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Society5.0に向けた人材育成に係る大臣懇談会 第2回議事要旨 平成29年12月11日

日時:平成29年12月11日月曜日 9時~10時50分
場所:文部科学省15階15F特別会議室

出席者

林芳正(文部科学大臣)【座長】
鈴木寛(文部科学大臣補佐官)【座長代理】
新妻秀規(文部科学大臣政務官)


【構成員】

太田昇(岡山県真庭市長)
大橋弘(東京大学大学院経済学研究科教授)
北野宏明(ソニーコンピュータサイエンス研究所代表取締役社長)
紫舟(書家/アーティスト)
新居日南恵(株式会社manma代表/慶應義塾大学システムデザイン・マネジメント研究科修士課程)
原田曜平(博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー)
水野正明(名古屋大学総長補佐/医学部附属病院先端医療・臨床研究支援センター副センター長)     

(敬称略。五十音順)

議事内容:

 出席者からの主な意見は以下の通り。

<人工知能(AI)研究の現状と今後の展開>
○AIは、産業革命以前の状態にある科学的発見のプロセスを根本的に変える可能性をもつ。
○研究開発は、グランドチャレンジを設定するのがひとつの方法。その達成の過程で重要な技術が生まれていく。未来をイマジネーションすること、そこに到達するまでひたすらやり続けることが重要。
○次の破壊的イノベーションは、1 ブロックチェーンによるスマートコントラクト、2 ディープラーニングによる能力のコモディティ化(汎用品化)、3 AI・ロボットのプラットフォームによりもたらされるだろう。トップレベルの能力に自由にアクセスできるようになる一方で、能力を有する人の仕事は廃れていき、プラットフォームを持っているところが勝者となる。

<Society5.0における経済社会>
○ビッグデータをめぐる3つのトレンドとして、1 機械学習の急速な発展、2 プラットフォーム・ビジネスの展開、3 クラウドによる分散化がある。これらを原動力として産業構造が大きく変化しつつある。
○プラットフォームは、1 ネットワーク効果と2 エコシステム化という2つの特徴をもつ。ネットワーク効果とは、参加者に正の循環が働き合うというもので、得てしてA winner takes all(勝者の独占)が起こり、勝者と敗者が二極化していく。さらに、様々な関連するビジネスがそこに参加するようになり、一つの巨大な経済体を形成する(エコシステム化)。
○プラットフォーム・ビジネスは、「神の見えざる手」によって調整される市場と異なり、「事業者の営利の手」によって運営される。プラットフォーム事業者が効率性の源泉であるノウハウ等を全て吸い取り、関連事業者を「取り換えの効く駒」としてコモディティ化していく。
○企業活動のアウトソースは拡大すると考えられるが、全てをアウトソースすると企業は高い取引費用を払うことになるし、信用担保の機能は必要なので、企業組織は無くならないだろう。他方で、消費者の視点からみると、プラットフォームの機能を担うのは、必ずしも企業でなくてもよい。
○プラットフォーム・ビジネスは現在の独占禁止法の考え方では扱いにくい。公正取引や消費者保護、優先的地位の濫用などで規制していくのかもしれない。しかし、日本だけでやると事業者が海外に流出するだけという結果になってしまう。
○人口減少の段階に入る日本では、若年失業率が高い国と比べてロボット導入に対する抵抗が少ないであろうことはアドバンテージとなる。
○社会が効率性や最適性を求めていくと、設備投資の効果が低いところには、そもそも投資がされず、都市部を中心とした社会になってしまう。自然災害の発生も考慮し、国土分散型の社会構造が必要。
○個人の価値がインターネット上に記録された情報によって評価される時代が来るかもしれない。教育だけでなく、個人情報や社会保障などの様々な問題と併せて議論していくべき。Society1.0から4.0、狩猟社会から情報社会までの社会は、いずれも人間中心の社会だった。Society5.0でもそうあるべき。意思決定なども含めて、AIに置き換わった方が社会はうまく回るのかもしれないが、それは人が幸せかどうかではない。

<Society5.0に向けた人材育成>
○プラットフォームを創造する人材には、周囲をどうやってモチベートさせて、物事を動かしていくのかが問われるため、社会的スキルやリーダーシップが必須で、ビジョンや価値観・倫理観も求められる。異分野をつなげるゲートキーパーとしての役割も重要。サイエンスや経営の知識だけでなく、アートやリベラルアーツなどの基礎的な教養やリーダーシップ教育を大切にしていくべき。
○若者には自分が作りたい世界とは何なのかを模索し、トライ&エラーしていくことも大切で、そのようなビジョンを育む期間が必要。今の若者は調和的に見えるが、社会的スキルと言えるものは不十分。
○情報アクセスの差がその人のポテンシャルを抑えかねない時代になってくれば、基礎学力のひとつとして検索能力を育むことが重要。
○AIにはドラマがないが、人間が作るアートにはミスやトラブルから生まれるドラマがある。
とびぬけた才能を持つ子供の才能を伸ばしていくには、多様性を許容する社会・教育システムであることが重要。AIは中に入れる個々の要素が多様であればあるほど出てくる答えの質が高い一方で、多様性がなく偏ったものだと急激に質が落ちる。人間の世界でも同じ。


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大臣官房政策課

-- 登録:平成30年01月 --