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「これからの図書館の在り方検討協力者会議」(第3回)議事要旨

日時  平成18年11月14日(火曜日)10時〜12時
場所  丸の内仲通りビルディングK4会議室(文部科学省会議室)

1. 通信課程における司書養成課程の現状と課題(玉川大学松山氏)
 
通信教育部に、大学卒業者が資格取得を目的として入学する場合は、正科生扱いとなるため、入学金を払って3年次入学となり、単位取得後には退学する形となる。毎年千数百名から二千名が入学し、在学生は一万名程度である。司書課程では、一年間で全ての単位を取得するケースが多い。
単位取得方法は、自学自習の後に試験を受けるテキスト履修と、実際に講義を受けるスクーリングに分けられる。司書課程のスクーリングには春期、夏期、冬期、夜間がある。
開設科目は、司書講習科目に準じている。
司書課程を受講する学生数は、2001年をピークに履修者及び修了者ともに減少傾向にある。履修者に対して修了者が少ないが、通信教育部全体の傾向である。
通信教育部司書課程の受講者は、図書館勤務経験者か現職者が多いが、正職員は少なく、パートやアルバイト、派遣社員が多い。
通学課程と異なり、入学に試験が課されないため、学力に問題のある学生もいる。
学生の希望順に単位を履修できるため、事前に学習しておくべき科目を履修していない場合がありうる。
スクーリングではなく、テキストで履修する学生の学習内容が、実状より古い情報になることに対してある程度フォローは行っているが、最新の情報を提供することが難しいという課題がある。
テキスト学習では分かりづらい点に対するフォローとして、質問システムがあるが、質問は書面(様式は自由)提出のため、敷居が高いという意見がある。
WEBによる授業管理・質問管理は現在検討中である。
司書課程修了後にその先を学ぶためのコースがあるとよい。

2. 図書館・情報学専攻の現状と課題(糸賀副主査)
 
図書館情報学を「新規の司書資格付与のための教育(A)」と「学問領域としての図書館情報学教育(B)」、「図書館利用教育(C)」、「図書館員の現職者教育(D)」に分けた場合、従来Aの領域に重点が置かれてきたが、BやC、更にはDにも教育資源を配分する必要がある。
慶應義塾大学では、2学年から専門課程に入り、図書館・情報学専攻には約200名の学生(大学院後期博士課程も含む)が在籍し、専任教員が8名である。
図書館・情報学専攻は、図書館コース、情報メディアコース、情報検索コースに分かれ、図書館コースは大学卒業と同時に司書資格を取得できるカリキュラム構成になっており、情報メディアコースや情報検索コースにおいても一定の要件を満たせば取得できるようになっている。
卒業生の進路は極めて多様で、図書館への就職は毎年10名以下であるが、図書館情報学が活かせるのは図書館だけではない。
司書資格取得には、48単位取得と卒業論文が必須であり、卒業論文を書かせることで司書の品質に関しある程度保証しているといえるのではないか。
司書資格取得希望者だけが図書館情報学教育を受けるわけではないため、多様な受講生同士が議論することで司書資格取得希望者の視野が広がる利点がある。
平成16年度から現職者大学院として情報管理資源分野を開講し、第1期生として14名が修了した。慶應義塾大学では、Bを中心にAやDにもおよび、事実上Cの役割も果たしている。Bがない大学でのDは難しいものがあるが、複数の大学が連携した現職者教育の連合大学院という可能性もある。
図書館の理解者やサポーターが増えるという意味では、司書資格者が毎年1万人いること自体は大きな問題ではないが、図書館利用教育程度の教育しか受けていない学生が司書として図書館に採用された後、専門職として継続的な研修・教育の体制と評価の仕組みが整備されていないことが問題。司書資格取得に向けたカリキュラムに求められているのは、センスの開発とスキルの修得であり、OJTやoff JTを含め、図書館就職後に専門職として如何に育てるかという視点が重要であろう。

3. 図書館職員に必要な資質能力について(石川委員)
 
公共図書館に求められる役割・技能は、利用者の図書館利用の目的から、有効な資料収集と提供、資料利用環境の提供、資料利用支援である。
公共図書館職員に必要な基礎的知識・技術は、多様な資料と多様な利用者を結びつける役割が司書であることから、多様な資料の特性を理解するための基礎的技能としての一般教養学、資料管理技能としての図書館情報学、適正化判断技能としての管理(者)学があり、多様な利用要求支援のための基礎的技能としての一般教養学、資料利用支援としての図書館情報学、適正化判断技能としての管理(者)学がある。
「これからの図書館像」で求められているサービスを人手で行うとするならば、相当レベルの技能者(最低修士・博士レベルの履修者)が必要となるため、改めて司書資格教育の整備・実現が急がれるであろう。
学習すべき内容は、実務司書養成レベルを目指し、学部共通基礎科目として心理学など(基礎共通科目)とコミュニケーション学など(専門科目1)、専門科目としてノウハウを中心に図書館情報学(専門科目2)である。
現行の「司書資格」科目・教育の問題点は、指定科目に大学間の差異が大きいこと、資格科目に差があること、公共図書館以外の図書館でも司書資格を有していれば専門家として扱われることである。
指定管理者制度導入やPFIに向けて、自治体から民間企業への要求仕様の差をなくすため、専門家養成を目的として、筑波大学・大学院図書館情報メディア研究科図書館経営管理(者)養成コースが大学院修士課程で民間企業からの寄付講座として設置された。1年間の修士課程コースで7科目の履修者を自治体からの要請に従って派遣を行っている。
「これからの図書館像」から図書館技能(職務)を抽出し、抽出職務から職務範囲の検討・明確化を行い、その職務遂行に必要な技能の検討・教育科目の抽出を行い、抽出科目を教育科目として設計する必要があるのではないか。

(生涯学習政策局社会教育課)


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