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Society5.0に向けた人材育成に係る大臣懇談会 第5回議事要旨 平成30年3月9日

日時:平成30年3月9日(金曜日)18時00分~19時30分
場所:文部科学省 旧庁舎2F文化庁特別会議室

出席者

林 芳正(文部科学大臣)座長
鈴木 寛(文部科学大臣補佐官)座長代理
新妻秀規(文部科学大臣政務官)


【構成員】
大橋 弘(東京大学大学院経済学研究科教授)
北野宏明(ソニーコンピュータサイエンス研究所 代表取締役社長)
紫  舟(書家/アーティスト)
新居日南恵(株式会社manma代表/慶應義塾大学システムデザイン・マネジメント研究科 修士課程)
原田曜平(博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー)


【ゲスト】
Michael A. Osborne(オックスフォード大学准教授)
安宅和人(ヤフー株式会社チーフストラテジーオフィサー)
岩永雅也(放送大学教授)
栄藤 稔(大阪大学先導的学際研究機構教授)
石山 洸(株式会社エクサウィザーズ代表取締役社長)
牧野光朗(長野県飯田市長)
渡邉 誠(千葉大学大学院工学研究科教授)
     (敬称略。五十音順)

議事内容

 出席者からの主な意見は以下の通り。


<機械学習の進展と仕事への影響>
○ 機械学習はタスクが十分に定義づけられて構造化され、トレーニングデータが与えられて初めて成立する。一方で人間はそのような構造がないときでも判断することができる。
○ 機械学習とロボティクスの組み合わせにより。例えば病院や倉庫、工場等の十分構造化された作業があるところでは、タスクを自動化することができるだろう。
○ スキルの高い熟練工や医師の仕事ですら、機械に代替される可能性がある。
○ 現在の米国の職の47%が、2030年までに自動化の影響を受ける可能性が高い。日本においてもほぼ同じで、自動化の可能性が高いのは49%、可能性が低いものは40%程度。ただし、あくまで技術的な予測であり、様々な他の要素を考慮に入れる必要がある。
○ 仕事は独立して存在するのではなく、それぞれが互いに関係し合いその関係の中で地域が成り立っているため、職業同士の関係性についても考慮する必要がある。
○ 日本は人口動態の変化が著しいが、高齢化によって自動化が歓迎される側面がある。
○ 無くなる仕事がある一方で新しく生まれる仕事もある。2000~2015年のイギリスにおいては、自動化によって雇用は失われた一方で新しい職が生まれており、全体としては増えているという研究もある。
○ 様々な分野の専門家を横断的に集めて行った職業需要予測によると、雇用が増える可能性が一番高いのがアーティスト。
○ レストランのウェイター・ウェイトレスは近年タブレットの導入により代替されつつあるが、彼らの賃金は比較的低く、必ずしもアルゴリズムで代替することが経済的合理性を生むとは限らない。
○ もし機械が入れたコーヒーと味がまったく一緒であったとしても、我々はバリスタの入れたコーヒーを好む。味だけではなく、雰囲気や見た目などのさまざまな要素が重要。人間に内在する社会的な側面がバリスタと対話したいと思うのであって、社会が豊かになればなるほど、製品自体でなく、人の顔やストーリーを重視するようになる。


<今後必要となるスキル・重要ではなくなるスキル>
○ 人間にとって今後重要となるスキルの多くは、高度な認知的スキルと関係している。例えば独創性、思考の流暢性、創造性。さらに、人と機械が複雑なシステムの中で協業することが重要になるため、システム思考、システム分析やほかの従業員のパフォーマンスをモニタリングするようなスキルも重要。また、社会的スキルも人間関係を構築・維持するためにより必要となる。
○ 一方で、需要が減るスキルの多くは身体的、運動的なスキル。たとえば正確に制御する、機械を同じ設定で毎回扱うというスキルは必要性が低下する。
○ 多くの職においてデータサイエンスの理解も重要となる。
○ 創造性は多くの未来の職業の中心的な要素。自身の体験を基に、あらゆるアイデアをつなぎ合わせて、社会や文化のさまざまな要素をつなぎ、革新を行うことは、自動化できないだけではなく今後の経済成長の鍵を握っている。
○ 必ずしもクリエイティブな仕事だからといって生き残るわけではない。一方で、未充足のニーズをあぶりだすような仕事は残っていくだろう。


<AI時代の教育の在り方>
○ 多くの有識者が、20代に大学までで学んだことだけで生涯のキャリアを完結させることはできないだろうと指摘している。今後はキャリアを通じて教育が継続的に提供される必要がある。
○ ミッドキャリアの労働者に必要となるのは、働きながら数カ月で特定のスキルを身につけられる“ナノ学位”のようなもの。大学ではなく企業が担うこともあるだろうが、現在の企業にこれを行うインセンティブは少ない。特に他の職場に移行するためのスキルは、政府レベルで検討するべき。
○ プライベートセクターが提供しているMOOCs(Massive Open Online Courses:大規模公開オンライン講座)は非常に重要。ただ、それだけでは十分ではない。官民両方のかかわりが必要。
○ 政府が政策を実行するに当たって必要なのはアジリティ(敏捷性)とダイバーシティ(多様性)。労働市場の変化にもっと俊敏に対応して多様なサービスを提供する、あるいは、ニッチに出てくる多様なサービスに対して応えるものでなければならない。国全体でひとつのカリキュラムがあるだけでは、全ての学生のニーズに応えられない。
○ 教育者を自動化することはできず、むしろ需要は増えるだろう。MOOCsやロボットの活用は進むだろうが、教育は人と人の対話で、アルゴリズムが最も不得意とすること。今後、生徒のこれまでの人生や他生徒との関係性といった様々なデータを理解し、教育を個別化していくことが重要となる。
○ STEM(Science, Technology, Engineering, Mathematics)分野の教育の重要性はよく言われるが、それぞれの職業の向かっていく方向は違うので、全ての人に金太郎飴のように同じやり方をすることは適切でない。
○ 学校教育は、工場やオフィスで良く定義されたタスクを行うような職業人の育成には長けていたが、独創的な思考をする人間を育成することを得意としてこなかった。家庭での教育は、子どもたちの中の創造性の輝きを消さず、自己表現する場を提供することが重要。
○ 低スキルの労働者が、必ずしもスキルアップして技術的に高度なスキルを身につけなければならないというわけではない。創造性や社会的知性は高度な専門的スキルとは無関係に存在するので、今持っていない補完的なスキルを身につける方法もある。

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大臣官房政策課

-- 登録:平成30年06月 --