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Society5.0に向けた人材育成に係る大臣懇談会 第6回議事要旨 平成30年3月14日

日時:平成30年3月14日(水曜日)16時30分~18時00分
場所:文部科学省 3F1特別会議室


出席者


林 芳正(文部科学大臣)座長
鈴木 寛(文部科学大臣補佐官)座長代理
新妻秀規(文部科学大臣政務官)


【構成員】
大橋 弘(東京大学大学院経済学研究科教授)
太田 昇(岡山県真庭市長)
紫  舟(書家/アーティスト)
杉山 将(理化学研究所革新知能統合研究センターセンター長/東京大学大学院新領域創成科学研究科複雑理工学専攻教授)
新居日南恵(株式会社manma代表/慶應義塾大学システムデザイン・マネジメント研究科 修士課程)
原田曜平(博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー)
水野正明(名古屋大学総長補佐/医学部附属病院先端医療・臨床研究支援センター副センター長)


【ゲスト】
新井紀子(国立情報学研究所教授)
     
(敬称略。五十音順)


議事内容


出席者からの主な意見は以下の通り。


<AI時代における読解力の重要性>
○自然言語に対するAIのアプローチは、ことばを検索しているだけであって、その「意味」を理解しているわけではない。
○しかし、AIが東大に合格できるかというプロジェクトを行った結果、AIが全国50万のホワイトカラーを目指す学生の中央値を超えた。
○AI時代には、AIを超える能力を持つ人が限られる場合、そのような人たちの給料は上がる一方で、AIに敗れた人たちは所得の中央値が激減する可能性がある。
○「意味」がわかるはずの人間がAIに敗れるのは、人間がきちんと文章を読めていないことによる。読解力を高めるためには、字や言葉、文章の意味を理解していなければならない。言葉や文を読んだ時に、それが無味乾燥な教科書の内容だったとしても、いろいろな事象や物事に関連させてイメージを膨らませられるということ。
○すでに現場の中学校の先生たちはそのことを感じていて、学力が上がらないのはもともと教科書が読めていないのが原因ではないかと危機感を持っていた。教科書が読めないと予習も復習もできない。
○小学校卒業の時点でとにかく教科書を読めるようにしてから中学1年生に上げて、中学卒業の時には中学の教科書が読めるようにしてから高校に出さなければならない。それが公教育の最重要課題であり、AI時代に向けて重要なこと。
○読解力が昔と比べて下がった、上がったという議論はあまり意味がなく、昔であれば読解力がなくても何十年も同じ仕事をしていられた。しかしこれから労働市場が流動化し、別の職種に移らねばならなくなったときに、マニュアル等が読めなければ新しい職に就けないという事態に陥る可能性が出てくる。
○教科書で用いられている言葉と、実際に子供たちが体験している世界がずれてしまっている。世の中の変化の速さに対して、教科書の変化が追いついていないように感じる。
○子供に向けて話すときの語彙と大人同士の会話の語彙は量が全く違うので、夫婦の会話を聞いている家庭の子供は、やはり語彙量が増えると考えられる。


<体験の重要性>
○自然の中で遊ぶ中で受ける刺激も重要。そのような機会が減少してきている。
○経験を教育の中に織り込むといったことをしなければいけない。 “切実な”体験が子供にとって畑を耕すような経験になる。作られた体験ではなくて、自分がリアリティーを感じられる切実な体験や(その時に感じる)感情が非常に重要。
○人間が1人で生きるために必要な能力、すなわち火を起こすことやご飯を食べること、トイレを処理することなどは極めて重要。すべて文明が代わりにやってくれるということになったら、多分大変なことになる。それは7年前の大震災のときを考えても、当てはまること。そしてその能力を受け入れられるのは、脳科学的見地から言うと1歳から3歳くらいのところで決まってしまうため、親が協力してこのような能力に関わる経験をさせてあげる必要がある。


<これからの芸術と創造性>
○アートは今後最も増える職業と言われるが、伝統的な文化を新しい切り口で表現しなおしていく必要がある。
○才能が伸びるためには、最初に個性を手放して伝統や型を学ぶことに膨大な努力をする時間が必要。個性やセンスは、その後で必要になる。この最初の努力の段階では、その人の適性を見分けることは難しい。
○創造力の土台として感性が必要。幼児期にはまず感性を育てることが、その後創造力を育てるために重要。感性を育むには、例えばたくさんの芸術に触れさせ、型にはまらない遊びをどんどんさせること。
○テーマや内容によっては、学校のカリキュラムを年齢別で仕分ける必要は必ずしもない。
○洞察力で物事の本質を見極めたり、新しい概念を生み出したりする人を作るために、「考える」ということに時間を費やした教育が重要となる。
○発想やひらめきは、例えば高い集中力で同じテーマに長時間集中し、そのあとそこから離れることで得られることがある。1つのことにこだわっていると、どんどん深化するだけで最後は詰まってしまうため、広がりを作るためには「よそごと」(他のテーマに取り組むこと)が必要になる。
○動物として体を動かすことはおろそかにしてはいけない。何万年も人類が歴史の中で積み重ねてきたことが、完全にこの5年10年でなくなることの影響が今は見えていない。

お問合せ先

大臣官房政策課

-- 登録:平成30年06月 --