども準備し,その場で学習できるように整備した。特に総合的な学習の時間が始まってからは,利用頻度が高くなっている。
   3 図書委員会の活動
         毎週木曜日に図書室の整頓,本の修理等を行う。また「図書だより」を発行し,図書室のコーナーでは良書や新刊書の紹介を行ったり,朝会での図書集会を企画し,全校に読書の啓発活動を行っている。
        
(2) 家庭との連携,地域との連携
      平成13年度の夏にPTAの会報で,家庭に眠っている本の学校への寄贈を呼びかけた。卒業会員の家庭も含めて149冊の寄贈があった。殆ど新刊書に近く,子供が読み終わったからとか,大きくなったので学校の子供たちに読んでもらえればなどありがたい申し出であった。このPTAからの寄贈本は子供たちには大変人気でよく借り出されている。来年度もこの活動を予定している。
秋田県 大曲市立花館小学校
(1) 本校の実践の特色
   1 読書活動の推進・毎朝、全校10分間読書タイム
         読み聞かせ~昼休み、ボランティアや委員会、クラブの児童による活動
         読書まつり、読書集会、エプロンシアター、読書クイズなど
         図書館活用年間計画の作成
   2 図書館環境の整備
         図書整理と本の並べ方の工夫
         図書分類と書架案内板の工夫
         壁面・掲示板の活用
         寝転びコーナーの設置
         調べ学習用資料の充実
   3 図書館ボランティア「たまてばこ」の活動
         読み聞かせ
         図書委員会へのサポート
            貸し出しの手伝い、ディサービスセンター訪問、読書まつりへの支援など
         図書館環境の充実のための活動
            本の修理、新刊図書の受付、カバー張り、図書台帳への登録、ラベル貼り、廃棄作業、読み聞かせ予定案内、季節の掲示板コーナーなど図書館の明るい環境づくり
         学習への支援
            総合的な学習の時間におけるグループ活動への支援、命の学習の講話、ひめがみ活動への参加
           
(2) 家庭との連携、地域との連携
   1 「もちより文庫」の呼びかけ
         保護者、地域の方々の呼びかけにより、12年度はおよそ700冊、13年度は350冊の寄贈
   2 市立図書館からの本の借り出し
         ボランティアの方々の協力を得て、学習のテーマに沿った調べ学習用図書の収集
秋田県 比内町立扇田小学校
(1) 本校の実践の特色
      本校は長年、豊かな情操と日常生活における読書に親しむ態度を育成してきている。それは、読書指導や発展的な読書など国語科での特色ある授業実践や、朝読書、教師による読み聞かせ等、様々な手立てや時間の確保等の工夫によるものである。
   1 図書コーナーの環境整備
         昨年落成した新校舎では、2階ホールに図書コーナーを設置し、往来の途中に気軽に本を手にできるようにしている。パソコン室との隣接により、学習センターとしての役割も十分機能するようになった。コーナーには町職員がいて、運営・管理の補助、学級担任への情報提供に当たっている。
   2 読書活動を中心とした授業実践
         授業の中で読書時間を確保することに加え、読書単元や副教材を活用した発展的な読書指導を国語科の年間指導計画に位置付けている。
   3 お話広場の設定
         毎週木曜日の朝に、学級担任以外の教師による20分間の読み聞かせを実施している。
   4 読むことを楽しむ集いの実施
         各学年ごとに朗読を発表し合ったり、読み聞かせボランティアの朗読を聞いたりする全校集会を年2回実施している。
        
(2) 家庭との連携、地域との連携
      昭和57年からPTAの活動として、親子絵本制作とその読み聞かせを始めている。その後、PTA学校図書部により読み聞かせや人形劇を上演しており、ユニークな活動として地域へ紹介されている。また、学校図書館への期待や関心も高く、毎年、地域の方や企業から図書の寄贈を受けている。
山形県 山辺町立相模小学校
(1) 本校の実践の特色
      豊かな感性を育み、読む力や表現力の育成を目指して、全校で日常的に実践していることが特色と言える。
   1 毎朝10分間の「さわやか読書タイム」
         この時間は日課表に位置付け、全教職員・児童が朝読書に取り組んでいる。何も規制せず、要求せず、自由に読書を楽しむことができるこの時間を、子どもたちは楽しんでいる。
   2    詩の暗唱・詩作活動の奨励児童用暗唱詩集「花のいろ」は7号になり、校長室や職員室、教室では詩を暗唱する子どもの声が聞こえてくる。
   3 図書室の環境整備、学級・学年文庫の充実
         図書室は常に子どもたちに開放し、カーペット敷きにしたり装飾を工夫したりして、楽しく読書ができる雰囲気を作っている。廊下も楽しいコーナーとして活用している。
   4 児童会活動による低学年への読み聞かせ
        
(2) 家庭との連携,地域との連携
   1 毎週月曜日は読み聞かせの日
         本校では、数年前から地域の保護者の方が、本の読み聞かせに来てくれており、月曜日は楽しい読み聞かせの日として定着している。
   2 図書室環境整備図書修理等のボランティア
   3 図書の充実
山形県 山形県立酒田聾学校
(1) 本校の実践の特色
      読書を中心とする「読み」の活動は、聴覚障害児にとっては、特に情報獲得や心の育成を図る上で欠くことのできない重要なものである。そこで本校は、「進んで本を読む子に育てたい」「おもしろい学校図書館を子どもたちに実感させたい」「子どもの成長を願って、保護者と共に響き合いたい」という願いのもと、保護者や地域ボランティアと連携し、取り組んでいる。
        
(2) 学校図書館ボランティア活用
   1 「読み聞かせ活動」:大型紙芝居やペープサートなどを用いて年間10回程度行う。
   2 「体験活動」:将棋や折り紙のやり方などを紹介し、実際に体験する。
   3 「おはなし会」:釣りや骨董品など趣味の話から、本や職業に関する話などを聞く。
   4 「図書室の環境整備」:週2回、本の整理や新刊図書の紹介などを行う。年1回子ども、保護者、教員も共に本の整理や修繕活動を一斉に行う。
        
(3) 絵本作家土田義晴さんとの交流
   1 「おはなし会」:絵本を読んでの感想発表や、お話しながら絵を描いてもらう。
   2 「絵本作り」:土田さんの指導のもと、一人1冊の絵本作りを行い、発表会を開催する。
   3 「小物制作やお菓子作り」:土田さんの絵本に掲載されているものを土田さんと一緒に作る。
        
(4) 図書担当教諭や児童生徒主体の活動
   1 図書担当教諭:「本の紹介」や季節や行事に合わせた「おはなし会」。読書月間に「読書感想文発表会」や「読み聞かせ」「名作ビデオ上映会」など。
   2 児童生徒:全校朝会で「読書クイズ」や「私のお勧めの本紹介」「貸し出し数調べ」など。
福島県 会津若松市立第三中学校
(1) 本校の実践の特色
   1 朝の10分間読書活動の実施(平成10年4月より)
         毎朝、学活の前10分間(8時15分~25分)全校生が各学級で読書を行う。
         学級担任もいっしょに読書を行う。
         4つの原則
        
全校一斉に行う 毎日続ける
好きな本でよい 読書以外何も求めない
   2 図書館の開館時間の工夫
         基本的に昼の休み時間に担当教師と図書委員が本の貸し出しを行う。加えて、毎朝7時45分から開館し、朝の読書活動が効果的に行えるよう配慮している。
   3 計画的な図書の購入と広報活動
         購入希望図書の調査を行い、生徒の読書傾向に配慮した図書購入を行っている。また調査結果を活用するなどして、図書紹介コーナーを設置し、全校生へ図書案内を行っている。
           
(2) 家庭との連携、地域との連携
   1    PTA会費から毎年予算化し、学校図書を計画的に購入し、図書の充実を図っている。
   2    PTA文庫を設け、専用書棚に設置し、いつでも保護者が利用できるよう配慮している。
   3    毎週発行される学年通信や生徒一人一人が毎日提出する学習ノートにその週に読んできる書名を記入し、保護者に週末確認してもらうなど、学校での読書活動の状況を家庭に周知し、家庭でも読書について話し合えるよう工夫している。
   4    市立図書館員が定期的に来校し、図書の補修や蔵書管理についてアドバイスをうけ、効率的な図書館運営ができるよう改善を加えている。
福島県 都路村立都路第一中学校
(1) 本校の実践の特色
      本校が朝の読書を始めるようになって6年目となる。平成8年度入学の新1年生からのスタートであった。担任の国語教師が、文章を読む力のなさへの対応として始めた。1年間はほとんど効果は認められなかったが、3年を経過した時期より集中力の向上や落ち着いた態度の醸成等の効果を認め、平成10年度の4月からは、全校体制で取り組むこととした。
   文字に触れる機会を確保し、1日の始まりを落ち着いた雰囲気で迎えられるよう取り組んでいる。身に付けさせたいことは、第一に読書の習慣であり、その延長として、文章を読む力、落ち着きある態度、時間に対するけじめや活動への集中力などである。
   1 活動内容
         始業前の15分間を使って、全学年で朝の読書をする。漫画以外はどのような本でもよく、読後の感想文提出等の強要もしない。自分で本を持ってきて読むが、手軽に本を購入できない地域なので学校図書、学級文庫、寄贈図書を借りて読む生徒が多い。読み終わった本を学級文庫に提供する生徒もいる。特別な行事がない限り毎日実施し、学級担任も一緒に読書する。
   2 教育課程上の位置付け
         朝の読書活動を、創意を生かした教育活動として位置付け、「自ら学び自ら考える力の育成を図る」「創意工夫を生かし」た「特色ある教育活動」として実施している。
茨城県 久慈郡里美村立小里小学校
(1) 本校の実践の特色
      「朝の読書」活動は,みんなで,毎日,好きな本を読むことを基本方針として,
      朝の読書の習慣化と豊かな心の育成
      知識力,読解力,表現力の向上や心情面の深化
      異学年,全職員や地域の人材の活用による読み聞かせを通しての人的交流を目標として研究を進めた。
   〈方法〉
      週4回,全学年一斉に,午前8時10分から8時25分までの時間に行う。
      「ひとり読み」を基本とする。
      全職員,高学年児童及び地域の人材の活用による「読み聞かせ」を火・木曜日に実施する。
      読書記録を取り,読んだ本の足跡を残す。
   〈実践〉
   1 「読み聞かせ」の実施
         高学年児童が低学年児童に対して実施。
         全職員や地域の読み聞かせサークルが全校児童に実施。
   2 学級文庫,学校図書館の整備
         図書の充実
         「読書コーナー」の活用によるみんなにすすめたい本,感動した本の紹介
           
(2) 家庭との連携,地域との連携
      学校,学年だより等での保護者への啓発
      親子読書会の実施とアンケートの実施・分析
      PTA文庫「ひまわり文庫」の活動における互いの感動の伝え合い
茨城県 龍ケ崎市立長山小学校
(1) 本校の実践の特色
      児童と本の結び付きを深め,児童自ら進んで本に向かわせることによって,読む力,伝え合う力を高め,思いやりの心をもち,表現力豊かな児童を育てたい。そのために,読み聞かせ,10分間読書,読書へのアニマシオン,ブックトークなどに保護者の協力を得ながら全校をあげて取り組んでいる。
   1 読み聞かせ
         毎週火曜日,朝の20分間,学年別に保護者ボランティア,教職員が2冊程度の本の読み聞かせを行っている。高学年においては本の紹介も行う。図書の選定は教員,保護者ボランティアでつくっている各学年の「本の会」が行っている。
   2 10分間読書
         火曜日以外の毎日,1校時前の10分間自由読書の時間を設けている。児童は好きな本を自由に読む。読んだ本は記録用紙に各自記録し,自分のファイルに綴じ込んでいく。この時間帯は学校の静寂の時間としている。
   3 読書へのアニマシオン
         読書へのアニマシオンはスペインで生まれた読書指導の手法である。これは読んだ本をもとに児童がゲームを楽しみながら,読書力を高めるものである。アニマシオンの中で,児童は友達の読み方を聞いたり,お互いに意見を交わすコミュニケーションを通して一人で読んでいるだけでは気づかなかったことに気づき,新たな発見をしたりすることもできる。このことは児童の読書を確かなものにし,次の読書に発展させる。本校では全学年で学期1回以上読書へのアニマシオンに取り組んでいる。
   4 ブックトーク
         読み聞かせの感想発表会やみんなにすすめたい本の紹介などに取り組んでいる。
        
(2) 保護者との連携
   1 読み聞かせ
         保護者ボランティアが中心になって取り組んでいる。ボランティアは全校で80名を越えている。よりよい読み聞かせを行うために自主的に研修も行っている。
   2 読書へのアニマシオン
         この取り組みは教員と保護者ボランティアの共同実践である。研修も教員と保護者が一緒に行っている。
茨城県 北茨城市立磯原中学校
(1) 本校の実践の特色
   1 朝の読書の時間
         本校のめざす生徒像の一つである「豊かな心を持ち進んで協力する生徒」の施策の一つとして,始業前10分間「朝の読書の時間」を設定して全校で実践している。
   2 学級文庫づくり
         生徒会図書委員会が,読書活動の推進のために,図書室の本や自宅から持ち寄った本を集めて学級文庫を作り,管理している。また,全校生徒から,読んでみたい本や推薦する本のアンケートをとって本の購入をしている。
   3 1学年の読書集会
         中学校に入学して,小学校で経験のなかった「朝の読書の時間」への戸惑いの解消や自発的な読書活動,読書の習慣化のために,6月の学年集会で読書集会を開いた。
         主な内容は,次のとおりである。
         読書クイズ(図書委員を中心にして)
         語り聞かせ(国語担当の教師による)
         薦めたい本の紹介(各学級1名。これまで読んだ本の中から,友達に本の紹介)
         私と読書(各学級1名によるパネルディスカッション)
           
(2) 家庭との連携,地域との連携
      4月,入学式やPTA総会の懇談会の折り保護者に本校の読書活動について説明し,家庭で本の購入や読書に関して話題にしてほしい旨,協力を呼びかけている。
栃木県 今市市立今市小学校
(1) 本校の実践の特色
   1 朝の読書
         昭和50年に、国語学習の発展として始められた朝の読書は、27年目を迎えた。
   朝の読書は、週に5日、始業前の20分間で実施しているが、それによって読書活動を推進するとともに、一日を落ち着いた雰囲気でスタートすることをねらいとしている。自由読書が基本であるが、図書委員会の児童や図書館ボランティアによる読み聞かせもある。また、職員打ち合わせのない日は担任も一緒に読書をする。
   2 読書2000ページ運動
         読書の積み重ねを大切にし、達成度によって表彰する。児童の実態に応じて、内容を改善しながら実施してきた。ほとんどの児童が校長室での表彰を受けることができ、その際の励ましの言葉かけによって読書意欲がより高まっている。
   3 各学級での読書指導、及び学級分館の設置
         年度始めに、担任と図書館担当者とのTTによる読書指導を実施し、全校の共通理解を図るとともに、読書への意欲付けをしている。また、各学級60冊ずつを図書館から選んで学級分館として設置し、読書環境を整えている。
        
(2) 家庭との連携,地域との連携
      平成12年度から保護者に呼びかけて、図書館ボランティアとして活動を開始した。
   1    朝の読み聞かせ-毎週水曜日の朝(一部土曜日)担当の学級で読み聞かせをする。
   2    学校図書館の整備-毎週水曜日の放課後、図書室の整備、調べコーナーの拡充、新刊図書の受付などの活動をする。
   3    読書の集い-秋の校内読書週間の時に、全校生を対象に、プロジェクターを活用して絵本の読み聞かせをする。
   4    子どもの好きな本の紹介-読み聞かせをした本の中から好評だったものをまとめて、保護者に知らせる。
栃木県 栃木県立宇都宮女子高等学校
   本校生徒の読書量も、例に漏れず目に見えて減少していた。当然、図書館の果たす役割も低下しつつあった。その結果、過去に比べ言語感覚の乏しい生徒が増え、自己認識も稚拙になり、同時に社会認識の希薄さが目立ち始めていた。言語感覚は、自己確立に欠かせない必須の能力であるという視点から、活発な読書活動を促すため、以下の取組みを始めた。
(1) 図書新聞のリニューアル
      平成8年、それまで一部の図書委員によって趣味的に作られていた月刊図書新聞を改革。森羅万象に対する生徒の好奇心を喚起することを目的とし、「今」の視点から古今東西のあらゆる文化的・社会的事象を対象に、知的・感覚的に切り込んでいく編集に改めた。その結果、図書貸し出し数は前年比約1,000冊の増加が2年間続いた。その後、上昇曲線はやや鈍化しているが、現在も高いレベルを維持している。
     
(2) 委員会合宿の強化
      前年まで行われていた委員会合宿の内容を強化し、レファレンス能力など、図書委員の資質向上を図った。
   研修内容は、例えば、グループ毎に「沈黙の春、シーア・コルボーンなどをキーワードに現代を語りなさい」「スーパーカミオカンデとは」「我が国及び世界のボランティアの活動内容を調べ、現代におけるボランティアの意義を述べなさい」などのテーマを与え、3時間後に発表をさせ、相互に質問を交わし、論拠のより的確なグループに点数を加算する、といったものである。
     
(3) 機関誌「書苑」の充実
      通常の、年間活動報告、アンケート、読書感想文の他に、特集として年ごとのテーマを決め、1年をかけて編集する。
   「特集」のために、5月から毎週編集委員会を開き、テーマ設定。7月から10月まで取材。11月から関係資料の収集、検討、話し合いを行い、編集にはいる。構成、写真挿入、ページの割付に至るまでまで、パソコンを用いて編集をした。今年は、190ページの冊子が完成した。
     
(4) 生徒総会でのアピール
      年2回の生徒総会において、2mの模擬本やオーバーヘッドプロジェクターを用い、貸し出しの仕方や紛失図書に関するデモンストレーションを行うことが、定例の行事のようになっている。
群馬県 伊勢崎市立三郷小学校
(1) 本校の実践の特色
      平成8~9年度、県立図書館から「親子20分間読書運動」の指定校を受けたのを契機に、児童の強い希望と「価値ある活動なので是非継続させたい」との保護者の意向を基盤にして、ボランティアによる「読み聞かせ・親子文庫」活動が今日まで熱心に展開されている。
   さらに、今年度から市全体で取り組んでいる「一校一学」(特色ある学校づくり)の具体化として、毎朝10分間全児童による「自主読書」(高学年による低学年児童への読み聞かせを含む)に取り組んでいる。
   1 読み聞かせ
         毎週木曜日(8:20~8:35)に、本校の蔵書やボランティア所有の本、市立図書館より借用した本を活用してボランティアの方々が、主に学級単位で読み聞かせを行っている。
   2 親子文庫の貸し出し
         学校図書室とは別に、毎週金曜日(13:30~55)に県立図書館等から借りた本を、ボランティアの方々の運営により、児童に貸し出している。
   3 自主読書
         自分で読みたい本を自分で選び自分のペ-スで読書していくこと、下級生に対して読み聞かせをすることを通して相手に伝わるよう声を出して読むこと、上級生から下級生までの一体化が図れることなどを目指し、毎朝(8:40~8:50)自主読書の時間を設定し児童自身による「自主読書」を実施している。
        
(2) 家庭との連携、地域との連携
      読み聞かせと貸し出しは、「児童の心を耕し、心の教育に通じる。」ことを学校・家庭・地域が共通理解して取り組んでいる。
群馬県 藤岡市立藤岡第一小学校
(1) 本校の実践の特色
   1 業前・学級活動
         水・木曜日の業前は全校で読書をしている。また、帰りの学活では担任による読み聞かせを行っている
   2 授業時間の活動
         1~5年生では各教科での調べ学習や読書の他に、自分で課題を選んで解決していく自由研究がある。6年生では学習のまとめとして卒業論文を発表している。自分の未知な情報を得ることが必要であり、学校図書館やパソコン室、市立図書館の利用時間を設け、情報収集の力や、得た情報を活用する力などが身に付くように支援している。
   3 読書月間の活動
         6・11月を読書月間とし、自分の読書について再確認したり読書の幅を広げたりする機会としている。秋には読書感想文の学年代表作品が発表され、友達の心情を表す言葉に耳を傾けながら聞いていた。図書委員会では1年生への読み聞かせ、顔写真つきの「おすすめの本カード」作り・壁新聞の発行・しおりのプレゼントなどを行った。
        
(2) 家庭との連携、地域との連携
   1 読み聞かせ班活動
         毎月第1火曜日には24人の読書ボランティアの方が1時間ずつ読み聞かせを行っている。児童は静かに本の紹介や読み聞かせのお話を聞き、楽しんでいる。
   2 本の貸し出し班活動
         PTAの学級委員の方が、毎週火・金曜日に学校図書館にあるPTA寄贈図書の貸し出しや読書相談、本の整理を行っている。
   3 広報班活動
         「BOOKちゃんだより」は読書ボランティアの方による月1回の広報誌で、学校や家庭での取組の様子や先生達の読書体験、良書の紹介などをしている。児童と保護者が一緒に読め、家庭への読書の啓発になっている。
   4 市立図書館との連携
         市立図書館とのネットワーク化が整い、読みたい本の検索・予約ができる。図書館巡回車と給食の配送車の活用により、すぐに本が届く。学期毎の300冊の貸し出しや、自由研究等のテーマにあった本を置く夏休みの「第一小コーナー」の設置などを工夫している。図書館司書は各学級を毎月2~3日巡回し、おすすめの本の紹介、児童への指導や事務処理を行っている。
埼玉県 久喜市立江面第二小学校
(1) 本校の実践の特色
   1 朝の読書を通して
         毎朝、8時15分から10分間、読書の楽しみを味わわせるとともに、読書の習慣化と生活化を目指し、児童と教師がともに読書に取り組み、落ち着いた一日のスタートをきっている。教師は児童とともに読書をしながら児童の読書の様子を把握し、個々に応じた支援を工夫している。
   2 国語科を通して
         教材文の内容や作者と関連させるなど様々なジャンルの読書を意図的に働きかけている。また、単元の目的に合わせて学習過程に読書活動を位置付け、さらなる読み広げや読み深めをしながら、より豊かな読書生活ができるように指導助言している。
   3 特別活動を通して
         国語科や朝の読書との関連を図りながら、豊かな読書生活を築いていくために、「ようこそブックスフレンドリーの世界へ」等の題材を設定して、自分の読書生活を振り返ったリ、友だちと本を紹介し合ったりして読書を広め、自ら進んで楽しく読書をしようとする態度を育てている。
   4 親しみやすい図書館運営を通して
         教師による手作りのブックスタンドを活用し、子供たちが閲覧しやすいように展示の工夫をしている。また、図書館ボランティアの方から、貸出しや整備の支援を受け、温かい雰囲気づくりに努めるとともに、家庭・地域から多数の本の寄贈も受け、児童と本との出会いづくりに努めている。
        
(2) 家庭や地域との連携
   1 親子読書
         夏休み中に親子で一冊の本を選び、読み合い、感想を話し合う中で、親子のふれあいを深くし、きずなを深めている。その一端を市の親子ふれあい行事「ハートフルフォーラム2001」で発表している。
   2 公立図書館とともに
         教材に関連する図書の収集や、市職員による定期的な学校訪問での読み聞かせ等で連携を図っている。例えば、人権週間では、人権に関係する本を読み聞かせするなど、季節や行事に合わせた読書活動の工夫も行っている。
        
3. 成果と今後の課題
(1) 読書活動の成果
   1    朝の10分間読書を継続により、低学年では集中して読み続けられるようになった。中学年では読書に幅が出てきた。高学年では読書に一層広がりが見られるようになった。
   2    意図的に読み聞かせやブックトークをすることで、いろいろなジャンルの本に目を向けることができるようになった。
   3    わずかな時間でも本を広げ、進んで読もうとする読書への意欲が向上した。
埼玉県 越谷市立大相模小学校
(1) 本校の実践の特色
      本校では、図書館ボランティアとの連携を深めるため、学校図書館推進委員会が学校図書館活動の見直し、改善を図り下記の取り組みを行っている。
      読み聞かせ部会による、読み聞かせ、お話活動の実践
      環境整備部会による図書館の整備
      広報部会による広報活動
           
(2)    学校図書館推進委員会の取組
         本校では学校図書館を、一人一人の子供の思いや願いに対応できる場としてとらえ、第1図書室を読書センターとし、夢をはぐくむ図書館として位置付けている。
   蔵書は子供たちのリクエスト等にも応え、定期的に新刊本を加えている。
   また、読書への関心・意欲を高めるため、週一回、読書タイムの中で多様な読書活動を推進している。
   さらに、パソコンを使ったシステムにより、全校児童に対して貸出しを行い、個人カードを使った読書履歴等の管理を行っている。
           
(3) 学校図書館ボランティア・家庭との連携
   1 読み聞かせの実践
         昼休みに自由に参加できる読み聞かせ活動を週1回、月4回程度実施
         多様な読書活動で構成されたブックフェスタ(図書集会活動)の実施
   2 環境整備の実践
         図書委員会児童、来館児童への支援活動
         閉館後の返却事務と本の整理
   3 広報活動の実践
         「どんぐり」通信の発行と本の紹介活動
埼玉県 さいたま市立大原中学校
(1) 本校の実践の特色
      本校では学校図書館教育目標の一つを「人格形成の基礎となる読書の指導を推進し、心豊かな生徒の育成に努めること」とし、平成11年4月よりコンピュータによる蔵書管理、検索、貸出し等を開始して学校図書館の情報化・活性化に努めた。
   1 学校図書館の整備
         原則として学校図書館司書が勤務する日を全日開館日とし、生徒がいつでも気軽に利用できるようにした。教科の要望による調べ学習用図書、大原中独自の図書購入基準に合わせた必要図書、生徒のリクエストの三点から購入図書を選定し、計画的な図書整備を進めた。また、総合的な学習の時間への対応も考え、新聞の切り抜きやインターネット資料、各種パンフレット等のファイル資料の収集・整備にも努めた。更に「心のオアシス」となるよう文芸部や図書委員会の生徒の手による古典作品のちぎり絵、手作り絵本、新着本紹介ポスター等で環境を整備し、書架用分類ラベルも生徒手作りのものに替えて温かい雰囲気づくりを心掛けてきた。
   2 朝の10分間読書
         始業時間の8時30分から10分間、全校一斉に実施している。本は生徒自身の興味・関心等に応じたものを選ばせ、読書記録や感想メモは原則として書かせないこととした。本校は職員の朝の集会を行っておらず、学級担任も始業時間から教室で生徒とともに読書をしている。
   3 国語科における読書指導
         年度初めに国語科が中心となり、全校生徒を対象に学校図書館利用指導のオリエンテーションを実施している。また、目的に応じて的確に読み取る能力や、進んで読書に親しむ能力の育成を目指し、発達段階を考慮した学校図書館を活用する表現活動に取り組んでいる。
     
実践 1学年 グループ単位のブックトーク
   2学年 「埼玉の文学案内」編集
   3学年 「京都・奈良ゆかりの文学作品紹介新聞」の作成
      毎年1回朝読書の本を紹介する「しおり」作り
        
(2) 家庭や地域との連携
   1 PTA学校図書館ボランティア
         PTA役員会後、定期的に新聞記事の切り抜き作業、子供たちに読ませたい記事の掲示、本の修理やラベル貼りを行っている。
   2 市立図書館との連携
         旧浦和市立図書館に併設されている学校図書館支援センターでは、レファレンス対応や学校図書館への団体貸出しを行っている。本校では、積極的に授業で活用している。
千葉県 袖ヶ浦市立中川小学校
(1) 本校の実践の特色
      本校は、「心豊かにたくましく生きる子どもの育成」を学校教育目標に掲げ、思いやりのある心の美しい子の育成を目指し、読書の日常化を図っている。平成10年から3ケ年、文部省指定「学校図書館情報化・活性化推進モデル地域事業」の協力校となり、読書センター、学習情報センターとしての図書館を目指し、市の物流ネットワークを利用し学習に役立てている。
   1 人のいる温かい学校図書館
         読書指導員が担任と共に子ども達に「読み聞かせ」や「ブックトーク」などの読書指導の手助けをしている。また、調べ学習に関するいろいろな相談にも応えている。
   2 全校朝の読書タイム
         静まりかえった朝の校舎、教室。読者タイムを楽しみにして好きな本を思い思いに読む子ども達と教師の姿がある。最近では登校するとすぐ読書を始める子も増えてきた。始業時10分間だが、読書の習慣化が身についてきている。
   3 図書委員会を中心にした読書活動
     
   低学年への読み聞かせを行ったり、春、秋の読書週間では、読書郵便を開設したり、また読書集会を開催して全校に読書を広めている。
   著名な童話作家や劇団を招いて読書活動の感動を確かなものにしようと毎年行っている。
   4 魅力ある図書環境作り
     
   図書室のガラスには、物語の絵が、壁には作家の顔写真が掲示され語りかけてくれる。
   本と関わりながら季節の行事を紹介をする。
   本の森、廊下への読書意欲をそそる掲示物。
        
(2) 地域との連携
      月2回のボランティアによる「おはなし会」では、「読み聞かせ」や「語り聞かせ」などが行われ、子ども達は目を輝かせて聞いている。また、人形サークルによる人形劇を年に1度鑑賞している。
千葉県 船橋市立船橋中学校
(1) 本校の実践の特色
      本校では、読書教育を教育活動の基軸として「思いやりのある心豊かな生徒の育成」に取り組んでいる。
   大規模校として、様々な問題を抱えていた時期「子供の生活の中に内なる自分に向き合う時間を」と、朝の読書運動を取り入れて6年になる。
   朝の始業が静寂の中からスタートする。「好きな本を読む。みんなで読む。本を楽しむ。」ことを合い言葉に継続しているが、現在では、生徒と教師、親が同じ本を読むなど、読書を通じ親子や生徒と教師間に共通の話題が出来会話が弾むようになった。生徒と教師が、同じことに取り組み、心の落ち着く時間を共有することは、生徒指導に大きく役立っている。
   1 読書教育の意義
         心の教育の充実を目指す。
         生涯学習の基盤づくりとして、読書習慣を身につけさせる。
         読書は、自省心、批判力、判断力、思考力等を養い、思慮や視野を広げ、感性を育てる。従って、教育の基盤となるものと考える。
   2 具体的方策
         読書タイムの定着と充実。
         朝、10分間毎日、全校の生徒と先生が一斉に黙読で読書に取り組む。
         読む本は、漫画、雑誌、教科書以外の本で、読みたい本、好きな本を自分で選んで用意する。
         感想文や読書日記などは強制しない。他の活動をしないで、ひたすら読書をする。
         生徒指導の場としない。
           
(2) 家庭との連携、地域との連携
   1    PTA広報誌をとおして家庭にも生徒の様子を知らせ、話題が広がるように努力している。
   2    学区の小学校説明会に読書運動の話題を出す。また、継続の運動でもあるので中学入学前に「読書をするものだ」との気持ちを持って中学生活を始めている。
東京都 東京都板橋区立高島第三小学校
(1) 本校の実践の特色
      「自ら楽しみ、心をつなぐ読書活動」を主題とし、児童の主体性を重視した読書活動に取り組む。読書を通して、本とのかかわりだけではなく、様々な人と心をつなぎ合い、子どもたちの興味・関心を大切にして「総合的な学習の時間」へと発展させる。
   1 日常的に様々な形態を取り入れた活動
      朝の15分読書(ホットタイム)
            年間、火・金・土で自主読書と教師・保護者の読み聞かせを中心に行う。
      読書旬間(6月と10月の2回)
            学年単位の保護者の読み聞かせ、学級・学年・全校での教師の読み聞かせ、ゲストのお話会、図書委員会の活動として読書集会や読み聞かせ・カルタ取り等を行う。
      教科から発展読書と調べ活動(中高学年)
      読書後の一言感想文(高学年)
      ゲーム的な調べ活動(高学年)
   2 表現活動を取り入れた交流読書(総合)
      読書活動の年間計画作成(全学年)
      なかよし読書(低学年…国語・生活科)
        
いろいろな本に親しもう
見つけようこの本だいすき
あつまれ本のひろばへ
作ろうわたしの本
      異学年交流の読み聞かせと感想(中学年)
         「ワクワクドキドキ心をつなごう」
         (月1回、児童の希望で班編成し計画)
      異学年交流の調べる活動(中学年)
         『キョウリュウたんけんたい』
      異学年交流の読書活動(高学年)
         『夢への第一歩』
      学級単位『リレー創作話』(高学年)
   3 児童の興味を高める読書環境の整備工夫
      二つの図書室作り(3教室半のスペース)
         絵本・物語の本の部屋と調べる本の部屋
      学級文庫の充実
         ・定期的な入れ替え
         ・図書館から借入れ
         ・家庭からの持ち込み
         ・ブックトラック
      掲示、展示の工夫
         ・表紙が見える置き方
         ・教師のお薦め本の展示
         ・読み聞かせの木
         ・本のカバーやマスコットの陳列
         ・感想画
         ・特設(恐竜)の部屋を設け図書や写真、ミニチュアの展示
         ・児童による本の紹介ポスター
東京都 東京都杉並区立松ノ木中学校
(1) 本校の実践の特色
      本校では、昭和55年度より学級指導の中で朝の読書時程を設定し、全校生徒が一斉に2週間から3週間の「朝の読書週間」を実施してきた。各学期ごとに1回ずつ年間行事として組み込まれている。
   読書を推進する活動内容として下記のものがある。
   1 朝の10分間読書・読書マラソン
         現在の2学年は入学時より読書の好きな生徒が多く、その特色を生徒指導に生かす一つの方法として、朝の読書を年間を通して実施してきた。そのために年度の当初に図書視聴覚部より課題図書10冊を選定し、その中の3冊以上を年度末までに読むよう指導している。読後は「読書カ-ド」に記入し、年度末に「読書マラソン」上位入賞者を表彰する。
   2 読書ゆうびんコンク-ル
         読書週間のまとめとして、葉書大の用紙を準備し、読書した本を相互に紹介し合う郵便形式の「読書ゆうびん」を作成する。内容の紹介や感想に留まらず、イラストや貼り絵などの工夫を凝らし、受け取った側が嬉しい作品とする。図書委員会が優秀作品を選定し、表彰をする。
   3 読書新聞
         1年間に読んだ本を読書活動のまとめとして新聞形式で紹介する。学年ごとにまとめて印刷し、小冊子を作成する。
        
(2) 家庭,地域等との連携
   1    課題図書の選定や購入にあたっては必ず保護者の了解をとっているが、協力的であり、その趣旨はよく理解されている。また調べ学習等で地域の図書館の団体貸出しを利用したり、来館する生徒の検索の手伝いを依頼したりして、連携を図っている。
   2    杉並区立中学校教育研究会、図書館部主催「書評座談会」(昭和33年より実施)に学校として継続的に参加し、生徒たちの読書交流の場となっている。
東京都 東京都立青井高等学校
(1) 本校の実践の特色
      3年間で生徒一人ひとりが生き生きできる学校、また自分に自信が持てるようになる学校の実現へのこだわりが、「朝の10分読書」につながりました。様々な行事の試みの中でこの読書活動を活動の重要な柱としました。「みんなで読む、毎日読む、好きな本を読む」をモットーに出発しました。朝読書を実施して行く中で、本を読むことだけから出発し、教員が単行本や新聞から有用と思われる文章を抜き出してプリントを作り、その内容も読み、感想を書かせる形式へと幅が広がりました。その形に定着すると、一層成果が上がりました。
   1    平成11年度1年生が6月から、全国で行われている読書活動を手探りで始めました。順調に進みましたが、日頃よりマンガぐらいしか読まない生徒が多いので、夏休み終了後は続けることが難しくなりました。ある教科の授業にも読書の時間を取り込んでなんとか実のある方法を模索しました。
   2    そんな中教員の側でプリントを作り、読書をしても良いし、プリントの内容を読んでも良いことにしました。本の一部を抜き出したり、新聞記事から様々な知識や考え方、自分を客観視できる内容を選び素材としました。
   3    プリントづくりは何人かの教員が交代で作りましたが、少しエネルギーを要する仕事でした。プリントには担任団のメッセージ性もあるので感想も書いてもらい、それに再び担任からコメントを加えることも続けました。
   4    そのような「朝の読書」活動の中で新たな生徒の発見がありました。「先生、初めて自分のお金で本を買って、今読んでるよ」「今朝のプリントは面白かった」などの話が自然に生徒から出るようになりました。
   5    この活動によって生徒達は落ち着きを増し、ことばや関心事・話題が多くなり、生徒同士、生徒・教員の間で共通に会話する内容が豊富になったと言えます。
   6    「朝の10分読書」は次の学年に引き継がれ、「ハリーポッター」を原書で読む、さらに下の学年ではクラス単位で朝の読書を実施するなどバラエテイーを持つ読書活動に発展しています。
東京都 東京都立八王子養護学校
   本校には、言語能力の未発達な児童・生徒が多く、読み聞かせによる読書活動の推進を重視してきた。
   小学部や中学部においては、絵本や物語本の内容を、パネルシアターとして具象化し、読書の興味・関心を高め指導の効果を上げている。さらにブラックライトを活用して、その効果を高めるなど、校内では多数の教材・教具を開発した。
   高等部では、国語や自由時間に図書室を計画的に利用し、読書への関心を高めている。
(1) 本校の実践の特色
      本校の児童・生徒の興味や関心にあったパネルシアター・紙芝居等は、話す力を育み言葉で表現する力の育成に効果を上げている。同時に見る聞くための集中力や、見通しをもって予測する考える力や豊かな情操を育てるのに役立っている。読書活動の前段階の活動として位置付け、以下の視点で工夫し開発している。
      児童・生徒が見通しをもちやすいよう、繰り返しのある動きや台詞、ストーリーの教材を選ぶ。
      登場人物は、背景に紛れぬよう輪郭のはっきりしたものにする。
      影絵やパネルシアター、紙芝居を作成するに当たっては、児童・生徒の興味・関心を引くような鮮やかな色使いや配色になるよう配慮する。
      教師の演出は、児童・生徒がわかりやすい声と動きになるよう留意する。
      児童・生徒を引きつけるキャラクターを効果的に活用する。
      障害や発達段階の異なる児童・生徒のそれぞれの興味・関心に合わせ、歌や台詞の唱和など楽しみ方を工夫する。
        
(2) 指導時間
      国語・算数(数学)週4~5時間
      合同学習(小・中学部)各週1時間
      休み時間等図書コーナーで絵本や雑誌・辞典等を読む。
神奈川県 愛川町立愛川中学校
(1) 本校の実践の特色
   1 「朝の10分間読書」の実施
      (平成10年度より実施)
         毎朝、朝の会の前の10分間(8時30分~40分)を朝読書の時間とする。
         読む本は生徒の好きな本とする。(雑誌・漫画等は除く)入学式の時保護者に朝読書の説明をし、翌日から全学年で朝読書を開始する。
         生徒や保護者からの要望により、読ませたい本のリストを作り全校生徒に配布する。「読んでみよう・読んで欲しい100冊の本12」合計200冊の本を推薦する。
   2 「読み聞かせ」
            自分で読むだけでなく人から読んでもらうことの楽しさを知ってもらうために「読み聞かせ」を行う。年2回「読み聞かせ講座」を開き、読み手を育てる。
            中学生は学区の小学校に読み聞かせに行く。
           
(2) 家庭との連携・地域との連携
   1 保護者・地域の人による「読み聞かせ」活動
         町のPTA家庭教育学級の研究委託を受けたことを契機に読み聞かせ活動の普及をはかる。
   保護者・地域の方々に「読み聞かせ講座」を受講してもらい中学校で読み聞かせを行う。
神奈川県 神奈川県立大沢高等学校
(1) 苦難と模索の5年間
      本校は平成6年以来8年間「朝の読書」に取り組んできた。しかし、最初の5年間は苦難と模索の連続であった。生徒は本を持ってこない、読まない、私語をする、立ち歩く、化粧をする…。多くの困難を抱え込むことになった。
   「朝の読書」は、小中学校とは違い高校では「いつでも、どこでも誰にでもできる」実践ではなく、また「奇跡を生む」とは限らないことを証明することになった。
        
(2) 「研究開発」の3年間
      苦境に陥っていた本校を救ったのは、平成10年の「教育課程審議会答申」に示された「総合的な学習の時間」であった。
   1    「総合的な学習の時間」は、「生きる力」の育成を目的とし、「自己の在り方・生き方」に深く関わる学習であり、「自らの興味・関心」にもとづく学習活動である。そこで「朝の読書」を、「総合的な学習の時間」の中に組み込むことの検討をすぐに開始した。
   2    平成11年度、「総合的な学習の時間」に関する「研究開発学校」に文部省から指定され、3年間研究実践に取り組んできた。
   3    毎朝10分間の読書の呼称は、「朝の総合」(読書)になった。
   4    「朝の総合」を体験学習・進路学習・課題研究と合わせて各学年2単位の「総合的な学習の時間」となる。隔週100分の「体験・進路・課題」をコアとし、毎日10分の「朝の総合」(読書)を加えて、2単位とする。
   5    「朝の総合」(読書)は、本校の「総合的な学習の時間」全体の「ベース学習」である。また読書は作者の表現した世界の間接体験という観点から「体験学習」の一つともいえる、など「総合的な学習の時間」としての位置づけを明確にするよう努力してきた。
新潟県 新井市立新井小学校
(1) 本校の実践の特色
   1 テーマ読書(昭和61年度より)
         その年の実践に合ったテーマを設定し、6月読書週間や11月図書館まつりでの図書や資料の展示、ビデオ放映、図書委員の活動等を実施し、全校児童が参加できる読書活動をしている。
   2 辻読書会(昭和63年度より)
         教室から飛び出し、校舎内外のあちこちで教職員や保護者による読み聞かせやブックトークを毎年実施。また、なかよし辻読書として、縦割り班での一人一人の本紹介と6年生による紙芝居や読み聞かせ・クイズを実施している。
   3 朝読書(昭和56年度より)
         毎週1回、朝の10分、全校一斉に実施。学級担任も一緒に読んだり、読み聞かせ等をしたりしている。図書委員は隔週ごとに1、2年生の教室へ出向き、紙芝居を上演している。
   4 図書委員会の活動
         貸出当番や放送等の常時活動をはじめ、読書週間や図書館まつりの全校集会、文化祭ではジャンボ紙芝居・ペープサート・パネルシアター・劇・人形劇等、幅広く活動している。
   5 読書環境づくり
         読書センター(下学年用のにじいろ図書館・上学年用のいずみ図書館)、学習センターの3つの図書館を設置。特に、推薦図書コーナー、郷土作家コーナー等の別置配架や毎月のテーマ図書掲示・季節ごとの掲示を工夫している。また、学年部ごとに推薦図書を『読んでほしい本』として奨励し、読了者には賞を出している。
        
(2) 家庭との連携、地域との連携
   1 親子読書
         読書週間の際に読書記録カードを活用して、全校一斉に親子読書を奨励している。
   2 読書活動の公開
         10月の文化祭で、その年のテーマに沿った図書や資料展示、図書委員の活動を保護者や地域に公開している。
      (今年度は「日本の昔話に親しもう」)
   3 保護者ボランティアと地域の人材活用
         6月の読書週間の辻読書会に保護者ボランティアを募り、読み聞かせやブックトークを行った。今年度は16名で、年々増加中。また、地域ボランティアグループ『ジャックの会』『絵本の部屋』による影絵やエプロンシアター等を上演し、好評であった。
新潟市 新潟市立五十嵐中学校
(1) 本校の実践の特色
      学習指導要領の全面改訂に伴い、これからの学校図書館の課題として、
   教育課程の展開に寄与する図書館づくり
            授業の課題解決や調べ学習・発展学習に役立つ機能を持つ。
            選択授業・総合的学習の推進に役立つ機能を持つ。
      蔵書の宝庫としての図書館づくり
            豊かな人生にするための心の耕しの場としての機能を持つ。
            私的なニーズに答え得る、資料センター・情報センターとしての機能を持つ。
            以上の二面を併せ持つ図書館作りを本校ではめざしている。
   1    図書館の機能を高める取り組み
         (ア)    年度初めに、全職員の関心と協力を求めるため、図書館の運営計画や指導計画を、自校の研修主題や重点目標と関連付けて示す。
         (イ)    新入生への図書館利用指導を国語部とタイアップし、オリエンテーションの時間を1時間設定し、図書館利用の一助とする。
         (ウ)    図書館運営のための、職員と図書委員会の組織化を図る。
            ・   図書館主任・図書館司書・図書委員会
         (エ)    図書館の蔵書の計画
           
   職員・生徒の図書の希望状況、授業とのかかわりの程度などを参考に、大まかな蔵書計画を立てる。
         (オ)    新刊図書の案内を出す
            ・   案内と同時に、新刊コーナーを設ける。
         (カ)    行事に見合ったタイムリーな図書の配置をする
           
   修学旅行の事前学習に必要な図書のコーナーを設けるなど。
   2    その他の実践
         (ア)    全国図書館協議会主催の「読書感想文コンクール」への応募
           
   夏休みに、原稿用紙5枚の「読書感想文」を課題とする。
   校内審査を行い、優秀作品数編をコンクールに出品する。
         (イ)    読書体験の充実を図る「読書会」への参加
           
   新潟市中学校図書館主催の「郷土の作家との読書会」に参加し、作者の作品への思い入れや、生徒の読みの感想を述べていただく。感動をいっそう深め、読書に対する気持ちに変化が見られるようになった。
富山県 富山市立水橋西部小学校
(1) 本校の実践の特色
      心身ともに健康で自ら学ぶ意欲とたくましい実践力をもった児童の育成を目指し、特色ある学校づくりの一環として読書活動に全校的に取り組んでいる。
   1 朝の全校読書
         毎週、火・水・木曜日の朝8時15分から30分までを読書タイムとし、全校一斉に取り組んでいる。
   2 学校図書館司書との連携
         金曜日の5限、学校図書館司書が新刊の紹介や読み聞かせ、ストーリーテリィングなどを行っている。
   3 書架の設置
         各教室前廊下には書架を設置し、いつでも児童が自由に本を読めるようにしている。
        
(2) 家庭との連携、地域との連携
   1    PTA総会や学級懇談会で朝の読書について説明し、家庭においても親子読書を行って、親子の絆を深めるとともに読書の習慣化を図るよう推奨している。
   2    毎週水曜日の放課後、地域の図書館ボランティアの方々に読書指導をしていただいている。また、児童とボランティアの方々とで地域に題材を求め、それを劇化して、学習発表会の際や特別養護老人ホームで披露している。
富山県 富山県立呉羽高等学校
(1) 本校の実践の特色
      創立時より読書会・映写会・シンポジウムなど活発な図書委員会活動をしている。学年や教科との連携も密で図書館を利用した授業も多く、平成12年度からはコンピュータによる図書館運営システムを導入した。
   1 読書会
         ホームルーム読書会は平成元年より毎年実践している。集団読書テキストや他の図書をクラス全員で読み、意見を交換し冊子を作るなどしているが、年度によっては、朗読会を通じて作品の新しい解釈の模索、クラス枠をはずして学年単位での希望作品の研究、逆に全校同じ作品の研究など、工夫をこらして毎年実践している。
   2 課題学習授業
         平成2年度に、図書委員会で大テーマを決め、全図書委員が数名程度の班に分かれて、夏休みから秋にかけて各々小テーマで研究し、芸術祭(文化祭)に発表した。その時のテーマは自然環境に関する問題であった。
   その後何年かはこの形で実践され、集書が進んだ。その時代の趨勢をみつめ、それに関する図書を読み、自分で考え、自分の言葉で発表するという作業を通じて社会への認識を新たにし、教科などの課題学習にも役だった。
   平成6年度に、男女共修となった家庭科が班別研修やコンピュータによる授業を、図書館を利用して行い、芸術祭で図書委員会主催のシンポジウムで発表し成果をあげた。
   以後、各教科との連携を密にし、教科の希望に添った集書に努め、家庭科だけでなく公民科、英語科、国語科、保健体育科などの授業が図書館を利用して実施された。
   このような授業では学年全員(230名弱)が同一の大テーマで研修するため、必要な図書は可能な限り図書館で購入したが、公立図書館からもかなりの図書を借り出して対応した。公民科の授業では「フィールドワーク」を行い、地域との連携の中でも、学習が深められていった。
   これらの学習の多くは、毎年10月に開催される芸術祭(文化祭)において、前述の生徒図書委員会主催の全校生徒に開かれたシンポジウムで発表されている。ここは、保護者なども含めた参加者が意見を交換する場にもなっている。
   3 コンピュータの導入
         一クラス40名の生徒が一斉に必要とする図書を検索するためにコンピュータを導入し、図書委員の協力も求めて、図書のデータの入力を行い、平成13年の2月から検索できるようになった。
   現在11,000冊入力済みだが、いまも図書データの入力は継続中である。
富山県 富山県立富山ろう学校
   聾学校においては、聴覚面からだけでなく視覚面からの刺激を大切にして指導を行っている。読書は、言葉の獲得や知識理解の拡大、より豊かな情操を育成するためにたいへん有効であり、重要な役割を担っている。本校においても、幼児児童生徒の実態に合わせて、学校図書の充実や日々の読書指導、教科や行事との関連指導、図書室・自動車文庫(移動図書館)の利用の促進など、各学部で様々な取り組みを行っている。例えば、小学部においては特別活動の時間に図書クイズなどを行い、読書活動の充実を図っている。
   本稿では、読書活動の活発化を促すための実践を、幼稚部の取り組みを中心に紹介する。
-幼稚部の実践の概要-
1 テーマ
      「お話が好きな子どもに育てるための実践研究」
2 趣旨
      本研究では、幼児の興味・関心を高めるような題材の選び方や具体的な指導のあり方について考察した。
3 方法
      「絵本」の時間の授業研究を通して、一人一人の幼児の絵本等への興味
      関心を促す提示方法を工夫する。
4 指導内容
      絵本や紙芝居の読み聞かせと話の内容に沿った遊び。
      ペープサートやパネルシアターの視聴とペープサート等を使っての表現活動。
5 指導に当たっての検討事項
      題材の選び方、言葉の選び方、提示の仕方(絵本、ペープサート、パネルシアター、紙芝居、マスコットなど)、保護者援助のあり方、幼稚部図書の選び方と活用などについて共通理解した。
6 活動の効果
      幼児の絵本等への関心が高まり、教師や保護者の絵本の扱いへの理解も深まってきている。幼児は、じっくりと話を聞くようになってきており、自ら本を読んだり、印象に残った場面をごっこ遊びや、日常生活、会話に取り入れたりする様子も見られるようになってきた。
石川県 金沢市立押野小学校
(1) 本校の実践の特色
      各学年1名で構成する図書館プロジェクトチームを中心に、読書活動の推進と図書館の運営・整備充実が進められている。~学校図書館を生かして~という副題をつけた学校研究が続けられ、研究発表会も開催した。学校教育活動の中に学校図書館がしっかりと位置づけられ、豊かな読書活動を生み出すために工夫された掲示や目当ての本が探しやすい配架で、お話の世界へ夢が膨らむ「お話ランド」、メディアセンターとして総合学習等をサポートする「学習センター」の2つの図書館がある。
   1 朝の読書タイム
         火・木・土曜日は毎朝読書タイムが15分間設定されている。教室には、百冊程度の本を配置し、学期毎にクラス間で入れ替えを行っている。また、自宅から読みたい本を持参し読書している児童も見られる。
   2 図書委員会によるお話し会
         24人の図書委員会児童が、月2回、休み時間を利用して「お話し会」を開催している。図書委員は、その会に向けて、本を選ぶ、ポスターで呼びかける、練習をするという準備を経て、全児童対象に開催しており、好評である。
   3 縦割りお話し会
         縦割りグループを利用し、その中に所属する全児童がそれぞれ工夫した読み聞かせや朗読、紙芝居などを行事「縦割りお話し会」として開催している。内容は、詩や紙芝居、教科書の作品、図書館の本の読み聞かせや朗読などであるが、学年の発達段階に応じ、頑張っている姿が見らる。
   4 手作り絵本や紙芝居づくり
         総合的な学習の時間等で、手作り絵本や紙芝居を作っているクラスもある。その作品は、図書館にも配置され、どの児童も見ることができるようになっている。中には、話の筋書きも面白く、絵も丁寧に仕上げてあるものもあり、そのような作品はよく読まれているようである。
   5 パソコンで絵本・紙芝居作り
         本校では、平成13年度に本格的なパソコン整備がなされ、児童にとって大変身近なツールとして利用され、リテラシーも向上している。その能力を生かして、パソコンによる絵本・紙芝居づくりを行っている。お絵かきソフトを使い、児童により10枚以上の作品に仕上がっているものもある。これにより、お話の創作力、パソコンのリテラシー向上をめざしている。
        
(2) 家庭との連携・地域との連携
      読書活動ボランティアグループ「お日様はらっぱ」と連携し、月2回のお話会、サマースクールでの特別お話し会を開催するなど熱心に読書活動をサポートしていただいている。
石川県 七尾市立小丸山小学校
めざす子ども像~自ら本と親しむ子~
(1) 本校の実践の特色
   1 朝の読書タイム
         週2回,朝自習の時間を全校一斉の読書タイムにした。月初めの1週間は教師も参加し,読み聞かせなども行っている。
   2 図書委員による読書への関心を高める活動
     
「図書まつり」(6月)
      本探しコーナー,しおりコーナー,4こまマンガコーナーなどを図書室に作り,休み時間に希望する児童が参加した。
全校集会でのお話会(7月)
「大好き!本まつり」(11月)
      手作りの紙芝居やペープサートを行った。
   3 読書ラリー
         「図書まつり」期間中に読んだ本の感想を校内の教師に話し,スタンプを集めた。
   4 読書環境を豊かにするために
     
   手作り本立てを各学級に置き,学級文庫の充実を図った。
   行きたくなる図書室
      児童に人気のある本を購入したり,本の配置を工夫して,児童が本を探したり返したりしやすくした。また,手作りの飾りや掲示,学習に役立つ特別コーナー,くつろいで本が読めるソファーなど,楽しい雰囲気の図書室になるようにした。
   絵本の部屋
      空き教室に畳を敷き,夏休みの職員作業で図書室の絵本を移動し,絵本の部屋とした。
   おすすめの本コーナー廊下や各学年のプレールームなどに,児童によるおすすめの本コーナーを作り,おすすめカードを掲示し,実物の本を置いた。
        
(2) 家庭・地域との連携
   1    「大好き!本まつり」期間中に家族で同じ本を読んだり,お互いに読み聞かせをしたりするファミリー読書ラリーを行った。
   2    図書館だよりを発行し,保護者に読書活動への関心と理解をもってもらった。
   3    七尾美術館のボローニャ絵本原画展やピカソ陶芸展を鑑賞した。
   4    市立図書館の団体貸し出しを利用した。
   5    地元のお話サークル「しびびの会」を招き,人形劇,素話,紙芝居などをしてもらった。
福井県 勝山市立鹿谷小学校
(1) 本校の実践の特色
      ここ10年間、家庭、地域、学校が一体となって展開している青少年健全育成運動を基軸に、地域と学校、親子のふれあいを大切にした読書活動を推進している。また、教科等の学習活動に対する読書活動の効果について研究を進めてきた。
   1 読書タイム
         毎週4日間(月~木、土)の、朝の10分間、全校児童・教員が一斉に読書活動を行っている。どの児童に聞いても「今、~という本を読んでいます。」という返事が戻ってくるぐらいに読書活動が児童の生活の中に浸透してきた。
   2 図書のコンピュ-タ管理
         バーコード入力で図書の貸し借りができる。図書委員会が管理、運営をしている。
   3 図書委員会の活動
         毎週火曜日の昼休みに図書室で紙芝居等を行っている。多くの子供たちが集まり、盛況である。また、金曜日には、昼の放送で読書クイズや先生方お勧めの本を紹介している。
   4 図書室を和室に改造
         図書室全面に畳を敷き、くつろぎと落ち着きの中に集中力を高める効果を上げている。
   5 読書紹介
         毎週月曜日の全校朝礼では、児童がみんなにも読んでほしい本の紹介を交代で行っている。校長自らも計画的、継続的に読書活動に関する講話を行っている。
     
(2) 家庭との連携、地域との連携
      親子で図書を購入するシステムは、児童一人一人の読書意欲を高め、好ましい読書習慣を形成する上で効果的であるとともに、親子や地域のつながりを深め、学校が地域の読書活動を推進する役割も果たしている。また、地域の方による「読み聞かせボランティア」により、児童の読書意欲は一層高まってきている。
   1 親子で選ぶ学級文庫
         学校主体の図書の選定・購入の他に、親と子が相談して図書を購入し、その代金を学校が負担するという方法もとっている。児童にとって興味・関心の高い図書が選定できるとともに、保護者は子供の読書活動について理解を深めることができ、効果的で、保護者にも好評である。この方法で購入した本には、見返しに次のようなスタンプを押し、所定の事項を記入する。読書意欲の醸成、購入の社会的責任の意識化をねらっている。
   2 読み聞かせタイム
         毎週金曜日、朝の10分間、地域の「読み聞かせボランティア」の方8名により、読み聞かせを行っている。子供たちは週1回の「読み聞かせタイム」を楽しみにしている。ボランティアの方々の取組も意欲的である。
福井県 美浜町美浜北小学校
(1) 本校の実践の特色
   1 委員会活動の活性化
      紙芝居の上演
            毎月,紙芝居を上演している。あらかじめポスターを作り低学年の教室や廊下に掲示して,当日は低学年のみならず5・6年生までも集まるという盛況ぶりである。
      アンケートの活用
         「好きな本ベスト5」や「購入してほしい本」
            「本読みベスト5」などのアンケートをとって掲示し,読書意欲を高めるようにしている。
      「本読み賞」の作成
            図書貸し出し時に個人カードを使っている。(1枚に19冊記入,色が変わる)カードが一杯になると手作りの「本読み賞」を贈っている。
   2 全校読書タイムの設定
         子供たちに毎日読書の時間を保障するために,10分間全校一斉に「読書タイム」として日課表に位置づけている。
   3 校内読書感想文発表会
         年に一回,図書委員会主催で開いている。上・下学年に分かれ,それぞれ金賞・銀賞に選ばれた各学年2名が感想文を発表し,意見を述べ合っている。
   4 掲示物による環境作り
         読書に親しむ雰囲気を全校で味わうために,季節に応じて,「おすすめの本」の題や「感動を絵で」の感想画等全校生の作品を掲示している。
        
(2) 家庭との連携,地域との連携
   1 「読書カレンダー」(低学年)の活用
         読書の足あとになるよう,家庭で記録してもらっている。読書記録になるのはもとより,読書傾向を知ることもできる。
   2 公共図書館との連携
         国語科の関連図書はもとより,調べ学習の資料や季節に応じた絵本などを借りて,図書室の入り口にコーナーを設け展示している。全校生が手に取り,興味深くみている。
山梨県 甲府市立貢川小学校
(1) 特色ある実践活動内容
   1    週4日(月・火・木・金曜日)全校一斉の朝の10分間読書。学校の図書館から貸出を受けている本や家から持ち寄った本など,児童の自由読書により本に親しみ,読書意欲を高めている。特に,入学間もない1年生には,委員会の子供が教室を訪問し,紙芝居や本の読み聞かせを行っている。
   2    調べ学習に関する本を充実させ,課題追求や課題解決学習に応じられる環境整備に努めている。
   3    図書館の年間利用指導計画を作成し,学級活動や短学活,教科との関連において指導している。
   4    開かれた図書館をめざし,子供に毎日一人2冊の図書貸出を行っている。また,レファレンスサ-ビスを充実させ,本に親しみをもたせる工夫もしている。
   5    図書委員会活動の充実を図り,常時活動だけでなく委員会が中心となって,全校児童への読書の啓発と図書委員の思いを伝える手段として読書週間中に集会の企画立案を行っている。<劇やクイズ,多読者の表彰,本の紹介など>
   6    毎年11月を読書月間とし,図書館入口に先生方のお薦めの一冊の本の紹介を掲示している。また,低学年の児童には,先生による読み聞かせを行っている。
   7    図書館だよりを発行し,新刊および課題図書などや甲府市立図書館の案内を掲載し,子供に興味をもたせる工夫を行っている。
山梨県 八代町境川村中学校組合立浅川中学校
その1>
   1    活動内容「全校一斉10分間読書」(週1回)
   2    活動体制
         全校生徒及び担任による一斉読書
         活動時間毎週月曜日
   午後3時55分~午後4時10分
         前日に用意した本を,チャイムと同時に一斉読書する。
         読書後には,読書内容と実態を知るため読書一覧表を記入する。
         読書記録として残すため,読書ノートのひとこと感想を記入する。
   3    活動の効果・帰りの学活の前に行うことで,担任も毎回参加でき定着している。
         生徒の自主的な読書と,読書量の増加,読書内容の充実につながっている。
           
その2>
   1    活動内容「学級担任による読み聞かせ」
   2    活動体制・秋の読書週間中の学級活動の時間50分間(全校一斉)
         各担任が選定した,本や紙芝居を読み聞かせる。
         事後はアンケートに記入し,読書ノートに200字感想をまとめる。
   3    活動の効果・アンケート結果は,毎年90%以上の生徒がよかったと答える。
         読み聞かせをもっとしてほしいと望む生徒は,50%に及ぶ。
           
その3>
   1    活動内容「ふれあいのひととき親子読書活動」
   2    活動体制
         秋の読書週間中に,各家庭で,親子読書をする。
         学校としては,集団読書テキストを配布するが,選定は自由とする。
         親にひとこと感想を書いてもらう。
         生徒は,読書ノートに200字程度の感想をまとめる。
   3    活動の効果・親子,家族が読書を通して,ふれあうことができる。
         感性鋭い思春期における読書は貴重な体験であり,また,親子で同じ本を読むことで,意見交換をしながら,ふれあいの機会をもつことにもつながる。
         忙しい生活やテレビが主流の生活を変えることができよい機会となる。
   4    その他特記事項
         読書週間中は特に一人一人の読書への興味・関心を高めるよい機会になっていることがわかる。
           
その4>
   1 活動内容「読書感想画」
   2 活動体制
         冬休みの課題として,全校が図書館の本を利用して取り組む。
   3 活動の効果
         読書の感動を絵画によって表現することで,読書が創造的に発展し,読む楽しみを二重に得ている。
長野県 飯田市立追手町小学校
(1) 本校の実践の特色
      学校経営方針の一つである「児童の豊かな感性をはぐくみ、個性の伸長に努める」活動の一つとして図書館教育を位置づけ、「本に親しみ、本に読み浸る時間を充実させる」ことに全職員が協力して取り組んでいる。
   1 図書館の時間の設定
         時間割に、各学級週1時間設けられている「図書館の時間(国語)」は、担任引率のもと、子どもたちが図書館に来て司書の読み聞かせやブックトークを聞いたり、本に読み浸ったりする時間として活用している。
   2 10分間読書の実施
         「読書は全ての学習の基礎である」「読書を通じて豊かな心を持った子どもたちを育てたい」等の願いから、平成9年度より「10分間読書」を清掃終了時に位置づけ、全学級で実施している。
   3 親子読書ノートの実践
         参観日で子どもたちと一緒に読み聞かせを聞いた保護者が、ぜひ家庭でも行いたいと希望し、「親子読書ノート」が始まった。学級で図書を決めて親子で読み、親が感想や子どもの様子を記入している。実施して2年目であるが、各学級で好評である。
   4 ブックリストの活用
         教科学習で教科書の題材に関連する図書や調べ学習で利用する資料をまとめておく必要から、職員の協力を得て平成9年度には国語科、11年度には社会科の件名ブックリストを作成し、情報を得やすくした。
        
(2) 家庭との連携、地域との連携
   1 読書ボランティアの活動
         「学校と親と一緒になって、子どもたちの読書活動を支えていきたい」との願いから、保護者に協力を呼びかけ、平成10年度から保護者による読書ボランティアが始まった。毎月実施されている休み時間の「おはなしの会」や読書旬間中の「昼の放送」等は、子どもたちだけでなく、活動されるボランティアの方々も楽しみにしている。
   2 公共図書館との交流
         公共図書館が本校に隣接していることから、学校帰りに図書館に立ち寄る子どもが多い。本の情報を教えていただいたり、読書旬間中には、職員の方が各学年に応じた読み物を紹介してくださったり、教科学習の資料や調べ学習関連の図書をまとめて貸出しをしてくださったりしている。
長野県 東部町立田中小学校
(1) 本校の実践の特色
      本校では、平成7年、エコール(上田地域図書館情報ネットワーク)の協力により、学校図書館と公共図書館がネットワーク化され、要望図書の検索や集団貸し出し、出張ブックトーク等のサービスがきめ細かく行われている。児童も学校図書館を多く利用し、公共図書館からの貸し出しも多い。
   1 学級文庫の設置
         町立図書館より各組100冊の本を学期毎に借り、学級文庫として活用している。
   2 読書の時間の工夫
         低学年では、読み聞かせを大事に考え、朝の会、帰りの会、国語科の授業の中で行っている。高学年でも、国語科学習の発展として、作者別・テーマ別に本を読んだり、社会科の調査学習の発展として、関連した読み物を読んだりしている。
   3 公共図書館の活用
         学校図書館にない本については、ウィンドーズロボ(検索用端末機)を子どもたちが自由に使い、本の検索をしている。また、ブックトークや読み聞かせの会の開催、学習の資料となる図書集めなどの場面でも、町立図書館の協力を得ている。
   4 春、秋の読書旬間
         朝の一斉読書、教師と子どもたちによる図書紹介のポスター作り、図書館だよりの発行などに取り組んでいる。
   5 司書による図書館環境の整備
         季節、テーマごとの本の紹介、絵本コーナーの設置、公共図書館との連絡など、学校図書館の司書を中心にさまざまな取組がなされている。
        
(2) PTAとの連携
      母親文庫会員の保護者の方々が、春と秋の読書旬間に、朝の会を利用して各学級で読み聞かせの会を行っている。また、低学年では、旬間中だけでなく年間を通して、母親文庫会員の保護者の方々による読み聞かせが定着してきている。
岐阜県 岐阜県立斐太高等学校
(1) 本校の実践の特色
   1 行きたくなる図書館
         職員と図書委員が知恵を出し合って、全校生徒が一日に一度は図書館に行きたくなるような工夫を凝らしている。廊下の図書館広報コーナーで「こんな本があるよ。」と巧みに呼びかけている。図書館内は、利用者の立場に立った配置に心掛けている。発泡スチロールとテグスを使って、館内の全てが一目でわかるように案内したり、座り心地の良い椅子を用意したりしている。さらに、観葉植物や熱帯魚などを置くことで、学校の一角に不思議の国の別世界を演出し、「安らぎ」と「癒し」の空間を提供している。また、行事の度に閲覧室の中央で特設展示を行っている。例えば、クリスマスには、約50冊のクリスマス関係の本を展示し、飾り付けをするなどして楽しい雰囲気を作り出している。
   2 情報センターとしての役割
         図書館内には、新聞切り抜きコーナーやペット本、旅行本、洋書コーナーなど30種を超える常設コーナーと、その時々の話題本、人気本、行事関係本などの特設コーナーがある。例えば、常設の「アテンションプリーズ」のコーナーでは、主に当日の新聞から興味ある記事をコピーして貼ったり、催し物の案内をしたりするなど最新情報を提供している。また、生徒の小論文対策にも役立つよう、新聞切り抜きの記事を文学、教育、医療、歴史、環境、人権、女性問題など多くの分野別に整理している。レファレンスサービスでは、岐阜県図書館をはじめ多くの機関と広く連携を取り合っており、あらゆる手段を講じ、熱心に、また誠実に行うことをモットーとしている。
   3 図書委員会の充実
         最大の特色は図書委員会の活躍である。本校の伝統的な部分で、総務部、広報部、サービス部のそれぞれが「どんなことを提供できるか。」を常に考え、利用者の目線で見直し改善し、「日だまり」のような図書館づくりを目標に、全校生徒と図書館をつなぐ大切な役割を果たしている。
        
(2) 地域に開かれた図書館
      本校の図書館は、保護者、卒業生、学校周辺の一般の方々にも開放されている。貸出の他に、貴重本の閲覧もあるため、地域の情報センターとしての役割も果たしている。
岐阜県 岐阜県立岐阜聾学校
(1) 本校の実践の特色
      情報検索能力を高めるための読書活動は重要な課題で、読書活動のみならず文字情報盤を活用した情報提供等に、積極的に取り組んでいる。必要時にすぐ活用できる図書館を目指し、各学部ごと図書室とパソコン室をそれぞれ隣接して設置し、容易に多様な方法で求める情報の収集ができるようになっている。
   1 10分間読書
         中学部では、毎朝教室で10分間読書を実施している。読書の習慣が確立されていない生徒には、漫画本も認めている。
   2 小学生新聞
         図書委員会が中心となり毎朝内容を点検し、必要性や児童生徒たちの興味・関心に応じ、新聞コーナーに掲示したりするなど、最新情報を提供している。
   3 読み聞かせ
         絵本や紙芝居を活用し、教師による読み聞かせ活動を永年実施している。手話や指文字等も活用している。
   4 本ごはん
         三食のご飯の他に本も食べようと呼びかけ、寄宿舎でも読書活動を展開している。
   5 情報機器活用
         いつでも誰もが、パソコン活用ができるようになっており、昼休みや放課後等でも利用者でにぎわっている。
        
(3) 家庭との連携、地域との連携
   1    高校生による読み聞かせ活動
         高校生との交流活動の中で、手作り紙芝居による読み聞かせを行っている。
   2    親子読書幼稚部での読み聞かせ活動が、家庭での親子読書に発展し、親子の絆を深めるのに役立っている。
   3    手話講座受講者による図書館活用
岐阜県 高山西高等学校
(1) 朝の読書タイム
      平成4年度から朝の10分間読書を実施している。「気息を整える。活字に親しむ。間接体験。思考の源。語彙力の養成。情操の涵養。」を目標として始めた。毎朝SHR前の10分間を学校の時間割の中に組み込み、また各クラスには約60冊の学級文庫を設置し、生徒は自由に好きな本を読むことができる。
        
(2) 図書館オリエンテーション
      各学年、各クラス1,2学期に1回ずつ図書館利用のオリエンテーションを行っている。(1年生の1学期は国語の時間、他の学年は朝の10分間読書タイムを利用)
   また今年度は各学期、数名の職員が朝の読書タイムに全校放送で、読書に関する講話を行った。初めての試みだったが、好評だった。
     
(3) 図書委員会
      委員会の活動内容は次のとおりである。
   1 図書館だより、壁新聞の作成
   2 写真ニュースの掲示
   3 環境関連図書の管理
   4 バーコード処理の作業
      このような活動を通し、図書委員会が中心になって、全校生徒への読書の働きかけを行っている。
        
(4) 西高祭での古本バザー
      図書委員会による「古本バザー」が、平成10年度の西高祭(文化祭)から始められた。
   育友会の協力を得て家庭で不要になった本などを販売し、本の再利用をしている。収益金はボランティア活動の一環として福祉団体に寄付している。
        
(5) 環境関連図書と雑誌、新聞コーナーの設置
      今年度から、2階売店前ラウンジに、上記のコーナーを設置した。昼休み放課後の利用数が増え、憩いの場としても活用されている。
   特に環境関連図書の充実に力を入れているのは、本校が「エコスクール高山西」を宣言し、ISO14001を取得するなど、環境教育を積極的に推進しているためである。
静岡県 清水市立辻小学校
(1) 本校の実践の特色
   1    朝の全校読書週3回15分間の朝読書を全校で行っている。15分間黙って静かに読むことをめあてにし、集中して読書する習慣を身に付けている。
   2 学習情報室の整備
         中学年以上の2・3・4・6類の本を図書室から移動し、学習情報室を作った。子供たちがいつでも調べ学習ができるように調べ学習の方法や参考図書の使い方が分かかるような掲示も作成した。
   3 パソコンの利用
         貸し出しについては、蔵書・個人バーコードを活用し、簡単に貸し借りができるようにしている。また、パソコンで本の検索を行うこともできる。
   3 市立図書館との連携
         市立図書館の協力を得て、毎月本を200冊借りている。本好きな子を育てようと考え、子供たちがいつでも必要な本や新刊本等、魅力ある本と出会えるような機会や場を設けている。
        
(2) 地域との連携
   1 フレンドリータイムの読み聞かせ(全クラス読み聞かせ)
         お母さんボランティアが、月1回15分間、1年から6年の全クラスで読み聞かせを実施している。
   2 読書の時間の読み聞かせ
         1年生から3年生を対象に、月1回、読書の時間にお母さんボランティアが、個別に読み聞かせをしたり、学級の全員にストリーテリングを行ったりしている。
   また、4年生には地域の「お話宅配便」の方が、月1回、読書の時間に本の楽しさを伝えに来てくれている。
静岡県 富士市立青葉台小学校
(1) 本校の実践の特色
   1 キャラクターシールの作成
         図書室のキャラクターを作り、その名前を全校に募集。ポプリンと決定。ポプリンのシールを作成(現在55種類)し、子供に配布した。配布の条件は、下記の3点のいずれかである。
      おすすめの本の紹介。(専用用紙にかく)
      6冊本を借りる。(専用栞に記入)
      自分の読んだ本5冊分の題名などを記録。
            図書室には常時おすすめの本の用紙や栞、読書記録を書く紙を用意している。
            今年度はポプリンの友達ププリンも登場し、シールの種類も増えている。
   2 読書週間の全校での取組
      学年ごとの大型ジグソーパズル
      10万ページ読めるかな
      読書双六
      あの本探して!クイズコーナー
      読書郵便コンテスト
   3 魅力的な本の入手
         常時「リクエストコーナー」を設置し、子どもたちの読みたい本を知り、本の購入の参考にする。また、実際本屋に足を運び話題の本などをリアルタイムで購入する。
   4 入門書から卒業書
         「ハムスター研究レポート」などの漫画を読書入門書、「はてしない物語」(ミヒャエル・エンデ)を卒業書とし、発達段階に応じて読書が楽しめるように心がけた。「はてしない物語」を読破した子には、本と一緒に写真を撮り、それをパウチして「読破おめでと賞」として記念に贈った。
   5 コンピュータ導入と司書
         コンピュータによる貸し出し返却のため、本を借りる煩わしさが軽減された。そのため、外遊びに行く前に図書室に気軽に立ち寄れる。また、週2,3日ではあるが年間を通して司書がいるため、蔵書がしっかり整備され、図書館運営をしていく上で大きな支えとなった。
        
(2) PTA、地域との連携
   1 読み聞かせ
         毎月木曜日(朝8時から15分間)に地域の読み聞かせボランティアの方による読み聞かせを行った。第1週が低学年、第2週が高学年の各クラスで。
   2 PTAによる本の購入
         PTA活動によるバサーの収益金で図書室の本を購入。本選びは、母親委員が中心に行った。
静岡県 私立静岡雙葉中・高等学校
1 指導開始時期
      中学入学時、国語科から春休み中の課題図書を指示し、感想文を書かせる。
2 読書ノートの活用
      中学生は年間6回の読書ノートを提出させる。高校生は各学年ごとに計画し、四分野読書や生徒相互間の推薦図書紹介などで読書ノートを利用している。推薦図書や課題図書を読んで感想を書いて提出する。
3 夏の読書感想文の指導
      毎年7月上旬に、全学年対象に夏の読書感想文にむけて推薦図書のリストを配布している。
4 図書委員会の活動
      図書新聞を発行したり図書館の掲示板や黒板を活用する。また、古本市を開く。
5 活動体制
      図書文化課(教員4人、司書・事務員2人)と国語科が感想文の指導に当たっている。
   夏の推薦図書については、各教員が個人で出し、読書活動の指導の観点から各学年の教員が関わっている。各教科でも課題図書による読書をさせたり、教科の特色にあった本を勧めたり、調べ学習をさせたりする。このように、全教員が読書活動の指導に関わっていることが特徴である。
※「平成13年度読書活動実践事例集」(国立教育政策研究所編)より転載。

-- 登録:平成21年以前 --