2 世界を舞台に活躍する日本選手

1.日本の国際競技力の現状

 我が国の競技者が国際競技大会等で素晴らしい成果を挙げることは、国民に感動を与え、スポーツへの意欲・関心を大いに高めるとともに、活力ある健全な社会の形成にも寄与するものです。
 我が国の国際競技力は、1980年代以降、長期的・相対的に低下傾向にありましたが、2004年(平成16年)8月に開催されたアテネオリンピックにおいて、日本選手団は金メダル16個を含む合計37個のメダルを獲得するなど、史上最高の成績を残しました。(表1図1
 アテネオリンピックでの日本選手団の活躍により、2006年(平成18年)2月に開催されたトリノオリンピックにおいても日本選手団に大きな期待が寄せられ、フィギュアスケート女子シングルで荒川静香選手が金メダルを獲得しましたが、メダルの獲得としては金メダル1つにとどまり、残念な結果となりました。

世界バドミントン選手権大会女子ダブルスで3位になった小椋久美子選手・潮田玲子選手ペア(三洋電機株式会社)2007/マレーシア(写真提供:アフロスポーツ)

世界体操競技選手権大会男子団体で銀メダルを獲得した日本代表チーム 2007/ドイツ(写真提供:アフロスポーツ)

■表1 オリンピック競技大会における日本のメダル獲得数

(1)オリンピアード競技大会(夏季)

開催年 開催地
1964年 東京 16 5 8 29
1976年 モントリオール 9 6 10 25
1988年 ソウル 4 3 7 14
1992年 バルセロナ 3 8 11 22
1996年 アトランタ 3 6 5 14
2000年 シドニー 5 8 5 18
2004年 アテネ 16 9 12 37

(2)オリンピック冬季競技大会

開催年 開催地
1972年 札幌 1 1 1 3
1976年 インスブルック 0 0 0 0
1988年 カルガリー 0 0 1 1
1992年 アルベールビル 1 2 4 7
1994年 リレハンメル 1 2 2 5
1998年 長野 5 1 4 10
2002年 ソルトレイクシティ 0 1 1 2
2006年 トリノ 1 0 0 1

文部科学省調べ

■図1 オリンピック競技大会における国別メダル獲得率の推移

(1)オリンピアード競技大会(夏季)

(2)オリンピック冬季競技大会

文部科学省調べ

2.多くの国民が日本選手の活躍に注目

 2007年(平成19年)に開催されたAFCチャンピオンズリーグ2007における浦和レッドダイアモンズの活躍や世界柔道選手権大会での日本選手の活躍のように、競技者が最後まであきらめず全力でひたむきに戦い、その結果として生まれる記録や勝利する姿は、多くの人々に夢と感動を与え、スポーツに対する興味や関心を高めるものです。
 「体力・スポーツに関する世論調査」(内閣府・平成18年8月調査)によると、85パーセントの国民が、日本選手の活躍に関心を示し、国際競技大会で日本代表選手が活躍するために公的な援助を行うことについても、約8割強の国民が援助の必要性を認めています。(図2図3図4
 2008年(平成20年)にも北京オリンピックなど、多くの国際競技大会が開催され、日本代表選手の活躍に国民が注目し、期待しています。

シニア世界レスリング選手権大会男子グレコローマン60キログラム級で銀メダルを獲得した笹本睦選手(綜合警備保障株式会社)2007/アゼルバイジャン(写真提供:AFLO)

■図2 スポーツの国際大会での日本選手の活躍に対する関心

総数(Nイコール1,848人)

■図3 スポーツの国際大会で日本選手が活躍するための公的援助に必要性

■図4 公的援助として必要な内容

内閣府「体力・スポーツに関する世論調査」(平成18年8月実施)

-- 登録:平成21年以前 --