関係団体等からの意見の主な内容

資料1

平成20年10月17日

●総論

  • 「図書館資料に関する科目」の単位が現行より減少し、他方「図書館経営に関する科目」が増加しているのは、明らかにバランスを欠いていると思われる。地域の住民に情報を効率的かつ効果的に提供するためには、図書館で扱う資料について知識及びその整理、組織化が不可欠であることを考慮願いたい。

    【社団法人国立大学協会】

  • 平成22年4月に向けて新設科目や単位増加科目について、各大学は省令改正の平成21年3月からの短期間で教科書をつくることになり実施準備には大きな支障がある。
  • 新設科目や単位増加科目には演習や実技実習的な内容が求められるものが見受けられ、社会人学生にとってはスクーリング単位数の増加が大きな負担となる。

    【財団法人私立大学通信教育協会】

  • 図書館経営や制度・行政論にかかる科目、演習にかかる科目、情報にかかる科目が増加したことを評価する声が多い。ただし、逆にその点を重視しすぎているとの意見もあった。また、その点を重視することに反対するわけではないが、基本的及び実践的な知識や技術の習得に必要なサービスや資料、図書館史といった科目が減少していることを懸念している意見もあった。

    【全国公共図書館協議会】

●単位数について

  • むやみに単位数を増やすのではなく、それが司書資格にとって必要な科目がどうか精査を求める。

    【社団法人国立大学協会】

  • 1単位の演習科目(半期開講)を2単位(通年開講)に変更する部分が大きな負担増になる。学生は本科の学士課程に加え、様々な資格取得課程を複合的に履修しており、負担増は履修者の減少につながる。司書課程を修了しても図書館に就職できることが困難な状況の中で学生にとっては酷な改正である。

    【日本私立大学協会】

  • 最低取得単位数(20単位)の引き上げは賛成だが、取得希望者や担当教官の負担増、非常勤講師の増員などが予測されることから、日本図書館協会が提示している「24単位程度を大枠とし、最大26単位以内に収める」という程度が妥当。

    【公立大学協会】

  • 8単位の増加は教育課程にもかなりの無理が出るので、せめて4単位の増加にとどめ、「図書館特論」はオプション科目にするなど単位数の急増は避けるべきである。

    【全国公立短期大学協会】

  • 原則として全てを必須科目とし、24単位を大枠に最大26単位以内に収めること。また、現行の1単位を最小単位とする構成を維持し、1単位科目を2単位に展開するかどうかは各大学に委ねること。

    【社団法人日本図書館協会】

  • 単位数の増については、概ね賛成。ただし、短期大学での取得や就職後に取得する場合は、負担が大きいように思われる。現役の図書館職員に対しては、単位数の軽減措置の拡大などが考えられるのではないか。

    【全国公共図書館協議会】

●演習科目について

  • 社会人学生にとって演習科目の新設や単位増によるスクーリング単位数の増加は大きな負担となり、スクーリング受講がネックとなって資格取得を断念する者も見受けられる。また、このことは「教育振興基本計画」の第3章(3)基本的方向ごとの施策の4「いつでもどこでも学べる環境をつくる」に矛盾しているのではないか。

    【財団法人私立大学通信教育協会】

●基礎科目・図書館経営に関する科目

  • 生涯学習概論は司書・学芸員・社会教育主事共通なので、教育内容も統一されたい。

    【日本私立大学協会】

  • 「生涯学習概論」、「図書館制度・行政論」は各1単位でよいのではないか。また、「図書館制度・行政論」は図書館経営論の中に含めてもいいのではないか。

    【日本私立短期大学協会】

  • 「図書館制度・行政論(2単位)」は、「図書館経営論」が1単位から2単位になるから、「図書館制度・行政論(2単位)」は不要である。

    【全国公立短期大学協会】

  • 基礎科目関係は、「図書館経営論」を2単位とし、「図書館情報学」の中の情報に関する部分を1単位独立させ、現行4単位を6単位とする。

    【社団法人日本図書館協会】

●図書館サービスに関する科目

  • 夏休みに図書館で自主的に実習したいと希望する学生のために、例えば「図書館サービス演習」の中に含めるなどして、「図書館実習」を単位として組み入れることが望ましい。

    【日本私立短期大学協会】

  • 「図書館サービス演習」と「情報サービス演習」は統合して実施が可能である。

    【全国公立短期大学協会】

  • 「児童サービス論」を2単位とし、「図書館サービス及び児童サービスに関する演習」を2単位新たに新設し、現行7単位を10単位とする。

    【社団法人日本図書館協会】

●図書館資料に関する科目

  • 資料組織演習を現代的展開の内容に重点を置いて3単位とし、現行7単位を8単位とする。

    【社団法人日本図書館協会】

●選択科目・図書館特論

  • 現行の必修科目と選択科目を同一の取り扱いにして、一つの必修科目として扱うことには賛成。
  • これまで選択科目に含まれていた「図書及び図書館史」が試案で削られているが、基本的な知識として必要。
  • 図書館業務の機械化が進んでいるので、「情報機械論」のような新たな分野を設けることも必要。
  • 現在の選択科目の内容をどの科目に反映させるのか、教科内容の精査が必要。

    【日本私立短期大学協会】

  • 選択科目の「図書及び図書館史」の廃止が検討案とされているが、図書館の体系的理解には歴史学習が不可欠なことから、廃止の再考を求める。

    【公立大学協会】

  • 「図書館特論」の内容が必ずしも明確でなく必修とすべき根拠も見当たらない。

    【全国公立短期大学協会】

  • 「図書館特論」の内容について、基準を明確にしてほしい。

    【財団法人私立大学通信教育協会】

  • 選択科目を廃し、原則としてすべてを必須科目とすること。ただし図書館特論(2単位)は自由開講科目としてオプションの扱いで設定することとし、司書資格修得に必要な必須科目にはしない。

    【社団法人日本図書館協会】

●新課程への移行期間について

  • 現行科目のもとで履修している学生に不利益や新たな負担を生じないよう配慮するとともに、新しい科目の設置による大学側の対応等を考慮し、法令改正後の経過措置についても検討が必要。

    【社団法人国立大学協会】

  • 科目・単位数のボリュームアップがなされると、専任教員の確保、非常勤教員の増員や教科書・教材などに大学にかなりの準備期間が必要であり、新制度移行前に入学した学生や履修時間の短い夜間主コース学生等に不利益がもたらされないよう、最低3年程度の経過措置が必要。

    【公立大学協会】

  • 教育職員免許法改正等のカリキュラム改正と同様に、適用時期の1年次入学生である「平成22年入学者」から改正省令の適用となるということを明確にする必要がある。
  • 平成22年度入学者に編入学生や科目等履修生も含むこととなると、平成21年4月の施行後1年間でカリキュラムの整備や教科書の作成が必要となり、大学に大きな負担を強いられる。特に短期間に教科書の作成が可能か懸念される。
  • 平成22年度編入学生にも改正省令が適用されると、改正前省令が適用される同学年の1年次からの在学生との混在による混乱が懸念される。
  • 最長で12年間の長期在学を認めていることから、学生によっては入学時に提示していたカリキュラムが在学中に変更となると、混乱が生じる恐れがある。このため、改正省令の適用は施行日以降に入学した者に限定し、施行日以前に入学した者については、入学時に提示している現行の省令に則したカリキュラムを修了することで、改正省令のカリキュラムを修了したものとみなすという解釈に統一することを希望する。

    【財団法人私立大学通信教育協会】

●その他

  • 文部科学省令が「大学における図書館に関する科目」に切り替わったあとの「司書講習科目」はどうなるのか(夏期休暇中に実施される「司書講習」はどのような取り扱いになるのか)。

    【日本私立大学協会】

  • 新たに設置される科目については、その新設の趣旨を活かすには、それにふさわしい人的配置を行い、着実な実施と成果についての綿密な自己点検評価と外部評価を行うことについて十分な配慮を求める明文化が必要。

    【公立大学協会】

  • 「教育職員免許法」では、単位修得が完了しなかった場合、卒業後継続して学修(科目等履修生等として)を行えば旧法の適用が受けられるが、「図書館司書」では、法令適用の有効期限はいつまでなのか。

    【財団法人私立大学通信教育協会】

  • 現行省令科目との読替えに留意し、司書課程専任教員を2人以上とする従来の指導を継続すること。
  • 司書講習科目は「大学における図書館に関する科目」に準拠して、それを下回らないものとし、資格取得の最低要件に差異を生じないようにすること。

    【社団法人日本図書館協会】

  • (短期大学における司書養成課程の意義・役割に対する認識などを問う質問)

    【日本私立短期大学協会】

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