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Society5.0に向けた人材育成に係る大臣懇談会 第4回議事要旨 平成30年2月7日

日時:平成30年2月7日(水曜日)16時30分~18時20分
場所:文部科学省3階 3F2特別会議室

出席者

林 芳正(文部科学大臣)座長
鈴木 寛(文部科学大臣補佐官)座長代理
新妻秀規(文部科学大臣政務官)


【構成員】
太田 昇(岡山県真庭市長)
北野宏明(ソニーコンピュータサイエンス研究所 代表取締役社長)
紫  舟(書家/アーティスト)
杉山 将(理化学研究所革新知能統合研究センターセンター長/東京大学大学院新領域創成科学研究科複雑理工学専攻教授)
新居日南恵(株式会社manma代表/慶應義塾大学システムデザイン・マネジメント研究科 修士課程)
原田曜平(博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー)
水野正明(名古屋大学総長補佐/医学部附属病院先端医療・臨床研究支援センター副センター長)


【ゲストスピーカー】
落合陽一(筑波大学准教授/学長補佐)


(敬称略。五十音順)

議事内容

 出席者からの主な意見は以下の通り。


<テクノロジーによる社会的課題の解決>
○ Society5.0においては、人間の身体的な多様性と労働人口の減少をテクノロジーで支えていくことが大きな課題。人間の身体的な多様性を支えるためには、人間が行っている生物としてのプロセス、サウンドとビジュアルでコミュニケーションし、脳で処理し、筋肉でアウトプットし、五感で受け取るというような営みと、これらと同じかそれ以上の働きを可能とする機械をうまくミックスして、人間と機械が組み合わさったシステムを構築していく必要がある。機械に支配されて怖い、というような反応もあるだろうが、きちんと役割分担していけば面白い社会ができる。
○ 課題解決型の研究開発と、それによって支えられる多様な問題探求型の研究開発をうまくミックスしていく必要がある。


<アート、サイエンス、エンジニアリング、デザイン:分野にまたがる教育>
○ 今後ますます重要となるサイエンス、エンジニアリング、アート、デザインの4つの分野において、1つの分野を突き詰める専門家とともに、2つの分野に軸足を置く人材の育成や、異なる分野でコラボレーションしていくことが必要となる。
○ これらの分野はそれぞれ考え方や言語、評価の視点が異なるため、コミュニケーション不足により異なる分野を見下したりするようにならないように、4分野を俯瞰した教育により専門分野以外の分野に対する理解と敬意を育むべき。また、評価も多様にしていく必要がある。
○ サイエンスとエンジニアリングは似ていて、アートとデザインは似ているとの誤解をされがちだが、デザインとエンジニアリングは課題解決型で、アートとサイエンスは問題発見型。両者を比べると、後者を短期間で教えるのは難しい。理系、文系という分け方ではなく、こういう分け方は意味がある。小さいころにアートとサイエンスを学ばせ、成長したらエンジニアリングとデザインをやるというのが自然かもしれない。
○ 教育の多様化は以前から言われてきたことで、大学も次々と新しい教育プログラムを作ってきたが、今あるものを減らさずただ増やしていくだけでは、結局どれも消化できないということになってしまう。新しいものを入れるためには何かを捨てなければならない。
○ ものを観察し、観察したものを理論で考え、その後、実装したりデータを集めたりという従来のサイエンスから、現在は、データを集め、End to EndのAIで解くように変わっている。データから機械によって得られる8割くらいの解決策のその先の2割を人間が解くというように教育のスタイルが変わってきている。


<実体験に基づく学び>
○ 日本の教育は実技を重視するが、実技としてできなくとも、いいものを鑑賞したり、自分で体験してみたりすることを組み合わせて教育していくことも大切。英語でいうとEducationは“掘り出す”ことなので、何もないところからは掘り出せないが、Learningはたくさん情報を入れていく営み。本物だけをずっと見ていると偽物が出てきたときにわかる。芸術も食べ物も論文も同様。
○ 脳の形成過程を考えると、2、3歳までにいろいろなものを見たときに“感じ取る”感覚と素地を形成しておくとよい。そのためには、幼児期から多様なものごとに触れさせて脳に刺激を与えることが最も重要。この点、大切なことは「分解」と「改造」と「鑑賞」ではないか。何かをばらばらにし、それを自分なりのものに作り上げることと、他人が作ったすばらしいものを愛でること。トライ&エラーをやらせてあげることが大切。
○ 子供に与えられる刺激としては自然の感動が少なくなり、人工的なものに大いに限られている。親の側は、子供に対し、ピアノや水泳といった、習い事への体験への意欲は高いが、役に立つかがはっきりしない遊びや関心を許容する意識が低い。
○ また、子供を過剰に危険から遠ざけることで、ネガティブデータから学ぶことができない。大学教育でも同様で、危ないものも使わないと新しいものを生み出せないので、最終的な安全を確保しつつ、バランスをとる必要がある。


<大学と産業界>
○ 大学では訳の分からないようなものの発見を目指すこと、もうやるべき解き方は知っていて、使えるプログラムはあるが、それに当てはまる問題を探すことに取り組み、産業界では問題はみんな知っているが、どうやって解くかを発見すること、どうやって展開するか、スケールするかに取り組むという役割分担があるにも関わらず、そこを無理につなごうとして失敗している。
○ 大学は基礎をやるべきという雰囲気はなんとなくあるが、制度がむしろ逆の方向に進んでいるので、大学人はギャップに苦しんでいる。エンジニアリングとサイエンスどのようにして同時に持つかということを考える必要がある。
○ ビジネスとしてスケールしないものはたくさんあって、それには公的資金が絶対に必要。何らかの形で社会として払わなければいけないお金はある。ビジネスとしてはスケールしなくても、それをもらってうまく研究を進めていくというシステムづくりが重要。


お問合せ先

大臣官房政策課

-- 登録:平成30年06月 --