「これからの図書館の在り方検討協力者会議」（第8回）議事要旨

• 日時
  平成19年5月28日（月曜日）10時〜12時
• 場所
  三菱ビルM3会議室

• 研修体系について議論するとき、行政の行う研修を軸としながらも、民間の研修の現状をできる範囲で把握し、どのように位置付けたらよいか検討する必要がある。
• 民間の研修についても、受講した成果を評価の対象に含めるべきである。
• 集合研修に参加することが難しくなっているため、その対策を検討しなければならない。
• 初任者や非常勤職員、派遣職員を主な対象とする初歩的な研修プログラムが必要である。
• 業務委託や指定管理者制度を導入する場合、あらかじめ契約において、研修に必要なコスト、代替人員の確保などを明確にしたうえで、委託業者の責任において一定の研修を受講させるよう条項に盛り込む必要がある。
• 研修中の代替人員を確保するのは指定管理者の責任である。常勤、非常勤、指定管理者など、どういう立場で図書館に勤務していても、研修に参加でき、研修のなかでそれぞれが切磋琢磨すべきである。
• アメリカでは司書の遠隔学習が広く行われており、また多くの大学で図書館員のためにインターネットを含めた様々な形態の研修が行われている。日本では、遠隔学習が進んでいない現状があり、会議のなかで検討したい。
• 司書有資格者の研修とそうでない人の研修など、レベルによって区別し議論する必要がある。
• 研修には、図書館サービス向上のための研修と職員のキャリアアップのための研修とがあると考えられる。図書館サービス向上のための研修は、司書資格の有無に関わらず受講する必要があり、ボトムアップのためには、司書以外の職員の受講が特に重要である。国は基盤整備のため、ボトムアップのための研修を支援すべきである。
• この10年の図書館を取り巻く環境の変化により、図書館職員の質の地盤沈下が起きており、ボトムアップを図る必要がある。
• 図書館司書専門講座のような高度な研修を受講しても、個人の知識として留まり、図書館全体のレベルアップにつながっていない。
• 体系化された複数の研修を受講した場合、認定を行ったり、名称を付与するなど高度な専門性をどう評価し、また制度化するかということについて議論する必要がある。
• 研修を受講した職員が、職場において他の職員に報告・伝達する時間がないのが問題である。
• 研修の成果が図書館全体に還元されるためには、多くの職員が間接的にでも研修を受講できるよう技術的にサポートしなければならない。
• 研修のビデオ収録を行い、教材とするとともに、講義録を作成し、インターネット上で公開するなど活用してはどうか。
• 研修の受講を人事評価に反映させないと積極的な参加が望めない。また、メディア教育を含め、技術の進展に対応したこれからの時代に合った研修方法を考えなければならない。
• 例えば、司書は5年に1度研修を受け、全国的に定められた科目を受講させるなど、研修の方式と内容を決めておく必要があるのではないか。
• 社会教育法では社会教育主事の研修が規定されているが、図書館法では規定されていないので、図書館法で規定し、研修を行う基盤とする必要がある。
• 県レベルでは、研修に関する予算を何とか確保しなければならないとの危機感がある。専門職としての体系化されたキャリアアップが必要であるということが制度化できればよい。時間と費用を保障する枠組みができないか。
• 研修を議論するにあたっては、館内研修と館外研修を分けて検討する必要がある。

以上